テイルズオブベルセリア 〜争いを好まぬ者〜   作:スルタン

1 / 65
序章

 序章

 

 

 

「ここは・・・」

 

 自分の第一声はこの言葉だった。地面にへたり込むような体勢で目が覚め、顔を前に向けると視界に映るのはあたり一面に広がる真っ白な空間だった。霞むことなく見える地平線、少なくともここは普通ではないということは理解できた。

 

「確か仕事の帰りで信号待ちしてて・・それから」

 

最初はこの異様な光景に驚きはしたものの、何もしなければ何も始まらない。そう考えまずは自分の状態を確認してみる。黒の半袖シャツに傷んだ作業ズボン、それに安全靴、荷物と作業用の上着はなくなっていた。

 

「上着がないってことは携帯や財布もなくなってるな。困ったな、これでは連絡もとれない。」

 

独り言をつぶやきながらあれこれ思案していると。

 

「やぁ」

 

短い言葉で声をかけられ少し驚きながらも後ろを振り向く。そこには黒いジーンズと黒いシャツ、シャツは胸元とへその部分が大きくはだけており彼なりのファッションなのだろうとわかる。オールバックの黒い髪、ルビーのような深紅の瞳、この赤い目を見てすぐ彼は普通の人間ではないことがわかった。

 

「どうしたんだ黙って?そんなに私が珍しいのか?」

 

どうやら長い間彼を観察していたらしい

 

「あ、いえ。すいません、今の状況を理解するのに時間が掛かりました」

「仕方ないさ、こんな所に突然飛ばされたら誰だって戸惑うさ」

 

彼はそういうとちょっと満足げな顔を浮かべいた。

 

「なぜ自分はこんな所に?仕事の帰りだったはずなんですが」

「ん?あぁすまない。まずは君の身に何があったのか説明しなきゃならないな、だがその前にお互い自己紹介をしよう。」

 

そういうと彼は指を鳴らす、次の瞬間には自分の目の前に二つの椅子と小さなテーブルが置かれていた。テーブルには飲み物も置いてある。内心便利だなと思いつつ椅子に座った。ルシフェルは椅子に座りつつ話し始める

 

「自己紹介といこうか。私の名はルシフェル。君は?」

「名前は健太郎です。古臭い名前ですがね」

「古臭い?いい名だと思うがね。よし、それじゃ早速君の身に何が起こったのか話をしよう」

 

そういうと彼は話し始めた。

 

「まず落ち着いて聞いてほしい。君はあの時"死亡”した」

「死んだ・・・んですか」

 

薄々感づいてはいたがこうも言われるとくるものがある。

 

「君はあの時信号待ちをしていたな?バイクに乗っていたはずだが」

「はい、そうです。バイクで信号待ちをしていて・・・それから・・・」

「その先は覚えていないだろう。知りたいなら教えるが、聞くかい?」

「・・はい、お願いします・・。」

「まずあの時君の後ろからトラックが来た、運転手は酒に酔っていたようでかなりのスピードで君に追突した。追突された君はそのまま押される形で前のトラックと挟まれる形になった。」

 

ルシフェルからそういわれ自分の体は少なくともサンドイッチになったことは間違いないのだろう。顔もわからないぐらいに。

 

「そうですか。でもそれだけでは私がここに呼ばれる理由にはならないはずですが。それとも私以外にもここに連れてこられるんですかね?」

「いや、そうじゃないんだ、これにはちゃんとした理由がある。説明しよう。基本寿命や事故死などで死亡してもそれはすべて運命づけられているんだ。もっとも運命なんてころころ変わるんだがね。だが例外がある。」

「例外?」

「そう運命が極々稀に捻じ曲がったり、折れ曲がり、崩れたり・・・ここまで言えば、わかるよな?」

「少なからず自分は運命が捻じ曲がって死んだというわけですか。」

「そうだ。因果も捻じ曲げられてまた同じ世界に生まれ変わらせることができない。つまり君は自分のいた世界から弾かれてしまったんだ。今回は初めてのケースだよ。偶然と不運が重なったとも言える」

