エクスカリバー編は一話で終わらします。
グレモリー眷属は駒王学園の前に来ていた。
彼らは教会より聖剣を強奪したコカビエル一味の野望を止めるためにここに来たのだが、
「何かがおかしい。結界の反応も無いし何の力も感じない。」
彼らの主のリアス・グレモリーはこの状況の分析しようとした。しかし、何の成果も上げられなかった。
すると、彼女に一人の少女が近づいてきた。
「リアス!」
「ソーナ!これはどういうことなの?」
近づいてきた少女もといソーナ・シトリーに尋ねた。しかし、
「わかりません。私達も調べてみましたが何故こうなっているのか検討もつかないのです。」
「とういうことは中の様子はわからないの?」
「いえ、入り口付近ならわかりました。ただ、現在。中は別の空間が広がっています。出入りは可能だったのでわかったことですが。」
ソーナ・シトリーの調査内容は、
先ず、この先は別の空間である。
次に、入り口は出入り可能。
最後に、安全が確認できなかったので奥には行ってない。
ということである。
「ソーナ!私達は行くわ!」
「なっ!危険です。」
「わかってるわよ。でも、私はコカビエル達を止める!」
リアス・グレモリーの意思は硬い。それ故止めることは不可能だと悟ったソーナ・シトリーはただ一言、
「わかりました。では、無事を祈ってます。」
ソーナ・シトリーの言葉を背に聞き、
「グレモリー眷属、行くわよ!」
「「「応!」」」
入り口より入った空間は、神殿もイメージするような場所だった。
白く静かなそこにはやはり人の気配は無かった。
「朱乃。索敵を!」
「はい。部長。」
リアス・グレモリーは自らの女王である姫島朱乃に索敵を命じた。
「はっ。部長、奥に生命反応が!」
「行くわよ!」
彼女達が向かった場所には玉座があり、その前にコカビエル一味が息絶えていた。
「何で、コカビエル達が!」
リアス・グレモリーは声を荒上げた。
すると、この惨状の原因が声を発した。
「ふむ。来たか。」
声が聞こえた場所を見ると最初に目に付いた玉座に女が座っていた。
その物は金の髪を靡かせ、軍服を着こなし、鞘に収まった軍刀を身体の前で杖のように手を支えていた。
「貴女は何者。何処の勢力の者なの!」
リアス・グレモリーは問いかけたが、答えは帰ってこず。その者は別の言葉を発した。
「待っていたぞ。
その言葉に兵藤瑞希は一瞬、悪夢を思い出したが違うと断定した。
「貴女は誰?」
瑞希は彼女に何か懐かしいものを感じたため、そう問いかけた。
「む。そうか。ここはあの時より更に先の
彼女は何か納得するのように呟いた。そして、
「では、名乗ろうか。我が名はクリームヒルト・レーベンシュタイン。近しいものにはヘルヘイムと呼ばれている。」
彼女の自己紹介を聞き姫島朱乃が、
「何ですって!柊四四八と共に世界大戦の危機を救った。あの!クリームヒルト・レーベンシュタインですって!」
「そうだ。盧生である私は邯鄲を通してここに存在するため本人である。」
彼女の名前に反応し、彼女もそれにお答え補足した。
「それに
その重大発言はグレモリー眷属達を騒がせた。
「瑞希!貴女は柊四四八の仲間の英雄の子孫だったの?!」
「瑞希先輩、本当ですか?」
「あらあら、瑞希ちゃん。どうして教えてくれなかったの?」
グレモリー眷属の言葉に問い詰められているのを見てクリームヒルトは、
「そう責めないで欲しい。瑞希はこの事を知らされてなかったのだ。祖父の家系を知らせるなら祖母の家系も知る必要があるのだから。」
「祖母の家系?」
クリームヒルトの言葉に疑問を覚えたが、
「その話は両親に聞くといい。本題に入ろう。」
クリームヒルトは息を整え、
「先ず、私は本来君たちの前に現れるつもりは無かったが状況が変わった。ただ一つのことだ。大雑把に言うと、【邯鄲】が復活したのだ。」
今の世界は邯鄲のことは物語として伝わっている。少しのことは一般人でも知っているほどである。
「今回、邯鄲が復活した理由が、瑞希、君に関係しているということだ。私は公平な立場にいるため理由等は教えられないが警告として君達に告げに来た。」
第三盧生が直々に来たのだ。何か重大なことであると感じた瑞希は、クリームヒルトの言葉を待った。
「君達に告げたいことそれは、新たな盧生の誕生だ。本来あり得ないことだ!逆十字が盧生に!成るなど!」
えっ?盧生が誕生した。更に逆十字って確か数多の病みに犯され、盧生を目指した物語の悪役!数多の病み?まさかっ!
