ストライクウィッチーズ 鉄の狼の漂流記   作:深山@菊花

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第六十九話です。ついに決着がつきました。どうぞ!


第六十九話「ブレイブウィッチーズ」

『502の諸君。よく健闘してくれた。だが我々にもはや反撃の術は残っていない。撤退だ…』

「撤退!?」

 

無線から聞こえるマンシュタインの言葉に、まさか撤退になると思わず、ひかりは驚く。

しかし、ラルはその言葉を遮った。

 

「待ってください、元帥。我々に策があります」

『何?』

 

ラルの言葉に、無線の向こう側のマンシュタインは思わず目を開く。

そして、ラルは管野を見る。

 

「管野」

「?」

「望みを叶えさせてやる。殴って来い」

 

なんと、ラルは管野に殴って来いと言った。

 

「殴る?」

「グリゴーリを?」

「どうやって?」

 

しかし、ラルの言葉の意味が分からずに皆聞き返す。

 

「隊長?」

「本気ですか?」

「盛り上がってきたぜ!!」

 

サーシャとロスマンもラルに聞く。二人はラルが何をしようとしたから理解したようだ。管野は拳を上にあげて一人盛り上がる。

 

「時間がない、始めるぞ」

 

そう言って、ラルは作業に入ろうとする。

司令部では、ラルの説明を聞いたマンシュタインが頷いた。

 

「そうか…わかった」

 

そう言って、マンシュタインは受話器を下ろした。

 

「出来るのか?そんなこと」

「今は彼女たちに希望を託すしかありません」

 

横に居たマンネルヘイムが聞くが、マンシュタインはこの件を全てウィッチーズに委ねた。もはや彼らに出来る事は何も無い。頼るなら、残りはブレイブウィッチーズだけだった。

 

「落下の衝撃でこんな状態ですが、魔法力はまだ宿っています」

「こんなバラバラなのにどうするの?」

 

サーシャの言葉にニパはどうしたらいいのか聞く。

 

「簡単だ。魔法力を別のものに移せばいいんだ」

「そうだ。そしてそれを、管野の手に移す」

「えっ!?」

 

そんな二パの質問を、シュミットとラルが説明する。しかし、膨大な魔力を手だけに移すなどとても出来る事でなく、下原はありえないと言った様子で驚く。

 

「正確に言うと、その魔法力だけを管野さんの手袋に移植します」

 

サーシャが説明の付けたしをしたため、ようやく下原たちも理解した。

 

「俺の手袋…あーっ!?しまった…」

 

しかし、ここで思わぬ問題が起きた。管野は手袋を今回はしておらず、手元は素手だった。

 

「あっ。はい、管野さん」

 

しかし、ひかりは何かに気づくと、自身のポケットの中を探り出し、中から1組の手袋を取り出した。それはひかりが基地を離れる前に、管野に貰った餞別の手袋だった。

 

「へっ、用意がいいな。借りるぜ、ひかり」

 

管野はひかりの準備の良さを褒めながら、その手袋を受け取り、そして手にはめた。そして、右手を今度は魔導徹甲弾の芯に向けて翳す。

すると、徹甲弾の魔力は管野の方に移っていき、管野の右手は青く光り輝く。

 

「うおぉ…!」

「すごい!」

 

その光景に、他のウィッチ達は驚く。

 

「管野の右手は魔導徹甲弾そのものだ」

「おーい!」

 

その時、遠くから声がする。

 

「あった、あったよー!」

 

クルピンスキーとロスマンが揃ってやって来る。クルピンスキーの手には魔導徹甲弾の内部にあった弾芯によく似たピンク色の結晶あった。

 

「超爆風弾の弾芯よ。やっぱりバラバラに破壊されていたわ」

「使えそうなのはこれだけ」

「ちょうどいい」

 

クルピンスキーはラルに渡すと、ラルはそれを機関銃に取り付けていたロケット弾に括り付けた。これにより、小型ではあるが、超爆風弾が完成した。

そしてラルは、管野の方を向く。

 

「いいな?殴れるのは一度だけだ」

「へっ!一度で十分だ。な、ひかり」

「えっ!?」

 

