もう一人のろくでなし魔術講師   作:宗也

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第8話

あれから1週間、魔術競技祭当日になった。女王陛下の宣言で魔術競技祭が始まった。だから歓声がすごい、つーかうるせぇ!!

 

「けど、女王陛下か。ルミアは大丈夫か?」

 

ルミアを見れば女王陛下を見て悲しそうな表情をし、女王陛下もルミアを見て、悲しそうな表情をする。似たもん同士だこりゃ。

 

ルミア=ティンジェルは偽名であり、本当の名はエルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ。名前長すぎだろ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング並に長いだろ。

 

帝国王室直系の血筋を持つ。すなわち、女王陛下の娘ということだ。

 

「まあ、勘の鋭い奴はあの雰囲気を感じて察知すると思うけどな。」

 

ただ、ルミアは【感応増幅者】と呼ばれる先天的異能力者だ。異能力者はこの国では悪魔だとかなんとかで迫害される。ルミアはその1人であり、王室の血をひいてることもあるため、女王陛下は娘を追い出したということになる。

 

「けど、苦渋の決断だったようだな陛下。」

 

だって女王陛下の視線がルミアを捉えているからな。片や、娘のためと思って追い出した母親、片や理由を知っていても認めることができず、心に傷を負った少女。なんとかならんかねぇ。

 

「まあ、そこら辺はグレンがなんとかするだろ。」

 

さて、最初は飛行競争だったな。ぶっちゃけそこまで良い順位に入れるとは思ってなかった。

 

何故ならこの『飛行競争』は魔導器を使ってレビデート・フライの呪文を唱えることで飛行し、学院敷地内に設定された一週五キロのコースを二人で交代しながら計二十周する競技だ。

 

だからグレンはこの競技を飛行スピードではなく、ペース配分が大事だと見て、ペース配分の練習だけしてろと二人にアドバイスをしていた。けど、それだけでねぇ。

 

「なんとぉおおお!? 飛行競争は二組が三位! あの二組が三位だぁ──ッ! 誰が、誰がこの結果を予想したァアアアアア──ッ!? トップ争いの一角だった四組が最後の最後で抜かれる、大どんでん返しぃぃ!!」

 

「あれー?うそーん。」

 

「マジかよ、マジかよ。」

 

なんかね、3位になっちゃってんだよ。つーか他のクラスの奴等がアホ過ぎだ。なんで最初からガンガン飛ばしてんだよ。

 

「やった!!3位ですよ先生!!凄いですね!!これも先生の指示のお陰ですね!!」

 

ちなみに競技祭の練習の指示はグレンがやった。だからシスティーナが興奮してグレンに話し掛ける。

 

「そそそその通りだ白猫!!この競技はスピードよりペース配分が大事だと思って、あいつらにはペース配分の練習だけさせただけだ。後は連中がペース配分に間違って自滅するのを待て、と指示しただけ。フッ。楽な采配だぜ!!」

 

冷や汗をかかず、体を震わせてなければ最高に格好いいのにな、動揺しまくりじゃねえか。

 

「これはもしかしたら!!」

 

「いけるわよ皆!!」

 

すげー盛り上がり、まあ祭はこうでなくちゃな。

 

「ちっ! たまたま勝ったからっていい気になりやがって!!」

 

1組の連中がこっちを睨んでるな。愉快愉快!何故なら1組の担任の、誰だっけ?ゲーハー先生だったっけ?そいつとグレンが祭で勝った方に給料三ヶ月分を渡すという賭けをしているからだ。

 

「たまたまじゃない!これは全部、グレン先生の策略なんだ!」

 

「そうだそうだ!お前らはしょせん、先生の掌の上踊っているに過ぎないんだよ!」

 

4組の連中も負けた腹いせにこっちを睨んでるから、2組が挑発してるな。いいぞもっとやれ!!

