SAO -Epic Of Mercenaries-   作:OMV

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説明回です。一応、この後の話に繋がる重要な要素の一つです。記録風なので読みづらいかもしれませんが、悪しからず。


閑話 「超兵」

2023年 某日

 

水野 小絵・DAIS二等特尉/戦術オペレーター

 

 

[中国軍・人革連E2計画についての記録]

 

2006年某日、中国軍西部方面軍団麾下の非合法組織「人類革新連盟」、略称「人革連」が党上層部の命令の元、約20人の子供を対象に秘匿人体実験を行った。実験の名称は「脳使用領域拡張計画」と文字通り脳の領域拡張を目的としたものである。成都郊外の山麓にある軍医学研究所で行われたらしく、当時、山麓付近の住民が忙しなく動き回るトラックを何度も目撃している。

 

その実験では多数、多国籍の子供が使用された形跡が残っているという。資料には、日本、韓国、中国、ロシア、ポーランド、カナダ、パキスタン、タイの国々から集められた乳児が非検体として使用された模様。なお、その実験で成功したのは2人だけである。そのうちの一人は、「ローラレイ」のクローンである可能性が高い。その2人は研究施設から脱走し、現在では行方を晦ませている。中国政府は、情報機関をフルに動かし、捜索を続けたが、発見は未だにされていないとされている。

 

被験体の二人は日本国籍の少年と少女は、中国共産党によって多額の懸賞金を掛けられ、裏社会の賞金首となり、その莫大な金額に釣られたり、その戦闘能力を欲した組織が血眼で捜索しているとの事だが、2023年現在でも音沙汰は無い。

 

また、非検体二十人に対して成功例二人という成果に失敗という焦りを感じた人革連側は、中国政府に被験体の追加を要請。諜報組織によって、主に北京の貧困街から拉致した子供を被験体として、第二回の実験が2007年始まった。前回の実験の反省を生かしてか、今回は連れてきた20人全員が死ぬことなく実験に成功。

 

被験体の20人は脳領域拡張によって高い身体能力と「脳量子波」と呼ばれるテレパシーの一種の能力を手にし、声を発さずに会話すること等が会話になったとのこと。

 

その20人は中国政府によって「超兵」という名前を与えられ、党直属の諜報機関所属員として特殊作戦に参加。有名なのは2019年にイギリスで発生したウィンストン元英首相暗殺未遂事件である。四人一組で構成された「超兵」部隊が公務中のウィンストン氏を襲撃。幸い、近辺で警護に当たっていたSPと、緊急出動したSASによって事態は沈静化。「超兵」部隊は二人の犠牲者を出しながらも中国共産党に対して批判的なウィンストン氏を引退に追い込んでいる。

 

その後も幾度となく酷使された「超兵」部隊の消耗率は高く、翌年の2020年に海外諜報作戦で全滅。これ以降、中国では「超兵」の制作は行われていない、という事だが、実際にははっきりとは判明していないとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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