瑞希を恨む彼を思い浮かべた。
すると、声が響き渡った。
『行ってこい。蝿声厭魅。』
かつて自分が陥れた弟の声が彼女を恐怖に陥れた。
「あ"、あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁーーーっ!」
だが、それだけでは無かった。
瑞希に逢いたがっていた悪夢が解き放たれたのだ。
『さんたまりあ~、うらうらの~べす!』
『さんただ~じんみちびし、うらうらの~べす!』
不気味な声が聞こえる。この声は瑞希にとって悪夢そのもの。だがら、
「イヤァァァ、来ないでぇぇぇ!」
瑞希は叫ぶ。これから来るものを見たくもないために、これから来るものの声を聞きたくがないために。しかし、それは無駄に終わる。
そして、顕現するのは、神祇省より祟りの最上級に指定されている存在。第八等指定廃神・
『あんめいぞぉぉぉ、ぐぅろぉぉぉりあぁぁぁす!!!』
この世の汚物を凝縮した様な存在がここに顕現したのだ。
『ああ!逢いたかったよ!僕のマリア!君に逢いたくて主から彼のもとに出向させて貰ったんだから!』
「そうか。君は今回は甘粕の下では無いのだな。」
瑞希の前に立ったクリームヒルトはそう問いかけた。
『ん?ああ!君か!そうだよ。彼は面白いんだ!考え方は似ていてもその本質は異なる。今の彼は病みを治す気は更々無いからね!セージは、やっぱり逆十字は面白い!』
「そうか。現れて悪いんだが、此度は退いてもらえると助かるのだが。」
クリームヒルトの提案に蝿声厭魅否、神野明影はうーんと考える仕草をし、
『いいよ。僕でも盧生と戦うのは歩が悪いしね。じゃあね、僕のマリア!あっ、そうだ。忘れ物。』
神野はコカビエル一味のフリード・セルゼンの死体を持って虚空に消えていった。
そして、
「すまないが瑞希。わたしが出来るのもここまでだ。健闘を祈らせてもらう。」
そう言ってクリームヒルトはここから去っていった。
ここにエクスカリバー強奪事件は終了した。
しかし、本来なら起こり得なかったことが起きてしまう。それは、
・コカビエルに早期死亡による神の不在暴露が起きず、教会二人組は聖剣を持って帰還。
・バルパーと木場裕人の問答が無かったため禁手に至らず、聖剣に対しての憎悪持ち続けることになったこと。
・フリードの死亡とその死体の持ち去り。
主にこれらのことにより彼女達の物語は更に過酷となる。
「あれ、オレっち死んだ筈じゃあ。」
「へ~。なら殺しまくっていいの!」
「カカカ、殺戮を楽しませてもらおうかぁ!」
そうして殺人鬼は殺塵鬼と成った。
これで廃神は
・魔炎聖女 Fate
・幻想監督 PSO2
・殺塵鬼 シルヴァリオ・ヴェンデッタ
出向者
・蝿声厭魅 戦真館
の四体です。じゅすへる以外に四体出す予定が一体決まらないのでどうしようか迷い中です。気分次第でそばもんが廃神に昇格するかも。