個性『桃球』   作:猫好き

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お久しぶりです。今回は和戸瑠璃視点の話です。書きたい事を纏めるのと、間違って消してしまった為遅くなりました。次回は早めに出せたら良いな…

あ、本編どうぞ


雄英体育祭決勝戦③

本日何度目かの深呼吸をする。必死で高鳴る心臓を静めようとするがそれは無理のようだ。何故なら私の対戦相手話は…

 

「貴志とまさか初戦で当たるなんて…はっ!これは運命?………(土下座)神様ありがとうございます。私和戸 瑠璃精一杯頑張ります!」

 

『それじゃそろそろBブロックの試合を始めるぜ!』

 

いけない。気を引き締めて取り掛からないと…今はそんな事を考えるよりどうやって勝つのか考えないといけない。何故なら…

 

「すまないが勝たせて貰う。」

 

「私だって!勝って見せるんだから!」

 

私は貴志に勝った事が無いから…でも私だって成長しているだから、簡単に負ける訳にはいかない。この技を教えてくれた『軍隊ヒーロー ナポレオン』さんと指導してくれたエクトプラズム先生に感謝しないと…

 

『Bブロック1回戦第1試合!仮面に隠された秘密の素顔が知りたい!ヒーロー科内藤 貴志vs戦いは数の暴力!ヒーロー科和戸 瑠璃!』

 

『幼馴染同士の戦いだからね。いい試合を期待出来そうね。』

 

まず初めが1番肝心。おそらく貴志は速攻で私に攻撃して来る筈!

 

『レディーファイト!』

 

来た!後はタイミングを見て…

 

「甘い!」

 

「‼︎」

 

分身した分身で貴志に攻撃しようとするが見破られ、分身が場外に飛ばされた。場外に落ちる前に消去して、それによる場外負けを無くす。

 

「何年一緒にいると思っている。」

 

「様子見だって分かっているんでしょ!本番はここから!」

 

八月道場でナポレオンさんに教わったのは分身の1人1人に個性を持たせ自立した1人を作り出す事。私はそれが分かりやすくする為、別の武器を持つ事にした。

 

「こ、これは‼︎」

 

作り出したのは少ないながら10人の軍隊と言える私達。これが私の成長…これで…

 

「だが、大元を切れば同じ事!」

 

「させないよ!」

 

「!」

 

私の分身の1人双剣使いの私(木刀)が貴志に斬りかかるが綺麗にかわして距離を置く、そこに弓使いの私(矢尻の先は丸い)と銃使いの私(銃弾はコルク)が追い打ちをかけるが全て貴志によって切られる。

 

「やっぱりこれは効かないか…」

 

「貴志はこれぐらいじゃやられないよね?」

 

そこにハンマーと槍(先は丸い)が攻撃を仕掛ける。それを空に逃げる事でかわし、逆にこちらに斬撃を飛ばすが盾持ちの私にガードされる。

 

「…成る程…全てが本物って事か…厄介だな。」

 

「よく分かったね。そう『私達全員が本物。』勝負よ貴志!」

 

………

 

私が貴志にあったのは幼稚園の時だった。当時私は個性の発動が出来ずにいた。その為無個性だと虐められる事も多々あった。

 

「返してよ!」

 

「返して欲しけりゃ。取ってみろよ無個性。」

 

身長の低く、力も弱かった私は本当にいじめの格好の餌となっていた。そんな時1人の仮面を被った男の子が、空中から私のバックを取り返してくれた。

 

「あ、ありがとう。」

 

それが…

 

「てめぇ!」

 

「ヒーローは弱い者を虐める者ではなく、助ける者では無いのか?」

 

内藤 貴志だった。そして、私は貴志に恋をした。助けられたヒーローを好きになると言うが、私にはそれが分かるような気がする。

 

何故なら目の前の貴志の背中がこんなにも逞しく、仮面に隠れた顔が格好良く見えたから…これが…恋…

 

それから私は貴志にアタックする事にした。お母さんに料理を教えて貰って自分で作り一緒に食べたり、ヒーローについて話したりした。

 

そして、私の個性に気が付いて練習に付き合ってくれたのも貴志だった。

 

「瑠璃。本体も分身も同じ行動してどうする。ワンテンポずらしたり攻撃する箇所を変えないと、某には勝てぬでござるよ?」

 