 

その言葉を聞き自分は目を閉じた、自分は死に何より因果から弾かれ元の世界にもいられない。家族を置いていってしまう自分に歯噛みしながら。再び目をあけてこれからのこと、そして自分が死んだ後のことを聞くことにした。

 

「そのあとどうなりました?少なくとも大騒ぎのはずですが」

「あぁ、なんせ飲酒での事故であり人も死んでいる、かなりのものだよ。」

「置いてきてしまった家族が気がかりです。」

「そうだな。君の家族にはどのように対応するか思案していたところなんだ。」

「・・・あの、お願いがあります。」

「ん?なんだい?」

「私が存在していた事実を消すことはできますか?」

「・・・なぜそんなことを?理由を聞かせてくれないか?」

「私が死んだとなると家族が何をしでかすかわかりません。少なくとも父や母のことです絶望して自ら死を選ぶかもしれません。・・そういうことはしてほしくないんです。」

 

それ以上はいうのが辛く、口ごもる。

 

「・・わかった、君の願いどうり君に関することは全て消去しよう。後悔はないんだな?」

「はい、お願いします。」

 

これでいい、これでいいんだ。少なくともそんなことするぐらいなら自分の存在を消していつもどうりに暮らしてもらったほうがいい・・・、エゴだと言われればそれまでだが。と自分の中でそう何度も言い聞かせる

 

「さてとこれで事後処理は完了だ。それでこれからのことだが因果から外れてしまったからには本の世界には戻れない、そこでだ。君がよければ別の世界に連れていくことができるが、どうする?」

「別の世界?というと転生というわけですか」

「そういうことになるな、どうするといってもここにいても何もない場所だしどうせなら新しく人生を別の場所で始めるのも悪くないだろ?」

 

彼の言うことも一理ある。ここにいても何も始まらないし終わることもできない、なら世界は違えど自分の証しを立てたいと純粋に考えた。

 

「ろぉっと、言い忘れていた。連れていける世界は私にもわからない。正確に言えばどんな世界かはまだ決まっていない。このままいってもいいがもし危険な世界だったらまずいんじゃないか?」

「そうか・・・そうなるとまずいですね・・何とかしなければ・・・でも自分はそういうことはしたことがないのでなにをすればいいか」

「なに、気にすることはない、これから学べばいいじゃないか。何事にも初めはあるというしな、この空間は時間という概念がない。いくらでもいられる、よく考えればここは何かをするにしてはまさにうってつけの場所だ。だがどうしてもというなら私から君に力を与えることもできるが・・どうする?」

 

確かに彼から力を与えられもらえれば楽だろう。でもそれだけじゃいけない、結果だけを求めてはいけない。過程も必要なんだ。それに与えられる物より自らの手でつかみ取ることにも意味があるはずだ。それなら。

 

「いえ、ここで自分をうんと鍛えてみます。与えられるだけでは自分のためになりませんので」

「ふっ、君ならそういうと思っていたよ。よし、そうと決まれば始めよう。私もサポートしよう」

「えっ、よろしいんですか?」

「今回の件はその歪みを正すことのできなかった私たちにも責任がある。それの詫びも兼ねてね」

「わかりました。ありがとうございます。」

「その前に君の魂は因果から弾かれた衝撃で幾分か崩れているし肉体は消滅している。まずはそれらの修復しないとな。」

「え?崩れてる?見た目はなんともないですし、体もこのとうりちゃんと・・・」

「あっとすまない、今の君の姿は魂の情報から映し出している幻影にすぎない、簡単にいうと着ぐるみみたいなものだ。そのままじゃなにもできないぞ?だからこそまずは魂の修復と肉体の再構築が必要なのさ、これぐらいは与えてもバチはあたらないさ。」

