もう一人のろくでなし魔術講師   作:宗也

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第3話

その後、グレンの評価は一気に上がった。

 

やる気になったグレンの授業は、他の講師とは次元が違う。真の意味でその分野を理解し、その知識をわかりやすく解説する力があるこその実りのある授業。

 

「お前らは固有魔術を習得したいと考えているようだが、今は止めておけ。固有魔術はつくるのはそんなに難しくないからいつでもできる。」

 

俺?俺は黒板にグレンが言った事、それを要点だけまとめて書き出している。あと、分からない生徒がいたら質問に答えてやったりとかだな。

 

「むしろ汎用魔術を極めていけ。汎用魔術は長い年月をかけてつくられてきたんだ。汎用魔術を極めてから固有魔術をつくっても遅くはねえからさ。」

 

今は受講しに来る生徒がたくさんいて椅子が足りてない状況だ。後ろに立ってまで、参加してるよ。

 

「ほんじゃ、今日はここまでだな。」

 

「分からねえ所があったら調べるか質問をしろよ。分からねえ所を分からねえままにするのが1番駄目だからな。」

 

そう言い俺とグレンは黒板を消し始める。やれやれ、今日もたくさん書いたな。

 

「先生、まだ書ききってないので残しておいてください!!」

 

「や~だね!!フハハハハ!!」

 

グレンはシスティーナの言葉を無視して黒板の半分の面積の文字を消した。

 

「残しておいてって言ったじゃないですか!!」

 

「聞こえんな~?ザマーミロ~!!」

 

「子供ですかグレン先生は!!」

 

「男は皆子供なんだよ~!!」

 

グレン、楽しそうだな。少しは生き生きとしてきたな。良かった良かった。

 

「グレン、俺は荷物を運んでおくからな。」

 

「悪いなハヤト、黒板消し終わったら手伝ってやるから。」

 

「だから黒板を消さないでください!!」

 

「だが断る!!フハハハハ、止めれるものなら止めてみやがはっ!!物投げるのは卑怯だぞ白猫!?」

 

グレンとシスティーナが痴話喧嘩している内に、荷物をまとめて運び始める。はぁ、本20冊は重いな。

 

「グレンだったらな~、運ぶの手伝いましょうか?とか声をかけられるんだがなぁ。」

 

グレンの評価は上がったが、俺の評価はそこまで上がってない。何処へでもいる普通の教師まで評価は上がったらしいけど。

 

「やっぱり、黒板に文を書くだけじゃ駄目か。明日から俺も生徒にアドバイスをしていこうかねぇ。」

 

今もしてるよアドバイス、だけどそんなに効果はない。皆グレンの話に夢中だからな。俺の話なんて聞いちゃいないんだろう。

 

「おっ、着いた。」

 

考え事してると目的地にすぐ着くな。さて、教科書を置いて、あー腰いてぇ!!

 

「ハヤト、手伝うか?」

 

「いやいい、もう終わったしな。俺は屋上に行くけどグレンはどうすんだ?」

 

「俺も屋上に行く。」

 

さあて、仲良く二人で黄昏ますかぁ!!

 

******

 

「なぁ、グレン。お前変わったよな。」

 

今は生徒達が帰宅した放課後、俺とグレンは屋上で夕焼けを眺めていた。

 

「そうか?まあ、なんつーか。相変わらず魔術は嫌いだけどよ。反吐が出るけどよ。こういう風に講師をやるのは、悪くないって感じて来てるんだ。」

 

「そりゃ、良かったな。」

 

俺は、どうするか。正直、俺がいなくてもグレンは一人でやっていけるだろう。

 

「おーおー、夕日に向かって黄昏ちゃってまあ、青春してるね~!!」

 

「セリカか。何しに来たんだよ?お前、明日からの学会の準備で忙しいんじゃなかったのか?」

 

そうか、明日から魔術学会だったな。俺とグレンには関係ないが。

 

「おいおい、可愛い息子に会いに来ちゃ駄目なのか?」

 

「俺はセリカの息子じゃねえから。」

 

