ランサーが倒れてすぐ、すかさずアサシンもここで討ち取ろうとした俺達であったが、思いの外にタフだったランサーに手を焼いている内に彼女はこの場から逃げおおせていた。腐ってもアサシン、気配遮断スキルを使われてはロマンさんでもお手上げのようである。
「申し訳ありません、マスター。鬼退治の英雄を謳いながらこの体たらく……みすみす敵を取り逃がすなど……」
「いえライコーさん。ここはこれで良いんですよ。ランサーに集中するよう指示したのは俺ですしね」
払ったコストに見合った成果は十分上げられたと思う。戦いが終わってしまえば、俺もライコーさんもほぼ無傷なまま、令呪ひとつで敵のサーヴァント一体を討った形になる。上等だろう。だからしゅんっとならないでライコーさん。さっきの戦いの反省会しましょうよ。俺また無謀な突撃しちゃいましたよ? 怒らないと駄目でしょ? めっておでこをつついてくれないといけないと思いませんか?
「それにしてもロマンさん、敵はツーマンセルで行動していました。これはこの特異点に召喚されたサーヴァントが結託しているということなんでしょうか?」
『それについては確かなことは言えないが……ジャンヌ・ダルクは旗持ちの英雄。メリュジーヌが竜を従え、ジャンヌがサーヴァントを統率することでフランスを滅ぼそうとしているのかもしれない。最悪の場合、召喚された残りのサーヴァントも彼女の支配下にあると想定した方がいいだろう……どのみちこれはまともな聖杯戦争じゃない。常に最悪を想定して行動したほうがいい』
まあそうなるだろうなぁ。と、なれば現状、ようやく1人ボスを倒しただけにすぎないというわけだ。先は長い……これが少年誌だったら絶対途中でグダグダ展開になるくらいの長さだよ。だってまだ特異点ってここ以外にも6つあるんだぜ? ひとつにつき7人倒し続けるとか気が遠くなるわ。バーン様だってそんなにたくさん部下いなかったろ。
考えてても仕方がない。とにかく時間が経つと苦しくなるのは戦力の少ないこちらの方だろう。敵がこちらの位置を特定しているかもしれないという懸念もある今、とっとと新しいサーヴァント召喚して先を急ぐべきだ。
ロマンさんもライコーさんもそれには概ね同意なようで、休憩もそこそこに召喚に移る。
さーて、新たな仲間の登場だ。もうライコーさんという巨乳お姉さん属性ヒロインはいるんで、今度はプリティーキュート可愛い系ロリっ子とか王道を征くツンデレ系お嬢様とかその辺が来てくれると美味しいですね。
「やっほー! ボクの名前はアストルフォ! クラスはライダー! それからそれから……ええと、よろしく!」
ボクっ娘はいいぞ。
なんとストレートな可愛らしさ。元気もりもりアホガールって感じ。こんな、こんなコッテコテのあざとい女の子に萌えるなんて……悔しい、でも可愛い!
ふーむ、なんて見事なピンクヘアー。この娘は確実にエロい。あらやだもう奥さん、彼女ってばミニスカに黒ガーターですよ。こんなもん履いてる女の子がエッチじゃないわけないんだよなあ。
「俺は藤丸立香。こっちはライコーさん。これからよろしく頼むよ」
「うんっ! 二人共よろしく!」
ぎゅっと手を握られ、勢い良く振られる。あー、これこれ。この気安くて無自覚にスケベを撒き散らすこの感じ。実にいい。遥かにイイです……。オハギのような中毒性だ。
『アストルフォか。シャルルマーニュの騎士の一人だったね。たしかイングランド王の息子、歴とした王子様で……あれ、王子───』
「うわーすごい! 何この声? どこから聞こえてくるの?」
ロマンさんの解説の途中だったが、ハイテンションなアストルフォによって遮られた。うーむ、正直なところアストルフォなんて英雄聞いたことないんだが俺。何やった人なん? さっきロマンさんが騎士とか言ってた気がするけど、姫騎士ってやつなのか? こんな可愛い子にくっ殺されたら俺辛抱堪らんよ。あの小さなおっぱいを執拗に攻めて泣きべそかかせたい。
そう言えば、意外に物知りなライコーさんならアストルフォのことも知っているだろうか。少し期待しながら彼女を見やる。
「あらあらまあまあ。子供は風の子、元気なのは良いことです。それに、あの瞳……邪念の影すら見えません。あれは一部の疑いもなく善なる英雄。マスターのサーヴァントとして相応しい」
こちらもこちらでアストルフォのことは気に入ったようだ。我が子を見やるが如き慈しみに満ちた眼差しを向けている。
結局アストルフォってどんなやつなんよ。もういいや、回りくどいことせず本人に直接聞こう。ライコーさんみたいに歳上って雰囲気もないし、友達感覚で気安く話しかけよ。アホっぽいし細かいこと気にしないでしょ多分。馴れ馴れしくしてればあっちも気安くボディタッチとかしてきてうはうはなんじゃない?
