とあるポケモントレーナーのお話 (凍結)   作:ミストラル0

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フレア団蹂躙戦です。

また、あのアブソルはカーキャさんの意見を参考に登場させてみました。実はアブソルは妹のエースでもあるポケモン。攻撃と素早さ極振りのメガアブソルは脅威だった・・・・


輝きの洞窟 VSフレア団

準備を終えた二人が9番道路へと通じるゲートへ向かうと、ゲートの近くにある化石研究所の所員達が何やら慌てていた。

 

「どうかしたんですか?」

 

例のアブソルの件もあり、ヒビキが所員の一人に訊ねると、輝きの洞窟に行った助手の一人がまだ戻ってきていないという。

 

(十中八九フレア団のイベントだよなぁ・・・・)

 

ゲームでのイベントを思い出しながらヒビキとセレナは助手の捜索を手伝うことを決め、9番道路へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9番道路

 

「この荒れた道は徒歩では無理ね」

 

9番道路はそのほとんどがゴツゴツとした岩場で歩いて渡ることは不可能な道である(なのに道路というのは変である)。そこで、輝きの洞窟まではサイホーンをレンタルして移動するのが一般である。

 

「私、サイホーンなんて乗ったことないわ」

 

「そこは俺に任せとけ。俺の母さんはサイホーンレーサーとしちゃあ有名だし、俺も物心ついた頃からサイホーンに乗って遊んでたんだ」

 

そうヒビキの母親であるサキはサイホーンレーサーでは知らぬ者はいない超の付く有名人。その息子たるヒビキがサイホーンに乗れぬ訳が無かった。

 

「そういえば、ヒビキはポケモンセンターで誰かに連絡してたみたいだったけど」

 

「ちょっと母さんにコイツを貸してもらおうと思ってな」

 

そう言ってヒビキがモンスターボールを投げると中から立派な角を持ち、左目に縦の傷を持つサイホーンが姿を現した。

 

「こ、このサイホーンって・・・・」

 

「そっ、母さんの相棒で俺はボスって呼んでる」

 

そのサイホーンはサイホーンレーサーとして名を馳せたサキの相棒にして、ヒビキにとっては生まれた頃からの付き合いで兄弟分と言えるポケモンだ。サイホーンもヒビキのことは生まれた頃から知っており、弟分のような存在だと思っている。そのため、普通は持ち主(親)以外の命令を聞かせるにはジムバッジがレベル相応必要なのだが、このコンビには不要だった。

 

「頼む、ボス」

 

サイホーン(ボス)の背中にレーサー等で使うシートを取り付けヒビキ達は輝きの洞窟へと向かう。途中、何度か野生のポケモンを見かけたが、サイホーン(ボス)が一睨みするだけで逃げていく。

 

「ヒビキ、このサイホーンってレベルいくつなの?」

 

「うーん、レース用に進化させてないからかなり高かったと思うが・・・・60代後半だったっけか、ボス」

 

ヒビキの言葉に無言で頷くサイホーン(ボス)。そりゃ、レベル3倍以上あったら野生ポケモン逃げますわ。一匹だけサイホーン(ボス)に挑んできたサイホーン(輝きの洞窟に生息していた個体)がいたが、あっさり返り討ちにされてヒビキにゲットされていた。そうこうしている間に輝きの洞窟が見えてきた。

 

「うわぁ、如何にも怪しい格好したのいるし」

 

「それに、その人達と対峙してるのって、あのアブソルじゃ・・・・」

 

その入り口付近で赤い髪を妙なヘアースタイルで決め、赤いサングラス、赤いスーツ、Fという文字のバックルのベルトを着けた不審者と対峙するあのアブソルがいた。

 

「こいつ、我々の邪魔をする気か?」

 

怪しい男達とアブソル。どちらに加勢するかと聞かれたらヒビキとセレナは迷わずアブソルに加勢するだろう。

 

「ボス、やっちまえ」

 

そして、ヒビキはサイホーン(ボス)に乗ったまま怪しい男達へと突撃する。

 

「う、うわぁ!?」

 

「な、何だこいつらは!?」

 

「お前達も我々の邪魔をする気か!」

 

「邪魔?お前らこそ通行の邪魔だ」

 

突っ込んできたヒビキ達を睨む怪しい男達だったが、ヒビキは全く動じてはいなかった。

 

「くっ、我々フレア団に刃向かったことを後悔させてやる!」

 

そう言うと怪しい男達改めフレア団の団員達は妙なポーズ(Fに見えなくもない)を取る。

 

「フレア団ねぇ・・・・知らない名前だ」

 

ヒビキはフレア団を完全におちょくっている。

 

「何なのよ、フレア団って」

 

