内容はアニメ版の第三話の冒頭とあまり変わりはなく、短いお話となるでしょう。
暇つぶし程度にお読みくださいね~
尚、視点は明久となります。
話の都合上、天子は出てこないのでご了承ください。
Aクラスとの試召戦争が終わった、放課後。
僕は姫路さんと美波様に連れられて、映画館に来ていた。
中に入り、料金の書かれた看板を見る。
一般 1800円
大高校生 1500円
小中高生 1000円
幼児(3歳~) 900円
お金持ち 75890円
泥酔者 お断り!
団地妻 OK!
……後半は書く必要あるのかな?
それにしても……
「学割とは言えチケット一枚1500円。コーラMサイズ、300円。ポップコーンSサイズ、400円。これがたったの2時間で消費されるのかっ! 映画館なんと恐ろしい場所だぁ!」
と言うか、お金持ちってあんなに取られるの!?
初めて知ったんだけど!?
若干、お金持ちになりたくなくなったよ?
もしくは、なっても映画館には来ない。
「よ、吉井君」
僕が映画館の価格設定に打ち拉がれていると、姫路さんが声をかけてくる。
おっと、危ない危ない。
「な、何? 姫路さん?」
「これ! 観ませんか!?」
「へぇ~、いいんじゃない? これにしようよアキ!」
二人が指を差した映画は恋愛モノ。
タイトルは『世界の中心で僕の初恋2《発動篇》』。
1を見たことないんだけど……
「そ、そう。じゃあ僕はいいから二人で見てきてよ」
「「えぇ~っ!?」」
僕がそう言うと二人が声を上げた。
いや、だって僕の生活費が!!
しかも、このあとクレープも行くんでしょ!?
なら、ここでちょっとでも節約しないと!!
ただでさえ、食費の件で色々迷惑かけてるのに!!
「じゃあ、アニメにする?」
「いや、そうゆうことではなくてぇ!」
因みに、彼女達がそう言って指を差した映画は、
『崖っぷちのポ二オ』というタイトルだった。
「観念するんだな、明久」
「「「あっ!」」」
僕達がそんなことをやっていると、雄二の声が聞こえた。
そしてそちらを見てみると……
「男とは、無力だ」
「ゆ、雄二っ?」
腕に木製の大きな手錠を着けられた雄二と、その鎖を持っている霧島さんの二人がいた。
雄二のその表情には諦念の色が、僕でもわかるくらいに濃く現れていた。
まるで今から処刑でもされるみたいだ……
「……雄二、どれが見たい?」
「早く自由になりたい」
「……じゃあ、『地獄の黙示録《完全版》」
「オイ、待て! それ、3時間23分もあるぞ!?」
「……二回見る」
「一日の授業より長いじゃねぇか!」
二回で6時間46分。
つまり、約7時間。
確かに辛いねそれは。
連続で同じものを見るなら余計に。
「……授業の間、雄二に会えない分の、う・め・あ・わ・せ♪」
霧島さんがそんな事を言う。
なるほど! 雄二は愛されてるんだな~
「やっぱ、帰る!」
雄二はそう言って帰ろうとするが、霧島さんが鎖を持っているため逃げられていない。
「……今日は帰さない」
霧島さんはそう言うと、ポケットからスタンガンを出した。
ちょっと待って!? なんでそんなの持ってるの!?
「な、なんだそれ翔子!?」
「……安心して。比那名居に言われたから、出力は低め」
「いや待て! いくら威力が低くても痛いもんは痛いんだぞ!?」
「……じゃあ、一緒に見てくれる?」
「……くそっ! 短めのならいい」
「わかった、じゃあ、あれにする」
そう言って彼女が指を差したのは『ノーワールド/ゼロ』だった。
あれって数年前にやってたアニメが映画化したものだっけ?
内容は確か主人公達より遥か昔の過去話だったような……
「おい翔子、お前アレ知ってんのか?」
「知らない」
「ならなんで観ようと思った!?」
「何となく」
どうやら霧島さんはアニメの方は見ていないようだ。
僕は見たけど、原作の本は持ってないしなぁ
あれ? でも天子があの作品好きだったような?
そんなことを考えていると、霧島さんと雄二がチケットを買うためカウンターの前に立つ。
「学生二枚、二回分」
「おい翔子! 結局二回は見るのか!?」
「はい、学生一枚、手錠をされて首根っこを掴まれている学生一枚、無駄に二回分ですね」
「オイ!! 店員はこの状況をおかしいと思わねぇのか!?」
雄二は霧島さんに引きづられながら、シアターの方に行ってしまった。
「仲の良いカップルですねぇ」
「憧れるよねぇ」
姫路さんと美波様はあの二人を見て、憧れを抱いたらしい。
本当にそれでいいのかな?
「でも、霧島さんはもっと積極的に行ってもいいと思うのよね~」
「そうですよね。もっと積極的にならないと!」
そう言って二人は僕の手を取った。
って、あれ?
「えっと、二人とも?」
「さぁ、アキ。私達も行くわよ!」
「行きましょう、吉井君!」
「あ、ちょっ! まって!」
僕の抵抗は虚しく、二人に連れられて僕達三人は映画を見たのだった。
そして、その後駅前の喫茶店でクレープを食べた。
いや、美味しかったけどさ。
でも生活費が~!!
でも、本当に凄く美味しかったので、一応お土産にクレープを買って帰った。
甘いもの好きだから、喜んでくれると思うけど……
はいということで、今回はここまで!
いかがだったでしょうか。
後、前回はすみませんでした。
一応、加筆修正終わったのでよければそちらもどうぞ。
今回この話を書いたのは、前回の加筆修正で時間がなかったのと、翔子の行動がどう変わったのかをお見せする為です。
結果として、彼女は躊躇なく雄二を気絶させることが無くなりました。
とは言っても、脅したり弱い威力で攻撃しようとしたりはしますが……
それでも、改善はされた方なのではないでしょうか?
ああ、そう言えば今回出した映画の中に、実際明後日から放映される映画を捩ったものがあります。
所謂、時事ネタってやつです。
流石にそのまま出すわけにはいかないので、タイトルを捩りました。
多分、分かる人にはわかるでしょう。
私も明後日見に行ってきます!
そんなこんなで、ここまでとしましょう。
次回はアニメ版第三話の最初の方をお送りします。
あの二人の意外な関係がついに明らかに!?
乞うご期待です!
それではまた次回~