「なあアストルフォ。よかったら君が生前繰り広げてきた冒険について聞いてみたいんだけど、よかったら聞かせてくれない?」
「おっ! もしかしてボクに興味ある感じ? いいよいいよ! ん~、じゃあ何の話からしよっかな~……そうだ、これはボクがエデンの園に招待された時の話なんだけどね!」
その後に続く話を聞くと、多分かなり頭のやばい部類のサーヴァントだということがわかりましたとさ。
エデンとかいうどう見ても一般人じゃ行けないような所に招かれてリンゴを食べたと話したと思ったら、今度は女に振られて頭がおかしくなった友人の話になり、最終的に戦車に乗って月まで行ってきたとか。もうわかんねえなこれ。ライダーじゃなくてバーサーカーだろこいつ。
結論。この子は度し難いアホの子だ。かわいそうだから出来る限り優しくしてあげることにしよう。
結局どんなサーヴァントなんだかわからずじまいだったが……まああとでロマンさん辺りに聞きに行けばいいだろう。
「でねでね、これはボクが樹になったときの話なんだけど───」
「よしわかった! すごいなアストルフォは! 超すごい! じゃあこれからフランスを危機から救うために俺と戦ってくれるかな!?」
「フランスの危機!? それは見過ごせないね。よし、じゃあ早速行こうマスター! 来い! ヒポグリフ!」
言うやいなや、虚空からは上半身は鷲、下半身は馬のけったいな生き物が飛び出してきた。お前さっき戦車に乗って月まで行ったって話してたやろ。戦車に乗るからライダーなんじゃないんかい。ガールズアンドパンツァーじゃないんかい。俺は聞いてないぞそんなキメラの話は。
「まあ、これはまた奇天烈な生き物ですね。でも、雄々しくも愛嬌のある素敵な顔つきをしています」
「でしょでしょ可愛いでしょ? さあ出発だマスター、乗って乗って!」
颯爽とヒポグリフに飛び乗ったアストルフォが、馬上から手を差し伸べてくる。まあそれに乗るのには異論は無いんだが、これ3人も乗れるのか?
されるがままに手を引かれ、彼女の真後ろに腰を下ろす。続いてライコーさんも馬上に乗り込んだ。
「おっと、少し狭いかな? ほらマスター、もっとこっちに寄って! ライコーも前に詰めて詰めて!」
「あらあら。この様子では密着もやむを得ませんね。本当に仕方がないことですよこれは。失礼しますねマスター♪」
おほ~。ぎゅうぎゅうなんだよぎゅうぎゅう。前からも後ろからも女の子にサンドされて最高の気分じゃ。これだからアホの子は可愛いんだよなあ。
背中にライコーさんのご立派を感じながら、前はアストルフォの腰をホールドする。いやコレはアレよ。振り落とされたら大変だから。しっかりしがみつくのも当然のことだからさ。万一俺が落馬したら後ろライコーさんまで危ないからリスク管理のコレは必要なアレだから。
それにしてもアストルフォさん、さすがは女騎士というべきか。結構逞しい体つきですね。これは相当鍛えていらっしゃる。いやぁ天真爛漫なボクっ子が体つきだけは一人前なんて、このギャップが堪らないわけよ。ツボってモンを心得てる。10点満点中200点です。十倍だぞ十倍!
