もしも、アイドルじゃない彼女らに出会えていたら…… 作:Egocéntrico
〜教室〜
美波「あ、おはようございます!」ペコッ
P「おはよう」ペコッ
P「(一限の授業開始前、この間の席に居た僕のところに美波ちゃんが来てくれた)」
美波「先週はありがとうございました♪ノート本当に助かりました! あの、Pさんのノートの取り方で聞きたいことが…」
P「え? そんな変なところあった?」
美波「いえ、変っていうよりか…」ペラッ
美波「内容の区切りのいいところで、まとめみたいなのを書いてますよね? …ここです」
P「う、うん! そうなんだけど…」
P「(朝練終わりで暑いからか、緩めの服だから屈むと、胸が!? 谷間が!?)」
美波「このまとめみたいなのは、Pさんが自分で考えて書いているんですが?」
P「まあ、うん、そうだね」
P「(気にしない気にしない気にしない。見ない見ない見ない見たい見ない見たい見ない見たい見たい。はっ、煩悩に負けてる!?)」
美波「授業中に、ですよね?」
P「え? うん、そうなるね」
美波「………」
P「(ば、バレたのか!? いや、そんなに露骨には見てないはず…)」ドキドキ
美波「凄いです」
P「はい。凄いです」
美波「え?」
P「え?」
美波「ふふっ。ちゃんと聞いてましたか?」
P「いや、その、少し別の世界に行ってたかも?」
美波「どうして疑問形なんですか…ふふっ。Pさんのノートの取り方が凄いって話です」
P「そうかな? 普通に取ってるだけだよ?」
美波「私、授業中うっかり寝てて聞けてないから、レジュメの内容だけだと難しくて理解できないはずなんです。この授業の教授は専門用語の説明をレジュメではしてませんから…」
P「うん。そうだね、確かに授業聞いてないとレジュメだけでは難しいかも」
美波「ですから、分からないところは今週の授業終わりに教授に聞きに行こうと思っていたんです」
P「真面目だな…」
美波「でも、必要ありませんでした。このPさんのまとめを読んだだけで理解できちゃいました」
P「そんな良いものじゃ…」
美波「…教えてください!」
P「え? な、なにを?」
美波「どうしたらこんな要約をできるのか、をです!」
P「教えてくださいと言われても、教授の話を聞いた上で自分の言葉に換えてるだけだから…」
美波「な、なら、せめて見せてください! 今日もお隣いいですか?」
P「もちろん! どうぞ」
美波「ありがとうございます♪」スッ
<キーンコーンカーンコーン
P「あ、丁度始業のチャイムだね」
美波「はい! よろしくお願いします!」
P「そんな畏まらないでも…」
…(時間経過)
<キーンコーンカーンコーン
P「(終始チラチラ見られてたから集中できなかった…。)」
美波「…なるほど。やっぱり、やってらっしゃることはシンプルなんですね」
P「え?」
美波「本当に教授の話を聞いて、レジュメの内容をまとめているだけ…でも、その要約のレベルが高すぎる」
P「あの…そんなに褒められても何もでないよ?」
美波「語彙力なのかな? …それとも単純に才能? いや、でも、そんな簡単なのことじゃ…」
P「あの〜、新田さん?」
美波「Pさん!」
P「は、はい!」
美波「今日のお昼ご飯のご予定はありますか?」
P「いや、特にはないよ?」
美波「ご一緒に食堂でお昼なんて、どうでしょう? ノートをお借りしたお礼もしたいですし。まだお聞きしたいこともありますので」
P「(ランチのお誘い! 人には親切にするべきだな…)」
P「もちろん! じゃあ、行こっか?」
…(移動中)
〜学内 食堂〜
P「結構、混んでたけど座れたね。美波ちゃん、先にお昼買って来ていいよ。座って待ってるから」
美波「そんな! Pさんは先輩なんですから、私が待っていますよ!」
P「(流石に体育会系なだけあるな〜。僕はこういうの気にしないタイプなんだけど、美波ちゃんは引かなさそうだし…)」
P「じゃあ、お願いしていいかな? すぐに戻ってくるから!」
美波「はい! ごゆっくり!」
P「(いい子だな、美波ちゃん。さて、さっと買って、戻ろうか)」
P「(と、思ってたんだけど…)」
フレデリカ「だーれだ?」
P「(フレちゃんが僕の目の前で腰に手を当てて、自分が目を瞑りながら仁王立ちしてた)」
フレデリカ「あれれ? わからないのかな? ふふっ」
P「…どっからツッコンだらいいんだこれ」
フレデリカ「大ヒントです!私の生まれはおフランスで〜〜す。ボンジュール」
P「フレちゃん」
フレデリカ「大正解〜〜」ドドーン
P「もう、ツッコム気すらしないよ…」
フレデリカ「お久しぶり♪ 佐藤さん、元気にしてた?」
P「佐藤さんは元気なんじゃないかな?でも、僕は佐藤さんじゃないから、その質問には答えられないかな?」
フレデリカ「あれ? 佐藤さんじゃない? …あ、加藤さんだ!」
P「違うよ…」
フレデリカ「そうだ! 尾藤さんだ!」
