天龍の改変者   作:

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第11話

全知の樹がある島、オハラ。全知の樹の中には世界中から集められた大量の本が置いてある図書館が存在する。また、世界各国から考古学者達が集まり、日々歴史について学習しあっている場所でもある。しかし、裏では世界政府より禁じられている空白の100年の解析、及びポーネグリフの解読を進めている島でもある。そんな島に1人の少年が船から降り、島の土地に足をつけ、大きく背伸びをする。

 

 

 

「やっと着いたー!1ヶ月は流石に長すぎるでしょ。前回はそんなに船旅が長くなかったからなー。はぁ。腰が痛い。早く、おじいちゃんの友人に手紙を渡さないと夜になって野宿になっちゃうよ。」

 

僕は早速、おじいちゃんの旧友であるクローバー博士を捜すため歩き出す。

 

 

 

「それにしても自然が多くて空気が綺麗だ。中央の巨大な樹が全知の樹かな。迫力があってすごいなぁ。」

 

全知の樹を見てそんな事を口ずさんでいると。いきなり後ろから少女に話しかけられる。

 

 

 

「あなたはだれ?ここでは見たことがない顔だね。ここの島の人じゃないでしょ?今日の船で来たの?……あ!もしかして、あなたも考古学者の人?」

 

黒髪の綺麗な髪の毛をしているミディアムぐらいの髪型の少女は笑顔で話しかけてくる。

 

あぁ、この子将来、すごい美人になるんだろうな。将来が楽しみだ。

 

 

 

「まぁ、そんなところかな。クローバー博士って人を探してるんだけど見つからないんだ。…あ、僕の名前はレオン。君の名前は何?」

 

 

 

「私の名前はニコ=ロビン!…レオン君はクローバー博士に用があるの?それなら、いる場所知ってるよ!そこまで案内してあげる!」

 

あ、バリバリ綺麗になる人じゃないか。そりゃ、少女の時にこんなに可愛いわけだ。

 

 

 

「それじゃあ、ロビン。博士の場所まで案内お願いできる?」

 

 

 

「うん!任せて!」

 

そうして、ロビンと僕は全知の樹の麓まで趣味や好物などの自己紹介をしながら歩き続けた。そして、麓まで来ると樹の幹に作られた扉があった。

 

 

 

「へー。ここから中に入れるんだね。樹の中に図書館を作るなんて、これを作った人はすごい発想の持ち主だなぁ。」

 

 

 

「図書館を作った人は私たちオハラの人々でも知らないんだ。…さ!あと少しでクローバー博士に会えるよ!」

 

ロビンは早く会いたいのか小走りで図書館内へと入っていく。

 

 

 

「ちょっと、ロビン。待ってよ!」

 

僕もロビンを追いかけ、図書館内へと入っていく。

 

 

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【図書館内】

 

全知の樹の中にある図書館内では、今、髪の毛がクローバーの形になっている老人が少女と見たことのない少年と話している。

 

 

 

「レオン!この人がクローバー博士!髪の毛が特徴的でしょ!ふふふふっ。」

 

ロビンは微笑みながら、老人について紹介する。

 

 

 

「あぁ、ロビン。そういえば、さっき学者達が呼んでおったぞ。なんか手伝って欲しいそうじゃ。」

 

 

 

「え!ほんと!わかった!すぐ行く!レオン君またね!」

 

ロビンは笑顔になりながら、すごい勢いで学者達の元へと走っていく。ロビンの姿が見えなくなり……

 

 

 

「初めまして、クローバー博士。僕の名前はレオンです。祖父から手紙をもらっていますので、まずこの手紙を読んでください。そしたら、ほとんど僕の事がわかるはずですから。」

 

僕はクローバー博士におじいちゃんからの手紙を渡すと、手紙を読みながらクローバー博士は驚き、時には落胆し、涙を流し、また驚ろく、そんな表情を繰り返しながら読み進めていく。手紙を読み終えると…

 

 

 

「そういうことかの。新聞などでは“顔の火傷”でペストマスクを被っとると書いておったから記事通りかと思ったら、こういうことだったんじゃな。まぁ、天竜人でここまで顔がよければニュースクーの新聞の写真にも載るじゃろうな。いづれマリージョアを出て旅をする時には障害になりうる。賢明な判断じゃと思うぞ。天竜人であることは秘密にしておくから、マスクは被らずに過ごして平気じゃぞ。」

 

 

 

「ありがとうございます。6ヶ月、7ヶ月お世話になると思いますが、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

…それと……ポーネグリフ解読。及び、空白の100年の解析はもうやめた方がいい。」

 

これだけは、これだけは伝えなければならない。バスターコール。あれだけは起こしてはならない。島民、島、図書館、全知の樹。全てが消滅する。博士はものすごく、驚愕した顔になっている。そして険しい顔がになる。博士は顔を天井に向け、天井をずっと眺め話し始める。

 

 

 

「なぜその事をお主が知っておる。情報操作などはうまくしておったはずじゃ。」

 

 

 

「人の口に戸は立てられないというでしょう。政府も少しずつですが勘づき始めています。そして、このまま続けていけば………………バスターコールが実行されるそうです。これは確かな情報です。博士も博識と伺っておりますので、これの存在は知ってるはずです。」

 

 

 

「…確かに知っておる。……バスターコール。その情報は確かなのじゃな?」

 

 

 

「はい。うちの一族の情報網ですので確かことです。」

 

 

 

「わかった。ありがとう。レオン君はすまないが時間をくれないか。学者たちと話してくる。それと、町の外れに空き家があるからそこで過ごしてくれ、足りないものがあれば言ってもらえれば渡すようにする。」

 

 

 

「はい。今日はありがとうございました。今日は空き家こ状況を見て、休みたいと思います。そして、明日から本を読み進めていくことにします。………学者の方々の件はよろしくお願いします。」

 

おそらくこれで、バスターコールの件は回避できただろう。家を見て、家の件を済ましてから知識をつけるために本を読み進めていこう。

 


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