もしも、アイドルじゃない彼女らに出会えていたら……   作:Egocéntrico

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設定の追加です。

・主人公の通う大学は「346大学」。私立大学で、「345高校」「344中学」という高等部、中等部が存在する。

・基本一日に出会ったり、交流したりするのは3人。ですが、今後の展開次第ではその通りにはならないかもしれません。キャラによって長さがまちまちですが、出会いが薄かった子とは仲良くなる場面を長くしたりします。

・このキャラとこのキャラと絡ませてほしい。このキャラとこんな事してほしい等ありましたら、感想に書いていただけると嬉しいです。


二回生 春学期 1週目 木曜日

~朝の通学路~

 

P「(よし、状況を整理しよう)」

 

P「(俺は一限の為に早めに家を出た。そして、歩いていると制服着た女の子が仁王立ちで道路に立っていた。面食らった俺と目が合うと、その女の子は)」

 

??「フフーン。そこの貴方にこのカワイイカワイイ僕を助ける権利をあげましょう! 嬉しいでしょ?」

 

P「(と言った。さらに)」

 

??「どうやら貴方は346大学の学生みたいですし、僕は中等部の生徒なので、貴方の後輩と言えるでしょう! 後輩が困っているのなら助けるのが先輩ですよね? まあ、このカワイイ僕を助けられるなんて幸運を逃す人はいませんけどね」ドヤァァァ

 

P「(と続けた。そして)」

 

??「ちょっと! 聞いてるんですか? もう、僕の可愛さに声が出ないのはわかりますが、反応がないと気味がわるいじゃないですか」

 

P「あ、それもそうか。申し訳ない、目の前で起こったことを整理していた」

 

??「はあ、まあ、なんでもいいですか。で、どうするんですか? まあ、答えは決まってますけどね!」

 

P「ん? えっと、僕は何をすればいいのかな?」

 

幸子「このカワイイ、輿水幸子のお助けをするのか、しないのか、です! まったくもう、貴方はダメダメですね〜」ニヤニヤ

 

P「(ドヤ顔もニヤ顔も可愛いのは珍しいな。流石、自分で可愛いと自負するだけはある)」

 

P「あ、ああ、僕でよければ、幸子ちゃん? を手伝うよ」

 

幸子「フフーン! 当然ですね! 賢い選択を言ってあげましょう」

P「ど、どうも、で、幸子ちゃんは何に困っているのかな?」

 

幸子「そうでした! まったくもう、貴方が僕の可愛さのあまり見惚れていたから本題を忘れていました! 落し物です。落し物を一緒に探してもらいたいのです」

 

P「落し物? それは大変だね、何を落としたの?」

 

幸子「え、えっと、それは…その……お、落し物なんです! 何だっていいでしょ?」

 

P「(ここまで饒舌だったのに、やけに言葉に詰まったな…)」

 

P「手伝おうにも何か教えてもらわないと探しようがないよ」

 

幸子「そ、それもそうですね…。ス、ストラップです! 僕としたことが、どうやら落としてしまったみたいで…」

 

P「(さっきまでのドヤ顔が…大切なものなんだろうな)」

 

P「わかった! いいよ、一緒に探そうか」

 

幸子「フ、フフーン! この可愛い僕のお手伝いをできることを誇ってもいいんですよ〜」

 

P「ああ、可愛いな幸子ちゃん」ナデナデ

 

幸子「な?! そ、そうです! やっと僕の可愛さに気づきましたか」ドヤァァァ

 

P「(ほんとに可愛いな。横はねしている髪も似合ってるし)」

 

P「それで、どんなストラップなんだい?」

 

幸子「キノコとゾンビのストラップです! 鞄につけていたんですが、どうやら僕が可愛いあまりに逃げてしまったみたいで」

 

P「どういう言い訳だよ。了解、キノコとゾンビね! 探そうか」

 

…(時間経過)

 

幸子「な、ない! どうしてですか?」

 

P「(通学路を一通り歩いたが、ストラップは見当たらない…しかし、時間も迫ってきてるな……)」

 