「行くよヒポグリフ!」
凛々しい掛け声とともに駆け出すヒポグリフ。あっという間にその足は地面を離れ、翼の羽ばたきとともに俺たちは空へと駆け上った。
実際これはめちゃくちゃ便利だなぁ。これからフランスを東西に徒歩で横断するってうんざりしてたから、渡りに船とはこのことである。
それにしてもすごい迫力だ。既に地上は遥か下。右を見ても左を見ても青い空、前と後ろは美少女。楽園はここにあったのだ。しっかし今回えらい快適な旅路だな。冬木の時は基本的にボロボロだったし何時死ぬかもわからんような状態だったのに。所長も生きてさえいればなぁ……。
「ねえマスター。そう言えばちょっと聞きたいことがあるんだけど」
柄にもなくしんみりしかけていると、不意にアストルフォがこちらを振り向く。さり気なく脇腹の辺りをふにふに揉んでいたのがバレたのかチクショウ。
「ボク達ってどこに行けばいいの? あと誰が悪いやつなの?」
オイオイオイ。アホだわコイツ。
「んー、とりあえず西ね。それじゃ行っくよー!」
カルデアについて、特異点について、目下のところの敵について一通り話したのだが、返ってきたのはわかったんだかわからなかったんだか不明な返事であった。
さしものライコーさんもニコニコ顔ながら頭に疑問符が浮かんでいる様子である。この場で一番理解の難しいアストルフォの脳内を推し量るのに今頑張っているのだろう。
『アストルフォは理性を蒸発させている英雄……すなわち、ええと……とてもユーモアのある人物なんだよ』
「いや~、そんなに褒められるとボクもちょっと照れちゃうな~」
ニッコニコである。まあ君が幸せなら僕は一向に構わないので。そのままの君で居てください。
びゅーんって感じにかなりの速度で飛行するヒポグリフの背に揺られながら進む。乗り心地も悪くないし前後は天国だしスピードも速いしで文句の付け所は無いのだが、これ本当に西に向かって飛んでるのか? ヒポグリフを操っている人間がコレなので些か不安である。まあロマンさんが何も言わないならこっちで合ってるんだろう。
それからしばらく空の旅を続けていると、ライコーさんが俺の肩を叩いた。
「どうしましたライコーさん?」
「マスター、右手前方の城、なにやらおかしな雰囲気です」
言われるがままにライコーさんの指し示す先を見る。目を凝らさないと見えないが……うん、たしかに城だ。しかもその周囲が広範囲に渡って焼け焦げたように黒い。そしてチラチラと動く小さな黒い影……。それから更に大きな黒い影が城の前を陣取っている。前者はワイバーンだろうが、後者は何だ?