P「(どうして、缶コーヒーみたいになってるんだろう? いや、フレちゃんに意図なんてないんだろうな…)」
P「Pだよ。フレちゃんも元気にしてた?」
フレデリカ「そうだ! Pさんだ! 今日はね、とっても調子がいいんだ〜〜いつもだけど〜〜ふふっ」
P「流石、フレちゃん。で、どうしたの? 僕に用事?」
フレデリカ「ええっとね〜〜ふらっと食堂に行ったら、Pさんが居たから、これはだーれだをやるチャンスだと思ったの!」
P「うん。つまり、用はないんだね」
フレデリカ「そ〜ともゆう〜」
P「(フレちゃんのペースに巻き込まれたら、美波ちゃんを待たせてしまうことになる! どうにか、切り抜けないと!)」
フレデリカ「Pさんはお昼はこれから?」
P「え、ああ、そうだよ? フレちゃんも?」
フレデリカ「そーなのです! だから、一緒に食べよ〜〜」
P「誘ってくれるのは嬉しいんだけど、今日は先約が居て…」
フレデリカ「フレちゃん気にしない」
P「いや、フレちゃんが気にしなくても、美波ちゃんが」
フレデリカ「わぁお! しかも、女の子だ! フレちゃんにも会わせてシルブプレ〜〜」
P「(ど、ど、どうしよう。フレちゃんを連れて行くと確実にフレちゃんのペースに巻き込まれる。だが、こんな可愛い子のお願いを断れるの僕は!?)」
…(時間経過)
美波「えっと、そちらの方は?」
フレデリカ「Pさんのお友達のフレデリカで〜〜す♪ ボンジュール」
美波「ボ、ボンジュ〜ル…」
P「(断れませんでした。そりゃ、無理だよ。瞳をうるうるさせてたんだよ? 男なら無理。一発K.O.)」
美波「ちょっと、Pさん!」コソコソ
P「はい…」
美波「どういうことか説明してください! どういう状況なんですか?」
P「お昼ご飯を買いに行ったら、友達に会って、一緒に食べようと誘われ、断りきれなくて連れてきました」
フレデリカ「フンフンフフーンフフー、フレデリカ〜〜♪」
美波「そのお友達が、ハーフの方なんて…」
P「まあ、確かにびっくりするよね…でも、フレちゃんは日本語しか話せないし、楽しい子だから、ほら?」
フレデリカ「フレちゃん元気な子!」
美波「まあ、お友達が増えることは良いことですから! 一緒に食べましょうか?」
フレデリカ「やった〜〜! よろしくね、美波ちゃん♪」ギュ
美波「こ、こちらこそ、よろしくお願いしますね♪」ギュ
P「(美女二人のハグとか。眼福眼福)」
美波「そ、それじゃ私もすぐに買ってきますから、待っていてくださいね!」
フレデリカ「いってらっしゃ〜〜い」
P「(美波ちゃんはちゃんと聞いてくれるし、真面目だけど、フレちゃんは真反対だからな…。でも、二人ともいい子だから、仲良くできるはず)」
フレデリカ「ねえねえ、Pさん?」
P「どうかした?」
フレデリカ「美波ちゃんはPさんの彼女?」
P「え?いやいや、そんな訳ないよ〜。美波ちゃんは友達? 後輩? まあ、そんな感じだよ」
フレデリカ「ええ〜〜そうだと思ったのにな〜〜フレちゃんでも間違えることがあるなんて!?」
P「それ、自分で言っちゃうんだね…」
フレデリカ「ふふっ♪」
P「今日もフレちゃん全開だな…」
P「(この後、美波ちゃんとフレちゃんと一緒にご飯を食べた。やはり、フレちゃんのペースに振り回されて生産的な話は何もできないのであった…)」
〜大学内 移動中〜
<ブーブーブーブー、ブーブーブーブー
P「電話だ…誰からだ?」スッ
P「(ああああ、名前だけで要件がわかってしまった…まあ、いいか先週と同じ感じの休日になってしまうけど)」
P「もしも…」
??「Pくーーーん!」
P「うわっ!」
P「声が大きいよ、莉嘉!」
莉嘉「ええ〜〜、挨拶は大きな声で。でしょ?」
P「それは電話では適応されないの」
莉嘉「ええー! でもでも、こんな可愛いJCからの電話なら嬉しいでしょ?」
P「それはそうだけど…」
P「(この莉嘉は僕の従姉妹で城ヶ崎家の次女だ。城ヶ崎家のお家は僕の大学から近くて、大学に入学した直後はよく叔母さんにお世話になってた。その時によく莉嘉とも会っていたので、今でも仲良くしてくれている)」
P「で、どうしたの?」
莉嘉「今週末、おねーちゃんとショッピングに行くんだけど、一緒に行こう!」
P「土曜日? 日曜日?」
莉嘉「もち、土曜だよ!」
P「なんで、もちろんなんだよ…とりあえず、土曜を空けておけばいいんだね?」
莉嘉「うん! やったー♪ おねーちゃんと何するか決めておくから、楽しみにしておいてね♪」
P「うん、楽しみにしてるね! じゃあ、また土曜ね〜」
莉嘉「ばいばーい」
P「(莉嘉が電話してくる時は決まって、おねーちゃんとの遊びに僕を誘う。なんでも、おねーちゃんから僕と二人で遊ぶのは禁止されているらしい。美嘉も何でもそんなことを…信頼されてないのかな?)」
P「(まあ、土曜日にそれとなく聞いてみようかな?)」
〜帰り道〜
P「今日はバイトもないし、特に予定もないからな…」
<わん!
