情報好きな少女の青春はまちがっている   作:銅英雄

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オリ主視点で基本話を進めます。


第1章 高校生編
私と奉仕部


私は平塚(ひらつか)先生に呼び出されて職員室にいます。はて、何か呼び出されるようなことをしましたかね?

 

読者の方々に自己紹介をしていませんでしたね。私は剣由輝子(つるぎゆきこ)。情報収集が好きなどこにでもいる女の子です。どこにでもいない?知りません、知ったことじありません。……っと、メタ発言はここまでにして平塚先生に呼び出された理由を聞かねばなりません。

 

由輝子「平塚先生、私は何故呼び出されたのでしょうか?」

 

平塚「本当にわからないのかね、剣」

 

由輝子「わかりません」

 

平塚「無表情で言うなよ……」

 

私は無表情な人間だと言われているらしいですが……そこまでですかね?

 

平塚「まあいい……。君を呼び出したのはこの作文についてだ」

 

そう言って平塚先生が私に1枚の作文用紙を渡しました。確か『高校生活を振り替えって』というテーマの作文でしたね。特に振り替えることはないと書いたでしたっけ。ということは……。

 

由輝子「先生はこの作文を書き直せと伝えるために私を呼び出したわけですか……。お疲れ様です。書き直して提出しますね」

 

私は平塚先生に労いの言葉をかけて新しい作文用紙を受け取ろうとしたとき

 

平塚「まあ待て、君に質問したい」

 

質問?何を聞くのでしょう?

 

由輝子「構いませんよ、何でしょうか?」

 

平塚「その、友達はいるかね?」

 

言いにくそうに平塚先生は私に尋ねました。

 

由輝子「特に親しい人はいませんね」

 

私は即答しました。まぁ学内にはいませんが、学外ならそれなりにいます。

 

平塚「彼氏はいるのか?」

 

由輝子「彼氏はいませんが気になる人はいますね。恋愛感情があるかは甚だ疑問ですが……」

 

平塚「そうかそうか!私の思った通りだな!!」

 

ガハハと高笑いしながら平塚先生は言いました。失礼な人ですね。

 

由輝子「そんなんだから生き遅れるんですよ。もう少し生活態度を改善するべきですよ」

 

平塚「ぐはっ!」

 

今の発言が効いたのだろうか平塚先生は泣きそうになって落ち込みました。なんだか将来が不安になってきました。

 

平塚「グスッ…!き、君の言葉で私は酷く傷付いた。罰を与える、着いてきたまえ」

 

平塚先生は泣きながら私に促す。

 

由輝子「その前にバイト先に電話しても構いませんか?時間がかかりそうなので」

 

平塚「ああ、構わないよ」

 

平塚先生に許可をとり、私はバイト先に連絡した。

 

???『由輝子ちゃん?どうしたの?』

 

由輝子「すみません美咲さん、学校の用事で少し遅れそうなんです」

 

私が電話をかけた相手は佐野美咲(さのみさき)さん。私のバイト先の上司で私が尊敬している人です。

 

美咲『そうなんだ……。まぁ由輝子ちゃん最近働きすぎだと思うし今日のところは休んでいいよ!私の方で伝えておくから!』

 

由輝子「い、いいんですか?」

 

美咲『うん!由輝子ちゃんたまには休んだ方がいいよ!休むのも仕事の内だから!!」

 

由輝子「ありがとうございます!」

 

本当に美咲さんには頭があがりません。

 

由輝子「では、失礼します」

 

美咲『うん、またね!』

 

私は電話を切り、平塚先生のところへ向かう。

 

由輝子「お待たせしました。それで何をすればいいですか?」

 

平塚「ああ、取り敢えず着いてきたまえ」

 

平塚先生がズンズンと歩く。向かった先は……特別棟?

 

由輝子「特別棟にある教室で罰をするんですか?」

 

平塚「そうだ」

 

特別棟といえば奉仕部という名称の部活があると聞いたことがありますね。その部室がこの特別棟の3階にあるような……。だとすると平塚先生は私に奉仕部に入れと言うつもりでしょうか?