管野に突然振られたひかりは思わず間の抜けた返事をする。しかし、ここで管野から思わぬ言葉が出る。

 

「えっ!?じゃねえよ。俺の相棒はお前だろ」

「管野さん…」

 

なんと管野は、今まで否定していた相棒と言う言葉を堂々とひかりに向けて言ったのだ。

 

「大隊、おめえの接触魔眼が無きゃ、真コアを殴りようがねえしな」

 

そう言って、管野はひかりに向けて左拳を突き出した。

 

「はい!」

 

それを見て、ひかりも大声で返事をし、そして拳を打ち返した。

そして、ひかりはジョゼに抱っこされている孝美の方を見る。孝美は、ひかりのことを厳しい目で見ていた。

 

「お姉ちゃん…」

「失敗は許されないわ。ひかりに出来る?」

「えっ…それは…」

 

孝美の真剣な声に、ひかりは思わず言い吃る。

しかし、彼女の決断は早かった。

 

「でも、やってみなくちゃわかんない!」

「くすっ」

「ふふっ」

 

ひかりの言葉に、孝美は笑う。それにつられて、ジョゼも笑う。

 

「フッ」

「ふふっ」

「アハハ!言うと思った」

 

二人だけでなく、他のウィッチ達も笑いだす。ニパに至っては、ひかりの言う事をまるで分っていたかのように返す。ひかりは思わずキョトンとする。

 

「ひかり、チドリを使って」

「わかった」

 

そして、孝美は自分の使っていたチドリを、ひかりに譲った。

ひかりはチドリを足にはめると、魔法力を流し始める。ひかりの魔法力を受けたチドリは、勢いよくその回転数を上げる。

そして、ラルはシュミットに聞く。

 

「シュミット、お前ゼロの領域を使えるな。ロスマンに聞いたぞ」

 

その言葉に、ロスマン以外の他の隊員達は何のことかと疑問に思うが、シュミットは目を見開く。

そして、ひかりが代表して聞く。

 

「何ですか?その、ゼロの領域って…」

「簡単に説明したら、未来が見える能力ってやつだ」

「なんだって!?」

 

ラルの説明に、周りのウィッチ達は驚く。しかし、シュミットはラルに聞く。

 

「ゼロの領域で誘導しろってことですね」

「そうだ」

 

ラルは、シュミットのゼロの領域を使い、ひかりを安全に誘導するつもりなのだ。

そして、シュミットはその考えに頷いた。

 

「さあ、奴をぶっ飛ばしにいくぞ!」

『了解!』

 

ラルの掛け声と共に、ブレイブウィッチーズは発進した。

負傷した孝美と、孝美の治療に魔法力を使ったジョゼは、出発したひかりたちを地上から見送った。

 

「そうですよね」

「えっ?」

 

突然、孝美がそんなことを言うのでジョゼは何のことかと思い孝美を見る。

 

「出来るか出来ないかなんて、やってみないとわからない。でも私はひかりに対して、そんな当たり前のことを怖がっていたのかもしれない」

「雁淵中尉…」

 

孝美は、自分自身に心の中でブレーキを掛けていたのかもしれない。そのため、ひかりのように真っ直ぐと行く姿に、僅かながら恐怖心を抱いていたようだ。

 

「今はひかりを信じるしかありません。頑張って、ひかり」

 

しかし、孝美はそんなひかりの思いを信じることを選んだ。ひかりなら、グリゴーリを倒すことができるかもしれない、そう思ったからだ。

 

「この前の戦闘の時、先に真コアを特定したのは確かに孝美だった」

 

ラルは、この間行われたひかりと孝美の勝負のことを振り返る。その時の勝負は、孝美の勝利だった。

 

「だが、よりピンポイントに真コアの位置を特定できたのはひかりだった」

 

しかし、ネウロイのコアを正確に特定したのは、孝美では無くひかりだったのだ。その点で見れば、ひかりの接触魔眼はとてつもない正確なものだ。

 

「一度きりの勝負だ。私はひかりに全部のチップを掛けよう。こいつは、バカしか賭けないギャンブルだがな」

「いいね、それ。僕も乗ったよ」

 

