とあるポケモントレーナーのお話 (凍結)   作:ミストラル0

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期間が空いてすいません。
先に書き始めたISの方を優先するのでこちらは1ヶ月に1、2回の更新になると思います。

さて、ザクロ戦ですが、ヒビキが本気モードで挑みます。


ショウヨウジム VSザクロ

「本当にフリークライミング場なんだ、このジム・・・・」

 

ショウヨウジムに入ったヒビキとセレナの目に最初に飛び込んできたのはボルダリングという道具を使わずに岩場を登るスポーツの練習場にある人工岩場の壁だった。そして、その上にジム戦のリングが見える。

 

「では、私は上で待っていますね」

 

そう言うとザクロはすいすいと壁を登っていってしまう。

 

「・・・・いくら下がクッションだからって命綱無しかよ」

 

「流石はザクロさんね・・・・」

 

そんなザクロに呆れつつも感心する二人。

 

「さて、挑戦する順番だが・・・・」

 

「せっかくだし、先に登り切った方が先に挑戦することにしない?」

 

「ほう、マサラ出身の俺にこの手の勝負を挑むとはな」

 

「ヒビキ、経験あるの?」

 

「あるぞ・・・・昔、シジマ師匠にグリーンさんと一緒に崖登らされたからな」

 

顔色が悪くなっている事から何か嫌な思い出でもあったのだろうか?

 

「見た感じそこまでキツイコースでもないし、命綱もクッションもあるんだ・・・・命の危険は無いさ」

 

本当にヒビキに何があったのだろうか?ともかく、ヒビキとセレナのボルダリング勝負はヒビキの圧勝で終わり、ザクロへ先に挑戦する権利を得たのはヒビキだった。

 

「驚きましたよ、あの壁をこんなにあっさり登り切るなんて・・・・以前にも経験が?」

 

「シジマ師匠に色々やらされまして」

 

「シジマ・・・・タンバのシジマさんですか。彼なら納得です」

 

どうやらシジマの噂はカロスにも届いているようだ。

 

「バトルシャトーで出会った日から君達とバトルをするのを心待ちにしていましたよ」

 

「ジムリーダーにそう言ってもらえるとは光栄ですよ」

 

もうバトルが待ちきれないとばかりにヒビキは強者と戦えることへの喜びから獰猛な笑みを、ザクロは遠足を楽しみにしていた子供のような無邪気な笑みを浮かべている。

 

「ルールは3対3の勝ち抜き方式で途中交代は挑戦者のみ、持ち物は自由ですが、きずぐすり等の道具は使用不可です」

 

(3対3?内2匹はあいつらだろうけど・・・・持ち物は自由?まさか・・・・なら、最初はアイツでいくか)

 

ザクロの手持ち2匹は予想がつくが、3匹目に確証が無い。なのでヒビキは半ば賭けになると思いつつも最初に出すポケモンを決める。

 

「試合開始!」

 

「行きなさい、ガチゴラス!」

 

「やっぱり一番手はお前か、俺達も行くぞ!リザードン!」

 

岩・ドラゴンタイプのガチゴラスに対しヒビキが出したのはまさかのリザードンだった。

 

「あいつバッカじゃねぇの?岩タイプ使いのザクロさんにリザードンだなんて・・・・さっきのルカリオの方が勝機あったんじゃねぇか?」

 

「ヒビキが何の考えも無しにリザードンを出す訳無いでしょ?ヒビキ、早速アレ(・・)使う気ね」

 

リザードンは炎・飛行タイプで岩タイプの技は4倍のダメージを受ける。それなのにリザードンを出したヒビキをザニーが馬鹿にしたようにそう言うが、セレナはヒビキが何をするのか察していた。

 

「リザードンですか・・・・まさか、このジムでリザードンを出すトレーナーがいるとは思いませんでしたよ」

 

そう言うザクロもリザードンが身につけているある物を見て笑っている。しかし、それはザニーのように侮っているからではなく、セレナ同様にヒビキが何をするつもりなのか察したからだ。

 

「初っぱなから飛ばして行くぞ、リザードン!」

 

「グォオオオオオ!!」

 

メガフィストの保護カバーをスライドさせキーストーンを露出させるとヒビキはそれに触れる。すると、リザードンが光の殻に覆われいく。

 

「魂の底に眠りし力を目醒めさせ、顕現せよ!蒼炎を纏いし黒龍!!」

 

そして、光の殻は最後に一際強い光を放ちつつも砕け散る。

 

「メガシンカ!メガリザードンX!!」

 

そこから現れたのは蒼炎を吐く黒い肌のリザードン・メガリザードンX。そう、リザードンが身につけていたのはリザードナイトXが嵌め込まれた腕輪だったのだ。

 

「やはりメガシンカを会得していましたか・・・・ですが、私のガチゴラスをそう簡単に破れるとは思わないでください。ガチゴラス、【かみくだく】!」

 

ヒビキのメガシンカには驚かされるも、ザクロはジムリーダー。瞬時に冷静さを取り戻しガチゴラスに指示を出す。だが、これもヒビキの計算の内だった。

 

「リザードン、【ドラゴンテール】!」

 

「しまった!?」

 

ヒビキが指示したのはゲームでは後攻になる代わりにヒットした相手のポケモンを強制交代させるドラゴンタイプ技。それをリザードンはガチゴラスの下顎に下からすくい上げるように叩きつけ【かみくだく】をキャンセルさせる。更に【ドラゴンテール】の追加効果はポケモンの強制交代。ガチゴラスを強制的にボールに戻し別のポケモンを引きずり出す【ほえる】や【ふきとばし】に類似した技だ。それによって引きずり出されたザクロのポケモンは・・・・

 

「やっぱりお前か・・・・プテラ!」

 

それは化石ポケモン・プテラだった。何故ヒビキがこのポケモンを予想していたかというと単なる消去法だ。岩タイプでメガシンカ出来るポケモンはプテラ、バンギラス、ディアンシーの3種。そのうち幻・伝説級のディアンシーは除外、バンギラスも進化するのがレベル50代のため今回は使ってこないと考え、残ったのがプテラだった。更にプテラは様々なタイプの技を覚え汎用性が非常に高いポケモンなのだ。故に使ってくるならプテラだとヒビキは予想していた。ザクロの移動要員もこのプテラに違いない。

 

「メガリザードンXという段階で警戒しておくべきでしたね・・・・こうも早くプテラを引きずり出されるとは思いませんでしたよ」

 

そう呟きザクロはある物を取り出す。

 

「ヒビキ君ならばもうわかるでしょう?」

 

「やっぱり持ってんのかよ、メガアイテム・・・・」

 

それはハーケンの形をしたキーストーンの付いたブローチだった。

 

「カロスのジムリーダーともなれば奥の手の一つや二つ持っていて当然ですよ・・・・太古の力を呼び醒ませ、メガシンカ」

 

すると、プテラもリザードンの時と同様に光の殻に覆われ姿を変える。

 

「では、メガシンカ対決といきましょうか」




今回はここまで。
ジムリーダーなんだしメガアイテムくらい持ってるよね?ということでメガプテラにご登場いただきました。

一応、次回で決着予定です。

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