Dクラスにも休日をください。   作:くるしみまし

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テストがあったので投稿遅れてしまいました。
今回は生存報告も兼ねて、話がまだ中盤ですが投稿させていただきました。
しかし、今回はもっと重要な話があります。

それについては後書きに書きますので良ければ見ていってください。


SCPー261①

20xx年xx日 AM 3:30

 

俺は今日も今日とてSCPの検査にかりだされていた。

いつも通り朝3:00に起き、身支度を済ませ、大食堂で飯を食い、検査場所に移動する。何てことはないいつも通りの毎日。

今日俺たちが連れてこられたのは、この施設の二階に設置してある『職員休憩室』だ。

 

今日の俺には余裕がある。

いつものように冷や汗を書きながら身構えることも、虚ろな顔でため息を吐くこともない。

 

「〜〜〜〜♪」

 

「珍しいな。あんたが鼻歌歌うなんて。大体いつも意味分からん言葉ブツブツ言ってんのに。何だっけアレ?『オキョウ』とか言ったか。」

 

「ん?まあな(笑)」

 

隣にいる無精髭を生やした体格の良い米人が話しかけてくる。

自分でも気づかないうちに鼻歌を歌っていたようだ。

 

「今日あんたの担当何体だよ?ちなみに俺は最悪…4体だ。」

 

ここでは1日に複数体担当させられることがある。

基本は多くても3体なのだが、彼の4体はとてつもなく多い数だ。おそらく担当するはずだったやつが死んだかなんかで、彼に仕事が回ってきたのだろう。

まあ俺は一時間おきに一体担当させられた日もあったけどな……20体目で気を失ったんだっけか。

 

「俺は今日2体だ。しかもどっちも【safe】な上に初見じゃない。俺にとっては休日と変わらんな。」

 

「まじかよ!?くそお一体そっちで引き受けろよ……。」

 

絶対ヤダ。

第一俺が得た情報も、俺の涙ぐましい努力のおかげだ。この施設の博士とD職員全員俺と同じく不幸になって仕舞えば良いんだ。

 

「貴様たちは騒いでないで話を聞いたらどうなんだ………。」

 

目の前にいる初見のメガネをかけた博士が俺たちに対し、ため息まじりにそう呟く。

 

「ああ聞いてる聞いてる。」

 

「俺は聞かなくても大体わかるし。」

 

米人が適当に返事をし、俺は俺で適当に流す。

 

「ほお……ではこのSCPが何かを説明して貰おうじゃないか。」

 

博士はムッとした後、メガネを触りながら俺に答えを求めてくる。

ふーむ……俺の事が初見だということは下っ端か新入りだな。DクラスごときがSCPについて詳しく知っているはずがないとたかをくくっているのだろう。

 

俺はめんどくさく思いながらもSCPの解説を始める。

「はあ……いいぜ。こいつの呼び名は【SCPー261】魔法の自動販売機だ。」

 

博士がギョッと目を見開く。

俺は畳み掛けるように言葉を続ける。

 

「このSCPー261は、正面のグラス・パネルのない大きな黒い自動販売機に見え、右側に小さなキーパッドがある。SCP-261は横浜で回収された。SCPー261は、インターネット上で流布していた「魔法の自動販売機」に関する「都市伝説」の調査の後、財団の目に留まった。」

 

博士がぽかんと口を開ける。

 

隣でそれを見た米人が腹を抱えてゲラゲラ笑っている。

 

「SCPー261に金銭が入れられて、3桁の数字をキーパッドに入力すると、SCPー261はランダムなアイテムを販売する。SCP-261は円以外の通貨を受け付けず、拒否された通貨は返却口に堆積された。これらの販売物が出現する方法は不明。ドアが開いている時や内部に記録機器を配置した時は、SCPー261は動作しない。………満足か?(ドヤァ」

 

博士は手に持っている資料を何度もペラペラとめくっては同じところを読み返している。

 

俺はドヤ顔で博士のことを見つめる。

 

やがてゴホンッと咳を一つ。

 

「よ、よく知ってるじゃないか。どこで知ったのかは知らんがそういうことなら話は早い。これから君たちにはこの自動販売機で食品、飲料を計10個ずつ買ってもらう。必ず手持ち金は使い切るように。検査はそれで終了だ。」

 

博士はバツが悪そうにそう告げる。

 

やっぱりな。

前に担当した時とほど同じような任務だ。

 

博士は手に提げていた袋からジャラジャラと小銭を取り出す。全て500円玉のようだ。俺と米人に100枚ずつ配られる。

 