P「幸子ちゃん?」

 

幸子「え? ど、どかしましたか? もしかして! 見つかりましたか!?」

 

P「申し訳ないけど、見つかってないよ…。幸子ちゃん今日普通に学校あるよね? 時間…」

 

幸子「そりゃ、僕は中学生ですから…ってもうこんな時間じゃないですか!? 急がないと遅れるじゃないですか!」

 

P「俺に言われてもさ…よかったら、だけど幸子ちゃんの携帯の番号を教えてくれないかな? 俺も授業終わってからもう一度探してみるから、見つけたら連絡してあげるよ?」

 

幸子「ああ! いい心がけですね! もう、貴方はこの僕の可愛さにメロメロなんですね!」

 

P「ああ、そうだよ。だから、早くして急いで学校行こうな」ナデナデ

 

幸子「フフーン! そうですね!では…」

 

P「(その後、幸子ちゃんから連絡先を聞き、俺も一限へ向かった)」

 

~大学内 学生課~

 

P「(幸子ちゃんのストラップの探す為にお昼休みに学生課に来た)」

 

P「(ここには落し物が届けられ管理してある。もしかしたら、拾った大学生がストラップを届けてくれるかもしれないという少ない可能性も検討してみようと思ってきたのだが)」

 

??「えっと、キノコとゾンビのストラップですね? 届けられているか確認しますね」

P「(思わぬ発見。学生課の事務員さんってもっと年配のイメージだったけど、若くて綺麗な人もいるんだな。清楚な感じだし…)」

 

??「あの…どうも学生課には、そういった物は届けられていないみたいですね」

 

P「(名札に書かれている名前は三船さんか…覚えておこう。今後、学生課にお世話になる時には三船さんで決定だな)」

 

P「あ、そうですか……。ありがとうございました」

 

美優「いえ、その…大切なものだったんですか?」

 

P「(説明するのも面倒だし、俺のものってことにしとくか)」

 

P「…そうですね。とても大切なものですね」

 

美優「思い出の品なんですね…。私には君の気持ちがわかりますよ。辛いですよね…」

 

P「(めちゃめちゃ気遣ってくれてる!心まで綺麗な人なんだな)」

 

P「じゃあ、三船さんも何か探し物が?」

 

美優「…はい。ただ、私のはもう、見つかりませんが、君のはまだどうにかなります。諦めないでください…」

 

P「は、はい。ありがとうございます。ただの探し物なのに、親身になってくださり」

 

美優「ふふ。学生のサポートがお仕事ですから。紛失届をだしておきますか?」

 

P「紛失届ですか?」

 

美優「ええ、紛失届を出してもらっていれば、学生課に届いた時にあなたに連絡が行くようになってるんですよ」

 

P「じゃあ、書いておきます」

 

美優「はい、どうぞ」スッ

 

P「………よし。これで大丈夫ですか?」カキカキ

 

美優「えっと、はい。大丈夫ですよ。では、受け取りましたので、紛失物が見つかった場合、連絡しますね」

 

P「お願いします! では、失礼します。ありがとうございました」ガチャ

 

美優「……ふふ、キノコとゾンビのストラップか…。可愛いもの好きなのかな」

 

…(時間経過)

 

P「よーし、今日も授業終わり! でも、バイトまで時間あるしな…」ブゥーブゥーブゥー

 

P「ん? 電話か…。お、学生課からだ!」

 

P「はい、Pです」

 

美優「Pさん、いいお知らせがありますよ! 先ほど、Pさんの落し物が届けられました」

 

P「え?! 本当ですか?ありがとうございます! すぐに取りに行きますね」

 

美優「はい。では、お待ちしております」

 

…(移動中)

 

P「失礼します」ガチャ

 

美優「あ、Pさん! 見つかりましたよ」

 

P「ありがとうございます! 誰かが届けてくれたんでしょうか?」

 

