俺は今日、ある仕事を受けるために名前も知らない大企業のところへ行った。
オーバーワールドの企業は多いため、全ての名前を覚えるには聊か難がある。
「今日は君に討伐依頼をしたい」
画面越しで声が聞こえるが、顔は仮面で見えない。鳥の羽根の様な洒落た仮面だ。
「何を倒せばいい?」
俺達傭兵は怪人や怪物のことを「誰」とは呼ばない。それはもう人間を越えている「物」でしかないからだ。
「目標は何でもいい。ただそこから出てくる最終目標を倒してくれれば」
「その言い方だと敵は複数いるのか?」
聞いてみるが画面に別の画像が映される。そこには建築中の大型タワー「ホープ・キーズ」が映っていた。
「数日後、建築中のタワーが完成し、式典を行う。そこには各国の首相や代理が訪れる」
「つまり護衛ってことか?」
「いや、今回は討伐だ」
要約すると。
数日後の式典はデマ情報で、本来の式典は中止になったそうだ。その理由が一部の企業からの暗殺依頼を受けた怪人の襲撃。
ただでさえ混乱を引き起こしている現在の地球。そんな状態を望む人間からの物理的攻撃だ。
「つまり嘘に惑わされて来たアホな怪人をブッ倒せばいいんだな」
「そういうことだ。ただ数が多い。そのために今回はもう一人プロを呼んでいる」
入ってくれ、と呼ぶと後ろのドアから俺の横に歩いてきた。
正装でイケた面。表情は若い男だった。
「お初にお目にかかります。
表情と同じ甘ちゃんのような雰囲気だ。少し戸惑いつつ
「おう、俺は城嶋紫朗だ」
「お互い自己紹介が済んだね。二人とも頼りにしているよ」
本番は三日後とのことでその日はそれで解散した。
―――――――――
当日、式典風に飾り付けもして、観客もいる。さらには首相の影武者が式典に出席するという大掛かりな嘘だ。
さらにそのエキストラもライダー系のベルトを装着できるというのだから驚きだ。
「金かかってんなぁ・・・」
「鴻上ファウンデーションは工業事業に加え、メダルを利用したライダーベルトに多く携わっている巨大財団ですから」
宮井明が詳しく説明してくれた。噂だけで聞いたのだが、こいつは自神宗教信者らしく、本気で神の使者と思っているらしい。
それを聞いたときはこの年齢で中二病をこじらせてるのかと思ったが、こいつの強さは実績が証明していた。
「ウワオォォォォォォッ!!」
地面が揺れ、観客席に悲鳴と足音が沸き立つ。同時に周辺の人間が怪人へと変化していき、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
「来やがったな!!」
ロストドライバーを装備し、メタルメモリを出した。
《メタル》
「変身!」
スロットに押し込み、ドライバーを展開。音楽と共に鋼鉄のスーツが体を纏い、仮面ライダーメタルが現れる。
「行くぜ」
対して明は青と白の特徴的なベルトを腰に巻き、手の平サイズのナックルのような物を手の平に押し付けた。
《レ・デ・ィ》
「変身」
ポージングを決めつつナックルを腰のベルトに押し込む。
《フィ・ス・ト・オ・ン》
ベルトから光が染み出し、空中でスーツを形成して装着された。
白い鎧に十字架を模った頭部フェイス。それはまるで聖職者のような神聖さを感じる物だった。
ベルトからは壊れかけの電子音のような声が聞こえたが、この姿を見た時に全てが繋がった。
「仮面ライダーイクサか」
「よくご存じで」
化石レベルのライダーだ。対ファンガイア用に作られ、その後も何回ものアップデートで改良されてきたパワードスーツだ。
「では行きますか」
「戦いの神様がいたんじゃ俺も活躍できないかもな」
