「まさか、聖石にあんな力があるとはなぁ」
「正しい心で使えば伝説は正しい心に反応するという事か」
マラークが大公に殺されたが、ラファの祈りに聖石が反応した。
遅れて屋上にやっていたラムザたちはエルムドア卿との戦闘を行った後、その奇跡を見たという。
残念ながらその時はシーラとエバンズは城の中を駆けずり回り見ていなかったが
「ゲルモニーク辞典、もしこれが完全に翻訳されていれば状況が変わっていたかもな」
「シモンさんが生きていれば、だがな」
惜しむは時間もなければシモンも亡くなっている事であろう。
今あるゲルモニーク時点を必死に読み解くしかない現状
書かれている文字の解読には時間が掛かる。
戦闘の合間に解読するのは少々難しいといわざるを得ない
「まぁ、でも嫌な奴ではあったがマラークが生き返ってよかった、と言う所か」
「ラファにとっては大事な兄だからな」
ラファ、マラークの2人は後はひっそりと暮らしたいという事でパーティーからもう既に外れている
元々敵であったこともあるし特に誰も反対はしなった。
特殊な魔法をつかう、というのは魅力的なものではあったが
「それにしても今回はシンシアとクラウディアの欠点が露見したな」
「ノンジャージで魔法使う場合、あんなにも早く魔力を息切れするとは思ってなかったからな」
そう、戦闘において課題も出来たのである
シンシアとクラウディアの2人
この二人の魔力回復がうまく回らないのであった。
アラグアイの森では敵が山のようにいたし回復用のクリスタルも大量にあったためごり押しが出来たが魔力回復が出来ないとなるとかなり不利になる。
エリクサーを使う、と言うのも手段の一つではあるのだが
「アイテムがなぁ、多分ルガヴィ戦では足りなくなるんだろうなぁ」
「其処だよな。一度ドーターによってもらうか?」
「毛皮骨肉店か?あそこはいい品があるが量がなぁ」
「2人とも、何か問題があったの?」
「ラムザか」
そんなことを言っているとラムザが現れ話に加わる
毛皮骨肉店で仕入れるものありと言えばありなのだが絶対量が足りない事を説明。
このままだとルガヴィ戦でシンシア、クラウディアがどうにもならないことを説明
「確か、あの2人……暗黒騎士になれるんだよね」
「なぬ?」
暗黒騎士。
最近見つかった新しいジョブであり、その条件もあいまいなジョブなのである。
それでもラムザ、アリス、アグリアスの三人はその条件を満たしているらしく暗黒騎士になれるのであるが
以前ガフガリオンの剣技であった暗黒剣をさらに強化したものであった。
「剣、かぁ。ルーンブレード装備が一番か?或いは二刀流もって入れば楽なんだが」
「2人とも前衛職はそれしかもっないって。剣装備は出来るからルーンブレードに成るんじゃないかな?」
「あの2人も大概反則だよなぁ」
「アグリアスさんしか出来ない聖剣技を覚えたシーラさんがそれを言う?」
取り合えず、魔力回復については問題は解決、と言う事にした。
後問題なのは
「エルムドア卿が敵、か」
「うん、ちょっと信じられないよね」
「あの人、ちょっとやそっとの実力ではこっちが手痛い反撃を受けるからな。なんで骸騎士団にさらわれたのか謎が多いが」
そう、実はラムザには黙っていたが其処が一番の謎だったりするのだ
何しろ実力ではかなり上位
それをさらうと成るとウィーグラフクラスでも梃子摺る。
いや、ウィーグラフの骸騎士団時代の装備を考えれば不可能だった筈。
それを簡単に浚ったとなればやはり裏があると考えざるを得ない
「考えたくは無いけど」
ラムザがポツリとつぶやく
その言葉にシーラもエバンズもその先を待つ
多分、言葉にするのもためらう事なのだろうと思いながら、その言葉を待った
「ダイスダーク兄さんが裏で手を引いていたんじゃないかなって思う」
「根拠はあるのか?」
「当時の情勢を考えると、エルムドア卿っていう札は敵に回したくないものだったと思うんだ」
エバンズは多分それが当たりだろうと思っている。
ダイスダークとラーグ公辺りが手を組み、其処から骸騎士団に流した、と考えるの妥当だろう。
此処まで来たのだからまず間違いは無い。
妙な確信を持ってそれが正解だろうと心の中で思う。
口に出して言うには、ラムザには厳しい事だろうから
「兎に角、そのことは後回しだな、エルムドア卿を追わないといけないだろう?」
「もう、卿なんてつけないでエルムドアで十分な気がするがな。如何するラムザ」
「追うよ。アルマが居るかも知れないから」
「とは言え何処に行けばよいのやら」
情報が少なすぎて何処に行けばよいのか皆目検討も付かない。
そんな折ラムザは既に次の目的地を考えていた
「ゼルテニア城に行ってディリータに会おうと思う」
「ディリータ、成程教団、神殿騎士団に所属している奴なら何か知っているかもな」
シーラは納得したように言い、ラムザの意見に賛成する。
ラムザはエバンズのほうを向いてどうかと聞いてくる
「ラムザが一度決めた事だ、反論する理由はないな」
こうして、ゼルテニア城へ行く事が決まったのであった