「グレンがこーんなに小さい時から面倒を見ていたのは私だぞ?母親を名乗る権利くらいある。」

 

あっ、俺忘れられてますね。このまま空気になっておこ。

 

「元気が出たようで、良かった。」

 

「はぁ?なんだよセリカ?」

 

「ふふっ。」

 

間抜けな声を出すグレンと、それを見て嬉しそうに笑っているセリカだった。まるで親子だな。

 

「お前、気づいてないのか?最近のお前、結構生き生きしてるぞ?前のお前は死んで一ヶ月経った魚のような目をしていたが、今は死んで一日経った魚のような目をしている。」

 

「なんだそりゃ?」

 

セリカ、その例えだとどっちも死んでるから変わりねえぞ?強いていうなら白骨化してるからしてないかだ。

 

「……心配かけたな。悪かったよ。」

 

おや?グレンは頭をかきながら恥ずかしそうにしてますねぇ。これは珍しいもんが見れた。ビデオに保存っと。

 

「いや、いい。私のせいだからな。その証拠に、お前は魔術をまだ嫌悪している。」

 

「なるほどな。で、魔術の楽しさを思い出して欲しくて、魔術講師か?ったく、俺とお前を結びつけてるのは、魔術だけじゃねーだろ。たしかに魔術は嫌いだが、お前まで嫌いなることはありえねーよ。」

 

今グレンの言った事ってさ、変に解釈すると軽い告白みたいなもんだよな?

 

「そうか、それならいいんだ。」

 

セリカが安心したように呟くと、屋上の出入口扉が開かれて、システィーナとルミアが現れる。

 

「あれ?アルフォネア教授。ひょっとして、私達お邪魔でしたか?」

 

「いいや。気にしなくていい。どうした?グレンに用事か?」

 

「はい。」

 

にこやかに笑うルミアはそう言ってグレンに近付く。あれ?俺ルミアやシスティーナにも気付かれてない?おーい!!ちょっとーー!?

 

「私達、図書館で今日の復習をしてたんですけど、どうしても先生に聞きたいことがあるって、システィが言ってました。」

 

「ちょ、それは言わない約束でしょルミア!?」

 

「ほぅ、このグレン大先生様に聞きたいことがあると?」

 

グレン、本当に嬉しそうな表情をしてるな。まあ、システィーナはグレンの為にも弄られキャラになってくれ。

 

「こうなるからこいつにだけは聞きたくなかったのよ!!すぐこの調子なんだから!!」

 

「すみません、このあとお時間ありますかグレン先生?」

 

「ああ、悪いな、ルミア。今日の説明は俺も言葉足らずだったから、多分そこだろう。図書館で教えてやるよ。」

 

そう言いグレンとルミアとシスティーナは屋上の出入口から出ていった。あの二人最後まで俺に気付かなかったな。

 

「さて、これで話せるな。ハヤト、お前はこれからどうするんだ?」

 

ルミアとシスティーナが出ていったのを見計らって、セリカがそう言ってきた。あえて気付いてないふりをしてたのか。

 

「俺は、もう少ししたらこの学院から去りますよ。俺はもう必要とされてませんからね。」

 

「ほう、何故そう考える?」

 

「俺がいてもいなくても現状そんなに変わらないですから。グレンの負担がちょっと増えるだけ。」

 

最近はグレンが話終わった時に、俺が捕捉をしようとすると、お前は話すんじゃねえよオーラが生徒から漂ってきているからな。

 

「この学院を去って、何をするんだ?」

 

「それは俺の自由だろ?またニートに逆戻りするのもありかなぁ。」

 

グレンは講師に向いていた。俺は講師に向いていなかった。そんだけの話さ。

 

「じゃあ辞めるのは何時にするんだ?」

 

「競技祭が終わってからだな。最後にあいつらの笑顔を見て去りたいからな。」

 

「ほう、てっきり明日明後日くらいに辞めるのかと思ってたぞ?」

 

まあ、そうしたいのは山々なんだけどな。まだ満足してない事があんだよ!!