「そう・・・ですね。お願いします」

「よし、ではさっそくはじめよう。魂の方は鍛錬をしながら修復していけばいいから先に肉体の構築から始めよう」

 

そういうとルシフェルは指をはじく、その瞬間自分の周りから光が浮かび始める。

 

「自分がいいという姿を思い浮かべるんだ。肉体はそのとうり形作られるぞ。やってみるといい。」

 

アドバイスをもらい自分を思い描く、生前こういう転生関係の小説は興味本位で読んだことがあるがそこの主人公たちは全員ではないけれども顔立ちはかなり変えていた。でも自分はそういうものにはあまり関心がない。親からもらったこの顔が一番いいと思っている。顔はこのままでいい、体の方は身長はそれなりだったけど鍛錬をするなら背が高い方がいいだろう。身体能力はこれから伸ばしていけばいい。それでいい、これでいい。

 

「ん、終わったようだな」

 

光が収まるとそこには一人の人間の姿があった身長は190以上はあるだろうか、髪は黒く短いスポーツ刈り、瞳の色はこげ茶色、顔の掘りは深く、美男ではなくいかにも男らしい顔つきである。筋肉は元からそれなりにあった。鍛えればもっとよくなるだろう。

 

「ほう、顔は殆ど変わってないようだな、てっきりどこかのゲームや漫画のキャラみたくイケメンにしするとおもったんだが、そういうのも悪くない。」

「えぇ、親からもらったものですから、そこは譲れませんよ。」

「ふふふ、幾分か余裕ができたようだな。よかったよ。最初見た時はかなり憔悴してたから不安だったんだがその心配もないようだ。さて何から始める?」

「まずは体を作らなければなりませんね、できれば師事してもらいたいのですが。」

「わかった・・・と言いたいところだが私はそういうことにはあんまり好きではないのでね。別の世界から適切な人物を呼び寄せることができる、それでいこう」

 

あれ、サポートしようって言ってなかったっけ、まあサポートの仕方なんて千差万別だし自分の考えてたサポートと彼の言うサポートは違うのだろう。

 

「そう心配するな。君が旅立つその日までしっかりとついててやるからさ。」

 

彼はなぜか楽しそうに言う、少しだけ不安になった。

 

 

 

 

それから時(?)が経った。何年なのか何日なのかわからないぐらい

 

あれから自分はかなりの実力をつけたとはいってもここまでの道は決っして楽なものではなかった。なぜかというと超スパルタだったからだ。師事をしたいという自分の願い出にルシフェルは。

 

「彼らなら一番の適任者だ」

 

といってその呼びかけに答えた人物があまりにも規格外だった。

一人はまるで獅子を思わせる頭部、鋭い目、全身が炎のように赤く。へその部分には見覚えのある文字、そう彼は近接最強にして宇宙拳法の達人、全身凶器とまでいわてたウルトラマンレオその人だった

 

「ほう、お前がが新しい弟子か、鍛え甲斐がありそうだな。」

 

もう一人は対照的に青く表情は読み取れないがなぜか心が落ち着くウルトラマンレオのような威圧感がなく月のような優しさを放っていた。

 

「私が君の師匠・・・ということになるのかな・・・うん、君は優しい心の持ち主のようだね、ここをでても必ずうまくいく、私が保証しよう。」

 

この二人のウルトラマン(サイズは人間と同サイズだが)にレオ師匠からは肉体と精神をコスモス師匠からは心を鍛えることになった。だがコスモス師匠は双でもないがレオ師匠の鍛え方がかなり荒かった。まずは基礎的な体力と体作り(これもかなり激しかった)、それまではよかった。だがそれからがまさに鬼のような特訓の連続だった。

 

「これから本格的に訓練をつける、その前にこれをつけろ。」

 

と彼は自分に向かって手をかざす、自分の体に鎧のようなものが装着される。その瞬間急に体が重くなる!

