女子校LIFE   作:HonoRin

5 / 8
お誘い

五月末。

…梅雨の時期が近づいている。

 

今私達は六月最初のほうにある定期テストに向けて勉強している。

高校から“欠点”を取ってしまうと、補習に行かなければならない。

その補習は、学校が休みの日に再テストを受けなければならない。

私は休みの日が無くなると不機嫌になりがちなので、普段は全くしない勉強を頑張ってしていた。

 

 

部活動はというと、私は軽音楽部に入り、出身中学校が唯一同じの子と、その子の友達の三人とバンドを組んだ。

軽音楽部は特にコレといった活動日程が無く、先輩達は近くの練習場に行ったりしていた。

元々中学校で日曜日以外常にある部活動のぎっしり詰まった予定表を毎月配られていた私にとっては、予定表も配られない自由過ぎる部活動に驚いていた。

そのため、元卓球部キャプテンとしての本領を発揮したのか、何故か私がバンドメンバーの活動予定表を作っていた。

しかし、中学時代の分刻みのメニューなどはもう疲れたので、「とりあえずこの日に練習して、練習内容は自分のパートを練習するだけで、夜7時までには帰る」という、なんとも自由なメニューにした。

しかも、ちゃんとメンバーの予定は聞いているうえでだが、私が自由に予定表を作っているため、テスト一週間前は絶対に休みにしていた。私、そんなに鬼じゃないので。(笑)

…今はそのテスト一週間前なので部活動が休みなのだ。

 

 

そんなこんなで家で勉強をしていると、突然電話がかかってきた。

それは、リュウヤだった。

 

リュウヤは中学の部活動の先輩だ。そして、私はその時から彼の事が好きだ。

高校に入ってから、リュウヤとは全く会っていない且つ、メールなどで話したりもしていなかった。

 

…そんなリュウヤから電話がかかってきたのだ。

少し緊張しながら電話に出た。

 

「…もしもし?」

 

「おお!久しぶり!元気か?」

 

電話の向こうから相変わらず元気そうな声が聞こえた。

 

「はい、只今絶賛テスト勉強中です(笑)」

 

「そうか~、じゃあ今週の日曜日とか何も予定無い感じ?」

 

「まあ、はい、勉強しないとダメですけどね…」

 

「そっか、じゃあちょうど良かった!」

 

「…?」

 

私はその言葉の意味が全く分からずに居たが、彼は続けた。

 

「今、俺の学校もテスト前なんだ、一緒に勉強会しないか?」

 

…ぅおええええええぇぇぇ???!!

私、あのリュウヤと二人で、べべべべべ勉強会するの???!

え?!すごくない?!あのリュウヤと二人で居れる最高のチャンスが来たんだよ???!

マジで??!嘘じゃないよね???!コレキタ最高!!!

 

「…おーい」

 

しまった!いろいろと考えていたせいで返事が遅れてしまった!

 

「も、もちろんです!」

 

「おお!良かった!しばらく沈黙が続いたから無理かと思った!(笑)」

 

「あはは、すみません(笑)」

 

「じゃあ、今週日曜日に俺の家に来て!」

 

「はい!わかりました!」

 

「じゃあね~」

 

電話を切った。

…っっしゃあぁぁぁ!!!

これはチャンスだぁぁ!!

何のチャンスかって??ああ!私がリュウヤに告白するチャンスだよ!!

…なんかこんな事考えてる私が恥ずかしくなってきた。。。

 

まあ、とにかく今週の日曜日!よし!がんばるぞっ!

 

 

そう思いながら過ごした日曜日までの日は、後から知った話だが他の人に心配されるほど無意識に嬉しそうな顔をしていたらしい。




次回もおたのしみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。