とあるポケモントレーナーのお話 (凍結)   作:ミストラル0

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今回はハクダンジム戦です。
虫タイプ使いのビオラ。それに対してヒビキが用意した策とは?


ハクダンジム 初のジム戦

ハクダンシティに到着した翌日。ヒビキは手持ちのポケモンを入れ替え22番道路でレベル上げに勤しんでいた。

 

「ふぅ、こんなもん育てときゃいいかな?」

 

珍しい野生のリオルを捕獲し、22番道路に生息する水生ポケモン以外のシシコ、コダック、カモネギ、ルリリ、リオルをコンプリートしたヒビキは一度ハクダンシティへと戻りポケモンセンターへと立ち寄る。

 

「さて、レベル上げもそろそろこの辺じゃきつくなってきたし、ジム戦でもいくかね」

 

レベルなどのポケモンのステータスはポケモン図鑑や各種トレーナーツールと呼ばれる道具で確認することが出来る。その中でもポケモン図鑑はかなり高性能な部類になるらしく、ヒビキもよく利用している。現在の手持ちポケモンのレベルは高くて11、平均で10で野生ポケモンのレベルが高くて8のこの辺りでは育てた方であった。

 

「あら?ヒビキもジム戦なの?」

 

すると、同じくジム戦に挑む予定であったセレナと再会する。

 

「そういうセレナはまだだったのか?俺より早くハクダンシティに着いてるみたいだったし、もうバッジゲットしてるかと思ったんだが」

 

「私はさっき行ってきたわ。残念ながらまだ力不足だったみたい」

 

「そうか(そういやセレナが選んだのはハリマロンだったな。となると他の手持ちに虫タイプに有効なのがいなかったか)」

 

そんなことを考えていると。

 

「そういう貴方は随分と自信ありげよね・・・・そうだ!私も貴方のジム戦見学してもいいかしら?」

 

セレナはそんなことを言い出した。

 

「見学?別にジムの方が許可してくれりゃ好きにしてくれて構わないが・・・・」

 

「決まりね!」

 

という訳でハクダンジムへはセレナが同行することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハクダンジム、ジム戦ステージ。

 

「君が今回の挑戦者ね。勝負に挑むその表情、いいんじゃない、いいんじゃないの!」

 

ジムリーダーのビオラは写真家でもあるためか、ジム戦に来たヒビキの表情を見てカメラを構える。

 

「見たところここが初めてのジムかしら?初めてのジム戦!いいんじゃない、いいんじゃないの!」

 

「(テンション高っ!?)」

 

ビオラのテンションに少し引き気味のヒビキ。

 

「挑戦者、アサメタウンのヒビキ。ジムリーダー、ビオラとのジム戦を開始します!」

 

「ルールは2対2、途中交代は挑戦者のみ。持ち物は有りだけど、きずぐすり等の道具は使用不可よ」

 

「わかりました」

 

「このジムリーダービオラ。シャッターチャンスを狙うように勝利を狙っていくんだから!」

 

「やるからには全力で勝ちに行かせてもらう!」

 

そしてヒビキのカロス地方初のジム戦の幕が上がる。

 

「まずはこの子!行って、アメタマ!」

 

「行ってこい、ノコッチ!」

 

最初にビオラが出したのは虫・水タイプのアメタマ。対してヒビキが繰り出したのはノーマルタイプのノコッチだった。

 

「アメタマ、【でんこうせっか】!」

 

「ノコッチ、【まるくなる】!」

 

始めから【でんこうせっか】で攻めに来るアメタマにノコッチは【まるくなる】で防御力を上げて抵抗する。

 

「そのまま【ころがる】!」

 

「しまった!?」

 

【ころがる】は岩タイプの技で虫タイプには効果抜群。更に【まるくなる】で事前に丸くなっていたノコッチはすぐに転がり出しアメタマに向かっていき吹き飛ばす。

 

「追撃だ、ノコッチ!」

 

そして【ころがる】は外れるか5回まで連続で攻撃が出来、転がり続けることで威力を増していく技。2度目の【ころがる】は見事に吹き飛ばされたアメタマの落下点で命中し、アメタマは戦闘不能になってしまう。

 

「アメタマ戦闘不能!ノコッチの勝ち!」

 

「油断したなぁ・・・・このジムに挑みに来る子って大体炎か飛行タイプでくるから岩タイプ技でくるとは思ってなかったよ」

 

「アメタマを出してきたところで炎対策はしてるのはわかりましたからね。飛行の方ももう一匹で対策してるんでしょ?」

 

「バレバレか・・・・本当、面白いよ。君は」

 