 

「・・・ツッ!」

 

なんとかその重さに耐える。

 

「ほう、その重さに耐えるか、そのスーツは150キロ、お前にはその重さに慣れてもらう。その状態で満足に動けるようになったら戦闘訓練を行う!わかったな!」

「は・・・はい!」

 

初めは満足に動くことすらできず足を引きづるようにしか歩けなかった、それから体感的に数ヶ月ほどたったのかもしれない。やっと普通に歩くことができるようになった、さらに数ヶ月には走れるようになった。そのさらに数ヶ月には体を思うように動かせるようになった。もちろんこの間にもレオ師匠から拳法の型や構えや打撃訓練などを受けた。

 

「よし、だいぶましになったな。もう少ししたら俺と組手を行ってもらうぞ!」

「は・・・はいぃ・・・」

「なんだその声は!男なら空元気でも威勢を出せ!」

「は・・・はいィ!」

 

その後3日もしないうちにレオ師匠と組手を行うことになった、結果はというともちろん全敗だった。

なんせ1発打ち込むと弾かれ、次の瞬間には10発の拳と蹴りが飛んでくるからだ。拳や蹴りを防御しても骨が折れるかのように痛み、避けても風圧なのかはわからないけれど体には切り傷や打撲痕ができていた。まともにくらった日には立ち上がることすらできない時もあった。レオ師匠はもちろん手加減してくれている、それでも実力差は宇宙の外側と地の底まであるのは確かだった。

 

心の鍛錬にはコスモス師匠がついた。彼はルナの状態でいた。肉体と精神ではレオ師匠が担当だからだ。

彼の言うことはいつもこうだった。

 

「絶対に優しさを失わないでくれ、君は優しい心をもっている。それを忘れないでくれ。」

 

コスモス師匠は心とは相手を思いやる気持ち、そして無暗に力を使ってはいけないということ、相手を労わることなどを説いた、一種の座学と相手を傷つけずに無力化する戦いを教わった。彼の戦いかたはまさに激流に身を任せ、同化するを体現したような物だった。受け流し、押す、避ける、投げいたっては荒々しく投げるのではなく羽のように軽やかに投げる、これがかなり難しかった。それといくつかの技も伝授してもらった、もちろんレオ師匠にもだ。最初は自分なんかに光線など撃つことができるのかと考えたがイメージトレーニングと師匠たちの指導のおかげで使うことができた。

 

「教えた技の中には今のお前では体力の消耗が激しい物もある、使いどころには気を付けることだ」

「いざという時のものだと心に留めといてくれ。」

 

それから交代で2人の師匠からの訓練が続いた本来彼らは宇宙警備隊としての任務もあるので交代で就いてもらっている。この二人には感謝しかない。

 

しばらく経ち

 

「それで?そっちの進展はどうだ?見た限りだとなんの問題もないようだが。」

「ああ、彼は確実に成長している。これなら送り出しても安心だ。」

 

ルシフェルはレオと組手をしている彼を見ながらコスモスに言う。多少は食らいついているが弾き飛ばされている。

 

「それで、彼の行き先は特定できたのか?」

「ああ。だがその世界にはある問題があるんだ。」

「問題?その言い方だと小さな問題ではなさそうだな」

「実はその世界は今混乱の最中にある「業魔病」という病が蔓延しているらしい。」

「「業魔病」・・・?」

「人間が魔物になる奇病・・・だ、そうだ」

「聞いたところウイルスや細菌ではなさそうだな、細胞単位での変化では説明がつかない。」

「そう、おそらくこの現象は霊的、もしくは魔力的な物が関与しているかもしれない、あくまで仮説だがね。」

「彼はそこに行く・・・か。今の彼なら不覚を取ることはないだろうが油断はできない。後は彼の成長に任せよう」

「そうだな。私からもできる限りサポートはしよう、といっても向こうの世界では「聖隷」という存在がいるようだ、まあ私たちの足元にも及ばないがね。あちらからには見えて話ができるので精一杯だろうな。もっと会う気もないがね。」