ラルの言葉に、クルピンスキーは乗った。これは普通の神経をしていたら絶対に賭けないギャンブルだろう。しかし彼女たちはウィッチーズ、普通などとは違うのだ。

そして、先頭を飛んでいたロスマンはひかりのほうに振り向いた。

 

「ひかりさん。あなたは決して優れた教え子では無かった。でも努力は誰よりもしてきたわ。費やした努力の価値がどれほどかを、ここで証明して見せなさい」

「はい、ロスマン先生」

「はっきり言えば、ここは卒業試験だな」

 

返事をしたひかりに、シュミットは付け足して言う。しかし、彼女たちの会話は終わる。

 

「雲の生成過程を全て記憶し、分析した結果、グリットH2223、T3358に層の薄い箇所が確認できました」

「了解」

 

サーシャの固有魔法、『映像記憶能力』によって記憶したグリゴーリの形状は、雲の薄い部分を作っていた。

そして下原の固有魔法、『遠距離視』によって、グリゴーリの位置を特定する。

 

「グリゴーリまでの距離、12000!」

「今の進行速度だと、15分でペテルブルクが飲み込まれるわね」

「5分で片を付ける、行くぞ!」

『了解!』

 

ラルの言葉に、ウィッチーズ全員が返事をする。そして、グリゴーリの雲の薄い地点へと向かっていく。

グリゴーリは、雲から雷を発生してウィッチに襲い掛かる。しかし、それは先頭に立っていたロスマンがシールドで防ぐ。

 

「そこだ!」

 

そして、ラルが後方で銃を構え、そこから超爆風弾の魔芯を括り付けたロケット弾を放った。固有魔法、『偏差射撃』を使ったミサイルの軌道は、そのままグリゴーリの雲に突き刺さり、そして爆発する。

その爆発により、魔導徹甲弾を防いだグリゴーリの雲は穴を開けた。

 

「今よ!」

「フォーメーションアロー!」

 

そして、クルピンスキーを先頭に、雲の中にウィッチ達が向かう。グリゴーリは、突入させまいと再び攻撃を加えて行く。

 

「邪魔するな――!」

 

クルピンスキーがシールドを張り攻撃を防ぐと、そのまま穴の中へ入っていく。

そして、中へ侵入したウィッチ達は、内部に待ち構えていたグリゴーリと対峙する。

 

「ブレイク!」

 

サーシャの掛け声と共に、チームに分かれる。ひかりと管野をグリゴーリまで送り届けるクルピンスキーとシュミット、ニパのチーム。そして、その護衛を行うサーシャと下原のチームに。

 

「なんとしても管野さんとひかりさんが本体に到達するまで耐えるのよ!」

「ユニットが悲鳴上げそう!」

「壊しても怒らない?」

 

サーシャの言葉に、ニパとクルピンスキーが言う。

 

「ちゃんと二人を届けられたらね!」

 

そんな言葉に、いつもは怒るサーシャが許した。

 

「右上、敵の攻撃が薄くなっています!」

「マジックブースト!」

 

下原の言葉を聞き、クルピンスキーは固有魔法、『マジックブースト』を使う。それにより、加速をしたクルピンスキーを先頭に、グリゴーリの触手をかいくぐっていくシュミット達。

そして、ここで先頭が交代する。

 

「狼君!」

「了解!」

 

先頭を飛んでいたクルピンスキーから、今度はシュミットが先頭に立つ。そして、後ろに付いてくるひかりと管野を今度は引っ張っていく。

 

「ゼロの領域!」

 

そして、シュミットはゼロの領域を使う。それにより、景色はゆっくりと流れ出し、そしてグリゴーリの攻撃する未来が見える。

 

「右だ!」

「はい!」

 

シュミットは指示をしながら、回避行動をする。ひかりと管野もそれについていくと、先ほどまでいた位置をネウロイの攻撃が通り過ぎる。

 

「次は左だ!」

「はい!」

 

