沙英は小説を書いていた
ゆのはちょっと離れたところで本を読んでいた
執筆は難航を極めていた
沙英:うーん、ダメだぁ……こんなんじゃ…ボツ
沙英は原稿を丸めて投げ捨てる
ゆのはそんな沙英を心配そうに眺める
沙英:うーん、どうしようかなぁ
腕を組み、唸る沙英
ゆの:大丈夫ですか?もし辛いなら一休みしたらどうですか?
沙英:そうしたいんだけどさぁ、締め切りが4日も過ぎてるからなぁ
ゆの:でも辛そうですよ?やっぱり休んだ方が……
沙英:うっさいな、締め切りが過ぎてんだって言ってるでしょ、いいからほっといて
ゆの:このままじゃ沙英さん体壊しちゃいますよ!?
沙英はイラッとしたのか立ち上がりゆのの前に来て
沙英:ほっといてって言ってんでしょ!!
ゆのを両手で突き飛ばした
ゆのは後ろの本棚に頭をぶつけた
ゆの:痛っ!
沙英:あ……
ゆの:いったぁ~
ゆのは頭を摩りながら立ち上がる
沙英:ゆ、ゆの……大丈……
沙英がそう言いかけた時
ゆの:いきなり何するんですか!痛いじゃないですか!
沙英:ほっといてって言ってんのにアンタが余計な事をごちゃごちゃと抜かすからだよ!
ゆの:私は沙英さんのことを心配して言ってるんです!何でそれがわからないんですか!
沙英:うるさいな!心配なんかいらないっての!余計な事をするんじゃないよこのバッテンチビ!
ゆの:なっ!バッテンチビだとぉ!
沙英:そうだ!ホントのことでしょうが
ゆの:うるさい!このメガネノッポ!
沙英:何だって!
ゆの:だってそうじゃないですか、やーいメガネノッポ!
沙英:言ったなこのぉ!
沙英はゆのをパチンと叩いた
ゆの:何するんだよ!
ゆのは叩き返した
そこから叩き合いに発展してしまった
沙英:前からアンタのお節介は気に入らなかったんだよ!
ゆの:私だってお前の見栄っ張りなとこが気にくわないんだよ!
沙英:ホントは強いくせにか弱いフリなんかしてんじゃねぇ!
ゆの:好きで強いんじゃねぇよ!
沙英:さっきから痛いんだよ!
ゆの:そりゃこっちも同じだボケ!!
ヒロ:ちょっと!何してるの!やめなさい沙英!
宮子:ゆのっちも落ち着いて!
声を聞きつけたヒロと宮子に羽交い締めにされる2人
ゆの:フンッ!沙英さんの顔なんかもう見たくないですよ
沙英:あー結構だね!私もゆのの顔なんか見たくないもんね!
ゆの:ッチ、ムカつくなぁ……もう!
ゆのは舌打ちをして宮子の腹に肘打ちをする
ゆの:放せよ!
宮子:うっ!
ゆの:ちょっと出かけてきます
沙英:あーいいよ、2度と帰ってこなくて良いからね
ゆの:フンッ、言ってろバーカ!
ゆのはドアを思いっきり閉めて出て行った
ヒロ:もう、何やってるの、ダメじゃない喧嘩しちゃ
沙英:ゆのが悪いんだよ、私の気も知らないで休め休めって
宮子:うーむ、ゆのっちはやっぱり強いですなぁ、うう
ヒロ:宮ちゃん、お腹大丈夫?
宮子:えへへ、ゆのっちに思いっきりやられちゃったぁ
そして、出かけたゆのは川原にいた
ゆの:フン、何だい、人がせっかく心配してるのに……沙英さんめ
ゆのはゴロンと寝転がる
目を閉じると沙英の顔がたくさん浮かんだ
ゆの:あーーーっ!もう!何なんだよ!!
ゆのは近くの石を川に投げつけた
ゆの:顔見たくないって言っただろうが!!出てくるなよ!このぉ!!
石はボチャンと落ちた
ゆの:はぁ、はぁ…ッチ…ふざけやがって
ゆのはしばらくいたが暗くなってきたので帰る
沙英:あれ~?帰ってきたんだ~旅にでも出りゃよかったのにねぇ
ゆの:そんなの私の勝手だろバーカ
沙英:フンッ、可愛くないね
ゆの:ああ!可愛くないね!
顔を合わせれば憎まれ口を言い合う2人
夕食時も視線が合うとそっぽを向くか舌を出す
ゆの:べーっ
沙英:フンッ
ひろし:おいおい、喧嘩してるのか?