 

平塚「ここだ、入るぞ!」

 

平塚先生はガララと勢いよく開けた。……ノックぐらいしましょうよ。常識ですよ?

 

???「平塚先生、ノックを…」

 

中にいる部員……雪ノ下(ゆきのした)さんも私が思っていることと同じことを言っていますよ平塚先生。

 

平塚「スマンな雪ノ下。…どうやら比企谷の更正にてこずってるようだな」

 

雪乃「彼が問題を自覚してないからです」

 

比企谷(ひきがや)という名前は聞いたことありますね。それに雪ノ下さんは確か『雪ノ下建設』という大きな会社の御令嬢でしたね。

 

姉の陽乃さんはたまに会いますが、妹さんの方は噂でしか聞いたことがありませんね。まあ情報は色々ありますが。

 

そして比企谷君。私と同じクラスで休み時間はいつも机に突っ伏してるか、本を読んでいます。内容が面白いのかたまに笑っていますね。見る人に寄ればニヤニヤしていて気持ち悪いといわれたりしてますが……。そして私が気になる人です。私はどうして彼が気になるのでしょう?

 

八幡「あの、さっきから更正だの何だの言ってるけど俺は別にそんなの求めてないんすけど……」

 

雪乃「あら、あなたの人間性は他の人より著しく劣っていると思うのだけれど」

 

この2人にどんなやりとりがあったかはわかりませんがどうして雪ノ下さんはそこまで人に辛辣に言えるんですかね?

 

八幡「人に言われたくらいで変わる自分は『自分』とは言わねえだろ」

 

まぁ正論ですね。私も似たようなことを思っています。

 

雪乃「あなたのそれは逃げてるだけでしょう?」

 

八幡「変わるってのも現状からの逃げだろ」

 

その通りですね。そのあたりは個人の捉え方次第ですが……。

 

雪乃「それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救えないじゃない!」

 

『救う』ですか…。雪ノ下さんは『救う』という言葉の重さを知ってるのでしょうか?というか私空気ですね。さながらエアーウーマンといった感じでしょうか?まぁ普段から存在感を消してますから多分比企谷君も私のことを知らないでしょう。

 

由輝子「ところで平塚先生、私はいつ入ればいいですか?」

 

平塚「ああ、すまない剣。入ってきて大丈夫だ」

 

由輝子「はい、失礼します」

 

雪乃「平塚先生、彼女はどうしてここに?」

 

平塚「彼女も比企谷と同じで孤独体質を持つ人間だ」

 

孤独体質って教師とは思えない失礼さですね……。

 

雪乃「成程、彼と同じで孤独体質の改善の依頼と言うことでしょうか」

 

平塚「ああ、彼女はバイトをしているから毎日は来れないがよろしく頼む」

 

雪乃「わかりました」

 

平塚「では、私はこれで失礼する」

 

平塚先生は去って行きました。何がしたいんですかね?

 

雪乃「2年F組の剣由輝子さんね。座ったらどうかしら?」

 

由輝子「では、失礼します」

 

私はそう言って椅子にかける。

 

八幡「えっ、同じクラスなのか?」

 

雪乃「自分のクラスの人の名前くらい覚えたらどうかしら?」

 

雪ノ下さんは呆れながら比企谷君に言う。私自身余り人に関わりませんからクラス内でも覚えていない人もいると思いますけどね。

 

由輝子「気にしなくていいですよ比企谷君。これから覚えていけばいいんです」

 

私は比企谷君にそう言った。

 

八幡「お、おぅそうか……。それにしても雪ノ下お前全校生徒の名前覚えてるんじゃないか?」

 

雪乃「そんなことはないわ、あなたのことなんて知らなかったもの」

 

雪ノ下さんは言う。……今の発言はイラッとしましたね。

 

由輝子「知りたくなかった……の間違いではないですか?」

 

少なくとも『例の事故』があった入学式の日に雪ノ下さんは比企谷君の顔を知っているはずですからね。無論名前を知らない可能性はありますが、それを差し引いても彼女は比企谷君に辛辣にすること自体が可笑しいんですよ。

 

ちなみに事故のことは陽乃さんから聞きました。

 

雪乃「……どういう意味かしら?」

 

