『オイオイ、どうかしたのかヨ!英雄派の幹部が俺のような相手にビビってんのカヨォ!』
彼等の前に具現した元仲間だった彼は、お荷物でただ飯ぐらいだった彼は、今幹部達よりも強大な存在として彼等の前に立っているのだ。
『ん?ん~~、おいおい、マサカとは思うがヒビってんのカヨォ!』
そして彼は幹部達を見渡した。彼の言葉に動揺している者もいる。
『マジかよォ!あ~、オレの手で終わらせようかと思ったガ、ほらヨォ!』
彼の言葉と同時に爆発が起こった。爆発の中心に光が集まり何かを形成していく。
『オマエラ、フィルムは撮っておくから、こいつの殺られて無様な死に様を!見せてくれヨォ!』
光が形成し、その生物?の形がわかってくる。
上半身は顔だけで、巨大な丸いメロンパンのようにむくんでおり、まるでサメのような鋭い歯が等間隔に並んでいる。更には子供がひきつけを起こしかけない怪しさに満ちていた。
「熊?いや違う!あの体は!」
その姿を見た幹部達は何かが削られていく感じを味わった。
それもそうで首から下はぬらぬらと不気味な光沢を放ち、人の腕ぐらいある触手が無数に生えているのだ。
触手の内、右腕にあたる部分には麺切包丁、左腕にあたる部分には真奈瀬と書かれた蕎麦の入った丼を持っている。移動する際にはぐにゃぐにゃと怪しげな足取りで、ねちゃねちゃと音を立ててこちらに向かって来ている。
そしてその生物?は口を大きく開き、
「僕はお蕎麦の妖精、そばもん!」
この生物の名前はそばもん。鎌倉にある真奈瀬という蕎麦屋のマスコットキャラクターである。因みに、この真奈瀬という家系の女性はこのそばもんを可愛いものと認識しているという不可思議な家系である。
「って!何処が妖精じゃぁぁぁ!妖精つーか、お前は!熊クトゥルーだ!」
彼?の見た目に英雄派の幹部達はキレて正論を言い放った。
「ソババン」
そばもんは項垂れた。そして、
「いいもん。いいもん。そばもん、判って貰えなくてもいいもん。そばもんは蕎麦神様に仕える妖精だそばもん!」
そばもんは拗ねた。
すると英雄派の幹部の一人が、
「って!語尾がそばもんかよ!キャラが安定してねぇぞ!固めてから来いよぉ!と言うか蕎麦神様だと?んな神存在しねぇだろ?」
こう言い放った。それに対してそばもんは、
「いるもん。いるもん。蕎麦神様はいるもん!蕎麦神様は全長500メートルの不定形で七色に光る触手持って………………。」
そばもんの説明を聞いている者達、英雄派の幹部達とベトールは思った。
「『(それって蕎麦神じゃなくね?)』」
この時、彼らは敵対していても心が一つに成ったのだ。
幹部の一人はこの時こう思った。
「(あれ?こいつ油断しすぎじゃね?)」
それを他の仲間に小声で言うと、彼らは頷き、数秒後、そばもんに向かって総攻撃した。
しかし、
「えっ?何かした?」
そばもんにダメージは無かったのだ。更には、
「え~と、えい!」
と言う掛け声に応じてそばもんの触手はぐしゃりとのめりながら英雄派の幹部の一人を捕らえた。そうして、
「話の途中で攻撃する悪い子にはお仕置きだそばもん!」
そばもんはそう言って片手に持つ麺切包丁でその者の、
ザシュッ
首を斬った。
「そ~ば~ば~ん!」
そばもんのもう片方の手にある丼ぶりにその死体は吸い込まれた。そして、
「次は君だ!」
別の者が触手に捕まる。そうしてそばもんは捕まえた者に丼ぶりを近づけ、
「さ~あ!召し上がれ!」
「ぐっ、や、やめ!」
捕まえられた者は必死に抵抗したが、元仲間が入った蕎麦を無理やり食べさせられた。
「ぐっ、お、おえっ!ん?な、なんだ!うわぁぁぁぁ!」
その蕎麦を食べさせられた者は身体の異常を訴え、息絶えた。
すると突如死体より、
グボォグチャリグチャリ
という音を響かせ触手が死体の内側より這い出てきた。その触手は集束し姿を変えた。
「僕はお蕎麦の妖精、そばもん!」
彼を無惨な死体に変えた化け物が増えたのだ。
すると、新たに現れたそばもんの所にもう一体が近づいた。
「僕もお蕎麦の妖精、そばもん!」
「「そばばん!」」
その二体のそばもんは挨拶し、幹部達の方を向いた。
幹部達は恐怖で動けない。そんな彼らのもとにぬちゃりぬちゃりと音を発てて近づくそばもんは恐怖そのものだった。
そして、その数時間後にはこの場に更に三体のそばもんが誕生したのだった。
やっと書けた。
にしてもFGOの水着ガチャ当たらないな。メイドとメジェトリスが来ただけましだが。