剣由輝子です。私は今置いてけぼりの状態になっています。
綾香「へぇ~。八幡君は高校時代はネトマ中心で麻雀を打ってたんだ?」
八幡「そ、そうですね。だからプロ選手とかで見るオカルトには余り縁がありませんが……」
綾香「それなのに私のファンって言うのが嬉しいねぇ!ネトマ打ちなら、大体は『のどっち』のファンなのに……」
八幡「いえ、俺からすれば『のどっち』は打ち方が綺麗過ぎるんですよ。あれも一種のオカルトだと思っています」
綾香「成程ねぇ~」
……このように八幡君が綾香さんに取られています。NTRです。
美咲「え、えっと……。由輝子ちゃん大丈夫?」
由輝子「何も問題ありません。八幡君が私の彼女である事を忘れてさえいなければ……」
まぁ私は八幡君の事を信用していますし、八幡君自身も綾香さんに対しては1人のファン……という認識でしかなさそうですので、特に問題はないでしょう。……ないと思います。
美咲「ああっ!由輝子ちゃんがどんどんネガティブに!?」
こうなってしまったのは今から2時間前の出来事……。
由輝子「八幡君、今日は何処に行きますか?」
八幡「由輝子は何処か行きたい所はないのか?」
由輝子「私は八幡君と一緒なら、何処へでもお供します」
それが……八幡君の彼女としての務めですからね。
美咲「あれ?由輝子ちゃんと八幡君だ!」
由輝子「美咲さん……。今日はオフですか?」
美咲「うん!だから今日は久々に綾香ちゃんと麻雀打とうかなって思って雀荘に行こうと思ってるんだ。綾香ちゃんも今日はオフみたいだしね♪」
美咲さんもそうですが、綾香さんもオフなのは珍しいですね。しかも同日に重なるなんて……。
美咲「2人はこれからデート?」
由輝子「そうですね。これから何処へ行こうか2人で悩んでいるところです」
こうして2人で行き先を悩むのもデートの醍醐味ですね。柄にもなく頬が緩んでしまいます。
綾香「美咲先輩、お待たせしました!」
美咲「そんなに待ってないよ。気にしないで」
綾香「……ってあれ?由輝子もいるじゃん。奇遇だね」
由輝子「こんにちは」
綾香「それで由輝子の隣にいるのって……前に言ってた由輝子の彼氏!?」
八幡「」ビクッ
綾香「ほーほー。成程成程……。確かに由輝子の言ってた通りだね。幾度も修羅場を潜り抜けてる歴戦の戦士って感じもする……」
由輝子「綾香さん、そこまでにしておきましょう」
綾香「おっとっと……。ごめんね?」
八幡「いえ……。あ、あにょ……!」
綾香「?」
美咲「?」
八幡「サ、サインくだしゃい!」
そうでした。八幡君は綾香さんのファンでしたね……。だから何処か緊張していて、台詞も噛み噛みなんですね。
綾香「えっ?私の……?」
八幡「は、はい!綾瀬プロのサインがほしいです!」
由輝子(八幡君と恋仲になって数年……。こんな一面もあるんですね)
八幡君の新たな一面を見れたと喜ぶ反面、少し嫉妬してしまいます。
それから今まで八幡君は綾香さんと麻雀で談義しており、私と美咲さんは空気です。
綾香「ねぇ、由輝子って麻雀打てたよね?」
由輝子「嗜む程度ですが……」
綾香「じゃあ今からこの4人で打とう!」
突如、私達4人で麻雀を打つ事になりました。現役トッププロとして活躍している綾香さんに私達が勝てる訳がないじゃないですか……。
後編はまた来年なのです。
時系列考え中。
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中学 戸松さんに告白後
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高校 ささきさんに告白後