本来『Intercept X Attacker』の頭文字を取ってイクサなのだが、その戦いぶりから『戦いの神』と言う意味合いで“
「私に後れを取らないよう、頑張ってくださいね」
恐ろしく優しい声でイクサは腰の剣を掴んだ。
だがこのイクサは俺の知っているイクサの姿ではなかった。頭部には神父帽のようなものが付いているし、さらに腰から垂れ下がる白いマントも神父のようなイメージを植え付ける。
「負けらんねぇよな!」
シャフトを振りまわし、ミイラの様な敵を叩きのめす。すると時々コインのようなものが零れ落ちた。
「なんだこれ」
「それがセルメダルですよ。ヤミーが落とす欲望の結晶・・・なんと汚らわしい」
いかにも聖職者のような発言をする。こういう信者は俺のような無宗教信者にとっていろんな意味で敵に成り得る。
それにしてもセルメダルとか言ったか。金が稼げそうな仕事だ。
「意外とこいつら固いな」
叩いても殴ってもメダルしか落ちないため、ダメージを与えているのかが分かりづらい。
周りを見て見ると、首相の影武者や客席にいた民間人に扮した関係者達が次々に変身している。
一人はベルトにセルメダルを入れて変身している者。さらに別の一人はベルトをスライドさせただけで変身している者もいる。
ああ言った簡易ベルトは大体量産化された企業ベルトで、訓練したら誰でも装着できるように作られている。
「あんなのもいるんだな」
対して神父ライダーは十字架を摸した大剣を振りまわして戦っていた。斬撃音も壮快で、切れ味が良さそうだ。
俺のメタルシャフトでは斬撃はできない、その代わり打撃攻撃の最高威力を叩きだすことは出来るが。
そこへ周りと少し違うミイラが接近してきた。構わず叩くが他のヤミーに比べセルメダルが落ちない。
「こいつッ!」
力を込めようと振りかぶった瞬間、強化されているであろうヤミーはメタルコートの胴体に蹴りを入れてきた。
体が宙に浮き、少しばかり飛ばされた。
「普通じゃねぇな・・・慧!!」
俺の子分的存在、石垣慧を呼ぶ。すると会場の裏側から待ってましたとばかりに飛び出してくる。
「はい!主任!」
透き通った返事と共に慧の後ろを多数の弾丸が通り過ぎる。さらに爆発、爆風が彼の背中を覆う。一瞬目の前の閃光へ溶けたが、すぐに彼の生存が確認できた。
「なんか後ろが騒がしかったですけど何とか来れました」
「お前なぁ・・・」
今までこいつと一緒に行動を共にしてきたが、こいつはつくづく運が良い。
「やってくださいよ主任!」
そう言って俺に赤いガイアメモリを手渡す。
「お前の力使わさせてもらうぜ」
《ヒート》
熱き記憶を内包したガイアメモリ「ヒートメモリ」
闘争本能を掻きたて、強烈な炎を内に秘めさせる最高のメモリだ。
俺はそれをメタルシャフトのマキシマムスロットに挿入し、マキシマムドライブを発動させる。
《ヒート マキシマムドライブ》
通常は使わない、別メモリとのマキシマムドライブ。元々ヒートとメタルは相性がいいため、体への負担が少ない。さらにロストドライバーの安定改良の末、基準の運用が別メモリでも可能になった。
シャフト両端を赤い炎が包み、炎華を散らせる。
「行くぜ死神共!くたばりやがれッ!!」
赤く燃え滾るシャフトを強化型ヤミーの胴体に焼き付け、熱い打撃を連続して叩きこむ。
そして最大の一撃をその懐に撃ちこみ、大量のセルメダルと共に爆散した。
「一撃必殺。決まった」
「決めるのならもう少し頑張ってください。増援来ますよ」
地面から生え出るように現れるヤミーの軍勢。さらに奥で待機しているサイの様なグリード。
「こりゃハードラックだな。帰らせてもらいたい」
「その減らず口を言えるのなら大丈夫ですね」