みさえ:珍しいわねぇ、何が原因なの?
ゆの:別にぃ?そこのメガネノッポにでも聞いて下さいよ
沙英:バッテンチビの方が色々知ってると思いますがね
しんのすけ(やっぱり女同士は怖いゾ)
そして、寝るとき
ゆのは自分の布団を持って下に行こうとする
宮子:あれ?ゆのっち、下で寝るの?
ゆの:うん、誰かさんと寝たら悪夢見そうなんでね
沙英:そりゃこっちのセリフだよ
ゆの:べーっだ、うなされちまえ!
沙英:アンタは金縛りにでもあえばいいさ!
ヒロ:あぁ、ダメねこれは
宮子:ううう~ゆのっちと寝たいよ~
そして、翌日も変わらなかった
ゆのは本屋である本を見つけた
『恋愛小説の書き方入門』
ゆの:…………
ゆのは本を買った
家に帰るが沙英の顔を見るとムカムカするので2階には行かず、寝室で足の爪を切る
そこへ沙英がひまわりをあやしにやってきた
沙英:ほーら、ひまちゃん……美味しいミルクでちゅよ~
ゆの:フンッ、甘えた声出してんじゃねぇよ
沙英:うるさいよ、黙ってな
ゆの:あれ~?聞こえましたぁ?ひとり言で~す
沙英:わざと言ったのが見え見えなんだよ!
ゆの:うるさいな!ひとり言だって言ってんだろうが!
沙英:そうは聞こえなかったんだよ!
ゆの:あーもう!イライラする!さっきから私に喧嘩売ってんのか!だったら買ってやるよ!どうなんだよ!
ひまわりが声に驚き泣き出す
ひまわり:びえええ~!
沙英:あーはいはい、ごめんね~、全く怖いお姉さんですね~
沙英は茶の間に去って行った
ゆの:はぁ、ダメだなぁ
ゆのはため息を吐いた
ゆの(ホントは仲直りしたいのにいざとなると憎まれ口を言っちゃう……素直になれないよぅ)
沙英も茶の間でため息を吐いた
沙英(ダメだなあ、私って……意地っぱりで……ヒロとの喧嘩で思い知ってるはずなのになぁ)
ゆのは紙にサラサラと何かを書いて2階に行き
買った本と置いた
そして下に行くと沙英とはち合わせる
無言で見つめ合ってスーッとすれ違う
沙英:さて、やるかな……ん?
沙英は茶色の紙袋と折りたたまれた紙を見つけた
開くとそれはゆのからの手紙だった
『沙英さんへ、面と向かってだと素直になれないのでお手紙にしました、昨日はごめんなさい……私、何もわかってませんでした……小説を書く大変さ、締め切りを過ぎたプレッシャー、それを理解せず休めなどと……ホントにどうお詫びすればいいのかわかりません、一緒に置いた物は私からのプレゼントです、お役に立てるかわかりませんが是非1度呼んでみては如何でしょうか、ではこの辺で
木村 ゆのより
沙英:………バカ、あの子はほんっとにバカ
沙英はメガネを上に上げて目をこする
沙英:まったく、目から汗が出るよ
沙英は立ち上がりゆののいる部屋へ向かう
沙英ゆの
ゆの:………あ、沙英さん
ゆのが振り向くと沙英はカバッと抱きしめる
沙英:バカだね、悪いのは私の方なのにあんな手紙なんか書いて
ゆの:だって、ああするしかなかったから……素直になれなかったから
沙英:もういいよ、ゆのの気持ち、わかったよ……一休みするよ、どうせ過ぎてるから同じだもんね……それに、無理して書いたっていい物書けないしね
2人はニッコリ笑って和解した
その後沙英は、見事書き上げた
しかし、2人はまた巻き起こした
沙英:だからほっといてって言ってんでしょうが!
ゆの:ちゃんと寝なきゃダメだっつってんですよ!6日も徹夜なんてあなたバカですか!
沙英:アンタよりは利口だよ!
ゆの:こンのぉ~!やるんですかコラ!
沙英:ゆのがその気ならね!
今日もまた、野原家の1日が始まる
沙英とゆののケンカネタ
ところどころ変えました
ゆのが宮子の足を踏むところを肘打ちへ
宮子とヒロの会話をそれに伴い変更
寝室でのゆののケンカ売ってるかの言葉を敬語からタメ口へ
これも意外とお気に入り
どれを投稿してほしいですか?(最後の回答のキャラは活動報告へ書いてください)
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