「だがもしもという時もある、用心に越したことはない」

「忠告、感謝する。・・・そろそろ時間だな」

「行くのか」

「あぁ」

 

そしてルシフェルとコスモスはレオと彼の方に向かって歩きだした。歩きながらコスモスはルシフェルに話かける。

 

「もしかしたらその業魔病、病ではないのかもしれないな」

「というと?」

「その根源は人の中にあるのかもな」

「人の中・・・あり得るかもな。その線も含めて調査しよう」

「役に立つかい?」

「もちろん」

 

 

 

「出発ですか?」

「ああ、君の行く先がわかってねその世界のことを説明しないとな。」

「一体どんな世界なんです?」

「いかにもファンタジーな世界さ」

「ファンタジー・・・ですか」

「だがその世界は今混乱状態なんだ。人が魔物になる業魔病という物が蔓延している。注意してくれ。」

「人が魔物に、わかりました。それでそこにいっても先立つものがないと不安ですね、何があるかわかりませんし。その時は現地調達で・・・」

「そこの所は心配ない、こちらで用意しよう。」

「ありがとうございます。」

「そろそろ行こう、挨拶を済ませるといい。」

「わかりました。」

 

そう言うと二人の方を向く。組手で顔と体中が痣だらけになっていたのでコスモス師匠のラミーサプラーで直してもらった。この状態が普通だったから何とも思わなかったけどコスモスとルシフェルに指摘されたのだ。

 

「今までありがとうございました!」

「うむ、まだまだ未熟だが、お前なら大丈夫だろう。鍛錬を怠たらず、力の使い方を見誤るんじゃないぞ。」

「私の戦い方も役立つと思う、気を付けてな。」

「はい!」

 

そこ言葉を最後に二人の師匠は光となって消えていった。元の世界に帰っていったのだろう。

 

「じゃ、行こうか」

 

ルシフェルが促す

 

「はい」

 

ルシフェルが指を鳴らすと空間から裂け目が現れ、そこから眩い光が差し込む。

 

「ろっとぉ、忘れてた。ここを出る最後に君に渡しておきたいものがあるんだった」

「渡しておきたいもの?」

 

ルシフェルはもう一度指を鳴らすと両手が淡く光りだした。

 

「これは・・・」

「それは浄化の力、役に立つはずだ。もう一つは向こうの文字を読み書きについてだったんだがここでマスターしたから必要ないようだな。」

「ええ、苦労はしましたが。」

 

コスモス師匠とルシフェルの指導により文字や文章はマスターできた。教え方がかなりうまかったなと心の中で感謝する。

 

「しばらくは一人での行動になるだろう。それまでは気を付けてな、私もその内そちらに会いに行く。」

「その内、ですか。」

「ん、すまない、少しやることがあるのでね。」

「はあ、わかりました。では行ってきます」

 

そして光の中に入る、この先は一体何が待ち受けているのか、業魔とはなにか、不安と疑問もあるが踏み出さないと始まらない。その決意を胸に歩を進めた。

 

その後に彼の元いた世界では一つの変化があった。彼の存在自体が消えたことにより。事故があったと言う事柄が消えた。つまり事故自体起こらなかったと言うこと。運転手も飲酒をせずに安全運転していたこと。彼が存在しないことにより彼の身の回りの物もなかったことになったこと。そして彼の家族、友人、知人も誰も彼の存在のことを忘れた、正確には消滅したこと。元からなかった事。そしていつも通りの日常がいつも通りに始まること。ただそれだけの小さな変化だった。

 

 

裂け目が消えた空間を見ながらひとりルシフェルがひとり呟く

 

「彼があの世界に行く以上事に変化が現れるだろうな。どうなるかわからないが」

 

呟いた瞬間ルシフェルの姿は消えていた。後に残るのは音もない唯々白い空間がどこまでも続いていた。

 

 序章 終わり

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。