美優「あの後各所にお電話で届けがないか確認したところ、文学部棟の事務室に今朝落し物の届けがあったらしく、見に行ってみたら……」

 

美優「ほら! このキノコとゾンビのストラップでした」ニコッ

 

P「(本当にこれかはわからんが、キノコとゾンビだからこれだろう…)」

 

P「そ、それです! ありがとうございます!」

 

美優「ふふっ。良かったですね! 次は落とさないように気をつけてくださいね」

 

P「はい! 美優さん色々してくださったみたいで、ありがとうございました。また、よければ正門前の最珈琲に来てください!」

 

美優「…え? どうしてですか?」

 

P「あそこでアルバイトしているので、サービスさせてもらいますから!」

 

美優「でも、私は何もしてないですし…」

 

P「僕は美優さんに助けられたと思っていますから、迷惑でなければお礼させてください」

 

美優「……はい。では、また立ち寄らせていただきますね」

 

P「ええ! 美優さんみたいな美人が来てくださればお店も華やかになりますから是非! では、失礼します」ガチャ

 

美優「あ、お気をつけて…」

 

美優「……美人? 私が…///」ポッ

 

~アルバイト中 最珈琲~

 

P「(今日は未央が休みで俺と店長の二人で店を開けている)」

 

P「(俺が入って一時間。まだお客は来ない)」

 

P「(やったことと言えば、昨日凛ちゃんのところで買ったお花を飾ったのと皿洗いとテーブル拭きと在庫のチェックだけ…本当にどうやって経営しているんだ、ここ)」

 

店長「P君。お願いがあるんだけれど」

 

P「どうしたんですか?」

 

店長「私は今からこの店を出て行くから、閉店時間まで一人で回してもらえる?帰りは締めてくれるだけでいいから」

 

P「閉店までですか? まあ、いいですけど…」

 

店長「ありがとう! それと、ここに私のことを訪ねにやって来た人が居たら、うまいこと誤魔化しておいてくれ! じゃあ!」カランコロン

 

P「え!?? ちょっ! …誤魔化すって。これは何だか嫌な予感が…」

 

<…ドドドドドドドドド

 

P「ん? 地鳴りみたいな音が…」

 

<ドドドドドドドドドドドドドドド!

 

P「ち、近づいてるぞ!?」

 

??「全力! トラーーイ!」バァァァァァン

 

P「(足音の正体はこの子だったのか? 何だか、元気な子だけど…)」

 

P「い、いらっしゃいませ〜」

 

??「おはようございます! お仕事お疲れ様です!!」

 

P「あ、ありがとうございます。お席に案内しますね」

 

??「ご丁寧にありがとうございます!」

 

P「こちらにどうぞ。何か飲まれますか?」

 

??「では、ミックスジュースを一つお願いします!!!」

 

P「少しお待ちください、すぐにお持ちします」

 

P「(初めて見る子だけど、メニューにないミックスジュースの存在を知ってるという事は常連さんなのかな?)」

 

P「ミックスジュースです。ごゆっくりお過ごしください」コトッ

 

??「ありがとうございます! 走って来たので、喉が渇いていたんですよ!」ゴクゴクゴク

 

??「 ん〜〜美味しいです!!!」

 

P「お口にあったみたいで、よかった。このお店にはよく来るの?」

 

??「え? よく来る? どうしてですか?」

 

P「いや、あの、メニューに書いてないはずのミックスジュースを知ってたから…」

 

??「あ、なるほど! そうですよね! 自己紹介しないと!!」

 

P「え?」

 

茜「私の名前は日野茜です!」

 

P「(日野…茜…あ!)」

 

P「もしかして、店長の?」

 

茜「ええ! いつもお父さんがお世話になってます!」

 

P「いやいや、お世話になってるのは俺だから…」

 

P「(あの店長からどうしたらこんな可愛い娘が産まれるんだよ…話には聞いてたけどこの子が茜ちゃんとは)」

 

茜「もしや、貴方がPさんですか?」

 

P「うん、そうだよ?」

 

茜「やっぱり! お父さんから誠実そうな方と聞いていましたので!!」

 

