アナザーエデン 人理を救う猫
声が聞こえる。
助けを呼ぶ声が聞こえる。
僕は消えそうな彼女の魂を掬い取る。
大丈夫。
君は消えない。
安心して、君は死ななかったことになる。
本当は僕のエゴで君たちの世界に干渉することは出来ない。でも、人理定礎が崩れた今ならそれが出来る。僕は⚫⚫猫⚫⚫⚫。君を助けた者だよ。
え?聞こえなかった?ごめんね。まだ、そちらの世界に上手く干渉できたとはいえなかったみたいだ。
え?ああ大丈夫だよ。僕達はまた、出会うだろう。そのときに改めて名乗ろう。でも、君が僕の正体に気づくまでは僕は俺として接しよう。
ああ。もう時間だ。君は彼らの元に戻るだろう。でも、君は彼らの前で消滅した。その事実だけは残っている。それでもなお、君は生を望むかい?
うん、わかったよ。さあ、目覚める時だ。
あっ!忘れてたけど着地には気を付けてね。
「えっ?」
青い光が彼女を包む。
一瞬浮遊感が身を包む。
そして、
「きゃあ!」
地面にダイブした。
彼女は周りを見渡した。そこは、彼女にとって全てだった。信頼していたが裏切られた技師や頼りないけど優しい医師と共に過ごした優しい日々が甦る。
「私は、ここに帰って来れたのね!」
ここに立った最期は彼女は失敗は許されないことを行おうとしていた。しかし、それは失敗した。人理を守ろうした彼女は、友であり師である大事な人によって、
燃やされたのだ。
その宝を、その命を、全てを、
そして、人理を焼却されたのだ。
身を焦がす炎を彼女は覚えている。
肉体が滅んだ後、その意識が消失していく恐怖を彼女は覚えている。
彼女は手を伸ばした。
信じられなくて、全幅の信頼を行う友が裏切ったことが信じられなくて、
自分を助けようした未熟者達よりも、裏切った相手に向けて、
そして、近づいてくる声に思考が中断された。ドアが開かれる。そこにはかつて未熟者だった彼とが成長したと思われる雰囲気に包まれている彼と彼に付き従う英雄達がいた。
彼は私がいるのをその目で捉えた。
彼はとても驚いていた。共にいた少女は私を見て、その目に涙を浮かべ、
「所長!」
ああ!私はこんなに近くに信頼出来る者がいたのだ。
「「「オルガマリー所長!」」」
ああ!私はこんな近くに私を認めてくれていた者達がいたのだ。
ああ!本当に私は気づかない内に欲しかったものを手に入れていたのだな。と、感じた。
「君の助けを求める声に導かれた。」
古風な格好した、
「俺の名はアルド。」
剣を持った青年は彼女の嘆きに現れた。
「世界を救う