するとイクサはモードを転換し、頭部フェイスが展開され、その間から赤い眼光が煌めいた。その際の風圧でヤミー達が吹き飛んだ。
イクサがセーブモードからバーストモードへと変化したのだ。これにより、セーブモードで抑えられていた力を解放し、通常よりも能力が上がる。その代わり装着者への負担は大きい物となる。
イクサは敵の軍勢を見て言い放つ。
「さて、神に命を返却するか。私に殺されるか。選んでください」
その言葉に少しの違和感を残しつつ、彼はモードチェンジで変形した大剣「イクサセイバー」を振り上げてヤミー達に振り下ろした。
すると大きく砂埃を上げ、大量のセルメダルと共に地面を抉り取って空気が晴れた。
モードを一つ上げただけでこの威力だ。教会の力は恐ろしい。
イクサは元会社からライセンスを教会側が受諾し、以降教会側がバージョンアップと強化改良を続けていた。その一つが明の使う「イクサ・バージョンハンター」だ。通称ハンターモード。
「こいつぁすげぇな・・・」
あまりの威力と圧力に圧倒される。その威力はメタルシャフトのマキシマムドライブを軽く超える物だ。
態度と技だけで戦力外通告されたような気がしたが量産型がうじゃうじゃいる中では俺の力もデカイ方だ。
それなのにこの敵をものともしない様な振る舞いに少しイラついた俺だった。
《イ・ク・サ・セ・イ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
セイバーに付けられていたフエッスルをナックルの間に挟み、読み込ませる。すると電子音と共に剣の青いラインが輝き出し、十字架が光って唸る。
「さすがに数が多すぎますね・・・ここまでの大部隊をここへ集中すると言うのはどうも馬鹿が過ぎている様な気がします」
剣を持った手を振り上げ、掲げる。
「とは言え生きては返しません。これ以上は来ないでしょうしここで終わらせます」
振り掲げたカリバーを敵軍のど真ん中で振り回し、斬撃を叩きこんだ。文字通り、薙ぎ払ったのだ。
一拍置いて、大量のセルメダルがイクサの姿を隠した。それはイクサの周りに集っていたヤミー達の無残な姿だった。あの量を一撃で粉砕するとはイクサは恐ろしい戦力になるだろう。
敵がいなくなり、やけに静かになった状況に違和感を覚えた。
「終わった・・・のか?」
「妙ですよね。嵐の前の静けさのように感じます」
辺りは残兵が少しいるもの、正規兵が対応できる量だ。それなのになんだこの落ちつかない感じは。ここ周辺のマップサーチを行ったが反応は無い。それこそ上空から降下でもしてくるのかと思えば鳥一匹も飛んでいない。
だとすると最悪の事態が予想できる。
「こりゃ既に手遅れかもしれねぇな」
「私も今その考えに至りました。あれだけの量を投入している時点で分かった事なのに・・・」
その時、待っていたかのように地面が揺らぐ。その揺れは次第に強くなり、会場の入り口付近の地面が急激に盛り上がった。
そこから太く長い物体が這い出る。それが巨大なムカデの怪人だと分かるまで数秒かかった。
「こいつは・・・・」
なぜならそいつは
「デカ過ぎる・・・いくらなんでも正気の沙汰じゃねぇ!!」
元々怪人と言う存在の時点で正気ではないのだが、そいつの巨体は入口の門を遥かに凌ぎ、そばのショベルカーをなぎ倒して這い出てきたのだ。実に気持ち悪い。
高さ18mの超巨大ムカデは周辺の正規兵を踏み潰しながらこちらへ突撃してくる。あろうことかそのムカデにイクサは飛び移ったのだ。俺も躊躇しつつ飛び移るがこの至近距離で何をすると言うのか。何より見た目がグロい。
「どうすんだよこの状況で!」