『あそこは……オルレアン! まさか、ジャンヌ・ダルクはここに居を構えているのか!? よりにもよって、こんな……』
「ロマンさん?」
『オルレアンの乙女……ジャンヌ・ダルクのまたの名だ。ここはかつてジャンヌがイングランドとの戦いから救った土地なんだよ』
自分が救った街なら自分が滅ぼしてもいいってロジック? うーむ、俺にはよくわからんが……よし、スケールを落として考えよう。俺が今にも死にそうな子犬を拾ってその生命を救ってやったとしよう。後日元気になった犬が野生を取り戻して俺を噛み殺す。ぶっ生き返した俺は犬に復讐をする、と……。
なんかギャグ漫画の導入みたいになっちゃったな。考えても詮無いことだ。とにかく特異点の解決にはジャンヌ・ダルクとの接触は不可欠になりそうだ。
「あそこにジャンヌ・ダルクが居るの? ようし、それじゃあ突撃だ!」
「え?」
さて、どうするか。なんて考える暇もなく、アストルフォは先程にも増してヒポグリフを速く駆けさせた。
いや、おいちょっと待って。この特異点におけるボスでしょジャンヌって? 準備もなしにそんなこれ、はがねのつるぎを入手した時点で魔王の城に行くよなもんじゃないの現状。早くないかい展開が。
『少し落ち着こうアストルフォ、落ち着こう。いきなり敵の本丸を叩くのちょっと早急だと思わないかい君は?』
「でも、ジャンヌ・ダルクはフランス各地を竜で襲ってるんだろう? 苦しんでいる人がいる、誰が悪いのかも分かっている。だったらやることはひとつのはずさ。僕はシャルルマーニュ十二勇士アストルフォ! 人々の危機とあらば颯爽と現れて舞って散る! それが英雄さ! あ、散ったら駄目か」
そうか、それが英雄か。それはなんというか、めちゃくちゃ分かりやすいじゃないか。
世界の危機に颯爽と現れてすべてを救う正義のヒーロー、それこそが英雄であると……百理ある。それに他ならぬ歴史上の英雄がこう言ってるんだから、それが真理に一番近いのでは?
ちょっと俺、この特異点に来てからどうかしてたかもしれない。なんで俺こんな遠回りしようとしてたの? やれ霊脈を見つけないとダメだの、道中で味方になりそうなサーヴァントを見つけようだのと。
俺ってば主人公よ? 主人公ってもっとこう、ないない尽くしの圧倒的劣勢の環境で、根性とか勇気とか幸運とかを無限のリソースにしてシャカリキ頑張るものなんじゃないっけ? 実際この間の冬木の特異点での俺はどうだったよ。基本的に終始死にかけだったし、サーヴァントはライコーさんしか居なかったし、戦えないヒロイン二人をかばいながら戦ってたし。
なんか今回の特異点での戦いってさ……余裕ありすぎじゃない? 絶望が足らないわ。
おいおいおい、ちょっとちょっと。こんなぬるい戦いを繰り返しているようじゃあ覚醒なんて遠い未来の話になってしまうわ。主人公ならもっとアサルトしなきゃ駄目だ。英雄になるならもっと前のめりに走らなきゃ駄目だ。
「やろう、アストルフォ。一発デカイのをぶちかまそう。任せられるか?」
『立香君!?』
改めて考えればここで敵の本丸に突っ込むのもそれほど悪い手じゃないんじゃないか? 敵の数が未知数な今、電撃戦をかまして大将首を取るという手段は、冬木の特異点でアーサー王相手に仕掛けたものと大した変わりがない。
「大量のワイバーンに加えてサーヴァントまで居る、ただでさえ数で不利な戦いなんです。敵が戦力を一点に集中させ始めたらこちらに勝ち目はありません。ここは一息に攻め立てます」
『……そうか、考えがあっての事ならば、僕は君を信じよう。でもね、立香君。君は些か前に出すぎだ。君の肩には人類の未来が乗っていることを、重々承知した上で立ち回ってくれ』
ロマンさんはかなりしぶりながらも納得してくれたようだ。まあ気を楽にして俺に任せてくれよ。
「頼むぜ、アストルフォ」
「うん! まっかせて!」
アストルフォがグリフォンを操り、俺達はオルレアンへ向かって突き進む。
ゴマ粒ほどだったワイバーンの姿がはっきりしだすのと同じく、城の前を陣取る、他とはレベルの違う大きさの竜の姿まで明らかになり始めた。
周囲を飛ぶワイバーンなどとは比べ物にならない大きさの漆黒のドラゴン。バハムートだこれ。絶対バハムートだろこれ。
『あれは……! 竜種だ! そうか、あの大量のワイバーンはここから生じていたのか……! いくらサーヴァントでも相手にするのは分が悪い! 立香君、やはりここは引き返そう!』
ワイバーンの親ってこと? ふーん。でもロリ化も出来ないドラゴンなんて噛ませ以上の強さじゃ無いでしょ? 主人公の箔付けだけのための存在だからドラゴンなんて。俺は詳しいんだ。
「アストルフォ、行けそうか?」
「もちろん。さあ、魔力を回してくれマスター!」
望みのままに与えよう。本日の二発目、切り札を切っていこう。
「令呪をもって命ずる。宝具を開帳せよ、アストルフォ!」
ヒポグリフが更なる加速をする。ほうほう、このキメラ自体がアストルフォの宝具なのか。なんだろ、もしかしてこのまま突進するのかな?
