この世すべてに愛を   作:紫藤 霞

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 ドーターに戻っている真っ最中のラムザ一行。

 シーラ、エバンズ、ラムザ、アグリアス、アリスの順番で自己紹介。

 相手もクラウディア、シンシアの順に自己紹介。

 そしてシーラがラムザを引っ張って作戦た~いむ

 

「勧誘」

「いや、でも相手も嫌がるかも知れないし」

「ルカヴィの問題もあるがあの二人も危ないぞ?世間知らず、とは言わないが魔法使い二人旅なんぞ命捨ててるような物だし」

 

 それはそうかも知れないけど、とラムザは抵抗の意思を見せるがシーラがそれを許さない。

 兎に角、勧誘してみてOKならゲルモニーク辞典を見せ、ルカヴィが居る事を教える

 そうすれば良いと言い放つ

 ラムザはそれでも僕は、と言い続けるがシーラが全て遮断する。

 魔法使いが必要なのは前回の戦闘ではっきりしたことでもある

 さらに言えばあの二人は行動こそ危なっかしいが実力は間違いなくある部類である。

 どうしても欲しい、とラムザに有無を言わせぬ勢いで行けばラムザは渋々折れるのであった。

 

「と言う訳で、二人とも異端者の私達とくるかぇ?」

「「異端者!?」」

 

 馬車の中での相談でよかった、と思うほど二人の声が大きかった。

 流石に異端者である事を最初に言うとは思っていなかったエバンズやラムザたちは驚くがそれを尻目に話を続けるシーラ

 

「色々あってな、ラムザ・ベオルブの名前が異端者で乗ってるんだよ」

「そんな風に全然見えないです」

「事実、やってる事は正義の為だったりするから困る」

「それなのに異端者なの?」

「うむ。さて、此処まであった事を話そう。これは嘘偽りないことだ。2人共ゾディアックブレイブの伝説は知っているか?」

 

 其処から話すは聖石の事、ルカヴィの事、ゲルモニーク辞典の事

 それらを話した最初のほうは伝説は伝説だとクラウディアは言っていた

 だが徐々にそれが現実味を帯びてきている事に気が付き、信じられないという表情をとる。

 シンシアはそれに対して冷静であった。

 ルカヴィの事に特に反応しており

 

「聖石がないのでなんともいえませんが聖アジュラの事は分りました。確かにこれが世に出れば大変な事になりますね」

「だ~な。んで、それで此処まで言って勧誘だ。どうする?」

「勧誘ですか?」

「魔法使い居ないからな。ルカヴィとやりあうのも大変そうだし」

「ちょ、ルカヴィとやりあうつもりなの!?」

「既に遣り合ってるし、アルマの妹君も連れ浚われてるしな。どうする?」

 

 言う事は全て伝えた。

 特に、ルカヴィとやりあうのが確実だと言う事もだ。

 此処まで言ってOKを出すのはそうそう居ない。

 シーラも流石に無理だろうと思っていたのだが

 

「分りました、協力させてください」

「シンシア?!」

 

 何とシンシアの方が了承したのであった。

 流石に一緒に居たクラウディアが驚くも

 

「助けて貰った恩もあります。」

「だけどシンシア、それだけじゃ伝説の化物とやりあうには」

「大丈夫クラウディア。私達には奥の手があるのは知っているでしょ?」

 

 奥の手?

 はてそんなもんがあるのだろうか。

 いやよくよく考えてみればあの猛攻の中どうやって生き残ったのか気になってはいた

 

「良いの?僕達に其の奥の手を見せても」

「はい、これから一緒に行くのですから覚えて置いていただけると。見てください『ケアル』」

 

 次の瞬間に回復魔法が”即座”に発動する

 これを見たラムザとエバンズは驚きのあまりシンシアのほうを凝視してしまう

 アグリアスは驚愕のあまり動けなくなり

 シーラとアリスは何が奥の手なのか分ってなかった

 

「ノンチャージだと?!それは実在したのか」

「はい、クラウディアも使えるんですよ」

「シンシアあんたはもう、はぁ、えぇ使えますよ。それと私の得意魔法は回復・補助魔法です。シンシアは逆に黒魔法です主体ですが攻撃魔法全般使えると思ってください」

 

