女子校LIFE   作:HonoRin

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オリエンテーション合宿

 この学校では、入学して三日後に、「オリエンテーション合宿」というものがあり、隣の県のホテルに行き、そこで高校の校則や校歌を覚えたり、クラス全員で協力して楽しむ大繩飛び大会をするというものだ。それらを一泊二日でして帰るという、つまりクラスの仲を深める行事なのだ。

 私は、その日を少し楽しみにしていた。

 

 その日は、すぐにやってきた。

 

 

 

 当日、学校に着くと、みんなはそれぞれ仲が良くなった友達同士で話をしていた。だが、私にはまだ仲が良い友達などいなかった。

 しかし、私はこんな時に役立つ作戦があった。

 その名も、「一人でいる人に声をかける作戦」っっっ!!!

 

…ダサい名前だな…(笑)

私はそう思ったが、そんな事は関係ないので早速作戦を開始した。

すると、意外にもそれはすぐに結果が出るもので。

 

「おはよ~」

 

私は前の席に居た背の低いかわいい子に声をかけた。…かわいい子て、変態か私は。(笑)

 すると、その子はぱあっと表情が明るくなり、笑顔で「おはよー!」と言ってくれた。

 私はクラス全員の名前をだいたい把握していたので、その子の名前が「サキ」ということが分かっていた。なので、

 

「サキちゃんって呼んで良い?」

 

と聞いた。すると、サキちゃんは

 

「うん!良いよ!ユキって呼んで良いかな?」

 

…おおーっと!ここで私の謎の「なぜか呼び捨てで呼ばれる」という記録が更新されたぁーっっ!!(笑)

小学一年生からの記録がまだ更新され続けています!!

さあ!ユキ選手、どこまで記録を更新されるのでしょうかァッッッ!!!

 

…はあ、また私の変な癖が…(笑)

いきなり頭の中で謎の実況が始まるという…(笑)

 すると、サキちゃんは不思議そうな顔をしてこちらを見ていたので、私は慌てて返事をした。

 

「あっ、うん!大丈夫!よろしく!」

 

そう言うと、サキちゃんは安心した顔で「よろしくね~」と言った。

 

 

 そんな会話の後しばらくすると、担任の先生が教室に入ってきた。

 

「今から、バスに乗るが、好きな子同士で乗って良いので譲り合って座るように。いいなー?」

 

それを聞いたみんなは喜んでいた。

私は、ここぞとばかりにサキちゃんと隣に座ろうと誘い、即OKの返事をもらえ、私は一安心した。

 

 そして、やっとバスに乗り、出発した。

 

 

 

 しばらくバスに乗っていると、バスガイドのおばちゃんが、CDをかけてくれた。

そのCDに入っていた曲は今時の女子が好む曲ばかりが入っていた。

男性アイドルの曲や、洋楽や女性アーティストの曲が次々と流れていった。

 私は知っている曲が何曲かあったが、だんだん眠くなり、しばらくすると爆睡してしまった。

 おかげで、二回サービスエリアでトイレ休憩があったみたいだが私はそのまま起きず、私の感覚では三十分でホテルに着いた。実際の時間は三時間かかっていたみたいだが、私は「何のことやら?」という感じだった。

そんな私を見たサキちゃんはおもしろそうに笑っていた。

私もいっしょになって笑っていた。

 そのとき、私の目に一人で前の方を歩いている子が映った。髪の毛の短い、私と一番気が合いそうな子がいるのに気が付いたのだ。

 

 

 




次回もおたのしみに!

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