「分かってるよ。でも、その口調なのよ!」

 

「…アニメの影響でござる。」

 

そして今…

 

『内藤の攻撃により和戸の分身が壊滅的損害!実力では内藤が上のようだ‼︎だが、直ぐに分身の補充により1対多数が維持されている状態だぜ!まるでイタチごっこ‼︎これは長期戦になりそうだ‼︎』

 

「想像していたけど、貴志…強い。……でも、私だって…私だって‼︎」

 

今の所対応出来ている。しかし少しずつだが、分身の補充速度が遅くなりつつある。このままでは負ける…一か八か賭けてみるか…

 

「これならどう!」

 

「‼︎エクトプラズムの強制収納ジャイアントバイツ‼︎」

 

「これが私のとっておき!避けられるなら避けて見なさい!」

 

私の巨大化分身は貴志を巻き込み場外へと行ったように見えた。でも、巨大化した私が切られ、そこから貴志が私に向かって来た。

 

「瑠璃。暗い所なら私の得意分野だと言った筈だ。自ら影を作るとはまだまだ詰みが甘い!」

 

「‼︎」

 

巨大化した私が倒されると思っていなかった私は、驚いてしまい固まってしまった。その一瞬の隙を見逃す程貴志は甘くなく、気がつけば木刀が左首に付けられていた。

 

真剣ならば死んでいたぞと言ういつもの練習の終わり方だった。

 

「参りました。」

 

『和戸さんの降参!よって内藤さん2回戦進出!』

 

負けた…本気で勝とうとしていたのに…貴志は私の想像より遥かに上を行っていた。私は…

 

「瑠璃。強くなったな。」

 

「な、何よ!慰めのつもり!勝った貴志に言われても嬉しくなんか…」

 

「そうか。某は瑠璃がここまで強くなって嬉しい。」

 

また、私は貴志に嘘を付いた。出来れば貴志に勝ってその言葉を聞きたかったけど嬉しい。なのに、貴志を目の前だと別の言葉を言ってしまう。

 

「こ、今度は絶対に負けないんだから!覚えておきなさいよ貴志!」

 

そう言って私は貴志から逃げるようにその場を後にした。走って走り疲れた私は、廊下の壁に背中を合わせて座り込んだ。

 

勝てると思っていた。これなら貴志に一泡吹かせて初めて勝てる…そう思っていた。でも現実はそれでも貴志には届かなかった。

 

私はどうすれば…貴志の横に立てるんだろう。いつまでも後ろを走っているだけじゃ私は…

 

「瑠璃。ここにいたのか…」

 

「貴志…何で来たのよ!最後くらい勝てると思っていたのに!これじゃいつまでも経っても貴志に追いつけない!」

 

つい口から私の本音が出てしまった。でも、それは言ってはいけない言葉だと知っている。貴志は…内藤 貴志と言う存在は少なくともこの時代に()()()()()()()()()人間だから…

 

「瑠璃。無理に某に付いて来なくても良い。そなたには話しただろう。某がどう言う者なのか…」

 

「それでも私は!……私は…貴志が…………好き。大好き!貴志が行くのなら私も行く!だから…私を1人にしないでよ…」

 

「すまない。それは…出来ない。」

 

私の初恋はまるでロミオとジュリエットだったのかもしれない。決して交わることのない2人が運命的に出会い、楽しい日々を過ごす。

 

でも、神様はそれに終止符を打つかのように私達にある事実を貴志から聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『内藤 貴志と言う存在の活動期間が残り数週間』と言う絶望的な話を…




少しずつですがこの作品を進めていきます。大元は原作通り進んで行く予定ではいますが、少しずつこれまで謎だった事実が明らかになっていく(内藤 貴志の事)ように頑張って書いていきます。

ちょっと調べた所話数で言えば50手前まで来た訳ですが、まだ雄英体育祭なのはこの作品だけなんですよね。大体40話くらいになると職場体験になってるし、早い所なら林間学習も終わっていたりする。

作者の予想だと60話辺りまで雄英体育祭が続いて、林間学習で70話を超えて…ゴールに行くまでに(日常回など入れて)100話超えるな…

作「もう…ゴールしても良いよね?(・・;)」

友「駄目です。」

作「(´・_・`)」

友「そんな顔しても駄目です。」

作者 0( : 3 )〜_( ', 3 」 )_

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