 

「な、なんだと!? くっ、おのれ二組、いきがりやがって! 俺達四組はこれから、お前達二組を率先して潰しにいくからな! 覚悟しろよッ!?」

 

「返り討ちにしてやるぜ! なんてったって俺達にはグレン先生とハヤト先生がついているんだ!」

 

「ああ、先生達がいる限り、俺達は負けない!!」

 

「ふふっ、だそうですよハヤト先生?」

 

「だそうだとグレン?」

 

「ハヤト先生に言っているんですよ?他人に押し付けるのは駄目だと思いますよ、ふふっ♪」

 

テレサ、笑顔で言うな。つーかその笑み怖いわ!!ハードル上がりまくってるじゃねえか。

 

「グレン、何かあったら責任とってくれ。常勤金欠講師さん?」

 

「その呼び方やめろ!!ってかこれ以上ハードルを上げないでくれ!!」

 

おおう、必死だなグレン。うん、必死なのはいいことだと思うぞ。

 

******

 

午前の部における競技は恙無く終了した。結果も上々と言えるだろう。飛行競争では三位、魔術狙撃も三位の結果だ。

 

「さて1組との点差は、そんなに開いてない。これは行けるな!!」

 

暗号解読ではウェンディが驚異的な速度で竜言語とかいうさっぱりわからない神話級言語を解いて一位、もしかしたら暗号解読の能力は俺より高いかもな。

 

そして精神防御においては、ルミアが獲得した一位。そりゃそうだ、いつでも死ねる覚悟を持って過ごしてるからそこら辺の生徒よりは断然にメンタルが強い。

 

「けど、死ぬ覚悟を生きる覚悟に変えてほしいんだけどな。ルミアの性格上、厳しいだろうな。」

 

どうしたもんかねぇ、結果的に総合して二位に落ち着いているが、一位である一組との差も十二分に午後の競技では逆転を狙える範囲だ。良かったなグレン、飯が食えるぞ?

 

「さて、昼休憩に入ったし。飯でも食いにい……財布忘れた。」

 

やべえよ、布団の上に起きっぱだったよ。どうしよう、マジどうしよう。

 

「おーーいハヤトーー!!」

 

「んだよグレン?言っておくが、財布忘れたから飯奢れとか言われても無理だからな。」

 

「なん、だと!?」

 

グレンが俺の言葉を聞いた瞬間、口から魂が抜けていった。お前いつから飯食ってねえんだよ?

 

「どうすんだよ!?俺もう腹ペコで死にそうなんだよ!!せっかくハヤトの財布の中身をすっからかんにしてやろうと思ったのによぉ。」

 

「グレン、今から体の中身をすっからかんにしてやろうか?」

 

「大変申し訳ありませんでした!!だからその刀を捨ててくれるとありがたいですお願いします!!」

 

「わかったよ、ほら捨てたぞ?」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!おまっ!!人に向かって刀を投げ付ける奴がいるか!?」

 

「いや、捨てろっていうから。」

 

俺はグレンの言う通りにしてただけなんだが?

 

「馬鹿じゃねえの!?俺に刺さったらどうするつもりだったんだよ!?」

 

「グレンごと魔術で焼却するだけですが?」

 

「俺は燃えるゴミ扱いかい!!」

 

いや、粗大ごみだな。

 

「ったく、あんまし体力使わせないでくれよ。もうふらふらなんだわ。」

 

「ギャンブルで使い果たすからだ。少しは反省しろ。」

 

「あそこで表情を上手くコントロール出来なかったのが原因だな。もうちとポーカーフェイスの練習でもするか。いや、むしろ最初から慌てて油断させるとか。」

 

駄目だこりゃ。また有り金使い果たす気満々ですわ。

 

「俺は行くからな、それとタンポポやつくしは調理したら食えるからな。」

 

「マジでか!!早速採取に出掛けるぞ!!後に続けハヤト!!」

 

「てめえ一人で行きやがれアホ!!」

 

俺はグレンを蹴飛ばし、会場に戻る。

 

「ったく、俺も腹へってんだよ。飯は食わねえとやる気出ねえんだよ。食える草でも探すか。」

 

