個性『桃球』   作:猫好き

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

遅れた理由としては年末年始の忙しさに加え、話が纏まらなかった為です。今回場面入れ替えが多いです。ご了承ください。

(入れておいて良かった不定期更新…)


動き出す歯車

「私利私欲の為に動くなどヒーローとしてあるまじき行動…だからこうして地に這うことになる。」

 

「だ、黙れ!ヒーロー殺し!お前は!お前だけは!絶対に許す訳にはいかない!」

 

それは異様な光景だった。そこで動いているのはヒーロー殺しと呼ばれた男のみで、他は致命傷ではないにも関わらず動けないでいる。

 

それを作り出したのはヒーロー殺しと呼ばれているヴィランの個性である。

 

「そうか…なら…死ね。」

 

ステインが持っている小刀で右の肩に刺す瞬間何かに気付いたステインはその場を離れる。ステインがさっきまでいた場所に人が落ちてきたのだ。

 

いや、落ちてきたというのは誤解がある。ステインに攻撃をしようとしたのだ。その姿はまるで鬼の様な姿で、知らない人が見ればヴィランと間違えられそうな容姿をしていた。

 

「リュウ怪我人を大通りまで運んで行け。さくらと豪鬼はリュウの護衛を頼む。ステインには俺とアレックスで対応する。」

 

「「「了解!」」」

 

それは無個性ヒーロー ケンとその仲間たち、攻撃をしようとしたのは豪鬼である。禊ぐつもりだったがペガの様にはいかなかったみたいだ。

 

「さて、ステイン大人しくお縄に捕まるか、それとも俺達と戦うかい?」

 

「いいね。お前達はヒーローとして合格だ。…いつかさしで戦いものだな!まあここは逃げるが得策…か…」

 

「逃すとでも?」

 

「ふっ、お前じゃ俺には追いつけねぇよ。…また会おうぜ」

 

ステインはそう言い残し路地裏へと逃げて行った。追いかけようとしたアレックスをケンがとめた。

 

「ケン!何故止める!」

 

「止めておけ!味方との分裂を狙ってやっている可能性がある以上深追いは危険だ。それに()()ではあいつには追いつけないだろうからな。」

 

「‼︎…了解。」

 

………

 

『天哉。すまんな。これから試合なんだろ?』

 

「いやいいんだ。それより兄がこんな時間に電話をかけるなんて珍しいな。何かあったのか?」

 

『…ヒーロー殺しステインに会った。』

 

「‼︎」

 

『奴は強かった。俺では太刀打ち出来ないほどに…ああ、心配しなくとも大きな怪我をする事もなかったよ。助けてくれたケンには感謝しきれないよ。…そうだ。電話したのは別の事なんだ。親父から聞いたよ決勝戦まで行ったんだって?』

 

「偶々さ。僕は運が良かっただけ…本番はこれからさ。」

 

『そうか…頑張れよ。テレビの前で応援してるからな。』

 

兄がヒーロー殺しステインにあったらしい。大きな怪我もなく病院にいるらしいがあの時兄より強いのかステインは…

 

ステイン…己の信念のためにヒーローを再起不能にする危険なヴィラン。決して許されるべきではないヴィランだが、実力は兄より上という事は注意するべきものだろう。

 

だが今は…

 

「兄が見ている中で無様な戦いは出来ないな!」

 

内藤君との一騎討ちそして…それに勝てば八月君との一騎討ち…どちらも僕にとってはかなり難しい試合になるだろう、だが負けるつもりはない。

 

『さあ!Aグループが終わり続いてBグループの2回戦目がいよいよ始まるぜ!お前ら盛り上がっているか!』

 

「「「「(し〜〜ん)」」」」

 

『皆さん盛り上がっていますか?』

 

「「「「うお〜〜〜‼︎」」」」

 

『ちょっと!何で本家のおれっちの声掛けに反応しないのさ!』

 

『マイクさんより私の方が人気があるからじゃないですかね?』

 

『おいおい!おれっちだって人気者だぜ?な!みんな!』

 

「「「(し〜〜ん)」」」

 

『結果が出た所でBブロックに移るわよ。内藤君vs飯田君の戦いよだけど…残念ながら内藤君が家の都合により棄権になったわ。飯田君Bブロック決勝戦に進出!』

 

…不戦勝か…出来れば勝って決勝に行きたかったが、家の都合により棄権か…何が有ったのだろう?…そういえば家の都合と言うが僕は内藤君の家族について兄がヴィランにいること以外知らないままだ。

 

…今は気持ちを切り替えて次の…八月桃の対策を考えるべきか…とはいうものの…全力で挑んでも負ける未来しか見えない。

 

だが、簡単に負ける訳にはいかない。自分の持てる力を出し切る。兄の見ている目の前で下手な戦いなんて出来るわけがない。

 

………

 

それは日中にも関わらず日が当たらない都会にある暗い場所。そういう所では大抵裏の取引や人生を諦めた者、ならず者が集まる者である。

 

そんなところに全身赤黒いワンピースを着た少女がやってきた。この辺では見ない顔であり、周りをキョロキョロと見ていることからおそらく迷い込んだのだろう。

 

普通ならばこんな所に迷い込んだ女性はR-18展開が待っているものだが、そうはならなかった。

 

「ま、待て!お、俺達は親切に声を掛けようとしただけで!」

 

「親切…ね…じゃあ親切なお兄さん達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()死んでくれない?」

 

その少女の顔は恐ろしく綺麗な笑顔だった。

 




最後に出てきたキャラは一体…

今度の更新もかなり遅れるかもです。正直疲れたよパトラッシュ…

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