え、突進するだけ? たかだか突進のためだけに令呪ひとつ使うの? 燃費悪すぎだろコレ環境問題に喧嘩売ってるよ。
「君の真の力を見せてみろ! ヒポグリフ!」
ヒッポちゃんが嘶き、全身が光りに包まれた。
オルレアンの城はぐんぐん近くなり、こちらに気がついたワイバーンやバハムートが殺到し始める。俺の背後ではヒポグリフの上に立ち上がったライコーさんが矢を放って応戦している。
ライコーさんの撃ち漏らしたワイバーンを物の数ともせず跳ね飛ばし、ひたすら真っ直ぐに進むヒポグリフ。コレはマジで突撃コースありかな。バハムートの土手っ腹に風穴開ける感じでしょうか。
いよいよ目の前に巨大な黒龍が迫る。間近で見るとスケールの違いが尚の事よくわかった。これ……ぶつかって大丈夫? 弾き飛ばされない?
「さあ、跳ぶよマスター!」
もう既に飛んどるがな。と思ったのも束の間、ほんの一瞬音が消えたような気がした。
「あれ?」
次の瞬間には、目の前にいた巨龍は消え去っていた。代わりに見えたのは、オルレアンの城。慌ててぐるりと首を巡らせれば、不思議な事に巨龍は俺達の後ろに居た。
「……すり抜けた……?」
『そうか! ヒポグリフは本来はあり得ない存在! その真価は次元の跳躍、あらゆる攻撃を無効化する宝具なのか!』
なんかロマンが合点がいったとばかりに頷いているが、ぼくにはなんだかわからない。取り敢えず一瞬だけアストロンが使える宝具ってことでよろしいか。
首をひねる俺を他所に、先程の突撃の勢いをそのままに、ヒポグリフが城に突っ込む。石の壁も何のその、障子紙が如く進行方向にある全てをなぎ払い、ひたすらに突き進む。
『この先にサーヴァント反応! 先手を取った今がチャンスだ!』
「ようし! 行けヒポグリフ! このまま突撃だ!!」
いつの間にやらロマンさんもノリノリである。つまり圧倒的有利ってことだな?
「やれ! 元気いっぱいに挨拶をぶちかましてやれアストルフォ!」
ならばイケイケドンドンである。何枚目とも分からぬ壁をぶち抜くと、一瞬広い部屋に出た様子が伺えた。いかんせんスピードが速すぎて、現状どうなっているのかわけがわからないのだ。ちらりと、視界に黒い人影が映る。着ているのはローブか? どことなく魔術師っぽいが……多分お前がジャンヌ・ダルクだな! くたばれジャンヌ死ね!
「こんにちはーっ!!」
「アーッ!!」
黒い影を跳ね飛ばした。凄まじい勢いで吹っ飛んだそれは、壁に叩きつけられ、轢かれたカエルみたいになってしまった。
「どーうどーう」
アストルフォの声でヒポグリフが停止する。静寂に包まれた城内、倒れ伏したサーヴァントはピクリとも動く様子を見せない。
なんか思ってたよりもでかいジャンヌ・ダルクだな。男みたいにガタイがいい。あと首元の赤黒のマフラーは何なのよそれは。そういうおしゃれがフランスで流行ってんの? パリコレなの?
まあいいや。勝ったッ! フランス編完!
と、言うことでオルレアン編前半終了です。
予定の投稿日よりも大幅に遅れた上、このように中途半端なところで区切って投稿してしまい、申し訳ありません。
次の一括投稿でオルレアン編は完結させるつもりですが、またしばらく時間が空いてしまいそうです。重ね重ねすみません。