天龍の改変者   作:

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第9話

【オークション会場】

 

シャボンディー諸島で1番の大きさを誇るオークション会場内では天竜人が十数人座りオークションが開催されるのを待っていた。ここまでの天竜人が入るのは極めて少なく、歴史上でも稀にしか見ることが叶わない。もう少しで開催する時に突如入口のドアが開き天竜人の少年と老人が会場内に入ってきた。そして、ドアが閉まるとステージに光が照らされる。照らされたステージには中央に1人のスーツを着てマイクを持った男性が立っていた。男性は一度礼をすると…

 

 

 

「みなさま!本日はオークション会場へお越し来ていただき誠にありがとうございます。今回の目玉は何と言っても悪魔の実、最強種と呼ばれる自然系の実でございます。最後に出すことになりますので、何が出て来るかは楽しみに待っていてください!それではオークションスタート!」

 

そう言うと、男性は一度礼をしてオークションの品々を次々に出し、出された品々は買われていく。ほとんどを天竜人が買うため原価よりも10倍以上の金額が入って来るのか司会者の顔には自然と笑みがうまれている。

 

 

 

「さぁぁぁて!ついに最後の品!悪魔の実です!どぉ〜ぞ!」

 

赤い布をかぶせた箱が2つステージ脇から出て来る。

 

「さぁ〜〜て、1つ目の悪魔の実は…」

 

ダラダラダラダラとドラムロールが会場に鳴り響く。会場に座っている客たちは一斉に唾を飲む。それは天竜人の少年と老人も同じだ。

 

 

 

 

ドラムロールが止まり赤い布がとられ、赤色の悪魔の実があらわになる‼︎

 

 

 

 

 

 

 

「こちらの悪魔の実は自然系 メラメ『10億だ‼︎』…へ?…よろしいのでしょうか?この悪魔の実は名前が確認されているだけで、能力や効果までは確認されていませんが?」

 

突然出てきた少年の言葉に司会者は驚き、一瞬だが戸惑うがすぐ立て直す。その対応は天竜人相手にもオークションを行なってきた彼だからこそできることかもしれない。

 

それもそうだ。普通悪魔の実は最低で一億ベリーであり、10倍の値段なんて、あまり聞くことがない。周りの天竜人もなにかを悟って、さらに金額を上乗せしようとするが、相手が天竜人最高位のディアノス聖だと気付くと、上乗せすることができずにいた。周りの人も天竜人が金額を出したので、上乗せができない。必然的に..

 

 

 

 

「他にはいませんね?……悪魔の実 自然系メラメラの実は10億ベリーでディアノス聖様が落札‼︎ディアノス聖様、まだオークションはお続けになられますか?」

 

「うん。まだ続ける予定だよ。」

 

なぜメラメラの実がオークションに…?これだけでもオークションにきた甲斐はあったな。もう原作は少しずつだけど始まってきているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、2つのうちの最後の実は一体なんなのか?それではいきましょう!ドラムロールスタート!!」

 

 

 

 

 

司会者が開始宣言をすると再びドラムロールが鳴り始める。鳴り終わると…静寂が訪れ、赤い布がとられる。そして、黄色の悪魔の実があらわになる。

 

 

 

黄色...?あれは一体何の……!!!??あれは買わないとまずい‼︎あいつの手に渡ったら面倒な事になる‼︎

 

 

 

「自然系『10億‼︎』……!!!良いのですか?この悪魔の実に至っては詳細な情報がございません。この実の形状から自然系ということのみ判明しておりますが。」

 

司会者は買った後の天竜人からの文句が怖いのか必要以上に忠告して来る。先と同様に他の客は天竜人が発言したので上乗せはせず、天竜人も最高位のディアノス聖の発言なので上乗せをしない。

 

 

 

「別にいいよ。安心してね。後で文句を言うつもりもないから。」

 

 

 

少年がそう言うと司会者は満面の笑みを浮かべ、

 

 

 

