月姫紗菜さん誤字報告ありがとうございます
第3話 個性把握テスト
真新しい制服を着て今日から始まる高校生活に俺は期待を膨らませる
「レン。忘れ物は無いか?」
「あぁ大丈夫だ。昨日の時点で全部確認しながら入れたからな」
「体調は?」
「…問題ない」
こんなことを朝からかれこれ10回は繰り返してる。母さんも親父も心配しすぎだよ
靴を履いて玄関からドアノブを回し外に出る前に呼び止められた
「「レン!」」
「…ん?」
「「行ってらっしゃい」」
「…あぁ行ってきます」
ーーーーーー
今日が雄英高校の初登校だ。あそこにこれから毎日行くのかと思うと少しだけ不安だ…絶対迷いそうだ。雄英はAクラスBクラスに20人ずつなんだが学校の都合により一人多く入学できることになったためAクラスは21人になる
俺は1ーAの教室までなんとか来たが…すごく…デカイです。何がだって?…ドアがだよ。扉大きいな…いくら何でもでかすぎだろうこれは…いやそういう個性がある人たちの為なんだろうけど…幾ら何でもデカすぎる
若干驚愕しながら教室に入ると
「数人ぐらいしか来てないか」
まだそんなに人は来ていなかった
「なぁ!お前だよな!あの噂のやつ!!」
自分の席についてゆっくりしていると逆立っている赤い髪の生徒が話しかけてきた
「俺は切島 鋭児郎!入試実技は三位だった。これからよろしくな!」
暑苦しいと言うかなんというか…如何にも熱血!!って感じの印象の少年だがこいつとは上手くやれそうだ
握手を求めて来たので握り返した
「俺は毒島レンだ。それで噂って?」
「ん?あぁ!お前確か大型の
「あぁ…あの事か。アレは俺だけの力じゃない芦戸が居たから出来たんだよ」
「芦戸!?あいつと一緒にやったのか!あいつとは同中なんだよ」
「そうなのか」
「くぅ〜あんなのに立ち向かうなんて…お前漢らしいぜ!!」
やっぱ熱血系男子か!?嫌いじゃないぜそういうの
「あ!毒島だ!」
声のする方に顔を向けると芦戸がいた
「おはよう芦戸。お前切島と同中だったんだな」
「そうだよ!それで何話してたの?」
「あの大型の
「あー!あれね!!毒島凄かったよね!」
「なぁ!芦戸!毒島はどうやって倒してたんだ!?」
切島は気になるのか芦戸に詰め寄りながら聞いていた
「凄かったよ。私の個性の酸で足を溶かしてから
「あぁーーー!!超見たかったぜ!!」
芦戸がいたから出来たんだがな…芦戸がいなかったら強引な手段取ってただろうしな
するとその話を聞きつけたのか次々と人が集まって来た
「君もあの大型
「お前アレ倒すとか才能マンなのか!?おれは上鳴電気だ。よろしく!」
「私は葉隠透!透明で顔が見えないけどよろしくね!」
「俺は瀨呂範太!よろしく。んでこっちが」
「蛙吸梅雨よ。気軽に梅雨ちゃんと呼んで」
「あぁ。よろしくな皆んな」
随分と個性的な面子だな
The 堅物系男子
盛り上げ役の金髪の少年
昔流行ってた醤油顔
見た目が蛙の女子
他にも知らない奴がいるが鴉みたいな奴もいるな
一通り自己紹介が終わると教卓の寝袋から小汚いおっさんが出てきた
「はい、君たちが完全に静かになるまで8秒もかかりました。時間は有限なんだよ。そんな君たちは合理性に欠くね」
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
ボサボサの髪が特徴の先生が俺達の担任らしい。あれが担任か
相澤先生は自分の寝袋から出ると、寝袋の中からビニールに入った体操服を取り出した
「さっさと体操着に着替えてグラウンド集合な」
ーーーーーーーーー
『個性把握…テストォ!?』
グラウンドに集められたクラスメイトの約半数以上が口をそろえて言った
「ヒーローになるんだったら入学式なんかに出る時間はない。この雄英は『自由』な校風が売り文句だ。そしてそれは『
そういや入学式やってねぇな…忘れてたわ
生徒だけじゃなくて先生にも適用されんのか
「今からするのは中学の頃からやってるだろ?【個性】禁止の体力テストだ」
…うちの学校で個性を使おうものならすぐに安◯先生がすっ飛んで来て鉄拳を食らわせるからな…怖い怖い
「ガタガタガタガタ」
「うぉ!?どうした毒島!?めっちゃ震えてるぞ!」
「だだだだだ…大丈夫だだだ…もも問題ない」
そう大丈夫だ。軽くトラウマ思い出しただけだから
