この世すべてに愛を   作:紫藤 霞

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新年明けましておめでとうございます。
ナメクジ並の更新ですがどうぞお許し下さいorz


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「剣聖かぁ、師事されてみたかったなぁ」

「あぁ、御歳になられてなお顕在の妙技の数々、見てみたかったな」

 

 珍しく、シーラとアグリアスがちらちらとラムザを見ながらそんな事を言っていた。

 

 オルランドゥと合流したラムザ一行は無事べスラ要塞を抜け出る事に成功していた。

 そこで、ラムザがオーランと分かれる直前に、やはりオルランドゥも一緒にオーランと居た方が良いと提案したのであった。

 無論、之はオルランドゥが邪魔だといっているわけではない。

 戦力的に見れば仲間になってもらえるだけでかなりの戦力アップが望めるのは間違いない。

 だが、ラムザが追っている神殿騎士団はあのルガヴィになるのだ。

 簡単に戦力を増やすわけにはいかなかった。

 之には流石のシーラも反対意見を述べるのであったが、何よりもラムザが心配していたのは

 

「出来れば、私の友を助けていただきたい」

 

 ラムザが気に掛けている相手。

 当然ディリータである。

 そして、不思議復活を遂げたティータ。

 この2人をどうにかして生きていて欲しい。

 そう願ったからこそ、ラムザはオルランドゥに頼み込んだのだ。

 最初こそ渋った物の、ラムザの本気の意志を汲み取り一路オーランと共に行動をすることになったオルランドゥ。

 そのことで、シーラとアグリアスからちょっと言われるようになったのであった。

 

「あぁ、もう。2人とも終わったことなんだから諦めてよ」

「終わったことだからこそ諦め切れんのだぁ!」

 

 シーラとしては多くの剣技を知るオルランドゥから習いたかったのであった。

 最も、一般の剣士で覚えられるのは数少ないのだが。

 と言うか聖剣技とは言え覚えられるシーラが可笑しいのだが

 

「そういえば、エバンズは如何したの?」

「ん?あぁ、ベスラ要塞で自分の攻撃で相手を倒しきれない事が多く合ったからちょっと銃をいじってみると言っていたぞ」

「そっか。銃ね。本当はボクもどうにかしてあげたいんだけど、でもあれ以上の銃となると」

 

 そう、エバンズの持っている銃以上、となると早々簡単には見つからない。

 そもそも今もって居るフォーマルハウト自体、店で売っているものではない。

 これ以上のものとなると話に聞く魔法銃くらいでは無いだろうか?

 

「まぁ、エバンズも援護に徹するのが一番だと判ってはいるみたいだからな。高い威力を求めすぎる事はあるまいて」

「エバンズには何時も助けられているしね」

「私ほどじゃないがな!」

 

 えっへんと無い胸をはるシーラ

 その様子を苦笑しながらランベリー城を目指すラムザ一行。

 

 ザーギトスを抜けてさらに先に進もうとしたところで山賊に出会ってしまう。

 相手は山賊・爆裂団。

 この界隈では有名な盗賊の一味である。

 とは言え、此処まで百戦錬磨、さらには怪物の相手までしてきたラムザたちがそんな雑魚になど負けるはずも無く

 

 「不動無明剣!不動無明剣!不動無明剣ったら不動無明剣んん!」

 

 八つ当たり気味のシーラの聖剣技で一振りで1人ずつ相手を倒していくラムザ一向。

 シーラの独壇場となったこの場面では特にやることが無い。

 有るとすれば討ちもらした敵が来るのを倒す事だが、それはエバンズが見逃す筈はなかった

 

「まぁ、剣士としてみればあいつの気持ちも判らないでも無いからな」

「エバンズでも、やっぱりそうなの?」

「獲物は銃とは言え剣も扱えるからな。もし可能ならオルランドゥ伯に師事して貰いたかった、かな?」

 

 そんな事を言いながら忍者・シーフ・弓使い等で形成されている爆裂団はこの日完全に壊滅したのであった。

 こうしてゲルミナス山岳にて思わぬ襲撃を受けたラムザ一行。

 とは言え損害らしい損害は受ける事無く、そのまま先に進んでいく

 

「だぁ!復活してくるぅぅ!エバンズ早く援護よ~こ~せ~!」

「今やってる真っ最中だ!我慢しろ!ラムザ次は?!」

「僕とシーラさんの方は大丈夫だからアグリアスさんのほうに!」

 

