プロローグ
魔法世界の英雄ナギ・スプリングフィールド率いる
紅き翼の高実力者数人が旧世界、つまり地球出身の者ということに目をつけたメガロメセンブリア元老院の者達は旧世界へ優れた人材を求め侵攻を開始した。
魔法による侵攻、彼等にとって一般人過ぎなかった地球人はなすすべもなく制圧できると思われていた。
しかし、今までメガロの息のかかった者達に迫害されていた者達が立ち上がったのだ。
彼らの反撃により魔法使い達の侵攻は止まった。
それを好機とばかりに、各国の軍隊が異形の者達に援護したのだ。
魔法使い達は自らの占領地まで撤退し、強固な壁を造り引きこもったのだ。
世界がこうなっている時、日本も同じように東の魔法使い達と西の異形達+能力者達が争っていた。
本来ならば魔法使い達を嫌っている陰陽師達も魔法使い側として戦っていた。
理由は簡単だ。
その結果、魔法使い達からは味方と認識され、異形達と守るべき市民からは敵として認識されたのだ。
世界中の魔法使い達が壁を造ったとき彼等も同じようにした。
こうして日本は東西に二分された。西暦が終わった瞬間である。
西暦が終わり、魔法と言う神秘が世に現れたことであらゆる特異現象が魔法として世界に広まり、世界中の土地神達が信仰を失った。
彼らは魔法使い達への最後の抵抗として、魔法使い達と敵対する者達へ祝福を贈ったのだ。
結果、魔法使い達にとって意図しないことが起きた。
魔法使いと敵対する者全てに贈られたため、魔法世界の亜人達、幻想種達が幻想でなくなったのだ。
彼等は地球でも一つの肉体を持って降りてこれるようになった。
それだけではなく、共に戦った異形と人間の間に子が出来、今までには無かったハーフ特有の能力が発現したのだ。
それが魔法を物ともしない強靭な体を持つ異形
【
と、呼ばれる存在達だ。
そして数年後、物語は始まる。この歪みきった世界の中で、一人の【
これは英雄の息子が、世界を救い名実共に英雄と呼ばれる物語ではない。
これは英雄の息子が、学園の生徒を導く物語ではない。
そして、これは魔法が人々の希望となる物語ではないのだ。
何の物語かと言うと、
異形と人間の内に生まれた超越者達の物語だ。