Palette   作:natsumi_30

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Like? Love?

 

 

 

◆Like? Love?

 

 

「哀ちゃん!教えてくださいっ!」

 

 

歩美は両手を胸の前で組みながら

ペコっと頭を下げてお願いする。

その可愛らしい姿に、哀はクスッと笑う。

 

 

「だからね、あなたにはまだ早いのよ」

 

 

哀は入れたてのレモンティーを口にする。

まるで大人のように、そして自分を子供扱いする

哀にムッとした歩美はこう返す。

 

 

「あなたにはって哀ちゃんも同じ小1でしょ!」

 

 

哀は、痛い所を突かれたわね…というような顔で

歩美を見ながらも、上手く流し再びレモンティーを

口にする。そんな哀を真似して、歩美はぎこちなく

足を組んで、大人っぽくカップを持ってレモネードを口にした。

 

 

「お願い!教えて哀ちゃん!好きと愛してるって

 何がどう違うの!歩美には全然分からないの!」

 

「…えっと」

 

 

小学1年生の女の子にどう説明すれば

良いのか、そもそも自分も本当の答えが

何か分からない…と、哀は悩み込む。

 

 

「なーに悩んでんだよっ!」

 

「コナン君!どうしているの?」

 

「あぁ、シューズの調子悪ぃから

 博士に修理して貰おうと思ってさ」

 

 

突然現れたコナンを見て、パァァァっと

明るくなる歩美の顔を横目で見ながら、

哀は彼に答えて貰おう…と企んだ。

 

 

「あら、博士なら今さっき出かけたわよ」

 

「そうか〜博士ってタイミング悪ぃなぁ~」

 

 

哀はすぐにキッチンへ行き、

コナンの分のレモンティーを出す。

 

 

「おぉ、悪ぃな!ところで、歩美ちゃんは

 何しに来たんだよ。何か悩んでるんだろ?」

 

 

歩美は頬を赤く染めて、もじもじしながらも

声を絞り出してコナンに問いかけた。

 

 

「好きと愛してるの違いって…何かな?」

 

 

思いもよらぬ発言にコナンは目を丸くし

すぐに哀に助けを求めるが、哀は首を左右に振る。

良かった、自分から首を突っ込んでくれたわ…

 

 

「コナン君なら分かるよね?」

 

 

うっと声を漏らしながらも頭を

かきながら考えこむコナン。

そんなコナンを見ながら、哀は

どんな答えを出すのか楽しみにしていた。

 

 

「そうだな…上手くまとまんねぇけど

 好きってのは相手の一部分を見て、

 その部分だけが好きって言ってるんだと思う。

 けど、愛してるは、相手の嫌なところも認めて、

 その部分も含めて好きなことを言うんじゃねえかな?」

 

 

哀はキザねぇと言いたげな表情で

パチパチと拍手を送る。

そんな哀を軽く睨みながらもコナンは

歩美に優しく微笑みかけた。

 

 

「じゃあ歩美はコナン君のこと愛してるよ!」

 

「…へっ?」

 

「だって、コナンくんの自分勝手なところも

ちょっぴり音痴なところも好きだもん!」

 

 

無邪気な笑顔で告白する歩美、それに対して

コナンは照れながらも、音痴と自分勝手という

ワードが気になったようだった。

 

 

「じゃあ、歩美もう帰るね!ありがとう!バイバーイ♪」

 

「そう、気をつけてね。また明日。」

 

 

哀が歩美を玄関まで送る間、コナンは

勢いよくレモンティーを飲み干した。

 

 

「さっきの言葉、録音し忘れたからもう一度言ってくれない?」

 

「バーロー!どうせ博士や服部に送る気だろ!」

 

「あら、バレた?それにしても吉田さんって可愛いわね。」

 

 

哀は空になったコナンのカップに、

再びレモンティーを注いだ。

 

 

「にしても、本当にませてるよな…今の小学生って。」

 

「あら、電話で彼女に愛を囁くあなたもませてるわよ?」

 

「な…」

 

「あなたも私も立派な小1でしょ??」

 

 

クスクス笑いながら、レモンティーを口にする

哀を見て、こいつには適わねぇな…と感じたコナンだった。

 

 

 





私も好きと愛してるの違いなんて
分かりません。歩美ちゃんに笑顔で
音痴と自分勝手を言わせたかっただけです。笑

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