スパロボ転生R(リファイン)   作:7誌

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ループ物の主人公の一番恐ろしい所は何かと聞かれれば、貴方は何と答えますか?


4~8周目

(4週目)

 

 

 気付いたら、お山の仙人様とか呼ばれるようになった俺は、最終的に茸に中って死にました。

 ………はぁ。なんだろうね、もう。茸ってなによ、茸て。仙人もどきが毒茸に中って死亡て。はぁ。

 

 しかし、前回の山籠もりで理解した。俺には格闘家としての才能は無い。

 四十年間山に籠って肉体を鍛え抜き、武装した正規兵を襲って食料を強奪するという苦行を続けてみたものの、出来て戦車をぶち抜くか滝を割る程度。気功術の真似事もそれなりに使えるが、東方不敗や十傑衆はおろか初期のミケロ・チャリオットにさえ届いていない気がする。

 山籠もり中に襲った兵隊には悪いが、四十年フルに鍛えてこの程度では孫光龍を殴り殺すことは出来そうにない。

 

 十代半ば頃、それなりに肉体も出来てきた俺は、こっそりと旅に出ることにした。今生の両親とはもう会う気はない。

 

 そんなこんなで日本を飛び出し、最初に向かったのは、超機人と因縁の一族であるブランシュタインの家があるドイツ国。

 孫光龍をぶち殺す為にも情報は必要不可欠、あわよくば彼らが属しているだろう秘密組織『オーダー』に参加させてもらおうと思ったのだが……国内情勢がゴタゴタし過ぎて、滞在も難しくなってきたので接触を断念。

 ドイツ国を脱出し、先代や子孫とは比べるのが失礼なくらいに真っ当なグリムズ家との接触を図るべく再び海を渡り、イギリス国に(不法)入国。

 さてどうやって接触するかと悩む事数日、紅茶で腹を膨らませていたら武装した兵に包囲された。

 密入国がバレたかと身構えると、奥の方から爽やかな好青年登場。

 

「君かい? 僕の家の周りを嗅ぎまわっていた日本人は?」

「……わーお、そっちから来てくれるとは思わなかったよ。エドワード・グリムズさんで合ってるかい?」

 

 ご都合主義というか何というか、目当ての人間が向こうから出向いてくれた。

 連れていかれた施設で、嘘やら真やら若干脚色した事情を語りつつ、〇〇だからバラルと戦っている組織に加われないかと思って日本を飛び出してここまで来たのだと説明。

 滅茶苦茶胡散臭そうな顔をされたが、何とかオーダーに参加させてもらえることになった。

 

 その後、コツコツと信用を勝ち取った俺は、発掘してきた龍虎王を解析して開発された鋼機人の調整に協力しつつ、バラルを追っていたのだが……まあ、何というかアレだ。

 鋼機人のテスト中、うっかり妖機人化させて暴走し、挙句に止めに来たエドワードの雷虎と交戦。途中、乱入してきたバラルの妖機人を道連れに自爆した。

 意識が消える直前、エドワードが俺の名を呼んだ気がするが……気のせいだろう多分。

 

 

 

(5周目)

 

 前回をなぞりつつ、バラルを追っていたのだが、終盤で出現した四罪の超機人、鯀王と交戦。

 やられそうになったエドワードの雷虎を庇って機体が中破。動けなくなったところを鯀王に踊り食いされて死亡。

 

 

 

(6周目)

 

 前回をなぞりつつ、バラルを追っていたのだが、鯀王の撃破後に出てきた共工王と交戦。

 やられそうになったエドワードの雷虎を庇って再び機体が中破。動けなくなったところを共工王に丸呑みにされるが、体内で機体を自爆させて死亡。

 

 

 

(7周目)

 

 あかん。磨耗する。

 前回から思っていたことだが、そろそろ限界が近い気がする。

 密度が濃い人生とはいえ、二度も同じ事繰り返していると精神がヤバイ。

 最初の人生で見たループものの小説や漫画の主人公マジ凄い。こっちは多分6、いや7回目くらいでこの様なのに連中マジ凄い。

 そもそもな話、何で俺はバラルを追ってたんだっけ?