えっと、キョウチクトウやトウゴマだったっけ?食べられるの。まあ、毒草じゃなきゃいいか。

 

「どはぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ん?グレンの叫び声か。どうせルミアにでも化けてシスティーナの持ってきたサンドイッチを食おうとしたら、バレてゲイル・ブロウで吹き飛ばされたんだろどうせ。

 

「全く、弁当を作ってきてくれる人がいて羨ましいぜ。」

 

「あら、お久しぶりですねハヤト。」

 

「ん?まさかあんたから出向いてくるとはな女王陛下。」

 

ぶつぶつ文句言ってたら目の前に女王陛下がいたぜ、危うくトラブルになって国賊になるところだったぜ。

 

「どうせルミアの楽しそうな表情を見ていたらいてもたってもいられなかったから会いに行こうとしてたんだろ?」

 

「当たりです。貴方は読心術でも使えるのですか?」

 

「顔にそう書いてある。言っておくが、ルミアに会いに行っても赤の他人として扱われるぞ。それでも会いに行くのか?」

 

「ええ、例え反応が分かっていても、娘には会いたいのです。」

 

「そうかい、なら止めはしない。ただ、これだけは言っておく。取り返しのつかなくなる前に和解してこい。」

 

俺はそう言って女王陛下に背を向けて歩き出す。お互いね不器用なんだよ。見ていてむかむかしてくるんだよな。

 

「そう言っても、家族の問題に外野が横やり入れても無駄だしな。」

 

さあて時間は、げっ!!もう午後の競技始まるじゃねえか!!

 

「誰かぁぁぁぁ!!オラに飯を分けてくれぇぇぇぇぇ!!」

 

「何してるんですかハヤト先生?」

 

「キャーーー見られたぁぁぁ!!」

 

「何で女の子っぽい反応をしてるんですか。」

 

あっ?テレサか。そうか、ここ競技選手の控え室の前だったな。

 

「次の競技頑張れよ、まっ、心配はしていないけどさ。」

 

「はい、出来る限り頑張りますね。ですけど、私が他のクラスの人に勝てるのでしょう?」

 

「何言ってんだよ。大丈夫だ、テレサなら勝てるって信じてるからな。」

 

そう言い俺はテレサの肩を軽く叩く。テレサは少しびっくりしてたけど、緊張が解けた笑顔を見せてくれた。

 

「よし、楽しんでこい。」

 

「はい!!」

 

そう言ってテレサは競技会場に向かっていった。さて、俺はある所に行かなければな!!

 

*******

 

「ふぉぉぉぉぉぉ!!やべぇ、やべぇくらい腹が痛い!!」

 

あれか、そこら辺にある草を食ったのが間違いだったか!!トイレが近くにあって助かった。

 

「しかし、よう出るな。全身から毒素が抜け落ちた気分だぜ!!」

 

「おい2組、貴様は黙って用を足すことも出来ないのか!?」

 

「この声、まさかゲーリー先生か!?」

 

「ハーレイだ!!ハーレイ=アストレイだ!!」

 

いやはや、同じトイレの中にいるなんて奇遇ですなぁ。ゲーリー先生。

 

「ハヤトの方か、貴様何故ここにいる?」

 

「その台詞、そっくりそのまま返すぞ。」

 

「まあいい、午前の部で2組と大分差を縮められたが午後の部で圧倒的な差で優勝してやろう。覚悟しておくんだな。」

 

「トイレの中でそんなこと言われても、締まらないっすよゲーリー先生。」

 

「だからハーレイだ!!何度言わせれば気が済むんだ!?」

 

いやだって、さっきからゲーリー先生の方からピーゴロゴロっていう音が断続的に聞こえてるからさ。今まさに下痢になってるからゲーリー先生でいいかなと思った。

 

「ふん、今に見てろ。私の優秀な生徒達が圧倒的な実力を見せて2組に勝つからな!!」

 

「そんな事を言ったゲーリー先生に今行われてる競技の実況を聞かせて上げましょう。」

 

通信機をぽちっとな。

 

「2組のテレサちゃん!!50kgクリア!!」

 

「馬鹿な!!あり得ない!!」

 

「ねえねえ今どんな気持ち?ねえねえどんな気持ち?圧倒的な実力どころか2組が勝っちゃってる今の状況。」

 

「……。」

 

あれ?返事が帰ってこない。まさか失神でもしたか?