 ポエスカス湖では聖石を狙った幽霊の集団に襲われる。

 行く先々で敵に遭遇しているラムザ一向。

 今回は少々厄介でエバンズの持つ機工士の邪心封印で石化しないと倒せない相手であった。

 無論、全てが全てエバンズだけが倒せる、と言うわけではないのだが相手は幽霊。

 しかも、この世に未練を残した相手である

 そういう相手は中々成仏する事が無く復活してくるのであった

 

「うがぁぁぁぁ!ラムザちょっとチェンジ!」

「シーラさん我慢して!アグリアスさんはアリスさんの援護に回って!クラウディアさんとシンシアさんは幽霊にケアル・レイズ系で!エバンズは残りの魔物を優先、封印して!」

「なんか私に厳しくないかラムザぁぁぁぁぁ?!」

 

 そんな、シーラの声を湖に響かせながらポエスカス湖の敵を石化、封印していくのであった

 

 

 そしてランベリー城まで一息の所で一度休息を取る一行

 

「さて、ランベリー城まであと一息と言った所だけど、どうする?やっぱり正面突破?」

「うん、幾つか案が無いことも無いけど人でも足りないし」

「この面子で城攻めは容易では無いんだがなぁ」

 

 シーラの意見は最もであるが、数がいないことにはしょうがない。

 まぁ、正面突破を仕様と言う事で話はついた。

 そしてもう一つ

 

「エバンズや」

「ん、どうした?」

「寝ずの番、私達2人でいけるか?」

 

 その言葉の裏の意味、ラムザハーレムに乱交させても良いかと言う問いである。

 返答に詰まってしまい喉の置くからぬぅ、と一声出してしまう。

 本来なら此処まで来たなら止めさせるべきであろう。

 だが、これからの事を考えるならば

 

「構わないだろう。ここまで強行軍だったんだ、一息入れた方が良いだろう」

「よし!ラムザラムザラ~ム~ザ~!」

 

 エバンズの返答も受けたシーラは笑みを浮かべてラムザを呼ぶ。

 なんだろうと思ってラムザ来た時にはラムザハーレムが揃っていてシーラがとても良い笑みを浮かべていた

 

「あの、えっと」

 

 きょろきょろと辺りを見回しエバンズを見つけるとアイコンタクトで

 

(エバンズ、助けて)

(諦めろ、ラムザ)

 

 そう、会話して見せたのであった。

 そしてアグリアスを筆頭にずるずるとテントに連れ込まれるラムザ。

 一緒に入るアリス、シンシア、クラウディア

 計五人が一つのテントに入りもぞもぞと蠢き始めていく

 

 

 はぁ、とため息を一つ零してから

 

「慣れていくって、怖いな」

「? どしたのエバンズ」

 

 ため息に反応したシーラがエバンズに問いかけるもエバンズは何も言わず首を唯左右に振って

 気にするな、と返答した。

 エバンズがそういうならそうなのだろうと特に気にしないで寝ずの番をする2人。

 話題は特に無い

 いや、無い事も無いが特に今話さなければならない事は無い

 そんな中エバンズの口が開かれる

 

「ランベリー城、どうみる?」

「今迄で一番の激戦、だろうな」

 

 ランベリー城攻略作戦

 正面突破と決まった時から其れはわかりきったことだ。

 たった七人。

 たったの七人でその数十倍以上の敵を相手にしなければいけない。

 しかも、その上でルガヴィが出てくる可能性さえある。

 最悪の最悪を考えれば人数が足りないではすまない

 

「とは言え、だ」

「ん?」

 

 次はシーラが口を開く

 その内容はランベリー城の事ではなくラムザの事

 

「ラムザ、今回は特攻するのを少し躊躇う場面が幾つか観られたのはやはりラムザハーレム計画がうまく言っている証拠だな!」

「そう願いたいがな。まぁ、幾つかの前線をお前やアグリアスさんたちに任せるようになってきたからな」

 

 それでも討伐数は変わらないのだからラムザの強さは何処にあるのだろうかという疑問がわく

 とは言え、だ

 

「以前はあと1人2人入れる必要があると思っていたけど入れなくても良いかも知れないな♪」

「有れ以上だとラムザが物理的に使い物にならなく」

 

 其処で言葉を切って前回の様子を思い浮かべるエバンズ

 多分、1人2人程度増えても大丈夫だと思い直してしまいそうになる

 

「まぁ、ラムザ次第、だな。」

「あとはアルマ嬢、助けられると良いな」

「なんでアルマ嬢をさらったのかも判らない以上、下手に手を出せないのが痛いところでは有るがな」

 

 アルマが聖石に反応した事を知らない二人

 いや、ラムザ一向。

 もしそのことを知っていれば是が非でもアルマ嬢を奪還していたかもしれない。

 だがその事を知るのはまだ先のお話

 

 


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