「俺らフレア団は自分達がハッピーになるためなら他はどうなってもいいオシャレチームさ!」

 

セレナが訊ねると、団員の一人が待ってましたとばかりにそう言う。

 

「セレナ、こんなしたっぱに何言っても無駄だって・・・・こんな格好をオシャレとか言うような頭おかしい連中だぞ?」

 

「てめえ!さっきから言わせておけばいい気になりやがって!」

 

「俺らの恐ろしいさ、思い知らせてやる!」

 

「行け!デルビル!」

 

三人のフレア団員はデルビル、ズバット、ゴクリンを繰り出すが・・・・

 

「ボス、すまんが頼む。お前らも出てこい!」

 

対するヒビキが出したポケモンはサイホーン(ボス)にリザードン、そしてシャワーズの3匹。

 

「「「えっ?」」」

 

現れた明らかにデルビルを上回る3匹に団員達は思わず後退る。

 

「シャワーズ、【みずのはどう】。リザードン、【はじけるほのお】。ボス、【とっしん】」

 

3匹の技が炸裂し、フレア団のポケモンはあっという間に蹴散らされてしまう。

 

「つ、つえ・・・・」

 

「な、何なんだよこいつ」

 

「ひ、退くぞ!」

 

ポケモンがやられたしたっぱA、B、Cはすぐさま輝きの洞窟へと逃げて行った。

 

「口程にも無いな」

 

「私の出番はなかったわね」

 

フレア団を追い払うと例のアブソルは無言で輝きの洞窟へと向かう。

 

「なるほどね、あいつはフレア団をここから追い払いたいのか」

 

「助手さんも探さないといけないし、私達も行きましょうか、ヒビキ」

 

アブソルに続いて輝きの洞窟に入ると、今度はフレア団の男女が二人の前に立ち塞がる。

 

「お前らが泣く子も黙るオシャレチーム・フレア団に逆らうお子さまか?」

 

「化石を探す邪魔ね」

 

どうやらフレア団の目的は化石らしい。

 

「またしたっぱか・・・・セレナ、速攻で片付けらぞ」

 

「ええ、お子さまと侮ったことを後悔させてあげるわ」

 

フレア団の男女が繰り出してきたのはズルッグとグレッグルの二匹。

 

「フラエッテ!」

 

「ニャオニクス!」

 

対してヒビキとセレナが出したのは色違いのフラエッテにニャオニクスだ。

 

「フラエッテ、ズルッグに【ようせいのかぜ】!」

 

「ニャオニクス、グレッグルに【サイコショック】!」

 

レベル差もあってかヒビキ達のポケモンの技を食らったフレア団のポケモンは一撃で戦闘不能になる。

 

「う、嘘だろ!?」

 

「このお子さま、強い!」

 

「さて、お前らには色々吐いてもらおうか?」

 

「だ、誰がお前らなんかにーー」

 

その瞬間、フレア団のしたっぱ(男)の前を【かまいたち】が横切る。それを放ったのはあのアブソルだった。

 

「へぇー、お前さんはレベルの割にいい技覚えてんじゃん。で、どうする?」

 

「「ひ、ひぃ!」」

 

その後、アブソルの脅しもあってフレア団の目的が輝きの洞窟で出土するポケモンの化石を研究所の助手に復元させ、それを売って儲けようとしていたことが判明する。

 

「目的はほとんど一緒だったみたいだな、アブソル」

 

「ポケモンをそんなくだらないことに使おうだなんて許せないわ!」

 

話を聞きセレナはフレア団の行いに怒り心頭のようだ。そしてヒビキも少なからずフレア団の身勝手さに苛立っていた。

 

「セレナ、道中のフレア団は全員叩きのめすぞ」

 

「ええ、性根を叩き直してあげるわ!」

 

その後も道中のフレア団のしたっぱを片っ端から蹴散らしていき、輝きの洞窟内にいたフレア団を追い払った。本当は捕まえてしまいたかったが、子供二人にフレア団を捕らえておくことは出来ず、追い払うのが精一杯だったのだ。研究所の助手は化石に夢中でフレア団に気が付いておらず無事で、研究所で他の所員が心配していることを告げるとお礼に二人に見つけた化石を譲ってくれた。受け取った化石はヒビキが顎の化石、セレナが鰭の化石である。

 

「助手さんが無事で良かったわ」

 

「だな。バトルシャトーでの特訓のおかげか」

 

助手の無事を確認した二人は輝きの洞窟に生息するポケモンを捕まえたり、【いわくだき】で他の化石を探したりしてから輝きの洞窟を後にもするのだった。




フレア団が噛ませ犬にしかなってない・・・・レベル差考えれば普通なんですけどね。

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