俺は見慣れているとはいえ、あまりの数にギョッとしてしまう。米人はなんかスゴイキラキラした瞳で五百円硬貨を眺める。

 

「日本人スゲェ……こんな緻密な作りの硬貨を大量生産してるのか……何で逆にあんたみたいに大雑把な人間が日本人なのかが分からん。」

 

日本人を褒めつつ、俺だけけなすのはやめろ。

 

それにしても………数が多い。

 

前は10枚ほどだったのに対し、今回はその10倍………何だろう嫌な予感がする。

 

 

「ほら……さっさと始めちまうぞ。」

 

俺は少しだけ緊張しつつ、SCPー261の前に立つ。

 

このSCPの使い方は先程言ったように、小銭を入れ、適当な数字をキーパッドに3桁打ち込む 。

金額、数字に応じて出るものは異なってくるが危険度は低いものが多い。

 

俺は小銭を入れ適当に3、4、8と特に意味もない数字を打ち込む。

 

しかし俺はこれで何が出るのか実のところ把握していたりする。

勿論、前に検査した時に得た情報だ。

 

出てきたのは菅に入ったダイエットコーラ。

プルタブに指を引っ掛け、引っ張るとカシュッと耳当たりの良い音を立てて、飲み口が開く。久しく聞いてなかったこの音に、少しばかり感動する。

 

俺は手に腰を当てて、グイッと缶を煽る。

その瞬間、口と喉の奥で炭酸が弾ける。痛くすら感じるが、この痛みが懐かしくて更にグビグビと飲み進める。

 

そして缶一本からにしたところで口を離し

 

「……………カアァ〜〜!」

 

喜びの声を漏らす。炭酸は強めだが、この無駄に甘ったるい、懐かしい感覚の飲み物に言い知れぬ喜びを覚える。

久しぶりに飲んだら、やたら美味く感じるのは何故だろう。

 

米人はゴクリと生唾を飲み、俺を見ている。

そして「俺も!俺も!」とか言いながら500円玉を取り出し自販機に入れる。

俺の位置からはどの数字を押したのかはよく見えなかったが、ガコンと音がなり、米人が取り出し口に手をツッコミアルミ缶を取り出す。どうやら俺と同じ飲み物ではあるようだが

 

「おっシャァ!出た出た!どれどれそじゃあ早速一口………。」

 

米人はプルタブを引っ張り飲み口を準備すると、缶のなかに入った飲料を思いっきり煽った。

見た感じ日本の飲み物のようだ……間の表面に商品名が書いてある……ええっとぉ………。

 

 

「グェロォォマアズゥウウ!!?」

 

青汁だった。

 

すげえな…この自販機、青汁とかも出んのな。米人は短い悲鳴をあげながら青汁を吹き出した。まあ流石に外人は青汁を飲み物として認識できるかも微妙だしな。俺でも間違いなく吐く。

 

「な、何ダァこりゃ!?まるで数多の薬草を煎じて湯に溶かし、持てる限りの青臭さを前面に押し出したかのような飲み物は!?てかアンタさっきから腹抱えて笑ってんじゃねぇよ!」

 

理解力すごいなおい。

米人は口から青汁を滴らせながら俺たちに指を向け声を荒げる。

 

「すwみwまwせwん」

 

俺は米人の反応が面白くて腹を抱えてゲラゲラ笑う。

見ると博士も口元を押さえてプルプル震えている。そらそうだ。あれを見て笑うなってほうが無理な話だ。この施設にいてこんなに笑ったのは久しぶりだ。

 

「くっそ〜……次はあんたが買えよ。あと、前に買った奴はダメだかんな!」

 

「分かった、分かった。」

 

どうやら米人は俺にひどい目に会うことを期待しているようだ。。

完全に自爆しただけなのになあ。

 

ふう……しかし俺は8年間もこんなクソみたいなブラック企業で生き続けているんだ。今まで生きてこられたということがあり、運に関しては相当な自信がある。

 

俺は五百円硬貨を自販機に投入し1、7、3とてきとうな数字を入力する。

261は少し機械的な駆動音を立てた後、取り出し口にガコンと音を立てて、商品を落とす。

 

俺は取り出し口に手を突っ込み、商品を手に取る。

 

触った感じ飲み物ではなさそうだ。この自販機からは飲み物だけでなく、数多の食品も排出される。前だったらガムとかスナック菓子などの菓子系が多いイメージだったな。

 

俺は躊躇うことなく取り出し口から自分の手と共に、商品を取り出す。そして全貌が明らかになった商品。

その形は何と………

 

 

「……………え?」

 

 

 

男性器の形をしていた。

 

 