「そういえば今回、入試成績のトップは爆豪だったな。爆豪…お前中学の時ソフトボール投げの時、何mだった?」
「67m」
「そんじゃあ、自分の【個性】を使って投げてみろ。基本的に円から出なきゃ何してもいいから早よやれ。思いっ切りな」
そういって相澤さんは爆豪―金髪で頭が爆発しているような不良にソフトボールを渡した
「死ねぇ!!!」
…それは掛け声としてはどうなんだ爆豪
見た感じ掌からの爆発を利用して投げたのか
爆豪が投げたソフトボールら激しい爆発と共にすぐに目には見えない距離に飛んで行った
「まずは自分の最大限を知る事だ。それがヒーローの素地を形成する合理的手段…これが雄英式 個性把握テストだ」
記録は705.2m。さっき爆豪が中学の時67mとか言っていたからやはり個性を乗せるのと乗せないのでは全然違ってくるな
「なんだこれすげー面白そう!」
「やりたいやりたい!」
クラスメイトはお祭り騒ぎしてるが先生の顔やばい事になってるぞ
「面白そうか…成る程な」
雰囲気が変わった気がした
「ヒーローになるためのこの三年間をそんな腹づもりで過ごす気でいるのか?お前ら…。なら、トータル成績で最下位だった者は俺の判断で見込み無しと判断し、除籍処分とする」
「「「ハァァァァァ!!??」」」
これには俺もびっくりだ。マジか…ここまでやるのか
「お前達、生徒をどうするかは先生の『自由』だ」
「ようこそこれが、雄英高校のヒーロー科だ」
第一種目は50m走。一番手の飯田は早かったな。足からエンジンみたいな奴が出てたから走力系の個性か
爆豪にいたっては爆破で飛んでたしな
「ハイ次…あぁ毒島で最後か」
確かに人数が奇数だからしょうがないにしてもさ…なんで俺一人でやらせるんだよ!みんなから見られて余計緊張するわ!
相澤先生がなんか口元隠して笑ってるって事はワザと俺を一人にしやがったな!?
クソッ!目にものを見せてやる!
「ヨーイ」
ーーー脳に微量の毒を注入
ーーー脳のリミッターを解除
ーーー四肢の疲労感覚を麻痺
「スタート」
合図と同時に足前に向けて走り出す。ここ最近で出来るようになったがどれくらい早くなるか分からないから、全力出して走る
「1秒02」
結構早いな…だけど少しだけ負担がかかるみたいだな。あまり多用しないようにしよう
脳に流した毒を身体に戻している時、周りがざわついているのに気づいてそちらに目を向けると
「1秒02!?どうやったんだ毒島!?」
「スゴイじゃん!」「ヤベー!!」
「分かった!分かったら離れてくれ!」
一瞬で囲まれた…まぁこんな記録叩きだすとか思ってなかったんだろうな。先生もなんか驚いた顔してるしとりあえず成功か…ウシッ
後なんか爆豪からすごい視線を感じるんだけど何かしたかな?
ーーーーーー
それから握力、立ち幅跳び、反復横跳び、ソフトボール投げなんかを続けてやって無事全種目が終了。俺の一つ前の緑髪のやつがソフトボール投げの時にちょっと先生とひと悶着あったが、普通に終わった。てかあの緑髪のやつ講堂の説明会の時に飯田に怒鳴られたやつじゃないか
「んじゃ時間が押してるんでパパッと結果発表するぞ」
確かトータルで最下位が除籍処分だったはずだ
「ちなみに除籍の件は嘘な。君達の最大限を引き出す為の合理的虚偽だ」
「「「は―――――!!!??」」」
「あんなの嘘に決まってる。ちょっと考えればわかりますわ…」
いや八百万…といったか?
あの人は除籍の話をした時に顔がマジだったから見込みのない生徒がいた場合絶対切り捨ててたぞ
順位についてだが
1位 八百万 百
2位 毒島レン
3位 爆豪 勝己
4位 轟 焦凍
5位 飯田 天哉
6位 常闇 踏陰
7位 障子 目蔵
8位 尾白 猿夫
9位 切島 鋭児郎
10位 芦戸 三奈
11位 麗日 お茶子
12位 口田 甲司
13位 砂藤 力道
14位 蛙吹 梅雨
15位 青山 優雅
16位 瀬呂 範太
17位 上鳴 電気
18位 耳郎 響香
19位 葉隠 透
20位 峰田 実
21位 緑谷 出久
二位か…中々の好成績だな。まぁ、一位をとれなかったのは終始脳を毒でリミッターを外していた為、後半でガタが来たのが原因か
結果が発表された際に爆豪に殺気に近い視線が送られてきたのだが何かしたかな?
こうして入学早々、波乱の個性把握テストが終わった
次回から戦闘訓練に入ります