情報好きな少女の青春はまちがっている   作:銅英雄

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※この小説を読む時は本編のタイトルを忘れて暖かい目で読んでください。


第1話 少年は泣き女性は受け止め2人は羞恥で悶える

八幡「がはっ!げほっ……!」

 

俺は生きているのか?死ぬことが出来ないとはな……。ぼやけた視界が段々晴れてきて、目を開けると1人の女性が俺の顔を除き込んでいた。

 

美咲「気が付いた!良かった……!本当に良かったよ!」

 

女性は目に涙を溜めながら俺が意識を取り戻した事を喜んでいるようだ。

 

美咲「此方で暖を取ってるからゆっくり暖まってね!」

 

八幡「は、はい……」

 

状況が掴めず、確認の為に女性を見てみる。

 

身長は160センチないくらいか……?顔は可愛い系とも取れるし、綺麗系とも取れる。さっきの涙目と直後に見せた笑顔に見惚れてしまったのは内緒だ。

 

……いかんいかん!雑念を振り払え俺!そんな目で俺を助けてくれた人を見るもんじゃない。

 

美咲「くしゅっ!うう……。やっぱりこの時期の海は冷たいね。翌日風邪引きそう……」

 

助けてくれた……?待て。さっき俺は海に入って自殺を試みたんだぞ?しかも見ず知らずの俺を助けたのか?

 

八幡「な、なんで……」

 

美咲「ん……?」

 

八幡「なんで俺を助けたんですか?」

 

只々疑問だった。俺なんか生きている価値もないだろうに。

 

美咲「……わからない」

 

わからない……?どういう事だ?

 

美咲「でも私は君を死なせたくなかった。理由は知らないけど、君は自殺しようとしてたんでしょ?」

 

八幡「はい……」

 

俺が自殺しようとしていた事は見透かされている訳か……。

 

美咲「私はそれが嫌だった……。このまま君を死なせてしまうと一生後悔する……そう思ってたら体が動いてたんだ」

 

えへへとはにかむ女性はそれだけで絵になる。1枚の絵画が俺の目の前に現れたのかと錯覚してしまう程だ。

 

すると女性は真剣な顔付きで俺を見上げる。

 

美咲「……君は自殺しようとしてたんだよね?」

 

八幡「はい……」

 

美咲「それは自分の人生に絶望したの?」

 

八幡「えっと……。言ってる意味が……」

 

言ってる意味がわからん。確かに俺に対する苛めは当たり前になっている人生には絶望したし、失望もした。この女性の真意はわからないけど、何故かこの人なら話しても良いんじゃないかと……思えてしまう。

 

八幡「……はい。多分俺は自分の境遇が嫌で、何もかも捨ててしまおうと思っています」

 

美咲「そっか……」

 

女性は俯く。そして顔を上げて俺の手を握って……。

 

美咲「それなら君の人生を私に頂戴。君にどんな困難が待ち受けようとも私が君を守るから!」

 

八幡「え……」

 

何を言われたかわからない……。でもその言葉をトリガーに涙が止まらない。

 

八幡「あれ……。なんで涙が出てくるんだ。どんな酷い目に遭っても、涙を流す事なんてなかったのに……!」

 

美咲「……私は君に何があったのかは知らないし、聞かない。でも泣きたい時は泣いても良いんだよ?」

 

その言葉で俺は大きく泣いた。彼女に胸を貸してもらい泣いた。こんなに泣いたのは何時ぶりだろうか……?

 

 

~そして~

 

落ち着いた俺は女性の胸に顔を埋めて泣いていたのを思い出しては心の中で身悶えている。ああ恥ずかしい!なんで俺はあんな事を……!

 

八幡「すみません……」

 

美咲「気にしないで良いよ。君にも色々あったんだよね?それこそ自殺したくなる程に……」

 

八幡「そう……ですね」

 

そういえばこの人はさっきとんでもない事を言っていたような……。

 

八幡「あの……」

 

美咲「どうしたの?」

 

八幡「さっきの発言って本気なんですか?」

 

美咲「えっ?さっきの発言……!!」

 

女性は自分の発言を振り替えると突如顔を赤くして両手で覆い始めた。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sidein

 

 

八幡「さっきの発言って本気なんですか?」

 

助けた男の子が聞いてくる。さっき……?