「これほど大きいのならば弱点は恐らく頭部近くにあると考えましたので」
「何を根拠に?」
「怪人については殆ど把握しています。体の大きい者。特に身長の高い者で胴体が太い怪人は防御と攻撃を両立できる特権を持っています。それらの怪人に共通することは“弱点は頭部付近”だということでした」
「な、なるほど。それで頭を殺れと?」
「ええ、とりあえず」
やけに怪人について詳しいが、弱点があるならあるに越したことは無い。だがこの滑る鎧をどうやって登るかが今の課題だ。変に攻撃したりでもしたら振り捨てられる可能性がある。
これでは二人とも手が出せない。
「射撃武器さえあればな・・・」
頭部を集中砲火すれば何とかなるかもしれない。だが近接攻撃に特化したメタルでは太刀打ちできない。さらにイクサは本来あった射撃武装を捨ててまであのセイバーを取り付けたようだ。
雑兵共の中には射撃武器を持つ者も多くいるだろうが融通の利かない奴ばかりだ。
何とかならないものかと思っているところにいつも正義の味方は現れる。
ガキュンッ
何かがムカデ装甲に当たった様な音がした。さらにその音は多くなり、目の前が激しい発光に染まる。
何かの遠距離武器だと思い、射線の先を見るとメタリックシルバーのライダーが銃を構えていた。
「よぉ、おつかれちゃ~ん」
俺はその声に聞き覚えがあった。ライダー自体には見覚えは無いが、そのデザインから鴻上ファウンデーション製のライダー系列だと悟った。
「金属よろしくと神父ちゃんか。また妙な組み合わせだねぇ」
そう言いつつセルメダルが充填されたバースバスターを撃ち放つ。セルメダルのエネルギーを抽出して撃ち放つバースバスターは初期型こそ反動が強く扱いづらい物だったが新型は無反動に加え他の機器とも連携が取れる優れた物となっている。なお訓練ではわざと旧型を使うことで強い肉体を作り出している。
「作戦開始ということですか。紫朗、足止めをします」
「わぁったぜ。明の旦那ッ!!」
メタルシャフトをムカデの百本脚目がけ投柱。地面に突き刺さりムカデの足を絡ませる。さらにイクサカリバーで脚を数本刈り取り、バランスを崩す。ムカデの巨体が地面に跪くように倒れ、砂埃と共に頭部をさらけ出す。
「頭を狙え!」
バースに向けて一言言い放つ俺。それをすぐさま理解し、周りの重火器使い達に伝達する。
「全員!あのデカ物の頭に集中砲火してやれ!」
集まった全員が火器を一斉に放ち、赤紫色の頭部に激しい光が迸る。砲火が止んだ時、そこに赤いコアを見ることが出来た。
「神父!あれだ!!」
「行きますよ!」
俺はヒートメモリを入れたままのシャフトでマキシマムドライブを、イクサは腰のフエッスルを取り出してナックルに挟んだ。
《ヒート マキシマムドライブ》
《イ・ク・サ・ザ・ン・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
メタルシャフトを振りまわし、赤い炎のリングを浮かばせる仮面ライダーメタル。対してイクサはセイバーの刀身に手を当て、切先まで手を動かしてエネルギーを隅々まで伝達する。
赤と青の輝かしい光りを唸るようにムカデの頭部に叩きつけ、切り刻み、断末魔と共に地面を抉って爆散崩壊した。
「あいつらが来なかったら骨が折れたかもしれないな」
「意外と楽しんでいたように見えましたが?」
爆炎と煙が晴れた時、灰化した残骸が砕け散り、中から大量のヤミーの軍勢が襲ってきた。
まさか本体自体が爆弾だとは思っていなかった俺達はその瞬間に何が起こったのか分からなかった。
「これはッ!?」
神父は驚きを隠せない様子だ。さすがに数えきれないこの量を倒すには相当量の労働が必要だ。ボーナスぐらい出してもらわないと気が済まない。