 

「まっ、これで1組との差も縮まっただろ。さあて、戻る……ってグレンから連絡か。」

 

珍しいな、何かあったのか?

 

「ハヤト、ルミアを見なかったか?」

 

「いや、見てねえな。ルミアがどうかしたのか?」

 

「いや、ルミアを競技会場に連れていこうと思ってな。あいつ今一人だからさ。」

 

「そうか、探してみるよ。」

 

そう言い俺は通信を切る。それと同時に外が騒がしくなってきた。

 

「なんだなんだ?やけに騒がしいな?」

 

トイレから出ると、王宮騎士団の兵士が必死に誰かを探していた。

 

「何か敵襲でもあったのか?」

 

一応、後を追い掛けて見ますか。何もなきゃいいんだが。

 

******

 

「目を閉じ動かぬことだルミア=ティンジェル。急所を外せば長く苦しむ事になるぞ?」

 

「止めてください!!ルミアを殺さないで!!」

 

「大丈夫だよテレサ、私は、怖くないから。」

 

おいおいなんだよこの状況、ルミアが木に縛り付けられて、テレサは地面に押さえ付けられてるな。グレンは、気絶していやがんのか。

 

「女王暗殺を企てたその罪、貴様の命で償え。」

 

「……はい。」

 

「何かの間違いです!!ルミアはそんなことしません!!」

 

「黙れ小娘!!貴様も女王暗殺に協力した罪で殺されたいか!?」

 

テレサは必死に押さえ付けられている兵士の腕を振りほどこうとしてるが、首筋に剣を突き付けられ、泣きながら黙った。

 

「急いで助けねえと!!だけどこのまま行くのは定番過ぎてつまらねえよな。そうだ、変身するか。」

 

とある本で見た人物に変身!!うん、これで行けるな!!

 

「ズッ、バァァァァァァァットォ!!」

 

「「「えっ?」」」

 

俺は魔術で飛行出来るようになったスクーター?というもので空を飛んでいる。そして、スクーターからジャンプして木の上に降り立つ!!

 

「HAHAHAHAHA!!」

 

「誰だ貴様は!?」

 

「ズバット参上!!ズバット救出!!人呼んで、アルザーノのヒーロー!!ティチャー、ズゥバアアット!!」

 

ふっ、決まった!!みんなの視線を独り占めだぜ!!

 

「何しているんですかハヤト先生?」

 

「違うぞテレサ君!!私はティチャー、ズゥバアアットだ!!誠実な生徒を縛ったり押し付けたり、あ・ま・つ・さ・え!!無実の生徒に女王暗殺の容疑を擦り付けたその罪。断じてゆるざん!!」

 

「貴様刃向かう気か!?貴様も女王暗殺を企てた協力者として捕らえるぞ!!」

 

知るかそんなこと、生徒が殺されそうになってるのに黙って見てる奴がいるか。

 

「ズゥバアアアアアアットォォ!!」

 

俺は木から飛び下り、テレサを押さえ付けていた兵士を蹴り飛ばし、気絶させる。ふっ、脆いな。

 

「ありがとうございます先生。」

 

「貴様!!この謎の男を捕らえろ!!」

 

「もう逃げてください!!貴方が捕らえられる必要はないんですよ!!」

 

「安心しなルミア君、すーぐに終わるさ。」

 

俺はルミアにそう言った後、向かってくる兵士に背を向ける。それを見たテレサは唖然とした表情をしていた。うん、可愛いな!!

