緋弾のアリア 嘘つきの人形遣い   作:ノムリ
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形無き、姿無き、犯罪者

 武偵校には他の学校でう学園祭と同じもの”アドシアード”がある。

 他の学校と違う部分といえば、武偵らしく銃を使った出し物がいくつか見られることだ。
主に競技に参加するのは強襲科と狙撃科の二つだ、勿論一般の学園祭同様に一般の人も見学にやって来る。

学生はアドシアードの最中は係や競技のスタッフとして右往左往することが決まっている。

正直言ってあまり好きじゃない、問題もあちこちで起こるから。

去年は、不良が出店の商品にケチつけて金を払わない事件があったけど、強襲科の生徒が瞬殺で気絶させて諜報科の生徒がさっさと不良を保健室に運んで、目を覚ました不良には尋問科の生徒が口封じして解決。
 ヤバい時に結束が強くなるもんだな。

不良が悪いんだけど可哀想だったな。武偵相手に金を払わずに食い逃げしようとか無理だろ。
 
 朝から生徒はアドシアード最中に役割決めを行っている。
 競技に出ない生徒はスタッフになるのが絶対だ。受付から迷子の対応、立ち入り禁止区域の監視など内容は様々。

 ―――ガタン!―――

 なんの音だ?
 黒板に役職を書く先生も後ろから大きな音がした事に気づき後ろを向く。
 そこには、床に仰向けに倒れたキンジと腰に手を当てて本の背表紙を刀のようにキンジに振り下ろし、本を白取りしようと試みて見事に失敗したキンジを見下ろすアリアが立っていた。

「これぐらい受け止めなさいよ!」

「無理言うなよ」

 こいつ等アホだな。

 アリアは昨日のキスしたら子供が出来る発言から『赤ちゃんの作り方』なる本を朝から読んでいた。
 教室でそんなもんを読む勇気がよくあるよな。

 武藤とキンジは受付スタッフ。不知火はアリアが事態したガンシューティングの競技に出ることになった。俺は生徒会長の白雪さんから直接の頼みで女性武偵がやるチアの衣装の作成をすることにあった。布の代金は学校負担で当日は役職なしということになった。


 
「アリア、腕が動かしにくいとか足が動かしにくいとか無いか」
 赤色の布を左右で黒色で挟むようになっているミニスカのチアの衣装。

 デザインだけされていたチアの衣装を、俺が即席でデザイン通りに作り、アリアに試着してもらっている最中だ。
 布は学校で保管されていた物と俺の家から暇そうだった武藤に取ってきて貰った。報酬として盗sゲフンゲフン取った白雪さんの写真を渡した。

「動きやすいわよ。スカートは身近過ぎる気もするわね」
 その文句はデザインをした生徒に言ってください。
 スカートが短いのは太腿につけてホルスターから銃を抜きやすいように、という考えなんだろう。
 俺も短すぎるとは思うけど、女子に聞いたらアンダースコートを履くから問題ないそうだ。

「じゃあ、これと同じのを量産するか」
 黒と赤の布をミシンで手際よく縫い合わせていく。

「あんた。服なんて作れたのね」
「てっきり知ってるのかと思ってたよ。理子の来てる服も大半は俺のオーダーメイドだよ」
 
「あれ作ったのあんたなの」
 若干引くアリアだが、オーダーメイドに見た目に文句言われても困る。

「アリア、もう脱いでいいぞ」
「キンジと待ち合わせしてるからこのまま行くわ。当日これ着ればいいんでしょ」
「わかった。無くすなよ。ほつれたりしたら言いにきてくれ直すから」

 分かってるわよ、と言ってチアの衣装のまま教室を出て行くアリア。

 部屋に居た女子たちはからは、
「キンジに見せいったね」
「朴念仁のキンジがリアクションするかな」
「しないんじゃないから」 
 手伝いに来ているはずの女子たちが恋話に花を咲かせていると、

『あー、2年B組の星伽白雪。担任の綴の所までくるよに』

 アナウンスが入ったことで女子たちの恋話も一時中断となった。

 白雪さんが呼ばれたって事は、『魔剣(デュランダル)』絡みか。魔剣ことジャンヌは夾竹桃と理子のリベンジになるか。それとも捕まってイ・ウーを退学になるか。さてさて、楽しみだ。

「30着終わりっと、俺帰るからチアの衣装は白雪さんに渡しといて」

 女子たちの返事を聞かずにカバンを持ってさっさと教室を出て行く。
 働いてない分は別の所で働いてもらおう。
 

@@@

 ガガガガ、という音が下から聞こえてきて強制的に起こされた。
「うるせー!ちょーうるせー」
 ベランダから一つ下のキンジの部屋に行くと、アリアが天井にカメラを設置していた。

「犯人はアリアか」
「あら、どうしたの」
「どうしたの、じゃない。朝っぱらからうるさくて寝てられないんだよ。なんだ、部屋にカメラでもつけてキンジを監禁でもするのか」

「バ、バカ言うんじゃないわよ!白雪の護衛よ!魔剣を捕まえるの」
 顔を真っ赤にして振り合えるアリア、部屋を黙々と片づけていた白雪さんはキンちゃんに監禁、となにやらヤバなことで妄想中のご様子だ。

「あんたは魔剣居ると思う」
 作業をしてこっちに顔を向けずに聞いてくるアリア。
 また、キンジと言い合いでもしたのか。

「いるんじゃないのか、『魔剣』っていう噂が流れてるってことはそういうことだろ。火のない所に煙は立たぬって言うし。居ないなら居ないで対象も無事でよかったで終わるだろ」
 
「あんたはそう思うのね、キンジは居ないって言ってたわ」

「人は見たこと無いものなんて居ないと思うのが自然だろ。超能力だって生で見るから信じられるもんだし」

 そうね、と口では言うものの納得した様子もない。
 起きちゃったからな、可哀そうなキンジの為に部屋の片づけを手伝ってやろう。






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