以前から書いてみたかった艦これの話です。
やってみたかったことを詰め込んだだけです
できればこの作品が皆様の暇つぶしにならん事を
何が楽しいんだろう、私を抱いて。
私の上で必死に腰を振りながら、快楽に溶ける顔をしている男を見上げて思う。
一体何が面白いんだろうと。
行為が終わり、私をそのままにソイツは服を着て部屋から出る。出ていったのを見届けてから起き上がり、下腹部から流れ出る白いモノを少し眺め、無視して立ち上がってシャワールームへ。そのままシャワーを浴びて汗やらなんやらを洗い流す。そしてまたベッドで次にくる相手を待つ。
それが私の日常。
そのはずだった。
続いて部屋に入って来た人間は誰しも見覚えがあって、誰しもが畏怖する人物。
「・・・珍しいね、総帥が来るなんて・・・、
曖昧な、それでも男を誘うようだと言われた笑顔を向ける。そうすればこの男から帰ってくるのはただ一言。
「黙れよ不良品が。貴様誰に口を聞いていると思っているんだ」
ああ相変わらずこの男は、
「相変わらずだね・・・、もちろんわかってるさ。この部屋に来るのは物好きなヤツか性欲を処理したいヤツのどちらかだから。違うかい?」
腐っている。
「黙れと言った不良品。ここには海軍総帥として来ている」
「それはまた珍しい事・・・。私の処分法でも決まったのかな・・・?」
しかめっ面の男にそう返せば首を振られる。
「本当なら深海に沈めてしまいたい所だがな、貴様には俺の踏み台になってもらわなければ困るんだよ」
ああ、またその話か。本当にこの男は世迷言が好きだ。
私がこの部屋に押し込められたのが三年前。その頃には突然発生した深海戦艦に人類は制海権を掌握された。現行兵器では歯が立たなかった深海戦艦相手に戦えたのは、唯一。艦娘という存在。海軍が発見した艦娘は、唯一深海戦艦に対抗出来る存在として持て囃された。
そんな時にこの男は総帥になった。勝利を手にするためなら犠牲も厭わないやり方もあって、最初こそは反発を生んだものの、結果を出しているので誰も何も言えない。
そんな男の唯一の汚点。それが私。
『深海戦艦移植計画』
敵である深海戦艦の細胞などを人間に移植し、敵を操ろうと考えた作戦。
活気的だと持て囃され、数千人の犠牲を出して、
私はその生き残りだ。
失敗作として、生き残った。
さっさと処分してしまえばいいものを何を思ったのかこの男は自分の踏み台にして利用してやるという出来るかどうかもわからない妄言のために生かしている。
利用価値が思いつかないのか性奴隷の働きが主だったが。
「・・・まだ私が役に立つと本気で思い込んでいるのかい?私に失敗作の烙印を押してこの部屋に閉じ込めたのは誰だったかな?」
「フッ・・・、俺は悟ったんだよ。ここで貴様を腐らせておくのも勿体ないとな」
「・・・ならさっさと潰せばいい。失敗作とはいえど中途半端に混ざってるんだ。
「私とて今日ここに来る前にはその考えだったさ。しかしある報告書を見て気が変わった」
そう言って私に一枚の紙を放り投げる。それはとある鎮守府に対しての調査報告書だった。
「・・・これがなにか?」
「どうやら俺に隠れて不正をしていた馬鹿がいるらしくてな。艦娘を乱雑に扱い兵器として利用するのには何も言わんさ。だが資材をちょろまかし、私腹を肥やすということを俺以外がやるのは納得がいかん」
「・・・横暴とかそんなレベルじゃないね・・・。自分はいいけど他人がやるのは気に入らないなんて」
「俺は許される。その為の地位だろうが」
「というかコレを私に見せてどうする気なのさ。まさかココに着任しろとでも?」
「物分りがいいじゃないか。そこでお前が立てた手柄は俺の物になる。廃棄寸前のゴミを使い潰すのに最高だとは思わんか」
「・・・それを使い潰す側に聞くかい?普通」
「貴様は黙って俺の言う通りにしていればいい。そこに必要な路銀と提督服は入っている。使え」
その言葉通りに置いてあった段ボールの中から提督服であろう服を引っ張り出す。それでも着る気にはなれなかった。派手すぎる。
唯一残ってた黒いシャツと同じく黒いパーカー、同じく黒いズボンを履いて、靴を履き地下を出て駅を目指す。そこから電車で揺られて、降りた場所から歩くこと一時間ちょっと。
そうやってたどり着いた鎮守府は、普通の鎮守府だった。
「・・・割と普通だ」
「悪かったね、普通で」
声のした方を振り返ると、セーラ服?みたいなものの下に黒いサラシのようなものを体にまいている。黒髪の女の子が立っていた。
「アンタが新しく来る提督?」
「・・・そうですよ」
そういった私の頭に、拳銃が突きつけられる。
「必要ない。帰んな」
感情を一切排した声で言われた。
「・・・そうはいかないんですよ。司令書も貰ってきてしまいましたし」
「ハッ、あのクズが処分されたのは嬉しかったが、どうせ上のクズ共がまたよこしてくるような人間だ。クズ野郎なのは間違いない」
そう言った彼女の目には深い憎悪が宿っていた。
「そうですね、クズなのは間違ってませんけど、野郎では無いですよ。こんなんでも一応女です」
「ハッ、面白いなアンタ。そこまで死にたいのかい?」
「ああそれと」
そこまで言って彼女の持っている拳銃を掴み、握り潰す。
彼女は握り潰す前に拳銃を離し、後ろに飛んでいた。
「・・・何者だよ、アンタ」
「えーっと・・・、そうですね」
私はあらかじめ右眼に巻いていた包帯を剥がす。
そこには
紅く光を放つ
「貴方達の敵だったもので」
謳うように言葉を紡ぐ
「貴方達と同じになれと期待されたもので」
彼女の驚愕の顔を見ながら私は謳う
「貴方達に慣れずに廃棄されるはずだったもの、だよ」
私の紫の右眼と、蒼い左眼で彼女を見て、静かに微笑む。
「そして今日から、貴方達の提督です」
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