ばちばちと火花が散る。
焚き火の炎は未だ消える気配はない
「現状を加味すればアグリアスさんとアリスさんの二人はハーレム入りだな」
「そうなのか?」
「そうなのだ」
そういうことに疎いエバンズ。
まぁ、シーラがそういうのならそういうことなのだろう
「後は魔法使いがほしい。できれば早急に白魔導士辺りが」
「居なくても戦えているが?」
火の中にまきをくべながら真剣な表情をするシーラ
戦えているのになぜ必要なのかと問いかけるエバンズ
そしてシーラの重い口が開く
「戦った後のポーション漬けは飽きた」
「それが本音か」
「だってなぁ~」
まじめに考えていたのがそれであった。
ただエバンズもまたそれにはある意味賛成でもある
「ま、ポーション代も馬鹿にならないからな。白魔道士はほしい所だな」
「ラムザが指揮しているとはいえ基本脳筋の集まりだからなぁ」
「それをお前が言うか。まぁ、その問題もどうにかしないとな」
だよなぁという声とともに夜の警戒に戻る二人。
翌朝
「と言う訳でラムザ、白魔道士位は欲しいんだがどうにかならんかね?」
「どうにかと言われても」
返答に困ってしまうラムザ。
何しろその白魔道士を除名したのは紛れも無く自分なのだからどうにかと言われても困ってしまう
確かに、指示をしながら敵の攻撃をすべてかわすことは困難を極める。
だがそれ以上に問題なのは
「仮に、メンバーに入ったとしてルカヴィはどうするつもり?」
「んなもんこのメンバーで脳筋アタックを」
「まじめに聞いてるんだよ?聖石があんな強大な魔物を生み出すのなら被害を受けるのは少ないほうが良い。だから僕はみんなを」
「いや待てラムザ、割と今のは割と間違いではないぞ」
「エバンズ?」
「記憶に新しいだろ、ルカヴィと戦ったこと思い出せ。魔法の詠唱を狙われてノックスがやられただろ。脳筋アタックと馬鹿みたいな名前を言っているが大まかには間違いではない。それに魔法よりもアリスの二刀流の攻撃の方が相手がよろめいていたぞ」
それを聞いたラムザはひとつ悩む。
確かにドラクロワが変身したルカヴィに魔法の効果は薄かった。
それに対してアリスの二刀流やエバンズの銃撃は効果があったかのように思える。
そして相手は広域の魔法をチャージ無しで打ってきたこともあった。
それらを加味すれば確かに脳筋アタック、詰まる所物理攻撃を主体にすべきだと言うことなのはわかる
「だからこそ、魔法使い、可能なら白魔道士が欲しい。もともと居たノックスはルカヴィとは戦いたくないと言って出て行ったのだから新しい白魔道士が、だ」
「だけど難しいのではないだろうか?これから先、またルカビィと戦う羽目になるとも限らないだろう?」
「だから欲しいんだけどね~。脳筋部隊だけで戦えるほど甘くないと思うからのぉ」
エバンズ、アグリアス、シーラの順にそう話す。
ラムザも成程、と一つ頷いてから
「でも、加入してくれる人居るかな?殆どの人は説得して除名しちゃったし」
「除名したメンバーはあのままで構わんだろう。元々ノックスとゴルドン以外は物理系職業者ばかりだったしな」
「でも、ルカヴィは」
「守れば良い。魔道士たちを守れなくてルカヴィが倒せない状況があるだろうからな」
その後、小一時間程魔道士加入希望のシーラ、エバンズの説得とその説得に納得したアグリアスによる説得でラムザが折れた。
さらにそこからシーラはいう
「それと、可能なら魔道士は女のほうが良い」
「?それはどうして」
「元々の素養、と言うべきなのか男性より女性の方が魔法の素質が高い」
これもラムザが士官学校時代に習ったことの一つである。
何故だかは知らないが基本的に男性は前衛物理攻撃職、女性は後衛魔法職が向いていると習ったからである
「欲しいのは白魔道士。このメンバーに置いて回復できると言うのが居ないからな」
「戦闘中ならモンクのチャクラで回復も出来るけどやっぱりこういう風に戦闘中じゃないときはのんびりと白魔法で回復したほうが傷の直りが早いからな」
其処まで言われてしまうと確かにと思ってしまうラムザ
とは言えだ
「そういう人材が居たらね。今はチャクラで我慢して?」
ラムザも現状がわかったとはいえ今は譲歩して欲しいと願う。
シーラとエバンズの二人も現状を把握しているため早めに頼む、と言うだけに止まった。
なかなかどうして、難しい問題だなと思うラムザ
ラムザは知らない。
これがラムザハーレムの一環である事を