まあそんなことを確認するために投稿されています。
読む価値は正直言って皆無ですので、生暖かい目で見る事もなく、連載タグを付けておきながら1話だけあげて1年以上放置されているような作品と同じ様に流して頂けると幸いです。
千字を越すまで適当な事をダラダラと書き綴るだけですので、読む事なくブラウザバックを推奨します。
ブラウザバック推奨。
ブラウザバック推奨。
彼は、何処にでもいる若者だった。
彼は、いつでも人の輪の中心にいる若者だった。
彼は、迷子の子供を迷子センターに連れて行く程度には心優しい若者だった。
彼は、凄く良いという程では無いが、悪いという程では無い運動神経を持つ若者だった。
彼は、何1つ特筆することの無い、凡庸で善人で世間を見れば何処にでもいるような日本人だった。
そんな彼は今...
『というわけで、君達には異世界に転移して魔王を倒してもらいます。もちろん、君達をそのまま送り出す様な乱雑な扱いはしませんよ?肉体能力を強化し、あなた方が居た世界でいう所の転生特典を1つ授けましょう。』
自分のクラスごと異世界転移に巻き込まれていた。
目の前には荘厳な翼の生えた美女が浮いていた。
彼女曰く、自らは異世界の女神、彼女の世界は魔王の手によって闇に閉ざされようとしている、どうにかするために異世界から彼らを召喚した...という事だそうだ。
あまりにも非現実的な状況と話に混乱しているのか、彼らは慌てふためく事もせず呆然としていた。
いや、この場合は彼女に見惚れていると言った方が良いかもしれない。
彼女は女神、文字通り次元が1つ違う存在である。
影が当たる向きで如何様にも形を変えるかのように、彼女に見惚れる彼らの脳裏には全く別のものが映っていた。
ある者には、踵に届く程の艶やかな黒髪が特徴的な煌びやかな和服を着た美少女に。
ある者には、神々しい戦甲冑を身に纏った銀髪の戦乙女に。
ある者には、高価そうなタキシードを見事なまでに着こなした男装の令嬢に。
共通する点は彼らが全員、最も美しいと思う様な相手の姿を見ていると言うことだ。
...もし、両生具有を至高の美としたレオナルド・ダヴィンチが彼女を見れば、ふたなりなのだろうか?
気にはなるが、それはまあ置いておこう。
ハッ、正気に戻った誰かがこういうことを聞いた。
「何故自分たちなのか。もっと相応しい相手がいたのではないか?自分たちは帰れるのか?」
女神は答えた。
『私の今の力で届く範囲で、最も期待が持てると思ったあなたたちを召喚しました。帰還に関しては...5年ほど時間を頂ければ、元いた場所に戻すことができます。今、私の力は魔王のせいで枯渇しており、帰還用の術式が行使できないのです。あなた方が闇を祓い、光の領域を拡大してくれればより早く、送還できます。』
ポツポツと正気を取り戻していった彼らは、異世界で魔王を倒してさっさと帰ろうと決めました。
転生特典...彼女曰く能力は、重複しない範囲で各自好きな物にしようというと決定しました。
順番はじゃんけんで決定し、彼は1番最後になりました。
彼らは勝った順で好きな能力を取得していきました。
ある者は、曲がらず折れず、全てを断つ最強の聖剣を。
ある者は、あらゆる魔法が行使できる程の強大の魔力を。
ある者は、どんな攻撃でも動じない鋼鉄のような肉体を。
ある者は、あらゆる物を燃やし尽くす破滅の枝を。
ある者は、手に触れた魔法を剣に変えて扱う能力を...
そして彼の順番が回ってきました。
彼より先に選んだ彼らは、選んだ先から転移していったのでこの場にはいません。
鑑定やアイテムボックス、蘇生といったメジャーな能力も選択され、最早彼に思いつく凄い能力がありません。
彼は悩みました。
そして思いつきました。
彼は望みを告げました。
「あらゆるステータスを、限界突破させた上でMaxにして欲しい。」
彼は、器用貧乏でした。
ポ〇モン風に言えば、レベル60程度までは優秀なステータスで直ぐに成長するが、そこで成長が打ち止めになり、結局極めたレベル100には勝てないタイプの人間でした。
ド〇クエ風に言えば、レベルアップ毎に全ステータスが1ずつ上がるようなものでした。
そこで彼は考えました。
別に自分は特化した能力を得たところで使いこなせない。
それなら自分自身の特化させよう、と。
そしてその望みは叶えられました。
彼は元々強化されていたステータスを更に強化しただけと思い込んでいました。
彼女は、あらゆるステータスということでレベルアップ時の上昇率、最大レベル、最大ステータスなどを限界突破突破させた上で最大限上昇させました。
言葉足らずって恐ろしいですね。
さて、能力を選んだ事により彼も転移しました。
そこは鬱蒼とした森の中。
想像していたような王城や遺跡といったものはなく、自らを召喚したであろう召喚陣の痕跡程度しかありませんでした。
先に召喚された彼らはどこにもいません。
木々が邪魔で見通しが悪く、近くで殺された獣がいるのか血の匂いが充満し、ふと見上げれば空は真っ赤に染まっていました。
この場合の真っ赤に染まった空は、夕焼けのような濡れ羽色とのグラデーションになったものではなく、真夏の青空の色を反転させたような赤でした。
彼は、とりあえず川を探す事にしました。
サバイバルで最も重要な物資は水で、水回りには獲物が集まり、人の集落も川の側に作られることが多いと、何かで読んだ事を思い出したからでした。
彼が耳を澄ませると、何処か遠くから耳の音がしました。
彼はそちらに向かおうと、全力で地面を蹴り走り出そうとしました。
さて、思い出してください。
彼の選んだ能力を。
彼はステータスをゲームのように考えていました。
つまりどれだけステータスが高かろうが、平然と過ごせるような事を考えていました。
現実は違います。
彼女はあらゆるステータスを限界突破した上でMaxにしました。
その中にはもちろん、聴力や脚力も含まれます。
まあ端的に言ってしまえば、急に上昇した身体機能に振り回され、足場を強く踏みすぎました。
彼が立っていた場所はまるで、隕石が落ちたかのような巨大なクレーターが発生しました。
そして彼自身は高く高く飛び上がりました。
...彼に救いがあるとするならば、その着地地点は彼の目指した川の側だという事でしょうか?
...まあ、人型の隕石が落ちた場所がまともな地形を保てるかは知りませんが。
そんなこんなで、ステータスを高くしすぎた彼の旅が始まりました。
歩く度に地震を起こし、物を掴もうとしたら握りつぶしてしまい、意識的に呼吸をすれば爆風と共に半径1kmが吹き飛ばされるような彼の旅が。
続かない。
続きません。
続きません。
続きません。