 

「貴様、死ぬ覚悟が出来たようだな。」

 

「死ぬ覚悟?違うな、私は語ろうとしているだけだ。男なら、背中で語るもんだ!!」

 

俺は背中にマナを溜める。本当は尻に溜めようと考えたが、悲惨なことになったので止めた。

 

「喰らえ!!ズゥバアアアアアアットォォ!!ビイィィィィム!!」

 

背中から白色のビームを地面が抉れるくらいの威力で兵士達に向けて放つ。死ぬんじゃないかって?兵士達の装備には魔術の攻撃を軽減するものが付いてるから大丈夫。

 

「グレン、仇は取ったぜ。」

 

「勝手に殺すんじゃねえよ。生きてるわ。」

 

「あふん。」

 

いつの間にか来ていたグレンに蹴られた、良いじゃねえか別に。さっきま「力よ無に帰せ。」あっ。

 

「ハヤト先生!?やっぱり、あの変な人はハヤト先生だったんですね!?」

 

モロバレかよ、っとそんなことよりもルミアを縛り付けてるロープをほどかないとな。

 

「それより、何でテレサがここにいるんだ?」

 

「競技が終わった後、ハヤト先生を探していたらルミアが兵士の人に連れていかれそうになっていたので、止めていたら人質として捕らえられました。」

 

なるほと、悪いことをしたなテレサには。

 

「ハヤト、お前が倒しきれなかった兵士は倒しておいた。」

 

「すまんな、助かるよ。」

 

「ハヤト先生!!グレン先生!!どうして私を助けたんですか!?」

 

「見捨てたら白猫に叱られんだろ。あいつの説教は勘弁だからな。」

 

「俺はちょっとやってみたかった事があったから。」

 

いやー、満足満足。

 

「ふざけている場合じゃありません!!このままじゃ先生まで!!」

 

「「約束、だからな。」」

 

「ッ!!テレサ!!テレサもどうして私を助けようとしたのよ!?」

 

「友達が拐われようとしているのを見たからです。」

 

テレサは笑ってルミアにそう言う、ルミアは泣きそうになってるな。

 

「にしてと、無茶し過ぎだテレサ。俺が来なかったらどうする気だった?」

 

「すみません、でも、私はあの時助けてくれた、あの人みたいに誰かを助けたかったんです!!」

 

やっぱりそうか。テレサがあの時の子なんだな。

 

「おのれ反逆者どもめ!!成敗してくれる!!」

 

むっ、増援か。王宮騎士団はマジのようだな。

 

「おーおー、団体様のお出ましだぁ。どうするグレン?」

 

「もちろん、とんずらだ!!ルミア、ちょいと失礼。」

 

「えっ!?あの!?」

 

グレンはルミアをお姫様抱っこしたな。いいなぁ、羨ましいなぁ!!

 

「テレサ、逃げるぞ。」

 

「分かりましたハヤトせんせ……ッ!!」

 

「どうしたテレサ?足が痛むのか?」

 

「はい、無理矢理押さえ付けられた時に足を捻ったみたいです。」

 

ふーむ、ライフ・アップを掛けている暇はないしなぁ。

 

「なら、ちょいと失礼テレサ。」

 

「えっ?はは、ハヤト先生!?」

 

俺もグレンとオナジクテレサをお姫様抱っこする。テレサの顔が赤いけど、どうしたのかな~?(にやにや)

 

「「三界の理・天秤の法則・律の皿は左舷に傾くべし!!」」

 

俺とグレンはグラビティ・コントロールを使って高いところに飛び移る。

 

「あーもー!!どうして次から次へと厄介事ばかり起きるんだよ!!だから俺は働くのが嫌だったんだよ!!」

 

「んなこと言ってる場合か?今俺達はリアル鬼畜鬼ごっこしてるんだぞ?」

 

鬼は騎士団兵士、捕まったら死刑。あー笑えねぇ。

 

「まっ、美少女を抱えながらの逃走劇ってのを一度やってみたかったんだよな。」

 

「それなグレン!!」

 

んー?ルミアとテレサが顔が赤いな、何でかな~?俺は心当たりはありませんよ?


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