個性『桃球』   作:猫好き

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悩んだ結果デート回になりました。甘々な話を書こうとした結果がこれだよ。

峰「切島ちくしょーー!(血涙)」

上「切島!裏切りやがって!」


デート①

私はいつもより早く起きてしまった。時計を見てみるとまだ6時にもなっていなかった。いつもならもう一度8時ぐらいまで二度寝をするのだが、今日は緊張からか眠れそうにない。

 

何故なら今日は切島君との初デートの日だからだ。わ、私だって好きになった人くらいいるよ?で、でもデ、デートなんてした事ないし、『好きだ』何て面と向かって言われた事なかったから…

 

ダメ!思い出しただけで顔が熱くなってきた。そういえば私この服しか着られない為私服なんてない。今まではおしゃれ何て気にしてなかったから大丈夫だったが、こういう時に着ていく服がない。

 

無いというか着られない。うーん。個性使えば変えられるけど、そんな状態は長く続かない。個性をずっと発動し続けるのは至難の技だ。

 

「あらあら珍しいわね。私より先に起きているなんて…今日は槍でも降るのかしら?」

 

「お、お母さん!」

 

鏡に夢中になっていると後ろからお母さんが鏡に映り込んできた。いつの間に入って来たんだ?

 

「今日は初デートだもんね。いや〜初々しいわ。」

 

「お、お母さん?な、何で…」

 

「ふふふ。私は貴女のお母さんなのよ?それくらい見ていれば分かるわ。桃は充分可愛いんだから素の状態の貴女を見せてあげなさい。」

 

どうやらお母さんにはバレバレだったらしい。お母さんはそういう物に敏感になる『個性』だし、九尾の名に恥じない程強い。

 

「でも、一線は越えたら駄目よ?一線を超えてもいいのはヒーローになってからね?」

 

「一線って…こ、超えるわけ無いでしょう!」

 

「何言っているのよ!私もお父さんと初デートの時にキスだけじゃなくて普通のセ○○○だけじゃ無くて、ア○○とか、フ○○、バ○○とロ○○○で焦らされたりされたのよ?」

 

「何やってのお父さん!じゃ無くてお母さんの口からそんな言葉聞きたくなかったよ。」

 

お父さんとの初デートにそんな事をされているのに夫婦でいるって事はお互いそこが良かったって事なのか?いやいや、初デートでそんな事…駄目私も想像しただけで顔が赤くなってきた。

 

「しかも、相手は『硬化』の個性でしょう?それなら尚更気をつけないといけないわよ?何せチ○○も硬くできるでしょうからセ○○○の虜になっちゃ駄目よ?」

 

「わ、私今日セ○○○しちゃうんだ…って何言っているよ私!お母さんもからかわないでよ!」

 

「ふふふ。ごめんなさい初々しい反応をするからつい…ね。それより時間大丈夫?」

 

「え?」

 

時間を見てみると時刻は8時30分をさしていた。待ち合わせは9時で遊英高校近くの遊英高校前駅。もう一度今8時30分で待ち合わせは9時…

 

「い、行って来ます!」

 

「行ってらっしゃい。」

 

慌てて部屋から出た私は待ち合わせの遊英高校前駅へと向かった。(個性で遊英高校を経由)

 

駅に着いたのは約束の9時を少し過ぎた頃だった。切島君怒っていないだろうか…切島君は直ぐに見つかった。いつもの髪に背中に根性と書かれたTシャツにジーンズと言う男らしいというか何というか分からない物を着ていた。

 

「ご、ごめん。ちょっと遅れちゃった。」

 

「いや、俺も今来た所だぜ。」

 

そう言って許して貰ったが彼の持つペットボドルがほぼ無くなっている事から長い事待っていたように見える。

 

「じゃあ行こうか。」

 

「…うん。」

 

切島君は私の右手を左手で掴み歩き始めた。そのスピードは自然に歩くスペースより少し早い感じだったが、少し歩いた所で私に合わせたのかスピードが落ちた。

 

その何気無い気遣いに私は心を打たれる。そのまま電車には乗らずに駅の裏側に周り、商店街にやって来た。こんな所に商店街なんてあったんだ。

 

「桃がさ、閉鎖的な所が駄目って言っていたし、近場で何か探してみたけどよ。こういう所しか見つけられなかったよ。」

 

「…覚えててくれたんだ。嬉しい。」

 

確かUSJ前にそういう話をしたけど、それを覚えていたんだ。それだけなのに嬉しく感じてしまう。

 

「すまん。実は緑谷に聞いて思い出した。」

 

「ふふふ馬鹿だね。黙っていれば分からないのに…何で自分で言っちゃうのよ。」

 

「あっ。いや、悪りぃ。」

 

私が好きになったのはそういう所なんだが、真っ直ぐ過ぎる性格を弄りたくなる。

 

「いいよ。その代わり私を楽しませてね。」

 

「おう!ちょっとプランは考えてきたぜ?」

 

その考える力が戦闘に加われば強くなるのに何て思ったけど、それが私に向いていると考えると嬉しく感じてしまう。

 

最初に連れてこられたのはパン屋さんだった。どうやら食べながら商店街を歩くみたいだ。

 

「おねぇさん俺カレーパン。」

 

「じゃあ私はこのオススメのホットドックでお願いします。」

 

「はいよ。おねぇさんってくれたから100円サービスしておくよ。」

 

気前のいいおば…おねぇさんからホットドックを貰った。私も自分の分を出そうとしたが切島君が私の分も出してくれた。

 

それにしても…

 

「ありがとう切島君。それにしてもこのホットドックアツアツで太いね。それなりに長さもあるね。」

 

「ああ。そうだな。」

 

切島君がホットドックを受けとった辺りからこちらを見ずに私の左手を掴むながらゆっくりと歩く。 先程よりゆっくりと歩いているようでこれならゆっくり食べられそうだ。

 

「本当に大きい…入るかな?」

 

私は思い切りかぶり付くが、思っているより大きく口に入り切らず、出来立て故か熱々のソーセージがホットドックを食べるのを邪魔する。

 

そして食べるまで気が付かなかったがこのパンは普通のパンじゃなくてクルミ入りのパンらしく時よりあるクルミが絶妙なアクセントになっている。

 

「切島君。これ(パンが)太くて(ソーセージが)アツアツで(クルミが)硬くて(ホットドックが)美味しいよ?」

 

「そ、それはよかったな。気に入って貰えて何よりだぜ。」

 

なにやら切島君の顔が赤い気がするが気のせいだろうか?私達は片手で繋ぎなから次の目的地までゆっくりと歩いて行くのだった。




主人公が商店街でホットドックを食べるだけで1話作れるとは思えなかった。ん?消されるんじゃないかって?大丈夫大丈夫。ただホットドックを食べているだけで、消されるなんてある訳が無い。そうだろう?

「ビンポーン」

ん?おっと誰か来たようだ。






……その後の作者を知るものはいない。

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