この世すべてに愛を   作:紫藤 霞

6 / 18
戦闘シーンって、長くなるなぁ。



6

「アラグアイの森に二人で行くって書置きがあったかでしょ?なんか嫌な予感がしたから三人で追いかけたんだよ」

「何と言うか本当にヒーローは遅れてやってくるもんなんだな。ラムザ、全体指揮をシーラは今突撃している真っ最中」

「うん分った。アグリアスさん、アリスさん二人とも前に、魔法使いの二人の方も僕の指揮下に一時的に加わってもらえる?」

「生き残れるならなんだってするわよ!目標は?」

「此処に居るゴブリンたちの殲滅。そんな難しい事じゃないから大丈夫だよ」

 

 ラムザが難しい事ではないというのなら、そうなのだろう。

 エバンズにはあそこまで言う自信は無い。

 何時もは優男みたいな感じなのに事戦闘になるとまるで別人のようになるからラムザは凄いのだ

 魔法使いの二人

 白魔法使いがクラウディア

 黒魔法使いがシンシア

 という名前だそうだ

 

「ならクラウディアさんとシンシアさんはすぐにクリスタルに行って回復後は一時待機してて。戦線に戻れる様なら追って指示を出すから」

「分かったわ!」

「分りました!」

 

 二人が回復に向かうとアグリアスとアリスの二人はチョコボに乗ったまま突撃する

 

「エバンズさんは狙撃を、出来るだけ足を狙って打って」

「了解した」

 

 いったん休憩に入っていたクラウディアとシンシア。

 だがすぐに戦線に復帰する。

 そのためラムザはクラウディアにはケアル・プロテスの魔法、シンシアにはブリザラの魔法を使うのを指示すると自らも突撃していった。

 戦局はこれにより大きくパワーバランスを崩す事になった。

 撤退戦も危うかったエバンズ達だったが本来の前衛であるラムザ、アグリアス、アリスの三人と合流した事で連携を取り戻し

 さらに魔法使いの魔法によって傷を癒し、あるいは敵を氷で貫いていく

 ゴブリン、ブラックゴブリンの数は見る見るうちに減り始め次第に集まっていたゴブリン達の方が逃げるようになっていく。

 

 そんな中、ゴブリン達を指揮するものを見つけたラムザ

 

「皆、ガルブデガックだ!あれを倒せばゴブリン達は崩れるよ!」

 

 ガルブデガック

 ゴブリン種の最上位モンスターで滅多に其の姿を確認する事は出来ない。

 多くのゴブリン、ブラックゴブリン達を引き連れ人を襲う事で有名であった。

 成程、ここに来た者たちはこいつらにやられたのであろうと考える

 白黒魔法使いのクラウディアとシンシアの二人は詰まる所非常に運が悪かった、という事だった

 

 シンシアのブリザラが多数のゴブリン達が変化したクリスタルや宝箱の山を作り

 聖剣技を使うアグリアスとシーラが同じ位のクリスタルや宝箱の山をやっぱり作り

 ラムザは指示を出しながら何と其の倍の量のゴブリンやブラックゴブリンを倒してクリスタルや宝箱の山を生み出していく。

 あたり一面、回復するに困らないどころか移動しながら無限回復できるレベルでクリスタルが生み出されていった

 

「やっぱり、ラムザの強さが異様だな。なんだあの強さ?あれで見習い戦士だって言うんだからジョブってわからねぇなぁ」

「本当だな、私とアグリアスだってがんばったのに何でその山よりも多くの敵倒せるんだろう?」

 

 タイミングよく、シーラが回復に戻ってきたところでちょっとした会話をする。

 ラムザの方をよくよく見れば其の異常性についても納得出来る物が見えてくる

 アグリアスやシーラ、シンシアはたびたび回復に戻っているのに対してラムザはほぼ常に前線に立ったままでしかも全体指揮までしているのである。

 回復に戻る回数が極端に少ないのだ。

 だからこその討伐数なのであるがそれを見ているシーラとエバンズからみれば

 

「やっぱり、死に急いでいるようにしか見えん」

「確かにな。引き止める行為があまり効果を発揮していないのか?」

「いや、一応あれで何時もよりも討伐数が少ないからそれなりには効果あるだろう」

「アグリアスさんとアリスさんの援護に回っているところもあし、止めをシンシアさんに任せている部分も大きいか」

 

 いつもなら単機突入単機撃破が常だったラムザの行動に変化は確かに見受けられる。

 エバンズの言ったとおり、援護にも入るようになり劇端数は減った。

 確かに減ったのだがそれでもアグリアスやアリス、シーラよりも多くのゴブリンを倒しているのであった。

 

「あ、やっぱり魔法が間に合ってない」

 

 シーラが前線に戻り、二刀流+聖剣技で倒しながらラムザの様子を見る。

 やはり急造のコンビネーションとなるラムザ・シンシアペアの援護が間に合わない事が多い。

 このままだと危険と判断したシーラはさっと飛び出すとラムザの補佐に入る

 

「シーラさん?」

「お前の怪我が治らんうちに新しい怪我とか見たくない。援護に入るから暴れて来い」

「うん、ごめんね?」

「誤る位なら後方援護に徹して欲しいがな。っラムザ一歩下がれ!不動無明剣!」

 

 シンシアの魔法を潜り抜けてきたゴブリンに聖剣技を叩き込む。

 ラムザも其の声に反応して下がっていたので無傷、対応できなかったゴブリン達は聖剣技で一掃される。

 ラムザはさらに其処から近くに居るゴブリンに斬りかかっていくラムザ

 

「皆!あと少しの辛抱だから耐えて!エバンズさん!狙撃中止、攻撃に回って!シンシアさんと同じ敵を狙うように!」

 

 返事の変わりにシンシアの魔法に耐えたゴブリンに銃を向け其の頭を吹き飛ばす。

 さらにエバンズはシンシアのほうに寄ってシンシアの狙うゴブリンを攻撃し始める

 たまに援護なしで倒しているのを見てシンシアは

 

「凄いですね、奥の2体、狙えますか?」

「ん、任せろ」

 

 

 こうして、ガルブデガック率いるゴブリン集団の壊滅は成功。

 馬車に戻ったメンバー、特にクラウディアとシンシアはもうだめとばかりに馬車で横になることに。

 それ以外のラムザパーティーはアラグアイの森をゆっくりと西へ、貿易都市ドーターに戻るのであった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。