「もう上乗せはございませんね。正体不明の悪魔の実はディアノス聖様が10億ベリーで落札いたしました‼︎これにて悪魔の実などの物品のオークションを終了いたします!これからは人身のオークシ…『ドカァン‼︎…ん?あぁ…少し出て来るのが早かったかな?まぁいい。全員少しだけ寝てもらおうか…』…。」

 

司会者が人身オークションの開始宣言をしようとすると、ステージ後ろの壁が壊され、中から白髪が多くの割合を占める。老人とはまだ言い難い人物がでてくる。その人物は覇王色の覇気を使い、オークションにいる客、司会者全員を気絶させる。しかし、2人だけ気絶しなかった人物がいた。

 

 

 

一連の光景を見た少年は小さくだが呟く。

 

「冥王シルバーズ・レイリー。」

 

 

 

「ん?あぁ、誰か気絶してないと思ったら天龍人の2人か。……はっはっは。これは大変だ。多分だが私では少年の方には勝てないぞ。」

 

その呼び方は確信的で天竜人とは言わず、天龍人とはっきりとした意志を持って発言していた。そして、自分と少年との力量をはっきりと理解し、降伏宣言をした。

 

 

 

「えっ?…2人…⁉︎いや、だれも…っておじいちゃん‼︎⁇何で起きちゃってるの!」

 

 

 

「なんか起きちゃったんじゃ!わしも説明してほしいわい!」

 

 

 

「も〜。ビックリさせないでよ〜。あ、シルバーズ・レイリー。僕は別に何もする気は無いよ。どうせ脱出と同時に奴隷を逃がしてくれたんでしょう?」

 

 

 

「あぁ。逃がした。でもいいのか?せっかくオークションにきたのに奴隷を買えないぞ?」

 

 

 

「別にいいよ。奴隷なんて興味はあまり無いし。目当ての悪魔の実は買うことができたからね。それに、今日はあなたに会えたことができた。何もしないよ。」

 

 

 

「それはありがたい。…さすが何百年もの間後悔し、守り続ける一族だな。…ん?悪魔の実か。1つはメラメラともう1つは…これは何だ?見たことがない。」

 

やはりシルバーズ・レイリーでも知らなかったのか。まぁ、その方が都合が良かった。途中小さすぎて聞こえない部分があったな。別にいいか。それよりも…

 

 

 

「シルバーズ・レイリー。そろそろ全員起きちゃうよ?逃げた方がいいんじゃない?」

 

 

 

「んっ?あぁ…そうみたいだな。それじゃあ、またいつかどこかで会おう。」

 

そう言うと冥王と呼ばれる男はオークション会場を後にした。男が会場を去ると気絶していた客が次々に起き出し、司会者が奴隷が脱走していることに気がつくと、急いでオークションの終了を宣言した。

 

 

 

 

 

【天竜人専用の船にて】

 

 

 

 

 

 

僕とおじいちゃんは終了宣言の後、落札した悪魔の実を受け取りマリージョアへと船で帰還しようとしていた。

 

 

 

 

「ところで、レオン。この悪魔の実を知っているようじゃったが、どのような能力なのじゃ?」

 

 

 

「あぁ。そういえば、話してなかったね。1つ目悪魔の実は自然系の悪魔の実。メラメラの実だよ。全身が炎人間になるんだ。2つ目の悪魔の実は自然系の悪魔の実。ゴロゴロの実だよ。全身が雷人間になるんだ。どちらも強力な悪魔の実だよ。」

 

 

 

 

「そうなのか。まぁ、可愛い孫の頼みじゃ。それは誕生日プレゼントにしといてあげるのじゃ。」

 

 

 

「えっ!ちょっと待ってよ!誕生日プレゼントは他のを考えてたんだけど!ねぇ!おじいちゃんってば!おじいちゃん〜‼︎」

 

はぁ、仕方ない。今年の誕生日プレゼントは諦めよう。…でも、よく考えれば、メラメラの実とゴロゴロの実が手に入ったんだからいいか。

 

 


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