もしもボスが大きかったら(たいたんてき)   作:ゆめうつろ

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ボスのレンズがデータコアだったので(思いつき)


LB-777

 

―もしもボスが少しばかり大きかったら

 

 

「ラッキーさん!どうして動いてくれないのですか!?あの巨大セルリアンを放ってはおけません!」

 

『ダメです、パイロット。プロトコル3:パイロットの保護に抵触します』

 

「なら、私だけでも……!ハッチを開けなさい!」

 

『パイロット操縦をロック、任務の続行を不能と判断、ヘリに合流座標を送信します』

 

「ラッキーさん!!」

 

 

―――――

 

 

 

 さばんなちほーとじゃんぐるちほーの境目で、青い鋼の巨獣は静かに佇んでいた。

 

 LB-777、セルリアンとの戦闘の為に改造された作業用重機たる彼はただ静かに待っていた。

 

「危ないよサーバルちゃん」

 

「へーきへーき!」

 

 再びこの島に、人が、彼が『支えるべき者』がやってくるその時を。

 

 

「サーバルちゃん……あれ……」

 

「あ、ボス!」

 

「ボス?」

 

「そう!おっきくて強いからボスって呼ぶんだって!セルリアンだって簡単にやっつけちゃう……!らしいんだけど、たまにしか動かないから、すごい偶然だね!」

 

 サーバルキャットのフレンズの隣に立つ少女、それは紛れもなくヒトで、彼女の被る帽子の羽飾りは『パークガイド』の証。

 

 それはLBにとって待ちわびた者がようやく、現れた事を意味した。

 

『はじめまして、私はLB-777……あなたの名前を教えてください』

 

「あ……えっと……かばんです!」

 

「うわあああああ!ボスがしゃべったああああっ!?」

 

 基本的にLBの役目はセルリアンと戦う事、ガイドロボであるラッキービーストと同様にフレンズへの過度な干渉はしない。

 

『かばん、目的はありますか?』

 

「図書館へ行きたいんですけど……」

 

『了解、ルートを検索……しかし今日はもう遅いので今夜はここをキャンプ地とする事を提案します』

 

 LBは今現在、ネットワークリンクが殆ど使えず、かなり前の状態のマップから図書館の位置を検索、かばん達が目覚めるまでデータの整理やルートの確認を行った。

 

 

 そして翌朝、三人での旅が始まった。

 

 

 まずLBはジャングル地方のアンイン橋を通るルートを選んだ、道中かばん達を肩に乗せたりしながらも足場の悪いジャングルの中、様々なフレンズ達の解説を挟みながら辿り着いたアンイン橋。

 

 しかし増水した川に橋が破壊され随分経っていたようで。

 

「道がないよボスー!」

 

『近道を提案します』

 

「なっ…投げないでくださーい!」

 

とりあえずフレンズやパーク職員なら向こう岸まで投げても大丈夫だと判断したLBだったが、かばんの抵抗によりそれは回避され、ジャガーの渡し船が選択。

 

 LBは防水処理がされているので川底を歩いて渡った。

 

 そしてふと思い立ったのがこのまま行けば、図書館まで随分と時間が掛かるという事でバスを使う案だ。

 

 かつて他の職員が巨大セルリアンの一体を倒す作戦の為にオートで橋を渡らせた一台があった筈だと、検索したが。

 どうやら前後が川に分断されてしまっていた様だ。

 

 いくら頑丈といえど運転席部分を水中で運ぶのはかなり無謀だ、最悪バスがダメになりかねない。

 

「一つ……試したい事があるんです」

 

 だがそこでかばんが閃きを発揮、ロープとイカダで簡易橋を作る事となった。

「ラッキーさん、岩にぶつけない様に投げてくださいね」

 

『任せて』

 

 かばんの指示の元、ロープを持ったカワウソを投げるLB。

 

「たぁあーのしぃいー!」

 

 投げられる事さえエンジョイするカワウソ。

 

「わからん……わから……わかった!」

 

 ある程度まで作ってかばんのアイデアを理解したジャガー。

 

「かばんちゃん!すっごーい!」

 

『さすがです、かばん』

 

 かばんの見事なひらめきに『パーク職員』としての素質を感じるLB。

 

 その後、サーバルのみんみーパワー(ジャンプ力ぅ)により無事にバスは合体、しかしここで新たに問題発生。

 

『バッテリーがありません』

 

 バスのバッテリーが空なのだ、ついでにいえばLBのバッテリーもまた補充したいとあって、最寄りの充電スポットを検索。

 

『高山地方にバッテリーを補充できる場所があります、近道を検索』

 


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