「訂正だ神父!!肋骨の一つや二つ持ってかれるぞこいつァ!!」
俺は形振り構わずシャフトを振りまわした。マキシマムドライブはまだ発動状態にある。この威力をヤミーの軍勢にぶつけても大して意味は出ないだろう。だがそれでも俺はミイラの濁流に向かって走り出していた。
「全くあなたは馬鹿ですか!!」
それでも神父は俺の馬鹿に付き合ってくれた。
セイバーとシャフトを交互に当て、道を切り開く。とにかく切って殴って叩き斬った。
イクサのガントレットに内蔵されてある超小型射出型スパイクで敵を殴ると、敵は電撃刃の痺れで動けなくなった。そこへ俺が鋼の蹴りを入れ、最後にイクサの強化セイバーの刃が煌めく。
爆風に紛れながらセルメダルとエネルギー弾が飛び交ってくる。バース達も援護射撃をしてくれているが、いつ誤射されてもおかしくない状況だ。その時
《ドリルアーム》
謎のドリルが援護に入ったのだ。その時のセルメダルの量は異常なほどだった。
バースは自身の体に装備を装着させるメダルクロック「CLAWs」で右腕にドリルを装備したのだ。CLAWsはメダルを回収するために作られた装備で、そのためセルメダルで構成されているヤミーにはダメージが大きい。今の一撃で六体のヤミーがメダルにされていた。
「何メダル相手に手間取ってるだぁい?」
「こっちは専門屋じゃないもんでよぉ。援護頼んだぜ」
「よろこんでぇ!野郎共やっちまえ!」
後方で待機していた量産型と思われるパワードスーツ達が一斉にバースバスターを放った。弾幕が降り頻る中、激しい光芒と共にマキシマムドライブを発動させた。連続で発動させるのは今までにも無かったことから少し不安だったが何とか持ち応えれそうだった。
「行くぜ!ヒート!ブランディングスマッシャー!!」
鋼鉄の体をも包み込む激しい業火を持って駆けだし、軽く宙を舞う。降下時の重力とその体重を生かしてヤミー軍に炎を纏ったメタルシャフトを叩きつけた。
欲望の塊共に炎が燃え移って行き、すぐにその場は炎の海と化した。その光景は地獄のようでもあり、圧倒的勝利の瞬間であった。
「敵の殲滅を確認しました。残存兵は居ないようです」
「これでほんとに終わったか。マジで死ぬかと思ったぜ」
あの数を相手していたのだ。援護兵はいるが実質俺とイクサの二人で相手していたようなものだ。今回の戦いでメタルとヒートでも力が及ばないことが分かった。更なる精進が必要だと染々思う。
変身を解除すると一人の男が俺達へ近づいてきた。持っているベルトの形状から先ほどのバースだろう。
やはり俺はそいつの顔に見覚えがあった。
「やぁ久しぶりだ紫朗。こんなところで会うとは・・・数奇な運命って奴だな」
「俺もてめぇの面なんざ見たかねぇんだがな。どうやら俺達はそういう縁があるらしい」
俺達だけで話を進めるため、明が物言わぬ顔をしている。
「紹介してくないが、こいつは
「よろしくイクサのお坊ちゃん。紹介に預かった通りだ。今はバースで戦っているが、俺はベルトコレクターでもあるから基本気まぐれで変身してるよ」
「コレクター、ですか。珍しい趣味をお持ちですね」
その時、神父は顔を顰めて言った。何か叡蔵が気に障る様な事言ったかと思ったが、その思考回路は突然のアナウンスによって掻き消された。
「皆よく戦ってくれた。君達の戦いぶりに敬意を表して私のパーティーに全員を参加させよう。19:00にタワーの中枢フロアで集まろう。以上ッ!!」
爺の元気な声が聞こえて周りの雑兵がほっと胸を撫で下ろす。
俺達は面倒だと愚痴をこぼしつつも切り上げて早々とタワーを上って行った。