「 ふぁ〜。眠い。」
そう言いながら、他の受験生の集団に紛れて、 零は広場まで進んで行った。
そこには、沢山のロボットが所狭しとひしめき合っていた。
他の生徒達がその多さにと戸惑い、立ち止まっていたが、零は全く動じず、集団から飛び出て、ロボット達の方に向かっていった。
『標的補足。 ぶっ殺ーす!』
ロボット達がそう叫びながら、次々と零に攻撃をしだした。
零は向かってくるロボット達の攻撃を紙一重でかわしながら隙間をぬって、走り抜けていった。
そうすると、ロボット達はまるで、眠ったように、次々と作動を停止し動かなくなっていった。
「なんだよ、これ!!信じられねえ!!どんな個性だ!!」
「すげぇ、この数を一瞬で倒しやがった。」
他の受験生が今起こった出来事に対して様々な反応を示した。
そんな中、広場にいたロボットを全て倒し、この混乱を起こした張本人は涼しげにこういった。
「疲れたー。まぁいいや、とりあえず35ポイントゲット。次行くか。」
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よし、広場にいたロボットは全て駆除できたかな。それにしても、なんで、他の人は動かなかったのかな?まぁ、いいや。じゃあ次は………こっちだ。
僕はさっきのロボット達から得た情報を整理し、他のロボット達の居場所を探知し、そこに向かっていった。
「標的補足、ぶっころ……………ガタ」ドスン
「よし、64ポイント」
やっぱ、この方法楽だわー手に触れるだけでいいから、無駄なこと考えなくていいし、とりあえず、ここら辺のロボットは刈り尽くしたし、これぐらいポイント稼げば、合格するだろう。
「後5分だぜ!!」
そんな声がスピーカから聞こえてきた。
後5分か、微妙な時間だな。遠くまで行くのは面倒くさいし、ふぁ〜。……………………………………寝よう。
そうと決まればどこか高いところ探さないと。
即断即決、快適な昼寝スポットを探し始めた途端、近くから、大きな音が聞こえてきた。
「なんだ、この音は?暇だし、探してみるか。」
途中で襲って来たロボットを適当にあしらいつつ、その音をの発信源に向かっていった。そこには、いままでとは段違いに巨大なロボットが街を破壊しながら、動き回っていた。
その巨大なロボットが現れたからなのか、周りには誰もいなかった。
このロボットはなんだ?今迄は確認できなかったし……………………もしかして、ボーナスロボットか。てか、あの背中暖かそう〜。………あそこで寝たいな。
そうと決まれば、こいつを倒そう。でも今までの方法じゃ、面倒くさいし、多分倒せないから………………疲れるけど、やるか!
僕はその巨大なロボットにおもむろにに近づき、こう唱えた。
『
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『英雄憑依』
零がこう唱えると、彼の体から煙が吹き出し、彼を包み込むように広がっていった。
そして、煙が広がった後、直ぐにその煙がかき消された。
そして、そこから出てきたのは、赤・白・青色の、さながらフランスの国旗のような軍服に、紅いマントをたなびかせ、頭に二角帽子をかぶった姿。まさにナポレオンの服装をした、零だった。
そして零はこういった。
『我輩の名はナポレオン・ポナパルド!!我が主の力によって再び剣を握ることができる。今日はなんて幸運な日なんだ!!!』
零………否、ナポレオンは両手を大きく上げて感激を体全体で表していた。
『おっと、おしゃべりが過ぎたな。我が主から承った命令を遂行しよう。』
ナポレオンはそう言い、腰にかけてあった剣を出し、巨大ロボットに向けた。
『君はこんな言葉を知っているか?』
『兵法に複雑な策略などはいらない。
最も単純なものが最良なのだ。
偉大な将軍達が間違いを犯してしまうのは、
難しい戦略を立て、
賢く振る舞おうとするからだ。』
ナポレオンがそう話すと、彼の後ろに巨大な大砲が生成された。
その砲塔は通常の比ではなく、目の前のロボットさえ、一撃で倒される。そんな代物だった。
『戦術とは、一点に全ての力をふるうことである。』
そう言うと、大砲の砲塔は巨大ロボットの方を向いた。
『発射!!!』
その合図と共に大砲から球が撃たれた。
その球は一直線にロボットの中心部目掛けて飛んでいった。
ドカン!!!
そんな音と共にロボットの中心部に巨大な穴が空いた。
ナポレオンから再び煙が吹き出た。それは直ぐに払われ、何事もなかったかのように、ナポレ………零が顔を出した。
「ふう〜。終わったか。さて、早速寝よう。」
零は先程倒したロボットにひょいと乗り、そこで寝た。
……………………………………………………スヤァ。
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「試験、終〜了〜!!!」
スピーカからそう聞こえたので、まだ眠い体を起こし、試験会場を出ていった。
「あいつだ!0ポイントのギミックをぶっ倒した奴!!」
「こっちでは、広場の敵全滅させてたぞ!!」
「あんな奴がいるなんて……どんな強個性だ!!」
周りがなんか騒がしいが、何かあったのか?まぁいいや。早く帰って二度寝しよ。
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「実技総合の結果出ました!」
そう言い、今回の実技試験の総合得点がシアターに映し出された。
「今年は豊作だな!」
「えぇ。特に受験番号5023番の飛鷹伊 零くんなんて、残り5分はずっと寝ていたが2位なんてね。」
そう。 飛鷹伊 零は1位にあと2点という好戦績を叩き出したのだ。
「5023番か……確かに彼は素行はいいとは言えないが、この『個性』、そして、天才的な戦闘センス、是非とも入学させたいな。」
教師達は彼のかつて前例がないほどの戦績に驚きを隠せなかった。
「だけどな、……………………入学の理由が、「家から近いから」とか、なんでここ来たんだろうな。」
「まぁまぁ、確かに不穏分子はありますが、結果は見事としか言いようがないので合格です。」
飛鷹伊 零
『個性』 憑依
能力 ①ありとあらゆるものに乗り移れる。 (有機物・無機物なんでもok)
②霊を呼び寄せ、自分自身に憑依できる。(自我の有無も制御可能)
簡単にまとめるとこんな感じです。
ちなみに、母は①の能力が使えます。
クイズの答え
タグは憑依のことです。
名前の『飛鷹』は、『ひよう』と打てば出てきます。
『霊』を『憑依』するという意味で、「憑依 霊」=「ひようい れい」、よって、「飛鷹伊 零」です。
もしよかったら、誤字・脱字の指摘、アドバイスなど、よろしくお願いします。
誤字報告 後書きの 『零を呼び寄せ』→『霊を呼び寄せ』