僕は今IS学園のアリーナにいる。
何でも僕だけ試験を受けずに半ば強引に入学を決定したためだ。
それは仕方のないことなんだが、今少しだけ危機感を覚えている。
理由は
「それでは更識、試験を始めるぞ」
目の前の織斑千冬さんが原因だ。
何でも彼女曰く本日は職員がいないそうな。
なので織斑先生が試験官を務めると言ったのだ。
でもいますよね?いましたよね?てか初めてあった時一緒に横にいましたよね?
まあいいか、一応入学は決定してるしたぶんそこまで本気でやることはないだろう。
「分かりました。来てくれ打鉄」
僕は自分で改造に改造を重ね余分な装甲を全て取り払い攻撃力と機動性に特化させたフルカスタムの打鉄を起動した。
「ほお、フルカスタムの打鉄か。面白い」
不適に笑う織斑先生。
『それでは試験を開始します。準備は宜しいでしょうか。織斑先生、更識君?』
「ああ、いつでも」
「僕も大丈夫です」
『分かりました、それでは・・・』
一拍おき
『始め!』
合図が出た瞬間千冬と刃鉄が同時に動いた。
ガキン!
互いのブレードがぶつかり合う。
そして鍔迫り合いになるかと思いきや刃鉄が押し始めた。
機体の性能差が色濃く出たのだ。
千冬の搭乗している打鉄は教員用にカスタマイズされているとはいえ量産機としての汎用性は失っていない。
それに対して刃鉄の打鉄は完全に自分専用にカスタマイズしているためかなりピーキーな機体に仕上がっている。
「くっ、やはり機体の性能が違うか」
千冬が後退して距離を取る。
「やっぱり世界最強は違うな、一瞬だけ止められた」
これだけの性能差があるにもかかわらず一瞬とはいえ初撃を止められたのだ。
これには刃鉄も驚いた。
「さてと、久々に私も本気でやろうか」
「マジですか?冗談ですよね?」
ぎこちなく笑い聞いてみる。
「冗談ではないさ!」
問答無用と言わんばかりに切りかかってきた。
先程以上のスピードで
「瞬時加速(イグニッションブースト)か!」
ガキン!
再度ブレードがぶつかり合う。
そこからは刃鉄は一方的に追い詰められている。
ダメージこそないがきつくなってきていた。
「ここまで耐えるとはやるな、ではこれならどうだ!」
千冬がリズムを変えてきた。
「くっ!」
迫り来る刃、咄嗟に刃鉄は
もう一本のブレードを展開した。
ガキン!
「まさか、こうも簡単に二本目を抜かされるとは思いませんでしたよ」
「貴様さっきまでは本気ではなかったのか?」
「いいえ、本気でしたよ。それにこの状況で本気を出さないほど僕も馬鹿じゃない。ただ自分の手の内を晒したくなかっただけなんです」
「そうか」
「はい、それと次はこちらから行かせてもらいますね」
「来い!」
お互い構える。
「行きます!」
そこからは刃鉄が優勢で試験は続き最終的には刃鉄の勝利で終了した。
理由としては機体の性能差と手数の多さだ。
「ふぅ、まさか私が負けるとはな、更識刃鉄、貴様は合格だ、そしてようこそIS学園へ」
腕を組み仁王立ちで言い放つ織斑先生だった。
次はしっかり学園から始まります