P「そんなアバウトな…。で、茜ちゃんはどうして今日ここに来たの?」

 

茜「あ、あああああああああ!」

 

P「(拡声器でも使っているのかと思う声量だな…)」

 

P「ど、どうしたの?」

 

茜「用事をすっかり忘れて、いつの間にかミックスジュースを飲んでました!!」

 

茜「Pさん!! お父さんはどこにいますか?」

 

P「店長? 店長は茜ちゃんが来る少し前に…」

 

P「(そう言えば、店長出て行く前に、私のことを訪ねにやって来た人が居たら、誤魔化せって言ってたような)」

 

 

茜「前に? どうしたんですか?」

 

P「えっと、ちょうど買い出しに行った、かな?」

 

茜「そうなんですか! では、少し待てば帰って来るのですね!」

 

P「お、おそらく? ところで、どんな用事だったの?」

 

茜「お母さんにお父さんを連れて帰るように言われまして、ここまで来ました!!」

 

P「つ、連れて帰る? 店長何かしたの?」

茜「昨日お母さんの大切にしていたティーセットを割ってしまったそうで…昨晩は帰ってこなかったので、連れて帰るように私が派遣されたという事です!」

 

P「そんな事が…」

 

P「(てか何してんだよ店長! 娘が来ることを見越して出て行くとは)」

 

茜「お父さんが帰って来るまでの間、私はここで宿題をしています! やるぞぉぉぉぉボンバーーー!」

 

P「ご、ごゆっくりどうぞ〜〜」

 

…(時間経過)

 

P「(それからお客様が新しく来ることはなく、茜ちゃんの宿題を手伝ったり、お喋りして

いたら閉店の時間になってしまった)」

 

茜「あ、もうこんな時間になってしまいました!」

 

P「茜ちゃんと話してると楽しくて時間が過ぎるのが早かったよ」

 

茜「そ、そんな…あの…あうう……///」

 

P「(照れてるのかな? 元気な茜ちゃんも可愛いけど、恥ずかしがってる茜ちゃんはもっと可愛いな)」

 

P「そ、そう言えば店長帰って来なかったね」

 

茜「え? あ! そうでした! わたしはまた、当初の用事を失念していました…」

 

P「あははは、どこに行ったんだろうね」

 

P「(帰ってこないつもりだな店長…)」

 

茜「もうすぐお店は閉店の時間なのに、買い出しから帰ってこないとは…もしや! 何か事件に巻き込まれているのでは!?」

P「いやいやいや! だ、大丈夫だって茜ちゃん。店長が買い出しから帰らないことも何度かあったし、もしかしたらお家に帰ってるかもよ?」

 

茜「そ、そうですか…! では、一度帰って確認しなければ」

 

P「もう、お店も閉めるし、よかったら一緒に帰らない? 茜ちゃんのお家まで送るよ?」

 

茜「そそそそそ、そんな! いいいい一緒に帰るなんて!」

 

P「茜ちゃん女の子なんだから夜道は危ないでしょ?」

 

茜「おお、女の子…で、でも私なんてその…」

 

P「それにほら、僕が茜ちゃんともっとお話したいしさ。一緒に帰ってくれる?」

 

茜「え、あの、は、はい…//////」

 

P「よし、じゃあ閉めてくるから帰ろっか」

 

…(帰宅中)

 

茜「あ、ここです! 今日は色々とありがとうございました!!!」

 

P「ううん、こちらこそありがとうね。また、お店に遊びにきてね!」

 

茜「はい! 本当にありがとうございました!!! 宿題まで手伝っていただき……」

 

P「いえいえ〜。また、分からないところあったら聞きにきてくれてもいいからね」

 

茜「何から何まで…ありがとうございます! では、失礼します! おやすみなさい!」ガチャ

 

P「はいはい〜。おやすみ!」

 

<タダイマー

 

P「(茜ちゃんの大きな、ただいまを聞き届けた後、下宿先へ帰った)」

 

 


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