 ノンチャージ

 本来魔法を使うのには時間が掛かる。

 それは魔法の特性の一つであった。

 時魔法使いにヘイストやショートチャージと言った行動を速める魔法や魔法自体の時間を短縮する技術はある。

 あるにはあるのだがノンチャージは別。

 これは本来ありえない技術の一つ

 魔法発動を早めるでもなく、短縮するでもなく魔法を即座に発動させるのである

 

「なるほど、だからあの時あそこまで追い詰められながらそれでも倒せていたのか」

「はい。危ない所でしたけれども」

「とは言え他の魔法使いに見つかったら異端者扱いでしょうけどね」

 

 遺失している技術の一つだ。

 下手に知られれば今行われている戦争の戦局を文字通りひっくり返す事も可能なのである

 魔力の回復さえ出来ればそれだけで強力な魔法を、或いは回復魔法を好きなだけ使える技術。

 正直、存在だけは知っていたがそれが実在するとは思っていなかったラムザとエバンズ

 

「2人とも凄いんだね」

「まぁね。伊達にオーボンヌ修道院に籠もっていた訳じゃないのよ」

 

 えっへんとクラウディアが大きな胸を張る。

 と言う事で、新たに魔法使い2人がメンバー入りしたわけだが

 

「魔法使い用の装備がねぇ」

「あらあら」

 

 元々魔法使いの装備はノックスとゴルドン用に少ししか買っていなかった為予備がないのだ

 如何するかとなった所で本人達の装備が普通にあるからそれで問題ない、というのでそのままにする事にした。

 

 さて、パーティーメンバーになったクラウディアとシンシア。

 当然シーラは隙を見てラムザハーレムの事を切り出す。

 勿論、ラムザの居ない所で、だ

 

「はい、喜んで」

「シンシア、貴女本当にそれで良いの!?」

 

 再びシンシアからは快諾を貰い、クラウディアがそれに抗議する形となる。

 とは言え、それは当然ともいえる。

 あって間もない人のハーレムメンバーに入るかと?と問われて入りますとすぐに言うのだから

 

「でもねクラウディア?」

「何よ、何かあるっていうの!?」

「ラムザ君、格好良いわよ?」

「それだけ!?」

 

 流石のクラウディアもそれだけでハーレムに入るのかというのは問題があった。

 ありすぎた

 

「わ、私は入らないからね!そりゃぁ、危ないところを助けてくれて嬉しかったし、格好良かったけどハーレムなんてそんな」

「ふむ、クラウディア嬢も問題なく入る、と」

「い、言ってない!言ってないわよ!」

「でも、悪い勘定持ってないだろ?」

「そりゃぁ、この短時間で悪い印象持つわけ無いじゃない」

 

 シーラは思った。

 ツンデレだ!まさかのツンデレ枠が来た!と

 何しろ顔を真っ赤にさせてそっぽ向いているのだから

 

「其れならしょうがない、取り合えずラムザハーレムの事はおいておいて、これから宜しく頼むぞ」

「はい、宜しくお願いします」

「まぁ、宜しくね」

 

 ラムザハーレムへの道がまた一歩近づいたのであった。

 

「くっくっくっくっく。これだけ居ればラムザもそうそう一人で暴走など出来まい」

「シーラ、何かたくらんでいる顔しているが何を企んでいる?大丈夫なのか?」

「全く持って問題なし!」

 

 不安だ、と一言零すエバンズ。

 弟の様なラムザがどうなるのかが気がかりでならない。

 兎に角、何かあったら助けようと思ったエバンズなのであった

 

「見ていろラムザ!この世の男達の夢をかなえさせてやろう!は~っはっはっはっはっはっは」

 

 割と本気で、何かあったら好みに変えても守ろうと思った、エバンズであった。

 

「本当の本当に大丈夫なんだろうなぁ!?」

「は~っはっはっはっはっはっは!」

 

 

 




チートキャラ説明

シンシア
黒魔法を主体とし時魔法、召喚魔法を得意とするキャラ
おっとりとした性格だが決断は早い。
ラムザハーレムに入るのにも何のためらいも無かった

クラウディア
シンシアが攻撃なら此方は回復、補助がメイン。
特にクラウディアは魔力が高いのかケアルの魔法で普通の魔術師のケアルラクラス迄高い回復力を誇る。

ノンチャージ
チートアビリティ
本来は敵しかそれもボス級でなければ使えない筈の技術
どれだけがんばっても、原作では覚えません

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