そう言って、今度は左に回避をしていく。すると、先ほどいた位置にネウロイの触手が通り過ぎる。

そして、ついにグリゴーリの触手を通り過ぎた。

 

「クリアだ!!」

「いっけえええ!!!」

 

シュミットは、後ろについてきていたひかりと管野に道を開けた。そして、ニパは大声で叫ぶ。

 

「やあああああ!!」

 

ひかりは左手を伸ばしていく。そして、ネウロイの体にタッチしたひかりに、『接触魔眼』が発動した。それにより、ひかりの目にはコアの位置が特定された。

 

「あっちです!」

 

ひかりはそう言って、ネウロイの体を縫うように進みながら、コアのある位置に向けて進んでいく。途中でネウロイが攻撃を加えようと触手を伸ばすが、ひかりが機関銃の引き金を引き、触手を撃ち抜いていく。

 

「やりやがるぜ。まさかこいつのケツに付く日が来るとはな」

 

管野はそう言って、ひかりのの後ろを付いていく。彼女の中で、ひかりの後ろを付いていくなんて思わなかった。

 

「うおおおお!!」

 

そして、ひかりは大声を出しながらネウロイの体に機関銃を突き刺した。

 

「ここだああああ!!」

「うおおおおおおお!!剣!いっせ―――ん!!」

 

ひかりの示した位置に、管野が雄叫びをあげながら拳を引く。管野の固有魔法、『圧縮式超硬度防御魔法陣』は、魔導徹甲弾の魔力が増幅され、思い切り光る。

そして、管野はその拳をひかりの示したグリゴーリのコアの位置に思い切り打ち込んだ。

 

「砕けろおおおおおお!!!」

 

管野は大声で、表面の体を砕いていく。そして、その奥にあったコアまでそのエネルギーが伝わって行き、コアに大きく罅を作る。

 

「あとちょっと!管野さん、もう一発!」

 

ひかりが大声で管野に言うが、管野の体はぐらりとし、拳は離れてしまう。

 

「もう、鼻血も出ねえ…」

「管野さん!!」

 

そのまま墜落しそうになる管野に、ひかりは慌てて管野の右腕をしっかりと掴む。

その時、ひかりのポケットから掴んだ拍子にある物が落ちた。

 

「あっ!?」

 

ひかりは、その出てきた物を手に持つと、グリゴーリのコアに向けて構えた。なんとそれは、クルピンスキーからもらったお守りである弾丸入りのリベレーターだった。

 

(魔法力を右手に集中させて…)

 

ひかりは意識を集中させると、体中を流れる魔法力を右手に流す。そして、その手に持っていたリベレーターに魔力を伝え、

 

「撃つ!!」

 

引き金を引いたのだった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

ひかりがコアに攻撃をした直後、誰もがその光景を眺めていた。

上空を移動していたグリゴーリが、その雲諸共、体を徐々に白色に変えていく。そして、白色に変わったそれは、一気に爆ぜた。大空に飛び散ったグリゴーリの体は、今度こそ復活する事無く、地上に降り注いだ。

 

「ひかり…」

 

孝美は、地上からその光景を見ながら、ひかりの無事を案じた。

 

「あっ!」

 

その時、孝美の目にそれは飛び込んだ。

魔法力切れで落ちて行く管野を、その手を取って支えるひかりの姿が映った。

 

「えへへ…」

「へへっ」

 

ひかりは、管野に向けて微笑む。それを見て、管野も微笑み返す。

そして、ひかりと管野は地上にゆっくりと降り立った。

 

「ひかり!」

「お姉ちゃん!」

 

孝美は思わず立ち上がると、懸命に足を動かしてひかりに抱き着いた。

そして孝美は、涙を流しながらひかりをギュッとする。

 

「やったね、ひかり!ホントに強くなったね。すごいね、ホントにすごい。えらいね…」

「ううん、私じゃない。皆のおかげ」

 

孝美の言葉に、ひかりは首を振って答える。その言葉に、ジョゼに支えられた管野が「へへっ」と嬉しそうにする。

 

「管野おおおおお!!」

「うばっ!?」

 

