一誠が発症してから一年と半年が過ぎた頃
時間とか日付とか関係なく彼は激痛によって苦しんでいた。度重なる激痛に彼の精神性は変わっていった。
「俺は死なん。生きるゥ!役に立てよォ!貴様らァ!」
彼以外いない病室で彼は叫んだ。しかし今日に限って普段は誰も来ない病室に何処からともなく男が現れたのだ。
『ほう。これはこれは。ふむ!懐かしい。』
いきなりその男は現れて何かを考え込んでいた。そして顔をあげ、
『君は兵藤一誠と言ったか?君は生きるのを止めたいか?』
この男は何を言っている!そんなのは否だ。
「お、俺は。グッゥゥゥ、生きるゥ!」
男は嬉しそうに、
『そうか。ではまず始めに君と同じ境遇だった者達について知って貰おう!』
と言った。彼がこちらに手を向けた瞬間意識が沈んでいった。
そうして一誠は、自分の家系ルーツを遡った。自分の祖母である三代目逆十字こと緋衣南天のこと。英雄柊四四八の異母兄弟である二代目逆十字こと緋衣征志郎のこと。そして、緋衣征志郎と英雄柊四四八の父親である初代逆十字こと柊聖十郎のことを。
そして彼は船の中のような場所にいた、
『戻ったか。どうだ?』
男は愉快そうに聞いてきた。一誠は、
「チッ!俺は健康な身体を手にいれる。そして、俺を陥れたあの女に死より最悪な罰をくれてやる!ここまでやられたんだ。必ずやり返してやる!」
男は笑顔を浮かべ一誠がやられたらやり返すと、言ったことを思い浮かべ、
『アハハハ、お前は俺の
男の許可が出されたことで一誠の身体は嘘のように軽くなるのを感じた。
現実に戻り、一誠は点滴を針を乱暴に抜き取り、立ち上がった。
そして、一誠は行方を眩ましたのだ。
数時間後、点滴を換えに来た医師は一誠が消えたことを両親に報告した。両親は呆然とし、姉である瑞希は他者が見えない影で歯軋りした。世良夫婦と石神静乃は神祇省の力で数年探しても見つからなかったのだ。
『さあ!俺にお前の勇姿を魅せてくれ!四代目逆十字よぉ!ハッハッハ!』
数年後各国では噂が流れていた。
曰く、その者全てを台無しにする者である。
曰く、彼の前では全てが等しく病み落ちる。
曰く、その容姿逆十字の再来なり。
これは転生者によって狂わされた運命に立ち向かう物語。ではない。
これはとある男が復讐ついでにいろいろと他者から才能を男からバッドステータスを交換(強制)していく物語である。