続けてビオラが出してきたのは虫・飛行タイプのビビヨン。ヒビキはノコッチでの続投を選択する。

 

「ビビヨンは高く飛んでるから【ころがる】は通用しないのにヒビキはなんでノコッチを残したのかしら?」

 

見学しているセレナにはそれがよくわからなかった。

 

「ビビヨン、【まとわりつく】!」

 

「ノコッチ、【まるくなる】からの【ころがる】!」

 

レベル的に特殊技を持たないビビヨンが物理技【まとわりつく】でくるのを読んでヒビキはノコッチに【まるくなる】でいつでも【ころがる】が発動出来るように指示を出し、ビビヨンが【まとわりつく】を使った直後に【ころがる】でビビヨンを弾き飛ばす。

 

「やっぱり読まれてたかぁ・・・・いいんじゃない、いいんじゃないの!ビビヨン、一度飛んで待避!」

 

「甘い!ノコッチ、そのまま跳ね上がれ!」

 

弾き飛ばされた勢いを利用しノコッチから離れるビビヨンだったが、ヒビキのノコッチは【ころがる】の勢いを利用して飛び跳ね、ビビヨンへと【ずつき】し吹き飛ばす。【ころがる】は虫・飛行タイプでダメージ四倍であったために残り体力の少なかったビビヨンはノコッチの【ずつき】を受けて戦闘不能になってしまう。

 

「ビビヨン戦闘不能!よって勝者、アサメタウンのヒビキ!」

 

「よしっ!」

 

「ノコノコ!」

 

「よくやったぞ、ノコッチ」

 

勝利の喜びからかノコッチはヒビキに飛びつき背中の小さな羽をパタパタと動かしている。

 

「負けたわ・・・・まさかノコッチが跳んでくるなんてね。はい、このハクダンジムで勝利した証のバグバッジよ」

 

そう言うとビオラはバグバッジをヒビキに手渡す。

 

「よし、まずはバグバッジゲットだぜ!」

 

「それと面白いものを見せてくれたお礼にこれもあげるわ」

 

更にビオラは先程ビビヨンが使った【まとわりつく】が記録された技マシン83をくれた。

 

「おっ、技マシン!ありがとうございます」

 

「いいのよ。それはさっきも言ったけど、面白いものを見せてくれたお礼なんだから」

 

ちなみにその決定的瞬間をビオラは逃さず写真に納めていたりする。流石は写真家。

 

「おめでとう、ヒビキ」

 

そこに試合を見学していたセレナがやってくる。

 

「ありがとな、セレナ。それで参考にはなったか?」

 

「ええ。でも、あの【ころがる】の威力がやけに高かったのは何故?」

 

「あっ、それは私も気になる」

 

セレナの疑問にビオラも気になっていたらしく、ヒビキに訊ねる。

 

「それか。それは【ころがる】の隠し効果ってやつで、事前に【まるくなる】を使うと【ころがる】威力が二倍になるんだよ」

 

「隠し効果・・・・」

 

「あー、似たような話をこの前会合で聞いた気が・・・・」

 

「・・・・情報源は俺だしな」

 

「「えっ?」」

 

ヒビキがポツリと呟いた一言にセレナとビオラは驚きヒビキを見る。

 

「マサラタウンにいた時にレッドさんやグリーン師匠と色々検証してたことがありまして・・・・」

 

そう、ヒビキはカントーにいた頃にカントー地方チャンピオンのレッドやジムリーダーのグリーンと共に一部の技に存在する追加効果・隠し効果について調べていたことがあった。これは前世における【あまごい】+【かみなり】や【あられ】+【ふぶき】、【にほんばれ】+【ソーラービーム】などの組み合わせがこの世界でも通用するのか気になってヒビキが二人に協力してもらい検証しており、その論文を引っ越し前に父親を通じて発表したというのだ。

 

「カントーチャンプと最強のジムリーダーと知り合いって・・・・」

 

「そういえばヒビキのお父さんは前はオーキド研究所にいたって言ってたわね・・・・」

 

しかし、まさかヒビキがそんな論文を発表していたとはセレナとビオラは思ってもみなかった。

 

「ねぇ、ヒビキ。今度その技の隠し効果について色々教えてくれない?」

 

「別に構わないが・・・・発表した論文はネットで調べればすぐにわかることなんだが」

 

「どうせ、全部は発表してないのでしょ?」

 

「バレてーら。仕方ない、また今度な?」

 

「私もネット見とこ・・・・」

 

こうしてヒビキの初のジム戦はノコッチによる2タテで幕を閉じたのだった。

 

獲得バッジ

 

バグバッジnew

 

見つけたポケモン 33

捕まえたポケモン 22




という訳で今回はノコッチ無双です。

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