その時、管野に向けてニパが思いっきりダイブをする。そのダイブにジョゼは思わずよけたため、管野はそのままニパに抱かれたまま地面を転げまわった。

 

「良かったよおお!!怪我してない!?」

「むぐ…ぶはっ!い、今のが一番効いた…ジョゼ」

「もう魔力切れです」

 

ニパは心配した様子で管野に聞くが、ニパの胸にホールドされた管野からしたら今のアタックが怪我の要因と言えるだろう。そしてジョゼは、それはもういい笑顔で管野に言い放ったのだった。

 

「ふあ――、終わった終わった」

 

そして上空では、クルピンスキーが代表してそう声を出す。他のウィッチ達もそれぞれ解放されたような顔をする。

 

「ふう…」

「お疲れ様」

「お前もな」

 

ラルは息を吐きながら、コルセットの紐を緩めた。そんなラルに、ロスマンは詰め寄って労いの言葉を掛けた。

そして、司令部では兵士たちが書類を打ち上げながら完成を上げる。

マンネルヘイムも、横に座るマンシュタインに手を出し、固い握手をする。

 

「やりましたな、元帥」

「ええ、やってくれました。第502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズ。戦場の魔女たちに祝福あれ」

 

そしてマンシュタインは、グリゴーリを倒したブレイブウィッチーズのことを心から祝福したのだった。

そして、全員合流したブレイブウィッチーズは、編隊を組む。魔法力の切れた管野と孝美とジョゼの三人は、それぞれひかり、クルピンスキー、下原に運ばれていく。

 

「綺麗ね」

「うん」

 

孝美の言葉に、ひかりが答える。雲が晴れ、その隙間から降り注ぐ陽の光がオラーシャの自然を輝かせる。あまりにもきれいな光景に、他のウィッチ達も思わず認める。

 

「もうすぐここにも春が来るわ」

「平和な春だね」

 

そんなとき、誰かから「ぐぅ~」と言った音がする。

 

「っ!」

「クスッ、お腹減りましたね」

 

音源となったジョゼは恥ずかしそうに顔を赤くし、その様子に下原が笑いながら言う。

 

「はあ…腹と背中がくっつきそうだぜ」

「私もです」

 

管野は力が出ないと言った様子に言い、その言葉にひかりも同調する。

その時、ニパのユニットからブスンと言う音を立てる。

 

「う、うわっ!?拙い!」

「ニパさん?また壊したんですか?」

 

焦るニパに、サーシャが横に並んで聞く。

しかし、その横にシュミットがやってきた。

 

「サーシャさん、手出して」

「えっ?こうです?」

 

サーシャは言われて手を出すと、シュミットはその手を突然掴んだ。

 

「きゃあ!?えっ…?」

 

その時、サーシャの左足のユニットから煙が上がり、バランスを崩しそうになる。しかし、ゼロの領域でその未来が見えたシュミットに手を繋いでもらっていたため、落ちずに済む。

その様子に、クルピンスキーが反応する。

 

「アハハ!あの戦闘の後で、まともなユニットなんてないよ」

「じゃあ、全員正座ですね」

 

クルピンスキーの言葉に、ひかりが思わずそんなことを言う。

 

「それより狼君、他の女性に手を出したって彼女に言いふらしちゃうよ~?」

「ちょ、ちょっと待て!私はただ助けただけじゃないか!?」

『アハハハハ!』

 

と、クルピンスキーのとんでもない発言にシュミットは今まで見せたことないほど慌てる。今まで言われっぱなしのクルピンスキーのカウンターは、シュミットにクリーンヒットしたのだった。そしてそんな光景に、皆が大笑いする。

 

「フッ。全く…帰るぞ、ブレイクウィッチーズ」

『了解!』

 

ラルも思わず微かに笑い、そしてブレイブウィッチーズに号令をかける。こうして、任務を終えた英雄、ブレイブウィッチーズは基地に帰投していくのだった。




ついに決着、ブレイブウィッチーズ編はとりあえずの終了を迎えました。そしてシュミット君にもちゃんとオチはあります。
次回からは、新たな章へと向かっていきます。これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
誤字、脱字報告お待ちしております。それでは次回!

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