錬成の魔王が問題児達と遭遇した様ですよ。   作:ゾンビ・デスコティーク

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今日は気が乗ったので投稿するぜ

後、コンビニで飯食ってたらとなりの奴がノロケ話してやがった。

リア充が……ギリ


錬成の魔王は誘拐されました。

「すげぇな……お前」

 

 少年はインクィーにそう言った。その顔は笑っているが目は笑っていなかった。

 

「……こんなのは何時もの事よ。今回のは私が参加者(プレイヤー)である分、まだ良心的よ」

 

「へぇ……良心的ねぇ」

 

 そしてインクィーは大蛇に近づくと先程よりは微弱な電流を発生させる。

 

「う……ぐっ」

 

「気が付いた見たいね」

 

『貴様は!────っ!』

 

主催者権限(ホストマスター)を使用されなかった分マシだったと思いなさい……それで私は貴方に勝った訳だけど、何かくれたりしないのかしら?」

 

『なっ主催者権限(ホストマスター)だと! まさか貴様は!』

 

「それ以上はお黙りなさいな。それで私に何かくれたりしないのかしら?」

 

 そして大蛇は黙り込むとすぐさま目の前に小さな木の苗が出現する。

 

「へぇ……水樹ねぇ」

 

 彼女は少し残念そうにそう呟く。

 

「見つけましたよ問題児様!」

 

 インクィーは声のした方を見るとそこには、箱庭の貴族である、ウサギがいた。

 

「おっ黒ウサギか」

 

 インクィーはその黒ウサギと呼ばれた少女を見ると少し顎に手を当て思案した後すぐさま2人の元に駆け寄る。

 

「当然です黒ウサギは〝箱庭の貴族〟と言われているのです……おや?」

 

 インクィーは黒ウサギの前に付くと水樹を黒ウサギに押し付ける。

 

「あげるわ。私には余り必要が無いもの」

 

 インクィーはそう言うと、今度は少年の方に顔を向ける。

 

「初めまして私の名前はインクィースィトール・ウェーリターティスよ」

 

 そしてスカートをつまみ片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたカーテシーと呼ばれる挨拶をする。

 

「ハハ、こちらは逆廻十六夜様だよろしくなお嬢様」

 

「インクィースィトール……まさか! 十六夜さんその子から離れて下さい!」

 

 黒ウサギはどうやらインクィーの正体に気付いたのか慌てて十六夜にそう言った。

 

「おいおい、どうしたんだ黒ウサギ?」

 

「彼女の行動は正しいわよ、この箱庭においてわね」

 

 怪訝な顔でそう言う十六夜にたいしインクィーはそう応える。

 

 そしてそのまま空中を浮遊して黒ウサギ達から離れる。

 

「改めて名乗るわ。私の名前はインクィースィトール・ウェーリターティス真理の探求者にして錬金術を極めし〝錬成の魔王〟よ。そしてまた会いましょう十六夜さん」

 

 そして彼女はその場から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

─────ーーーー………

 

 

 

 

 

 

 インクィーが去った後、取り残された十六夜と黒ウサギ。

 

 そんな中、十六夜が口を開く。

 

「なあ黒ウサギ」

 

「はい……何でしょうか十六夜さん」

 

「箱庭ってのは魔王何ていう素敵ネーミングの奴が結構いたりするのか」

 

「あ、はい……ですが恐らく十六夜さんが思い描く魔王とは差異があるかと」

 

「そうかなのか?」

 

「えぇ……魔王とは主催者権限(ホストマスター)と言う箱庭の特権階級を持った修羅神仏の事で、彼らにギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断る事は出来ません。酷い場合は、コミュニティの活動していく為に必要な全てすら奪われてしまいます」

 

 黒ウサギはそう言うと最後に僅かながら険しそうな顔になる。

 

「へぇ……なぁ黒ウサギ」

 

「はい? 何でしょう」

 

「俺達に、何か決定的な事を隠してるだろ?」

 

 

 

 

 

─────ーーーー………

 

 

 

 

 

 

 インクィーは現在、数人の男達に捕まり何処かへ運ばれていた。

 

 と言うのもあの後適当にふらつき、見知らぬ荒野を見つけたので適当に散歩をしていたら、数人の男達に取り囲まれ捕まったのである。

 

 本気を出せば直ぐに蹴散らせれるのだが、余興と興味からわざと捕まり現在にいたる。

 

 そして、自分は何処かの建物に辿り着き、しばらくするとピチピチのタキシードを着た大男が目の前に現れる。

 

「フォレス・ガロのガルド・ガスパーか……」

 

 インクィーは男を見てそう言う。

 

「ハッそうだ……そんでもってあんたはノーネームとのゲームの為の大切な人質なんでなぁ」

 

「ふーん、真理の悪魔であるコロンゾンと契約してる私を人質にねぇ……残念だけど私は貴方の言うコミュニティとは無関係だから人質の価値は無いわよ?」

 

 ガルドはその言葉を聞いて戸惑う。

 

 コロンゾン、人が真理に近付こうとすればそれを妨害するとされる悪魔だ。

 

 だが裏を返せばそれは真理に最も近い悪魔でもある。

 

 そしてそのコロンゾンと契約したとされる人物はこの箱庭に置いて一人しかいない。

 

 コロンゾンにその魂を売り渡した稀代の錬金術師にて自らを真理の探求者と名乗る者、インクィースィトール・ウェーリターティスまたの名を錬成の魔王インクィー。

 

 ただてさえ魔王とは箱庭に置いて最強最悪の天災だ。

 

 それゆえにガルドは今の状況は絶望が目の前にいると言っても過言では無い。

 

 だからこそ、ガルドはその現実を受け入れる事が出来なかった。

 

 結果、ガルドが思ったのは目の前の少女が嘘をついている。すなわちハッタリだと考えたのである。

 

「ハ、ハッタリだろ? 自分が魔王と名乗れば助かると思う見え見えの嘘何かに俺は騙されないぞ」

 

 そんなガルドを見て、目の前の少女は笑うああ、何て愚かで滑稽なのだろうと。

 

「あら? それは残念」

 

 インクィーはそう言うとガルドは目を見開く、何故ならインクィーの背後の壁から手が足が飛び出し次に頭胴体と石でできた騎士が出現したのだ。

 

「信じて無さそうだったから、ゴーレムを一機製造したのだけれど? これで駄目なら人口太陽でも錬成しましょうか?」

 

 少女は愉快そうに笑う、そしてガルドは理解する。

 

 目の前の少女は本物なのだと……


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