P「うお」
凛「こら、はなこ! すいませ…なんだ、Pさんじゃん」
P「あれ? 凛ちゃん? 何してるの?」
凛「犬の散歩。見てわからない? それにしても、ふふっ」
P「どうかした?」
凛「うお。だって。ふふふっ」
P「そ、それは考え事してる時に急に吠えられたから」
凛「しかも、情けない顔してた。これは未央に報告だね」
P「や、やめてくれ〜。未央にいじられるとろくなことにならないから」
凛「その気持ちはなんとなくわかるけどね。今帰りなの?」
P「そうだよ。凛ちゃんは家の手伝いも散歩もして、偉いな〜」
凛「別に。どっちも好きなことだから。あ」
P「ん?」
凛「ちょうどいいや。Pさん、これから時間あるでしょ?」
P「あるけど…なんで決めつけられてるんだろう」
凛「なら、今から一緒に店に来てよ」
P「うん、わかった。でも、どうして?」
凛「着いたらわかるから。ほら行くよ」スタスタスタ
P「(最近、女の子に振り回され過ぎてるような気がする…まあ、楽しいからいいか)」
〜Flower Shop SHIBUYA〜
凛「じゃあ、私は裏から入るから」
P「え? ちょっと! どういうこと?」
凛「いいから入ってみて、じゃあ」
P「本当に行っちゃったよ…自由だな…」
P「まあ、とりあえず入ってみようか。すいませーん」ガラガラガラ
??「い、いらっしみませ!」
P「え?」
P「(いらっしみませ? 噛んだのかな?)」
??「…あ、ああ、噛んじゃったよ、恥ずかしすぎる…///」ボソボソ
P「(顔が真っ赤だ。というか誰だろう?凛ちゃんのお母さんにしては若すぎるし…っていうか制服着てるし。こないだの凛ちゃんみたいな格好ってことは、凛ちゃんの友達なのかな?)」
??「お客さん来ないって言うから代わってやったのに…凛のやつ!」
P「(あ、やっぱり友達みたいだな。凛ちゃんもわざわざ僕をお客さんとして行かせなくても…)」
P「あのー」
??「は、はい! あの、そのいかが致しましたでございましょうか? いや、えっと、いかがでしょうか? 違う! ああ、もう急にできるかよ…」
P「(うわあ、ここまでテンパってるのが伝わるのも面白いな)」
P「えっと、タメ口で大丈夫だよ?」
??「え? い、いいのか?」
P「うん! 僕はそこの大学の生徒だし、君もおそらく345の生徒だよね?」
??「ま、まあな」
P「だったら、歳も近いし気にすることないよ」
??「あ、ありがと…」
P「それに、凛ちゃんの友達だよね?」
??「ふえ? あんた、凛の知り合い?」
P「うん、そうだね。ここまで凛ちゃんと一緒に帰って来たくらいには…」
??「え? じゃあ、凛のやつ、もう帰って来てる?」
P「…うん」
??「………///////」ボン
P「(あ、また赤くなった)」
??「り、凛! どこだ!」
凛「ここだよ、奈緒」スッ
奈緒「なぁ! 凛! いつから見てたんだ!?」
凛「いらっしみませ」フフッ
奈緒「ぬぁ!? くぅああああ〜〜もぉぉぉぉ、またそうやってからかって!」
凛「ごめん、ごめん。ほら、散歩も終わったし、加蓮ももうすぐ来る頃でしょ?」
奈緒「かっ、加連にこの姿を見られたらヤバイ! 着替えて来る!」
P「(加蓮? もしかして…)」
<ガラガラガラ
加蓮「やっほ〜〜、って」
P「(やっぱり、加蓮ちゃんだ)」
加蓮「Pさんじゃん!」ギュ
凛、奈緒「え?」
P「ちょっ! いきなり抱きついたら危ないって!」ガシッ
加蓮「こんなところでどうしたの?」
P「帰り道に凛ちゃんに会って、連れて来られたんだよ」
加蓮「そっか、そっか! 凛に感謝しなきゃ♪」
凛「ちょっと待って。加蓮はなんでPさんのこと知ってるの?」