 

「それに、まだ女子生徒のお腹やへそ、太股や胸や顔が見足りないんだ!!全員のを記憶に焼き付けてから辞めるね!!」

 

俺がそう言うと、セリカは大きなタメ息を付いた。そんなくだらない事言ったか俺?

 

「ハヤト、その為だけにまだ続けるのか?」

 

「ああそうだ!!20年間まともに女子と会話や二人きりになるという事がなかったんだぞ!?少しくらいいいじゃねえかよぉぉぉぉぉ!!」

 

この学院去ったらもう女子と関わる事がほぼないんだぞ!?俺女子の友達なんて一人もいないんだからな!!

 

「ハヤト、泣くな。みっともない。」

 

「グレンは女子生徒とワイワイしやがってよぉぉぉぉぉ!!しかもルミアもシスティーナもレベル高いじゃねえか!!リア充くたばりやがれ!!」

 

「大丈夫だハヤト、お前もいつかグレンみたいに女子とワイワイ出来るさ。」

 

「余計に傷付くからヤメロォォォ!!その優しさはかえって人を傷付けるんだぞぉぉぉぉぉ!!」

 

もういい、俺帰る。帰ってやけ酒してやるぅぅぅぅ!!グレンのバーーーーカ!!

 

******

 

「やべぇ、昨日は飲み過ぎた。」

 

あの後、酒を飲みまくったから寝過ごした。本当なら休日なのになぁ。前任のせいで休日も出勤ですよ。時間外労働の請求書出してやる。

 

「もう走っても間に合わねえな。まっ、たまにはいいか。のんびり歩……いてられねえな。」

 

なんだ?人がいなくなったな。人払いの魔術か。

 

「ん?あそこにいるのは、グレンと謎の男か!!」

 

明らかに謎の男がグレンに向けて魔術を放とうとしているな、そうだ、八つ当たりしよう!!

 

「お前はここで死ぬのだ「秘伝奥義!!千年殺しィィィィ!!」アッーーーーー!!」

 

「またつまらぬものを突いてしまった。」

 

「いや、ハヤト。お前なにしてんの?」

 

「えっ?秘伝奥義を謎の男に使用しただけですが何か?」

 

まあ、ただのものスッゴいカンチョーだけどな!!

 

「さてグレン、この見るからに怪しい男を縛っておいて。」

 

「任せな!!」

 

そう言いグレンは謎の男を甲冑縛りで縛った。うわぁ、色々と痛そう。

 

「グレン、何が起きているんだ?」

 

「テロだ。目的は分からないが学院でテロを起こそうとしてやがる。こいつは俺らをここで始末する奴だと思う。」

 

「学院でか、少し様子を見てみるか。定めよ・見渡せ・万象を見据えよ。」

 

今唱えたのは白魔 オーバー・センス。選択した五感の内の一つを拡張する魔術だ。俺が選んだのは目、つまり視力を底上げした。

 

「ふおぉぉぉぉ!!見える!!見えるぞぉぉ!!」

 

「わかったから、何が見えたのか報告してくれハヤト。」

 

「システィーナがチャラ男に実験室に連れてかれた。システィーナの両腕は縛られてる。」

 

「おいまさか。」

 

そのまさかだな。あのチャラ男ヤる気満々ですわ。

 

「とにかく、早く実験室に急ぐぞ!!よし、このブーツを履けグレン!!」

 

俺は羽の付いたブーツをグレンに渡す。

 

「なんだこれ?」

 

「ウイングブーツ。Bダッシュが出来るようになるぞ。」

 

そう言い俺は走り出す。このブーツは普通に走る速度の三倍まで走る速度を上げれる。

 

「おまっ!!これ速すぎるだろ!?」

 

「体が軽い。まるで鳥になったような気分だ!!これで、もう何も怖くない!!俺、このテロを解決したら女子生徒の頭を撫でるんだ。」

 

「フラグをポンポン立てるんじゃねぇハヤト!!」

 

*******

 

「ここだな。」

 

あの後、2分で実験室まで着きました。さて、早くシスティーナを助けてやらねぇとな。

 

「どうする?普通に入るかグレン?」

 

「普通に入るか。」

 

グレンが前、俺が後ろの立ち位置で実験室の扉を開けた。そこで見たのは。

 

「あぁ?なんだテメェ?」

 

チャラ男が服装が乱れているシスティーナの顔をペロペロと舐めていた。かぁ!!気持ち悪りぃ!!やだおめぇ!!

