至らぬところなどが多々あると思いますが、生温かく見守ってください。
入試の夢
「 零、起きなさい!今何時だと思ってんの!!」
微睡みの中でそんな声が聞こえてきた。僕はそれを聞き、仕方なく目を片方だけ開け、近くの目覚まし時計を見た。針は8時を指していた。
なんだ、まだ8時じゃん。今日は日曜日だし、昼までは寝てよう。………………………スヤァ
「起きろって言ってんでしょうか!!!」
また聞こえてきた。
これ以上僕の快眠を邪魔されてたまるものか。もういいや無視しよう。…………………………………………それにしてもなんだか息苦しいな。心なしか顔に冷たい感覚が伝わってきてるような…。
「………プハァ!!………ボゴォ!!」
あまりにも息苦しく、口と目を開けると大量の水が口の中に入ってきて、思わず吐いた。僕は洗面台にいたのだ。そう水の中に顔を突っ込んでいたのだ。
「顔洗ったら、早くこっち来て朝ご飯食べて。」
僕がむせていると、悪びれもせず、事の犯人(確定)がリビングから呼びかけてきた。大体、何で母はこんなに起こそうとするんだ。今日は日曜日で学校もないし。
「今日は雄英の試験日でしよ!!」
………………………あ。
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「ったく。自分の志望校の試験日ぐらい覚えといてよね。」
僕は母に起きなかったわけをしたから話し何とか許しを得ることができた。……忘れてただけだけどね。
僕は机に置かれているなるべく早く食べる。うん、うまい。
このままいくと、ギリギリ筆記試験の時間には間に合うと思う。
「それにしても、零が雄英に行くなんて、言った時は、遂にやる気を出してくれたと思ったのにな〜。」
母がそうぼやいていた。
《国立雄英高等学校》
通称、雄英。偏差値は79であり、倍率は毎年300倍を誇り、毎年多くの夢見る学生が受験し、落ちて行く、超エリート校。
さて、僕が何でこんな面倒くさい所に行くのは訳がある。給食が美味しい、家から一番近い、からだ。ね、こんな条件があれば普通は行きたくなるよね。幸い、学力は高い方なのでなんとか合格圏内には、はいっている。
「ハア〜、本当にうちの子は、………普通はヒーローになるために行くはずなのに。」
母がまだ何か言っていたが、いつものことなので無視。ご飯も食たべ終わったし、そろそろ行くか。
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「何というか、………でかいな。」
それが僕の雄英高校を見た最初の感想であり、今日の一言目だった。説明しようにも、これしか言葉が出てこない。それほど校舎も、門も大きいのだ。おっと、そんなこと言ってる暇なんてないや。急いで試験会場に行かなければ。
「すいません、入試に来たんですけど、まだ、大丈夫ですか?」
僕は急いで駆け込み、直ぐに事務職みたいな人に連絡を取った。
「はい、
………………セーフ!!結構危なかったな。まぁ、間に合ったからいいや。それより、走りすぎて眠い。
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筆記試験は、特にアクシデントもなく終わった。自己採点だが、まぁ、合格ラインだろう。そんなことを考えながら次の試験の説明をするという場所まで歩いて行った。
説明会場は、大型の講堂であり、そこには沢山の受験生が引きましあっていた。てか、多いな!!何千人いるんだよ。僕の受験番号は5023番だし、それぐらいはいるのかな。ここに来る途中にもこの大きさの建物があったし、雄英は金持ちなんだな〜。そんなことを考えていると、講堂の中心から大きな声が聞こえた。
「受験生のリスナー、今から実技試験の内容を説明するぜ!!!」
うるっさ!!ボリュームもっと下げて説明しろよ。…………眠れないじゃないか。
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「 最後にリスナーに我が校訓をプレゼントしよう!!」
「彼の英雄、ナポレオン・ポナパルドは言った。【真の英雄は人生の困難を乗り越えていく者】と。 」
「更に向こうへ。PlusUltra!!!」
ふぁ〜。やっと終わった。 寝てて途中までしか聞いていないけど、いろいろと迷惑な人、えっと……プレゼント・マイクだっけ、が話した説明の内容を要約すると、『制限時間内に指定された場所で、できるだけロボットをぶっ倒せ』というものだったか?………ロボットか、どうやって倒そうかな?
僕はロボットを倒す方法をいろいろと考えながら、運動着に着替え、指定された試験会場に向かって行った。
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「は?」
試験会場は街だった。そこの門には試験会場Dと書かれていたので間違いないだろう。何を言ってるか理解出来ないと思うが、僕も理解出来てない。何で、試験だけで、街一つ使うんですか?………もう、驚くのも疲れた。(〈理由〉 雄英だから。)で、いいや。…………
ぞろぞろと受験生が試験会場に入っていく中、僕は自然の太陽光を浴び、眠気の誘惑と苦戦していた。
「ハイ!スタート!!」
「「え?」」
そんなことをしていると、プレゼント・マイクがそう叫んでいた。最初はその意味が理解出来ず、他の受験生と同じように固まってしまった。その意味に気づいた時は既に皆が走り出した時だった。
普通はカウントダウンとかあるだろ。などと、心の中で愚痴を漏らしながら、ロボットもとい、ポイントのいる場所目掛けて、走って行った。
「はあ〜面倒くさい」
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ヒントは主人公の名前とタグです。