 特に因縁がある訳でもないのに……はて、本当に何で追ってたんだっけ?

 

 精神的に摩耗してる事に気づき、この周回ではバラルは追わずに骨休めに使う事に急遽決定。

 

 久しぶりに汚いアレコレして金を貯めた工場を建てたりしながら、軍部や官僚に賄賂を送りまくってコネを造り、さらに貯めた金で(ry

 

 貯まった金で屋敷を建て、久しぶりの金持ちライフでノンビリしつつ、身体を鍛えていたら屋敷が襲撃された。

 バラル産の化け物を蹴散らし、命乞いしてくる変態をもぎ取ったチ●●ケースで串刺しにする。

 そうして、漸く全ての敵を叩き潰したと、心の其処から一息ついたところで

 

「おやおや、まさか禁牙を返り討ちにするとはね。いやぁ実に驚いた。本当に驚いたよ」

 

 お、お、思い出したーーーーッ!!!

 

 

(8周目)

 

 ああ腹立つ。あんの腐れ白スーツ。あいつ自身に会ったのが前回除けば一度しかなかったから殆ど忘れてた。

 そうだ、俺は殺された俺の敵を討たねばならないのだ。

 

 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!

 今度こそ忘れない様に、魂そのものに刻み付ける。何度繰り返すことになろうとも、あの余裕そうな顔を苦悶の顔に変えてやる。

 殺意を胸に刻みつつ行動を開始……する前に、確認しなければならない事がある。

 

 そもそもな話、何故俺が連中に襲撃されたのか?

 孫光龍憎しで完全に忘れていたが、そこを確認しなければ不味い気がする。

 

 という訳で前回同様に行動しつつも、連中が何を求めて来たのかの調査開始。

 汚いアレコレして金を貯めた工場を建てたりしながら、軍部や官僚に賄賂を送りまくってコネを造り、さらに貯めた金で(ry

 その後、義足でも怪物と変態を皆殺しに出来るように罠を仕掛けた屋敷を建てつつ、暇を潰す為に国内や国外から書物を購入していたのだが……その中に気になる物を発見した。

 

 中国から来たという古物商からまとめ買いした中に混じっていた物で、中国語で書かれている上に劣化も酷く、普通だったら倉庫送り確定の物なのだが、挿絵と思われるものの一部に龍虎王の姿が!

 

 ……凄まじく嫌な予感がした為、本を片手に国外へ高飛び開始。

 バラルの襲撃を警戒しながら各国を転々としつつ、時間が許す限り書物の解読を行う。

 劣化が酷すぎる上に素人の翻訳なので穴だらけもいい所だが、ある程度は解読できた。

 解読できた部分を繋げるとこうなる。

 

 

 『出現・百邪・超機人・裏切り・妖機人・大戦・機械の神・巫女・神僕・塔・星の封印・戦い・停止・警告・四神・生き残り・妖機人・封印の地・記す・未来・託す』

 

 

 あー、うん。これヤバイわ(汗)

 バラルとか知らない人間が読んでも意味わからない本だけど、知ってる人間からしたらヤバイの一言に尽きる。

 そりゃこの本の事バラルが知ったら消しに来るわ。孫光龍も自分で確認に来るわ。

 これ書いた奴、多分バラルが未来に復活するから警告とかそんな感じで書いたんだろうけど……幾つか言わせてもらいたい。

 

 超機人はともかく妖機人まで残すとか何考えてやがる!? それもご丁寧に地図付きとか阿呆か!?

 しかも覚醒とか運用の部分が劣化し過ぎて読めなくなってるじゃねーか!? 使い方の分からない、しかも敵側に寝返ってた超兵器なんぞ危なすぎて使えねーよ!!

 つーか殆どの妖機人がバラル側に回収されてんぞ!!

 病死する前に読んでた漫画に出てた名前が殆どじゃねーか!!

 

「随分と手間取らせてくれましたねぇ!」

「ぬあーーーっ!!」

 




国外を転々としながら逃亡を続けるものの、最終的には禁牙に捕捉され死亡。

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