 

「「す、すまん。邪魔したわ。」」

 

「助けなさいよ!!」

 

見て見ぬふりをしようとしたら止められた。お楽しみの最中に邪魔するのは気が引けるなぁ。

 

「おい、そこのペロリスト。お前やってること犯罪だぞそれ?」

 

「ペロリストじゃねえ!!テロリストだ!!」

 

いやもう、ペロペロしてたからペロリストでいいじゃんチャラ男。

 

「つーかガキだからって、そこまでするのかお前。余程溜まっていたんだな可愛そうに。」

 

「先生達逃げて!!先生達じゃそいつらに勝てない!!」

 

「助けろって言ったり、逃げろって言ったり、どっちなんだよ白猫?」

 

グレンの言う通りだ。ん?チャラ男がグレンと俺に人差し指を向けてるな。

 

「ズドン!!」

 

チャラ男がそう言うと、人差し指から魔法陣が現れて、破裂した。

 

「「はっ?」」

 

「もう魔術は起動しねえよ。『愚者の世界』俺はこの固有魔術を使って俺を中心とした一定効果範囲内における魔術の起動を完全に封鎖させる。これが俺の固有魔術だ。」

 

「固有魔術!?テメェ、もうその領域に入っていやがるのか!!」

 

愚者の世界を使ったか、それを見るのは一年振りだなぁ。

 

「魔術の起動を封鎖って無敵じゃないですかグレン先生!!」

 

「まあ、俺も魔術を起動出来ないんだけどな。てへっ☆」

 

そう、グレンも効果範囲内にいるから魔術を使用出来ない。当たり前だな。

 

「「はっ?」」

 

「いやだって、俺も効果範囲内にいるんだから、起動出来ないのは当たり前だろ?」

 

あっ、グレンがそう言った時、システィーナが泣き始めた。

 

「ブハハハハァ!!魔術師が自分の魔術を封じてどうやって戦うんだよ!?バッカじゃねえの!?テメェさっさと「ふんっ!!」ゲハハッ!!」

 

「魔術が使えない?なら話は簡単だ。物理で殴ればいい。」

 

「て、テメェ!!」

 

チャラ男はそう言ってグレンに殴りかかったな。グレンはギリギリで避けてチャラ男の顔面を殴り付け、怯んだ隙に、重心が乗ってる方を蹴って、服を掴んで壁に叩き付けた。

 

「こ、これは帝国式軍隊格闘術!?テメェ、何者だ!?」

 

「グレン=レーダス。非常勤講師だ。」

 

「す、すごい。」

 

素人から見れば凄いんだろうけど、腕落ちたなグレン。あの頃よりキレがない。

 

「くそ、じゃあテメェだ!!」

 

「ハヤト先生危ない!!」

 

おっ?グレンじゃ勝ち目ないから俺に向かって来たか。俺だと勝てると思ったのか?

 

「喰らえ!!」

 

チャラ男がさっきと同じように殴りかかってきたから、殴ってきた方の腕を引っ張り、重心が乗ってる足を払って宙に浮かせ、回し蹴りを腹に喰らわせてチャラ男を壁に激突させる。

 

「テメェも格闘術を!?」

 

「俺は我流だ。さて、グレン、あれをやるぞ?」

 

「おーけー。最後は伝説の超魔術、魔法の鉄拳『マジカル・パンチ』で止めをさしてやる。行くぜハヤト!!」

 

「くうぅ!!」

 

むっ?チャラ男が身構えたか、でも無駄なんだよなぁ。

 

「「マージーカールー!!」」

 

俺とグレンはジャンプしながら拳を大きく振りかぶり。

 

「「パーンチ!!」」

 

グレンは首もと、俺はチャラ男がガードしている頭の側頭部を狙ってキックをする。

 

「「決まった!!」」

 

「キックじゃねえか!!」

 

「お前、分かってないなぁ。」

 

「そこら辺がなんとなく、マジカル。さーて、チャラ男、システィーナ以外にさらって行った人はいるか?」

 

俺はチャラ男をパンツ一丁にして縛り上げながら聞く。残り一人くらいいそうだな。

 

「誰がテメェなんか「言わなければ、もう1回マジカル・パンチを喰らわせようかな~?」言います!!言いますからそれだけは止めてください!!」

 

そんなにマジカル・パンチが嫌いか。

 

「ルミアちゃん、それに紫色の髪の子を連れ去った。」

 

紫色の髪、まさか!!

