この世すべてに愛を   作:紫藤 霞

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 白魔道士問題はひとまずおいておき、ラムザの兄に会いに行くことにしたラムザ一行。

 途中炭鉱都市ゴルランドにてオーラン・デュライという青年と出会い盗賊団を倒すことになったが何の問題も無くあっさり撃破。

 そしてそのオーランとまた会おうと言う約束をしてから王都ルザリアに到着したラムザ一行。

 兄である聖騎士ザルバックにはラムザ一人出会いに良き自分達はお留守番をすることに

 

「ラムザさん、大丈夫でしょうか?」

「何も心配することは無かろう。で、シーラは何をやっている?」

「ん?ラムザハーレム計画の概要でもまとめようかと」

「らむ、なんだと?」

 

 アグリアスが厳しい表情でシーラを睨み付ける

 アグリアスにとっての剣であるラムザの事だ。

 しかもハーレムと来た物だからかなりご立腹のご様子

 

「アグリアス、アリス。誤解の無い様に聞くが今のラムザを見てどう思う?」

 

 死に急いでいるようじゃないか?

 そう問われた二人は眉をひそめる

 ディリータと出会い、ルカヴィと戦ったラムザ。

 そのラムザを最も近くで見てきた二人にはその心当たりが無いわけではなかった

 

「だが、それとハーレムとどう繋がる?」

「生き抜いて貰うための方法だそうだ。俺も賛成している」

「エバンズ、お前までか」

 

 アグリアスにあきれた様な様子で言われてしまう。

 だが、実際にラムザの様子を見れば死に急いでいるのと大差はない。

 あの伝説のルカヴィにたった一人で挑もうとしていたのだ。

 死にに行くのといったい何が違うと言うのか

 

「そこでアグリアスとアリスの出番わけだな」

「あの、シーラさん?私たちに何をさせようと?」

「エッチな事してラムザを篭絡させようと思っている」

「なぁあ?!」

「えぇえ!?」

 

 アグリアスとアリスの口から驚愕した声が出る。

 それも当然だ。

 いきなり寝耳に水な事を言われてしまえば誰だってそうなる。

 やっぱり驚くよなぁとうんうんと頷くエバンズ

 

「な、何を?!わ、私はラムザの剣でありそんな」

「そ、そうですよ!確かにラムザさんからは離れたくありませんがそんな」

 

 無理無理、無理だと言う二人。

 とは言えここまでは予想道理でありシーラも想定していたこと

 

「よく考えろ二人とも。ハーレム計画を実行に移すのは確定としてお前さんたちの参加も重要なんだぞ?」

「だから!いきなりそんなことを言われても困ると言っている!」

「ラムザに死んで欲しくないからな。急ぎもするさ」

 

 基本的にラムザの戦い方は兎に角前線に出て敵と真っ向勝負をするのが普通である。

 別にそれが悪いとは言わない。

 だが、それが良いとは決して限らないのである

 

「本当なら指揮官は後ろでデデンとして欲しいのに前に出ると言うのはなぁ。それにあの戦い方じゃぁいつか死ぬぞ?」

「それは、そうかも知れませんけど」

 

 前衛に居ながらの指揮

 これほど難しいものは無い。

 それを簡単にやってのけるのはラムザだからであり他のものには真似出来ない事である

 だが、その代償もまた看過出来る物でもない

 パーティーメンバーで一番怪我の多いのは誰であろうラムザなのだから

 

「ラムザの事だから私達に死んでもいい、なんて欠片も思っていないだろう。だから私たちに怪我をさせたくないとばかりに前に出ているラムザだ。どうにかこの世に未練の一つ二つ残させないと本当に帰ってこなくなるぞ」

 

 これは直感ともいえる確信であった。

 この先、何が起こるかわからないがラムザが遠くに行ってしまうかも知れない。

 そう思うようになっているシーラ

 その言葉を聴いてアグリアスもアリスも黙ってしまう

 

 話を続けようとしたときに声が聞こえてきた

 ラムザとアルマが話をしているのが城門の外から聞こえてきた

 

「あの馬鹿、私たちをここに置き去りにするつもりだな」

「急いでいくか」

 

 荷物を持ちラムザを追いかけようとした次の瞬間、また、城門の外から声が聞こえた。

 誰かわからない声の主

 誰だとアグリアスがエバンズとシーラに顔だけを向けて問いかけるがどちらも知らぬとの事

 話が続けばなんとラムザを異端者扱いし始めたではないか

 

「異端!?異端審問官だと!?」

「何でそんな奴が出てきたんだ」

 

 驚く四人

 話を聞けばドラクロワの殺害容疑だと言うではないか

 

「確かに言われたら其の通りだけど!」

「ドラクロワがルカヴィという化物に変わったので倒しました、なんていって聞くはずは無いか」

 

 荷物を捨てるように投げ捨て戦闘体勢に移行する四人

 其の間にもラムザはアルマを庇いながら戦いを始めるのであった

 

 

 戦闘が終了し、アルマが一時的に仲間になった。

「アルマ・ベオルブです。少しの間ですがよろしくお願い致します」

「うぃ、よろしく。だが、もっと砕けた口調で構わんぞ」

「そうそう、ここにい居るメンバーは君よりも格下何だからね」

「いえ、そんな事は。でも、砕けた口調の方がらくだからこっちにさせて貰うわね」

「改めて宜しくだな、アルマ嬢」

 

 シーラとエバンズの二人がアルマに挨拶する。

 この二人、仕官学校時代に顔を合わせる機会があった。

 だが、話す機会は無かったのが、顔を合わせる機会があった事が功を奏して打ち解けあうのにそんなに時間はかからなかった

 アグリアスやアリスは緊張していたがそれでも多少は打ち解けることが出来るようになっていく。

 そしてシーラはラムザハーレムの事をアルマに切り出した

 

「そうね、確かに兄さんには必要かもしれないわね」

「だろ?ちなみに候補はこのアグリアスとアリスの二人だ。出来ればアルマもハーレムに入れば良いんだが」

「私? 妹なのに?」

「ラムザはどうもシスコンのけがある気がしてならぬ。お前さんの為なら命だって掛けそうなんだよなぁ」

「アルマ嬢はそういうこと感じたことあるのか?」

 

 シーラは砕けた口調で、エバンズも砕けた口調に加えアルマに嬢とつけて話をしていく。

 アルマ曰く、そういうのが思い当たる節があるらしく妙に納得していた

 

「心の其処では大切な家族なんだと思うが恋人でも問題ないと思わぬか?」

「良いわね、兄さんの恋人っていうのは。其の案、載ったわ」

 

 アルマも大概良い性格であった。

 ハーレムについても特に問題は無い様子でありラムザなら妾だなんだで愛する事を差別しないだろうということである。

 それはいつものラムザを見ていればわかる。

 そんな感じでラムザハーレムは本人の知らぬ所で着々と進められていくのであった。




アルマって、実は味方にいる時期が凄く短いキャラなんですねぇ

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