しばし時が止まる。

俺も博士も米人も俺の手に握られたナニかに目線を釘付けにして固まる。ナニの形をしたそれは16センチほどの長さで、表面にはアルミホイルが貼られている。少しアルミホイルを剥いでみると中にはチョコレートが入っており、甘い匂いが鼻をくすぐる。

 

なるほどなるほど……つまりこれは。

『チ○コの形をしたチョコレート』てことか。

 

俺は大きく息を吸い込み

 

「下ネタじゃねぇか!!」

 

「うわあああああ!!?」

 

思いっきり米人に投げつけた。

 

「な、何すんだお前ゴラァ!!?」

 

全力で投げつけたのにもかかわらず、米人はチョコを砕かないように器用に受け止め、汚いものを持つようにチョコを摘んで持つ。

 

「アンタなんてもん投げつけてくんだよ!どうすんだよ!?俺持っちまったよ!」

 

俺はフウと息を一つ漏らす。

 

「どうやら……それはチョコレートみたいだ。俺でさえここに来てからチョコなんか数度しか目にしたことがない。お前だって久しく食べてないだろ?」

 

俺は遠い目をしながら語りだす。

 

「ま、まあ確かにチョコなんて久しく食ってないけどさ……それがどうしたんだよ?」

 

米人は首をかしげながら俺に真意を聞いてくる。

 

俺は親指を立て、爽やかな笑顔で笑いかける。

 

 

 

「食えよ。俺からのプレゼントだ。」

 

「ふざけんなぁあああああ!!」

 

 

米人は俺に向かって、汚物型チョコを向けて突貫してきた。

 

あいつの体格に組み伏せられたらさすがに逃げれない。ここは何が何でも逃げ切らなければ。そうでなければあの尾筒型のチョコを口に叩き込まれる。

俺は筋力は平凡だが、体力と逃げ足には自信がある。あいつが疲弊したところでチョコをあいつか博士の口に叩き込む。その為には長い鬼ごっこが必要になる。

なぁに逃げ切っても構わないのだろう?

 

 

 

〜5分後〜

 

「捕まえたぞオラァ!!」

 

「は☆な☆せ!」

 

あっという間に捕まってしまった。こいつプロレスラーみたいな体格してるくせに足も速く、体力も尋常じゃない。

 

「へへ…こちとらラグビーで飯を食うのが夢だったんだよ。あんたなんかに逃げられるほどやわな鍛え方してねぇよ。それにとあるおっさんから特殊な呼吸法も教えて貰ってるからこのくらいじゃ息切れ一つしないぜ。」

 

ちくしょう。どこの英国紳士だよ.

 

米人は俺の上に馬乗りで座っている。

まるで丸太のような足で腕をがっちり押さえられており、必死に抵抗するがビクともしない。

 

米人は俺の口を左手でつかみ、無理矢理口を開かせる。

そして右手に持った汚物型のチョコの照準を俺の口に合わせる。

 

「んおおおおおおおおおお!!?」

 

俺はジタバタともがき苦しむ。あれはチョコレートだと頭では分かっているのだが………あれを食ったら男として何かを失う。

 

「さあ……食えやあ!!」

 

「のおおおモゴォ!!?」

 

俺の口にチョコが押し込められる。

どうやら結構良いチョコのようで、非常に香りも高く、上品な甘みでうまい。

しかも、口の中で勢いあまり砕けたチョコの中からどろっ何かが溢れてくる。

これは………ホワイトチョコだ。溶けたホワイトチョコが出てきやがった。

 

口の中に広がる甘みの楽園と、脳内で出来上がった地獄絵図により頭がパンクしそうになる。自分の中で何かが砕けた音がする。

 

チョコを食べ進めるのと同時に、体から力が抜けていく。

 

あ、あれ?目から何かが溢れてくるなぁ………。

 

 

 

 

 

 

 

この後、部屋の中で一人の男は『お婿にいけない…。」と泣き続け

 

一人の男は、「男の口にアレを無理やり突っ込むって……俺なにやってんだ……。」と後悔し

 

一人の男はあまりの見苦しさに吐き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。重要な話というのはですね………
お気に入りが1000人を超えました!
実は総合pointが1000超えた時点で報告しようと思ったのですが、前にランキングの30位以内にランクインしたことがありまして、爆発的にお気に入りが増え、気付いたら1000人を超えていました。
この作品を投稿し始めた当初は30人が目標だったので、非常に驚いています。
よければこれからも皆さん読んでいただけたら嬉しいです。
本当に読んでいただいてる皆様には感謝しています。

今回のscp
SCPー261 著者名 Dr Gears
http://www.wikidot.com/user:info/dr-gears



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