 

「定めよ・見渡せ・万象を見据えよ!!ッ!!グレン、俺はもう一人を助けに行く。ルミアは頼んだ。」

 

「紫色の髪ってまさかテレサ!?」

 

「当たりだよくそったれ。グレン、後で合流しよう。」

 

俺はそう言い残して実験室を出る。オーバー・センスで位置は把握したから目的地まではすぐに着ける!!

 

「オラァ!!」

 

俺はもう1つの実験室の扉を蹴り開ける。そこにいたのは、両腕を縛られて、首を締め上げられているテレサと荒い息を吐きながらテレサの首を締めているゲス男がいた。

 

「っち、もう少し楽しみたかったのによぉ。で、お前誰?」

 

「今すぐ離れろ。」

 

「あー?聞こえねぇなぁ?」

 

「今すぐ俺の教え子から離れろって言ってんのが聞こえねぇのか!?」

 

俺はゲス男に殺意をぶつけながら怒鳴る。

 

「先……生。逃げ……て。」

 

よく見ると、テレサの顔は殴られた痕が付いていて、制服が焦げていた。しかも、そこら辺に飛び散ってる血、もう我慢ならねぇ。

 

「俺っちを倒すのか?いいねぇ!!いいねぇ!!お前はヒーローみたいだなぁ!!だけどさぁ、俺っち負ける気がしないんだわ。」

 

「どういうことだ?」

 

「俺っちのコートにはなぁ、魔術を無効化する特別製のコートなんだよ!!」

 

「それがどうした?」

 

「これを聞いてもまだ諦めねえのかよぉ、まあいい。お前を殺して、このテレサちゃんもそっちに行かせてやるよ!!その前にたっぷりと楽しませてもらうけどなぁ!!」

 

ゲス男、こいつは人を苦しませたり、その顔をみることで欲求を満たす奴か。こいつのせいで!!

 

「先生……私に、構わないで、先生だけでも……。」

 

「こいつは泣けるねぇ!!痺れるねぇ!!まさに感動の場面ってやつだねぇ!!でもざ~んね~ん。テレサちゃんの先生は俺っちが殺「友には癒しを、仇なす者には戒めをシャインフィールド!!」ナニィ!?」

 

俺はテレサの足元に光の魔法陣を出現させ、ゲス男を衝撃波で吹き飛ばし、それと同時にテレサの傷や火傷を回復させる。

 

「お前!!これはなんだ!?魔術じゃねえのか!?」

 

「悪いな、今のは魔術じゃねえんだよ。」

 

俺がそう言うとゲス男は懐からロープを取り出し、俺を縛ろうとする。はっ、馬鹿が。

 

「縛っちまえばこっちのもんだ!!」

 

「やられると思うか?蒼破刃!!」

 

俺は魔術で刀を召喚し、衝撃波をゲス男に放って壁に激突させる。

 

「お前!!一体それは何だ!?」

 

「俺の固有魔術、『魔技開放』これはてめえらが知らねえ魔法や技を使うことが出来んだよ。さっきのシャインフィールドは魔法だ。」

 

デメリットは、固有魔術を使ってる間は、魔術の出力がかなり低下することだな。

 

「くそっ!!だがここで自爆すれば!!」

 

「させねえよ、集え暗き炎よ、宴の客を戦慄の歌で迎え、もて成せ!!ブラッティハウリング!!」

 

俺はクズ男の足元に魔法陣を出現させ、闇の炎を魔法陣から出現させ、クズ男を焼いた。骨も臓器も残らないようにな。


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