由輝子「自分の胸に聞いたらどうですか?」

 

私と雪ノ下さんに一触即発の空気が流れる。どうも私は彼女が嫌いなようです。陽乃さんも大変ですね……。この人が家族だなんて。

 

八幡「お、おい落ち着けお前ら」

 

比企谷君が私達を宥めていると下校時刻のチャイムが鳴った。

 

雪乃「…今日の部活は終了よ。鍵は返しておくわ」

 

由輝子「はい、お疲れ様でした。お先に失礼します」

 

私は部室を出た。………帰る前に用を足しましょう。

 

 

~そして~

 

学校を出ると比企谷君を見かけたので……。

 

由輝子「比企谷君、一緒に帰りませんか?」

 

と私は声をかけました。

 

八幡「え、なんで?」

 

由輝子「同じ部活の部員として親睦を深めたいと思いまして」

 

八幡「俺入るって言ってねえんだけど」

 

比企谷君は奉仕部に入る気はないみたいですけど……。

 

由輝子「多分平塚先生が逃がしませんよ。比企谷君も平塚先生に連れていかれたんでしょう?」

 

八幡「確かに…」

 

由輝子「それに社会に出たらこういう理不尽に何度も遭遇します。今の内に慣れておいた方がいいですよ?」

 

八幡「俺の夢は専業主婦だ!働かない!働いたら負けだ!!」

 

比企谷君は本気で言ってますね……。

 

由輝子「そう言う人ほど将来社畜になるでしょうね」

 

ソースは私の母。今でも働きたくないっていってますし。

 

八幡「俺はそんな運命には負けん!」

 

由輝子「いい人が見つかるといいですね」

 

などと話しながら私達は飲み物を買いに自販機に来ました。

 

私はMAXコーヒーを買って飲んだ。………ふぅ、やっぱりマッカンは最高ですね。この甘さで今日の疲れが取れます。流石は千葉のソウルドリンクですね!

 

八幡「お前、マッカンが好きなのか……?」

 

比企谷君が私に聞く。

 

由輝子「はい、私のソウルドリンクですよ」

 

八幡「マッカンのよさがわかるとは……」

 

由輝子「私は甘党なのでこの甘さが好きなんです」

 

そういえば比企谷君はMAXコーヒーが好きでしたね。

 

共通点があると距離がぐっと縮んだ気がします

 

由輝子「では、帰りましょうか」

 

比企谷君がマッカンを買ったのを確認すると私は比企谷君に声をかけた。

 

帰り道、比企谷君とは色々話しました。アニメが好きなこと、妹がいてとても大切にしてることを聞きました。

 

新しい情報GETですね。

 

由輝子「私はここで失礼します。比企谷君、また明日部活で会いましょう」

 

八幡「あ、ああ……」

 

比企谷君は照れながら私にそう言い、別れました。

 

 

 

~自宅~

 

今日は色々ありましたね。平塚先生に作文のことで呼び出しを受けて、そこから奉仕部に入り、比企谷君と雪ノ下さんに会って、比企谷君と一緒に帰ってお話したり……色々な情報が入りましたね。

 

明日はどんな情報が入るでしょうか。楽しみです。




第1話はここで終了します。

オリキャラのプロフィールとイメージCVを紹介します


剣 由輝子 2年F組 誕生日 9月13日 身長 140㎝

スリーサイズ B90 W47 H81

好きなもの MAXコーヒー、情報、アニメ

趣味 情報収集、買い物、読書

容姿 咲に出てくる真屋由暉子を想像してください

性格 おとなしくて冷静

イメージキャラ絵


https://img.syosetu.org/img/user/199199/65130.png


佐野 美咲 21歳

由輝子のバイト先の先輩で陽乃の大学の先輩。

総武高校OG。

イメージキャラ絵


https://img.syosetu.org/img/user/199199/65131.png






剣 由輝子 CV植田 佳奈

佐野 美咲 CV新田 恵海

以上になります。更新、頑張ります。

この小説の登場人物である佐野美咲がヒロインの√を現在考え中ですが……。

  • 見たい
  • なくてもいい
  • そんなことより原作キャラの√がよか!

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