加蓮「こないだ二人に話したでしょ? 唯と遊んだ日にしつこいナンパ野郎から助けてくれた大学生。その大学生がPさん♪」
凛「…こんなことってあるんだね」
奈緒「私、全然話について行けてないんだけど」
加蓮「そー言えば、奈緒はどうして凛のお店のエプロン着けてるの? お店屋さんごっこ?」
奈緒「ち、ちがうわー!」
凛「とりあえず、状況を整理しよっか。Pさんも、まずは加蓮から離れて」
P「いや、僕がひっついてるみたいな言い方やめてよ…」
…(諸々説明+奈緒お着替え完了)
凛「…ってこと」
加蓮「ふぅーん、凛とPさんが知り合いだったのはそういうことだったんだ。で、奈緒はまんまと嵌められたと。それはいつものことだね」
奈緒「本当に、何度も何度も…この二人は私をからかって!」
P「で、でも、奈緒ちゃんも店員さんの格好似合ってたよ? とっても可愛かったし」
奈緒「か、か、か、かわいい、だと…///」
P「(また赤くなった。凛ちゃんと加蓮ちゃんがからかいたくなるのも頷けるかも)」
加蓮「ああ〜〜Pさんが奈緒を口説いてる〜〜」
凛「本当に素でやってるんだね」
奈緒「ああ! もう、わかったから! もう、話は終わりだろ? なら、早く行こうよ」
P「そう言えば、これからみんなでどこかに行くの?」
凛「何? 付いてきたいの?」
P「いやいや、そんなわけ」
加蓮「もちろん! 連れて行くに決まってんじゃん♪」ガシッ
P&凛&奈緒「え?」
加蓮「だって、私たちだけで行ってナンパされたら面倒でしょ? Pさんは私たちを守ってくれるよね?」
P「日曜もこんな流れのまま連れて行かれたような…」
奈緒「わ、私は反対だ! こんな、今日初めて会った奴とカラオケなんて行けるか!」
P「(カラオケ…加蓮ちゃん本当にカラオケ好きなんだな)」
凛「奈緒が嫌なのは別の理由でしょ?」
奈緒「そ、それは!」
加蓮「アニソン歌えなくなるもんね〜」
奈緒「こ、こら! 加蓮!」
P「アニソン? 奈緒ちゃんはアニソン歌うの?」
奈緒「ほ、ほら、こうなるだろ…」
P「僕もアニソン好きだよ?」
奈緒「へ?」
加蓮「そうなの? でも、この間は歌ってなかったじゃん」
P「ほら、アニソンって知らない人からしたら盛り上がりにくかったりするでしょ? だから…」
奈緒「わかる! その気持ち、わかるよ!」ギュ
P「(あ、手を握られた)」
奈緒「アニソンって知ってる人なら盛り上がってくれるだけど、知らない人と行くとアニメの映像が流れるだけで白けちゃったりするだろ? でも、せっかくカラオケ行くんだから好きな歌目一杯歌いたいし、でもでも、そもそも私がアニメ好きだってのことを知ってる人自体少なくて! いや、別に隠そうとしてるわけじゃないんだ、自分から言うことじゃないから言わないだけで聞かれたらそりゃ言うし」
加蓮「ありゃりゃ、奈緒がスイッチ入っちゃた。っていうか奈緒が男の人の手を握ってるの初めて見たかも!」
凛「そう言えば…そうだね。写真撮っておこうか」パシャ
奈緒「へ? どうして今、写真なんて…」
凛「貴重な一枚」スッ
奈緒「はう」パッ
P「(あ、離れた)」
奈緒「………///」
P「(あ、赤くなった)」
奈緒「は、恥ずかしすぎる〜〜」ダッ
加蓮「あ、奈緒〜待ってよ〜。ほら、Pさん、追いかけるよ?」ガシッ
P「え? また、このパターン?」
凛「こうなったら付き合ってもらうよ。さあ、行こう」
P「(この後、奈緒ちゃんに追いつき、四人でカラオケに。奈緒ちゃんと途中からアニソン縛りみたいになって、それはそれで楽しかった)」
更新遅くなりました。
申し訳ありません。
今後は更新遅くなるかもです。