 

美咲「えっ?さっきの発言……!!」

 

ああああああ!わ、私はなんて事を!!あれじゃあプロポーズ同然だよ!

 

多分今の私の顔はとても赤いだろう。顔を両手で覆ってるけど、絶対に赤い顔を見られてるよ……。

 

由輝子「先程のプロポーズは大胆でしたね。美咲さん」

 

八幡「うおっ!!」

 

美咲「ゆ、由輝子ちゃん!?一体何時から見てたの……?」

 

由輝子「何を言ってるんですか。私はずっと美咲さんと一緒に行動してましたよ」

 

そうだった……。由輝子ちゃんは自身の気配を消す事が出来るんだった。誰が教えたんだろ?

 

八幡「え?ずっと……?じゃあ俺が泣いていたのも……」

 

由輝子「勿論見てました」

 

男の子の方も由輝子ちゃんがずっと私の側にいた事がわかって顔を赤くして身悶えした。……うん、その気持ちよくわかるよ。

 

八幡「それにしてもこの俺を上回る存在感の薄さだと……?」

 

美咲「そこが気になるの……?」

 

由輝子「彼は私と同じタイプですので、その点が気になるのもわかります。それよりも自己紹介をした方が良いんじゃないですか?美咲さんもプロポーズをしたのが名前も知らない男の子だと色々問題がありませんか?」

 

た、確かに……。プロポーズ云々は置いておいて、あんな事を言った手前名前も知らないのは問題かも。

 

美咲「じゃあまずは私からだね。私は佐野美咲だよ!よろしくね!!」

 

八幡「は、はい。比企谷八幡です……」

 

比企谷八幡君……。そういえば由輝子ちゃんと同い年で同じ学校なんだっけ?

 

由輝子「最後は私ですね……。剣由輝子です。よろしく御願いします」

 

美咲「全員の自己紹介が終わったところで……」

 

由輝子「それよりも先程の美咲さんのプロポーズについて色々と聞きたいんですけど……」

 

美咲「プ、プロポーズのつもりじゃ……。でもこれ以上話すとなると八幡君に事情とかも聞かないといけない訳だし、八幡君も初対面の私達には話したくないだろうし……」

 

うん、我ながら完璧な言い訳だね!八幡君のプライバシーを守りつつ、私と八幡君にとって恥ずかしいシーンも忘れられる……。

 

八幡「……俺は別に構いません。それに佐野さんに言われた事がとても嬉しかったです」

 

……まぁそんな気はしてたよ?勢いで言っちゃった感はあるけど、あの言葉に嘘偽りはなく本気で八幡君を支えたいって思ったからね。

 

美咲「……わかった。此処じゃなんだし、家に来て。ゆっくりと話そう?」

 

八幡「そうですね……」

 

由輝子「そうと決まれば早速行きましょう」

 

八幡君も了承したので、私は電話でタクシーを呼んだ。それよりも由輝子ちゃん、心なしかワクワクしてない?




本編との相違点

7 八幡はチョロイン(少年の心は何時までも純粋だ!)

8 由輝子に気配遮断スキルを伝授した師匠の存在あり(そのキャラは後に登場予定)

9 美咲は恋愛関連になるとポンコツ?(恋愛未経験だからね。しょうがないね)

10 由輝子は美咲の恋愛話に食い付く(だって恋バナは気になっちゃう……。女の子だもん!)

11 実はヒロインは八幡!?(美咲さんはイケメン(美少女)。ハッキリわかんだね!)



他にも作者が気付いてない相違点があるかもですので、感想の際(感想を書いてくれる優しい人が果たしているのか……?)に教えてくれるとありがてぇです!

時系列考え中。

  • 中学 戸松さんに告白後
  • 高校 ささきさんに告白後

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