怠惰のヒーローアカデミア   作:赤貞奈

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今回はいつにも増して、駄文です。

原作を見ながら読むことを強く勧めます。


襲来の夢

AM 6:00

 

ここはある一つの部屋。

 

そこにはフカフカで柔らかそうな布団にくるまって寝ている少年がいた。

 

 

少年は、窓から差し込む朝日に照らされて、その重いまぶたは徐々に開いていった。

 

一つ伸びをすると、まぶたをこすりながら、少年はぐるりと身をよじって、枕元に置いてある時計を気怠るそうに、ちらりと見た。

 

「ふぁ〜。まだ、6時か。………………おやすみなさい。」

 

少年は独り言をつぶやき、再び布団に潜っていった。

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

PM 0:50

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった。」

 

相澤先生はそう言った。

なった…?特例なのかな。

 

僕はその言い回しに少し、違和感を感じた。

 

「ハーイ!何するんですか!?」

 

隣の席の瀬呂くんが相澤先生に質問をした。

「災害水難なんでもござれ『人命救助(レスキュー)訓練だ!」

 

「レスキュー……今回も大変そうだな。」

「バカおめー!これこそヒーローの本分だぜ!!鳴るぜ!!腕が!!」

「水難なら私の独壇場ケロケロ。」

 

みんなは、それぞれ思い思いの反応をしている。

 

「今回のコスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。」

 

「訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始。」

 

 

 

救助訓練…!!

 

僕がオールマイトに大ファンになったきっかけの動画も、救助活動の動画だった。

 

憧れに…最高のヒーローに近づくための訓練!!!

 

頑張るぞ!!!

 

 

 

 

 

バスの移動中蛙吹さんに『あなたの個性オールマイトに似てる。」

と言われてだいぶ焦った事と、あのかっちゃんがみんなにいじられていたこと以外は、アクシデントは特になく、無事に訓練場に着いた。

 

 

 

その訓練場は、炎で包まれている小さな町や、巨大なウォータースライダーのようなものがある場所など、まるでテーマパークみたいな感じだった。

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc.(エトセトラ)あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も……ウソの()災害や(S)事故()ルーム!!」

 

デェフォルメされたような宇宙服をまとった人………スペースヒーロー『13号』がそう言った。

 

「スペースヒーロー『13号』だ! 災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

僕は興奮している思わずそう口に出してしまった。

 

 

「えー始まる前にもお小言を一つ二つ…三つ……四つ。」

 

「皆さんご存知だとは思いますが僕の個性は『ブラックホール』。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。その『個性』で私はどんな災害からでも人を救い上げてきました。」

 

「しかし、簡単に人を殺せる力でもあります。皆の中にもそういう『個性』がいるでしょう。」

 

「超人社会は『個性』の使用を資格制にし、厳しく規制することで、一見成り立っているように見えます。しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる『いきすぎた個性』を個々が持っていることを忘れないでください。」

 

「この授業では、人命のために『個性』をどう活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。救ける為にあるのだと心得て帰ってくださいな。」

 

13号先生!!カッコイイ!!

 

「以上!ご静聴ありがとうございました。」

 

「ステキー!」

「ブラボー!!ブラボー!!」

 

13号先生のお小言に皆は感動の拍手を送った。

 

 

 

「一かたまりになって動くな!!」

 

そんな中、相澤先生が緊迫した様子でそう叫んだ。

 

「え?」

 

いきなりのことでみんなは呆然としていた。

 

「13号!!生徒を守れ!!」

 

相澤先生はそう言いながら、広場の中央を見据えていた。

 

視線の先を見ると、奇々怪界な姿をした人たちが黒い靄の中から次々と現れた。

 

「ナンダアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってるぞパターン?」

 

切島くんがそう呟くが、相澤先生はそれをしっかりと否定した。

 

「動くなあれは…(ヴィラン)だ!!!」

 

「13号に…イレイザーヘッドですか…先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが……」

 

黒い靄は人型になり、そう言った。

 

「どこだよ…せっかくこんなに大衆引きつれてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴……いないなんて……子供を殺せば来るのかな?」

 

 

奇しくも

 

命を救える訓練時間に僕らの前に現れた。

 

プロが何と戦っているのか

 

何と向き合っているのか

 

それは

 

途方もない悪意。

 

 

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「ふぁ〜。よく寝た。………お腹空いた。」

 

僕は余りの空腹に眠気が吹き飛んだ。

 

いつもなら聞こえる母の怒号が、今日は全く聞こえない。それに窓から差し込む太陽は朝日にしては眩しすぎる。

「………今、何時だ?」

 

僕は、若干の不安を感じながら、布団から出てきて、恐る恐る枕元にある時計を手にとった。

 

13:20

 

その時計は、短針を1時の向きに、長針を4時の方向を指していた。

 

「……………………やば。」

 

僕は誰に言うのでもなく、小さく呟いた。

 

 




裏ヒーローメモ❸

クラス:ネタ級

名前:アリストテレス

才能《センス》:【四大元素】 火・空気・水・土を操る。

備考: シンプル・イズ・ベスト



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