個性『桃球』   作:猫好き

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お待たせ?しました。今回は脳無やその他諸々のヴィランがいなくなる。脳無の代わりにあれ?あれって?。謎のヴィランからの衝撃の発言の3本です。

おそらくあと2話でUSJ編終了かな?次回は主人公の話になります。


USJ襲撃事件⑨

火事ゾーンから広場へやって来た僕達は信じられないものが写っていた。

 

「チッ!この程度の氷じゃ足止めも出来ねぇか!」

 

「下がってろ!半分野郎!」

 

「ククク足りない足りないね…そんなんじゃ私には勝てないよ?」

 

それは1人の女性がカッちゃんと轟君を相手に互角以上の戦いをしていた。それどころか、

 

「一応応急手当は出来ましたが…動けますか?先生。」

 

「八百万一応礼を言っておく。」

 

先生に傷を負わせている。フラフラながらも立っているのは流石のプロヒーローと言った所か…そして何より驚いたのは…

 

「緑谷…あれ八月じゃ無いか?全身的に黒いけど…」

 

「似ているようだけど違う…と思う。 」

 

そこにいるのは八月 桃に似ている誰かだという事。僕達を飛ばした黒い影の人も手が多く付いていた人も今はいない。

 

似ていると言ったが実は目の前にいるのが本人でヴィランに何かしらされた可能性も大いにある。入り口付近でも何か攻撃を受けていたらしいし、ヴィラン側は明らかに八月 桃を狙っていた。

 

そしてその目標が達成されこうやって悪に目覚めた八月さんが目の前にいる…という事はかなりやばい状態になる。彼女ならばクラスの弱点も個性も知っているし、その時その時で即座に変えられる個性…

 

それはヴィラン側に回るとかなり厄介になる個性。でも、僕達だっていつまでも同じところにいない。

 

「流石に3人の卵相手じゃきついかな?ふふふ。でも大丈夫私にはとっておきがあるのでーす。」

 

どうやら僕達にも気付いたようだ。何かを憑依させるようだけど、その対策はもうしてあるんだよね。

 

僕はワン・フォー・オール フルガウルの状態で桃(仮)さんの手を掴み固定する。

 

「桃さんの個性は確かに強いけど!手さえ封じれば怖くない!」

 

「それはどうかな?」

 

僕の掴んでいた桃(仮)さんが丸太に変わり、その瞬間強く後ろに戻される感覚が起こった。いったい何が…

 

「緑谷ちゃん。大丈夫かしら?」

 

「蛙吹さん。」

 

「梅雨ちゃんと呼んで…それよりも彼女は本当に八月さんなのかしら?私には全くの別人にしか見えないわ。」

 

よく見れば自分がいた場所の地面が少しめくれていた。おそらくあのまま蛙吹さんに助けてもらわなければ、今の頃何かしらの衝撃を受けていたかもしれない。

 

「ありがとう。つ、梅雨ちゃん。」

 

「…自分のペースで構わないわよ。」

 

「そうだね。考えられるのは3つ。1つはあれが本物の八月 桃さんであり、意識を持って敵対している場合。その場合おそらく飛ばされた場所で何かしらの脅迫か脅しを掛けられたと考えられる。1つはあれが本物の八月 桃さんであり、ヴィランの何かしらの個性によって敵対している場合。その場合はそのヴィランを倒せば治るかもしれないけど、どんな個性か分からないと対処方法が分からない。最後はあれが本人ではなく別人の場合。その場合は倒すしか無いんだけど…」

 

「難しいわね。彼女本物より個性を使いこなしているわね。個性と個性の間も無駄が全く無いわ。」

 

カッちゃんと轟君が個性で攻撃をしていてもそれを予見するかのように避けたり適切な個性で封じている。

 

「お!緑谷も無事だったか?」

 

「上鳴君も無事そうでよかった。…って全身光っているけどどうしたの?」

 

現れた上鳴君は全身が光を帯びており、さながらスーパーサイヤ人みたいになっている。

 

「緑谷ちゃんも光っているわよ。上鳴ちゃん程じゃないけど…」

 

「へ?」

 

「気付いていなかったのかよ。まあ。緑谷も同じだと思うが、八月道場での成果みたいなもんだぜ。最もやれる範囲はあるから注意しないといけないけとな。」

 

自分が光っていることに気づき驚いたけど…確か上鳴君は八月道場から帰る時に個性使用上限突破で八月さんに捕まっていたよね?もしかしてこれが原因だったのかな。

 

「そ、そうなんだ。僕の方も前から八月さんに言われていた全身にくまなく力を分散される技の影響かな?でもそれで光っているとしたら…」

 

「うっせぞデク!てめぇらもさっさと加勢しやがれ!」

 

カッちゃんがあのカッちゃんが人に力を貸すように頼んでいる!まだ言葉に棘があるけど…改善されている。

 

以前だったら『うっせぞデク!気が散るんだよ!どっか行ってろ!』とか言うのに…

 

「霧の人も手が多く付いていた人も広場にいた多くのヴィランも、彼女がどこかへ飛ばしてしまいましたわ。」

 

「どこに飛ばしたか分かる?」

 

「少なくともこの周辺では無いとは思いますが、残念ながら何処に飛ばしたかは分かっておりませんわ。」

 

「どちらにしろ俺達に出来るのは本物だとしても偽物だとしても捕まえ…‼︎避けろ緑谷‼︎」

 

相澤先生の指示に素早く反応し、その場から転がるように逃げると後ろから風圧が襲い掛かり更に勢いでもう1回転してしまった。

 

慌てて態勢を取り原因を探ると、さっき僕のいた場所に八月(仮)さんが立っていた。

 

「あ〜あ、この中で1番の危険因子を倒せる絶好のチャンスだったのに…」

 

「チッ!」

 

轟君が氷で八月(仮)さんを捕まえようとするが、空中を飛び回避する。それを見てカッちゃんが追撃しようとするが水の壁に遮られ、カッちゃんは悔しそうに追撃をやめた。

 

というか2人が協力しあっている事に、しかもタイミングまで計ったように…そう言えば2人とも八月道場で八月さんのお母さんの所に行っただったな。

 

それで連携を取れるようになった?轟君が牽制してカッちゃんが追撃…単純だけどかなり強いコンボだと思う。ただ、今回は相手が強すぎる為、上手くいかないみたいだ。

 

「やっぱり遊英だということもあってみんな強いね。だから特別にサービスしてあげる…私は0(ゼロ)。オリジナルの個体に1番近い先生によって作られた9人の中の1人よ。」

 

「!じゃあオリジナルはまさか八月さんだというのか?」

 

「八月さん?あ〜、そう言えばオリジナルは今はそんな名前だったわね。彼女は私達の生みの親のようなものよ。彼女がいなければ私達は産まれてなかったでしょうね。」

 

つまり、ヴィランは前から八月さんに目を付けていて、名前まで変えて逃げていた?八月さんって一体…

 

「うるせぇ!何が言いたいんだお前は!」

 

「おっと…話がずれてしまったね。私が言いたいのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満月 桜…いや、八月 桃は元々()()()()()にいた人物だということさ。」




ようやくクラスの人に八月桃の過去が少しだけ知られてしまうそんな回になったかな…

ちなみに緑谷が受けそうになったのはニンジャの身代わりからのボムの置きボムです。(正式名が分からない)もし蛙吹が助けてなかったら爆破の衝撃を受けていたでしょうね。

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