個性『桃球』 作:猫好き
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俺は特別な選ばれた人間だった筈だった。俺以外は俺を引き立ててくれる踏み台かモブだとそう思っていた。
『まだ続ける?2人共強い個性なのに、まだまだ個性の使い方が甘いわね。爆豪君は自分が勝って当たり前だと思っているし、頭がいい筈なのに馬鹿みたいに1人で突っ走るのは治さないと一流ヒーローにはなれないよ?』
だが、結果はNo.1ヒーローオールマイトより下のNo.3ヒーローにも手も足も出なかった。そればかりか同級生の八月にも負け、デクにも負けた。
『君は弱いね。君は弱い。自分の弱さを知らないのは駄目だし慢心もしている。自分が勝って当たり前だと思っている。そう上手く行くほどプロは甘くない。君はこのままじゃプロヒーローには…なれない。』
俺の攻撃は九尾ちゃんには全く当たらなかった。それどころか手も足も使わず尻尾だけを使ったハンデ戦でも完全に遊ばれていた。
『君はこの人には勝てないと思った事が無いんじゃ無いかな?少なくとも私には手も足も出ずに負けるよ?』
八月には俺の攻撃を軽く躱された。この上で嫌でも格の上だと思わされた。
『いつまでも出来損ないのデクじゃないぞカッちゃん!今は…頑張れって感じのデクだ!』
無個性だったデクはいつの間にか個性を持ち、俺を越えようとしている。…ふざけるんじゃねぇ!俺は特別なんだ!俺は選ばれた人間なんだ!
だから俺は負けはしねぇし、俺がNo.1ヒーローになる筈だ!もし負けを認めれば俺は…
『私だって何でも出来る訳では無い。こう見えても出来ないことの方が多いのさ。若い頃に八月道場に行った時は自分が無力だと落ち込んだこともあったさ。でもそれを乗り越え今の私がいると言ってもいいね。』
……そうか…今はNo.1ヒーローと呼ばれているオールマイトでさえ、若い頃は負けを認めた相手がいたんだ。選ばれた人間でもある俺にそれが無い筈がない。
これは神様が俺に試練を与えているんだ。もし、これに失敗すれば俺は神から見捨てられ、普通の人間に戻るだろう。
そうか…そうなんだ。俺は神様からも愛されているのか…なら、俺は神様に認めて貰えるようにもっともっと自分の個性を知って…戦い方を知らなければならない。
そして…いつかは…八月を倒して…八月に負けを認めさせるぐらい強くなってやる!
………
俺は左に宿る親父の個性が憎たらしい。親父は俺をオールマイトを超えさせる為だけに産ませた人形だった。だから俺は、右の個性だけでプロヒーローになる!
そう心に誓った。だが、そんな俺の決意とは裏腹に雄英高校でどうしようもない敗北を経験した。
『まだ続ける?2人共強い個性なのに、まだまだ個性の使い方が甘いわね。轟君は右だけの力でプロになれるほど甘くないよ?左を使わないと私には届きもしないよ?』
右だけじゃなく左を使った戦いにおいても手も足も使わず尻尾だけで負けた。親父とはまるで違う敗北を経験した。
『右だけ使っているようだけど、右も調節しないで発動させているし、左はまるで使ってない。これじゃ無駄に個性を使っているような物だよ?』
同級生の八月にも勝てないと思った。八月の見せた『メドロアー』も何とか形になったが、本家に比べればまだまだ制御が足りないし、もし出来たとしても勝てるかどうか分からないだろう。
だが、俺は簡単に諦めはしなかった。まだ左の個性は憎いが、右だけで勝てる程プロは甘くない事は九尾ちゃんとの戦闘で分かった。
同級生でも右だけでは勝てないような人がいると八月に教わった。自分の個性が団体戦では威力を発揮しないことをUSJで知った。
俺は遊英に入って俺の目指すヒーロー…いや、あのクソ親父がどんだけ自分の個性を使いこなしているのかというのが分かった。
つまり、俺は知らず知らずの内に、1番参考にしなくてはならない個性を持った一流プロヒーローを嫌っていたのだ。もし八月に会わなかったら、俺は親父の事を許さなかっただろう。
もし、決勝で戦うことがあるのならば、その時は俺の出来る全てを持って挑むべきだろう。
………
「もしもし…君か……兄に接触は出来た。………いや、当分戻れないだろうな。……兄が私の敵として存在している。……厳しいだろうな……
オールマイト、エンデヴァー、九尾ちゃんが死んで、八月 桃が
最後の電話は一体何なんでしょうね(棒)
分かりやすいフラグですね。一体誰が誰に電話しているのか分かんないや。(棒)